ソロツーリングの目的は？はじめに
私の実家のトイレには窓があり、用を足しながらのどかな山里の風景を眺められます。朝起きてトイレへ行き、窓から差し込む御日様の光に誘われてツーリングへ行くこともしばしば。そんな思い付きで出発するツーリングが実り多いわけがなく、当時私は絵になるようなツーリングをしたことがありません。どうも！暮らし～のでライターをしておりますhosokawa_takaです。
目的地や行き先の決め方について考える
ところが近ごろ、具体的な目的地を決めてツーリングをする機会が多くなっています。前回の連載で私の日帰りツーリングの持ち物を紹介したときもそうでした。しかし、目的地が決まっているツーリングに少し物足りなさを感じることもあります。
では本題！ここでは、ツーリングの目的について考えたいと思います。目的地や行き先がないと嘆く貴兄も一緒に考えてください。なお、この記事は2020年4月1日現在の私の心境をもとに作成しますことをご了承ください。
ソロツーリングの目的：私はポタリング的？
目的地や行き先の決め方について考える①
サイクリングをする人の間では、目的地を決めずに気分や体調に合わせて周辺散策することをポタリングと呼んでいるそうです。私がこれまでしてきたツーリングはこの「ポタリング」に近いといえます。これは私が方向音痴なのが原因。具体的な目的地を決めてもたどり着けず、結局はうろうろするだけのツーリングで終わってしまうからです。道を間違えても、最終的には無事に帰宅できればOK！そんな呑気なツーリングが多かっといえます。
好奇心優先のツーリング
目的地を決めないツーリングは緊張感を伴わない解放感があります。目的地まで行かなければならないという気持ちがないので、寄り道や道草を楽しめるのです。展望台や海岸の案内看板を見つけたら迷わずよ寄り道！「この林道はどこに抜ける？」「この上り坂の頂上は？」など、好奇心を最優先できるので満足感のあるツーリングになります。その反面、走行距離を稼げないので、ツーリングへ行ってきた！という達成感は少ないですね。
ソロツーリングの目的：目的地を目指す
目的地や行き先の決め方について考える②
目的地が決まっているツーリングは達成感を得られるものの、満足感は少なくなります。これは、寄り道や道草が好きな私の性格が原因です。また、目的地が決まっているツーリングばかりをしていると、数年後には行き先がなくなってしまいます。日帰りツーリングや休日の宿泊ツーリングで走行できる距離は限られているからです。そんな私にとって、大型バイクの所有はいい経験になりました。
大型バイクは距離を稼げる
30代初めの頃、奈良から能登半島の付け根まで日帰りツーリングをしたことがあります。高校時代の同級生とのペアツーリングで、私はゼファー750RS、同級生はD型ZZR1100。石川県白山市の徳光海水浴場でのんびりと夕陽を眺めながら、「明日は仕事だから、そろそろ帰ろう」ということになり、高速道路を激走して帰りました。リード上手な友人のおかげもありますが、大型バイクの一日で走行できる距離にも助けられました。
ソロツーリングの目的：長距離アタック
目的地や行き先の決め方について考える③
そんな長距離アタックツーリングの可能性にときめき、5日間しかないお盆休みでもゼファー750RSなら北海道をツーリングの目的地にできるのでは？と計画を立てたことがあります。高速道路を激走し、フェリーの時間さえ合えば北海道へ行けそうです。北海道での滞在時間は約数時間。なんだかラリーレイドみたいで楽しそう！シュラフとマットだけで十分？荷物を軽量化しないと！
長距離アタックを断念したのは…
そう思いながらも実行しなかったのには訳があります。5日間のお盆休みで北海道へ行くツーリングの計画、意気地のない私には実行できませんでした。半端ない達成感を得られそうですし、その先に見えるものを想像すると新しい発見がありそうです。しかし、のんびりペースのツーリングを好む私にとってはストイックすぎます。目的地を目指すのが目的になっているツーリングに悔いた経験があるからです。
ソロツーリングの目的：失敗
目的地や行き先の決め方について考える④
私がこれまでしてきたツーリングでもっとも大きな目的地だったのは宗谷岬です。二度目の北海道ツーリングをより楽しいものにするために、鹿児島県の佐多岬を出発地にしました。計画も立てず、立ち寄り地も決めず、野宿をしながら一般道をのんびりと走ったのです。今から思えば、地図すらろくに見ていなかったような…。20代半ばの私はツーリングの目的など考えていなかったように思います。
目的地は目的になりえない
宗谷岬に到着した時の達成感は思いのほかありませんでした。耳元でびゅうびゅうと鳴る宗谷岬の風の音を聞いて気付いたのです。このツーリングで心に残った風景のほとんどはずっと地味なものばかり。誰も来ない海岸線で食べた肉屋のコロッケ、小休憩で見つめたずぶ濡れのブーツ、夜の黒い日本海に浮かぶ漁火…。私は目的地にたどり着くまでの過程で何かを得ようとしていたのです。
ソロツーリングの目的：目的地より目的
目的地や行き先の決め方について考える⑤
佐多岬から宗谷岬を目的地にしたツーリング以降、私は目的地よりも目的を重視するようになりました。ツーリングを通して何をしたいのか？が大切だと思ったのです。おいしいお魚を食べたいのか？絶景を眺めながらコーヒーを飲むのか？一人で考え事をしたいのか？ツーリングの目的地や行き先は手段の一つであって、目的にはなりえないと思ったからです。そう考えると、ツーリングの行き先が急に増えはじめました。
初心者時代はどこへ行っても楽しい
ツーリングがもっとも楽しいのは初心者時代です。目的なくツーリングをしても目に映るものすべてが新鮮ですし、行き先までの距離に達成感を得られます。ですので、ツーリングに行くだけで楽しさを得られる初心者時代は心にリミッターをかけず、目的地を自由に設定してOKです。
脱初心者になると行き先の決め方がわからなくなる
問題となるのは、日帰りや連休で行ける範囲はすべて行ってしまったという脱初心者。行き先がない…目的地の行き先が決められない…これはツーリングに対する気持ちが冷めたためではありません。もしかしたら誰もが通る道かも。バイクを「心の杖」と信じている私も、どこへ行こうか悩むことがあります。
ソロツーリングの目的：いま欲しいもの
目的地や行き先の決め方について考える⑥
私の場合、具体的な目的地を探そうとすると「行き先がない」という罠にはまってしまいます。しかし、目的を決めてから目的地を探すと、行き先のイメージがしやすくなるのです。今私がしたいのは、誰にも邪魔されない昼寝。昼寝をすると妻の機嫌が悪くなりますし、子供に「遊べーっ」と起こされるからです。前回の連載で誰も来ない場所を目的地にしたのはそのためです。
ひとりの時間を大切にしたくなる
他にもしたいことはたくさんあります。ケーキがおいしい喫茶店へ行く、遊歩道散策をする、大好きな宮本輝の小説を読む…したいことをツーリングに絡めると、目的地や行き先を見つけやすくなります。バイクやツーリングと無縁な目的ほど新鮮さが増し、イメージがしやすいですね。
アタック系ツーリング熱も再燃中
逆に、近ごろやっていないアタック系ツーリングに対する熱も再燃しています。走行距離300キロ圏内にある林道や酷道を走破し、バイクを操る楽しさを追求したくて堪りません。通常の日帰りツーリングと比較すると準備が大変ですが、短時間・短距離でバイク本来の楽しさを得られます。
ソロツーリングの目的：目的地の探し方
目的地や行き先の決め方について考える⑦
私は近ごろ、ツーリングの目的地を探すのにグーグルマップを活用しています。ナビ機能は改善してほしいところですが、情報量が豊富だからです。漠然としたキーワードで目的地を探せるのもメリット。例えば、ツーリングの目的が「絶景を楽しむ」なら、目的地周辺の地図を表示して「絶景」を検索。すると、いくつかの絶景スポットが表示されます。
グーグルマップとメモアプリ
ソロツーリングで行きたい自分だけのお気に入りの場所を探すなら、口コミ評価が高いのに口コミ数が少ない場所を目的地にするのがおすすめです。メモアプリにリンクを張り付ける共有機能も便利。見つけた目的地をメモアプリにためておき、ツーリングへ行く目的に合わせて選んでいます。自宅周辺で探すと、半日程度のプチツーリングに最適な目的地も探せます。
ソロツーリングの目的：私の傾向
目的地や行き先の決め方について考える⑧
ツーリングのスタイルは人によって違います。ずっと同じスタイルを貫き通すのもありですが、違ったスタイルのツーリングをすると新鮮さと達成感を得られます。私は目的地を目指すアタック系ツーリングと目的地を決めないポタリング的なツーリングを周期的に変えたり、その時の心境に合わせてツーリングの目的を設定したり、スタイルに変化を与えることでツーリングの楽しさを高めています。
ツーリングの目的地を新規開拓せよ！
既存のツーリングスポットにとらわれない目的地の決め方も彩を加えます。SNS映えする有名なツーリングスポットを訪れるのもありですが、自分だけのツーリングスポットを探すソロツーリングはアドベンチャー感が高いですね。前回の連載記事で訪れた目的地も新規開拓した場所。同じようなライダーはいるようで、青いスーパーカブ110の姿を見かけました。彼も私と同じようにヘルメットの中でにやけていたことでしょう。
ソロツーリングの目的は？まとめ
現在私が住んでいるのは市内のマンション。当然ながらトイレに窓はありません。外気と室内の隔たりが大きく、雨の音さえ聞こえないのです。心地いい気候に誘われて、思い付きでツーリングをすることが少なくなりました。目的もなくツーリングへ行っても楽しめた初心者時代、目的を見失っていた宗谷岬を目的地にしたツーリング、ささやかな目的を大切にしている今、ツーリングの目的はツーリング歴や生活環境の変化によって変わるようです。
ツーリングが気になる人はこちらをチェック！
バイクの楽しみ方について私の心境を語ったこれまでの連載記事もチェックしてください。今年の春でキャンプツーリング歴26年目を迎えますが、まだまだ失敗の連続ばかり。でもそれが現実です。逆に、失敗のないツーリングほど楽しくないものはありません。ちなみに、私のXR250に付けたハンドルガードは立ちごけでレバーが折れるのを防ぐため。決して林道でのハードランに備えているわけではありません。
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