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【知っトク】懐紙の折り方をわかりやすく解説!お祝い事と仏事での違いは?

懐紙と聞くと茶道をイメージしますが、お祝い事、お盆や仏事などでも使われるものです。懐紙の折り方を覚えておくと、お盆のときやご祝儀などでも使えるので、知っておくと便利です。今回は、懐紙の具体的な折り方から、意味や理由、向きや違いなどについてご紹介します。
更新: 2023年7月25日
水木誠人
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懐紙の折り方を知って和心をアップさせよう

懐紙は主に、茶道や和食などでよく使われます。また、書道に携わる方は、半紙、半壊紙、全壊紙といった書道用の用紙としても使われることも。このように、懐紙は、実にさまざまなシチュエーションで使えるアイテムです。

とはいえ、どんなときに使えるものなのかを知らないと意味がありません。また、ちょっとした違いや紙の向きで、祝儀か不祝儀を使い分けるため、折り方をしっかりと理解しておかないとマナー違反となることもあります。

そこで今回は、そもそも懐紙とは何なのか、どんな理由で使われるのか、また、お祝い事などの場だけではなく、仏事やお盆などでも使える懐紙について、その折り方や向きや違い、半紙との違いなども合わせてご紹介したいと思います。

懐紙を使う意味や理由をまず知ろう

懐紙とは懐にはさむ紙

懐紙とは、懐(ふところ)の紙という字をあてます。元来は半分に折った和紙のことを意味しますが、懐に入れて持ち歩いていたことから、この名がつきました。この和紙は、書道の中でもかな書道をやってらっしゃる方にはご存じの全懐紙、半懐紙、半紙などのサイズがある料紙のように、美しい和紙です。その昔、着物を普段着として着用していたころ、襟元に懐紙をはさんで持ち歩いていました。

懐紙の意味はいろいろ

懐に入れていた懐紙にはさまざまな意味がありました。ハンカチとしての意味、メモ帳としての意味などです。現代では一般的ではありませんが、かつては和歌や俳句を書く際に使う半紙のような意味もありました。

携帯用として持ち歩く懐紙は、おもに男性は無地、女性はさまざまな色や模様が入った料紙が使われます。また、季節の絵柄が入った懐紙、季節に関係なく使える懐紙、透かしや古来の和柄などが入った懐紙など、さまざまな種類もあります。

懐紙と半紙はサイズがちがう

懐紙とは、半分に折った和紙という意味ですが、書道で使われる懐紙といえば、紙のサイズを表します。一般に書道で使われる半紙は、縦35cm、横25cmほどに祭壇されている和紙で、厳密に半紙のサイズは限定されていません。

半紙の起源は古く、飛鳥時代とも平安時代とも言われています。半紙は、大判の和紙を半分にしたから半紙と呼ぶようになったとありますが、どの紙を元に半紙にしたのかには定説がありません。一方、全懐紙はおよそ50cm×36cm、半懐紙は25cm×36cmほどで、こちらもおよそのサイズとなります。

懐紙を使う理由やシチュエーションとは?

現在でも、日々のさまざまなシチュエーションで懐紙を使うことが可能です。懐紙を使う理由をいくつかあげますので、ぜひ毎日のちょっとした機会にうまく取り入れていきましょう。おしゃれな大人のマナーとして知っておくと、ワンランク上の雰囲気を醸し出すことができます。

理由①置くため

家にだれかを招いたとき、お茶菓子を出す際のお皿の代わりとして、懐紙を使うことができます。茶道などでも利用される方法ですが、茶道に限らず、日々の生活にも取り入れることが可能です。

また、飲み物を置くコースターとしても利用できるほか、何かを置くときに、その下に懐紙を敷くと、汚れを防止する以外にも、デコレーションとしておしゃれです。懐紙を自らのために使うのではなく、だれかのために使う際、紙の向きが重要となります。微妙な違いで反対の意味となるため、注意するようにしましょう。

理由②拭くため

何かを拭くとき、お手拭きを使うことが一般的ですが、欧米などではおしゃれな紙ナプキンが使われます。同じような理由で、ちょっと何かを拭くとき、ちょっとした汚れなどを落とすときなど美しい懐紙を使うと、おしゃれ度がグッと増します。TPOに合わせて、さまざまな模様の懐紙を使いたいです。

理由③包むため

懐紙は何かを包むときにも便利です。食べ残したものを持ち帰りたいとき、食べ残したものをきれいに処分したいとき、さりげなく包むことができます。懐紙の折り方を工夫すれば、ポチ袋や箸入れなどにもなります。薄いカード状のものをプレゼントする際、包みとして利用することも可能です。

理由④取るため

懐紙を使って何かを取ることはさまざまなシチュエーションで可能です。切り分けたお菓子などを取る際のお皿として、天ぷらなどの揚げ物の油を取るための紙ナプキンとして、無機質な紙ナプキンではなく、さりげない柄の入った懐紙を使うと、食卓を華やかにする素材としても生きてきます。


理由⑤書くため

懐紙を持ち歩いておくと、ちょっと何かをメモ書きしたいときなどにも役に立ちます。また、ちょっとしたメッセージを伝える際、一筆箋のように使うこともできます。元来、懐紙は料紙なので、さりげなくおしゃれに伝えたいことを書くことができます。書道の半紙よりも華やいだ雰囲気も伝えることができますので、何らかの理由でだれかに何かを伝えたいとき、ぜひ懐紙を使ってみましょう。

懐紙は折り方で使い道が格段にアップ

折り方を工夫して使い方の幅を広げよう

懐紙には、さまざまな色や柄があり、それ自体がとてもおしゃれですが、折り方を工夫することでさらに使い道が増えます。ただし、折り方に重要なルールがあって、お祝い事などの祝儀として使う場合の折り方と、お盆や仏事など不祝儀として使う場合の折り方には、微妙な違いがあります。

このちがいをはっきりと認識していないと、マナー違反になってしまいますので、間違えないように覚えておきましょう。

懐紙の折り方の基本①自分用

シンプルに半分に折る折り方でOK

懐紙を自らのために使う際、茶道などでは、まず、懐紙を半分に折り、折り目のある輪になった方を自らに向けて使います。自分で懐紙を使う場合、折り目をずらす必要はありません。茶道ではないシチュエーションで懐紙を使う場合も、折り目を自分の方に向けて使うようにすると、茶道のルールを知っていることをさりげなくアピールできます。

男性用と女性用はサイズにちがいが

自分のために使う懐紙のサイズとして、一般に市販されている懐紙の大きさは、男性用が17.5×20.6cmほど、女性用が14.5×17.5cmほどです。 さまざまな柄もありますので、懐紙を持ち歩く季節、シチュエーションなどに合わせて使い分けるのも楽しいものです。食卓で利用する際、食器や食事の色味などと合わせるのもおしゃれです。いろいろとアレンジしてみましょう。

懐紙の折り方の基本②慶事用

お祝い事は右下がりの折り方に

懐紙を使っておもてなしをするシチュエーションでは、懐紙を半分に折る際、折り目をわずかにずらす折り方をします。このときに注意したいのが折るときの向きで、この向きを間違えると、とんでもないマナー違反となりますので慎重に折りましょう。

ふたつ折りの際、折った部分を手前に上の紙をわずかに右にずらし、右下がりの折り方にします。これを反対の折り方にしてしまうと、不祝儀としての意味となりますので、相手によってはお叱りを受けることもあります。

懐紙の折り方の基本③弔事用

仏事やお盆では左下がりの折り方を

仏事やお盆など、不祝儀のシチュエーションで使う懐紙の折り方は、祝儀の際の折り方と反対に折ります。まず、折った部分を手前に置くところまでは同じです。右下にずらすのではなく、左下にずらすように折ります。この向きはとても重要ですので、必ず間違えないようにしましょう。おもてなしの場で失態をしてしまうと、せっかくの気遣いが無駄になってしまいます。

仏事やお盆ではシンプルな懐紙で

仏事やお盆など、不祝儀のシチュエーションで使う懐紙は、派手な模様が入ったものなどではなく、無地の懐紙を使うようにしましょう。また、仏壇に供える際に使う懐紙の折り方は、三角形に折る要領で半分に折りますが、上側の紙を右側にずらすように折ります。

お供えをする際、底辺の部分を仏さまに向け、尖っているほうを自分の方に向けます。細かいことですが、知っているかいないかで常識のあるなしが見えることですので、覚えておくようにしたいです。

懐紙のおしゃれな折り方や使い方①

懐紙を重ねるだけでもおしゃれに演出が可能

お祝い事でもなくお盆や仏事でもないちょっとしたおもてなしのシチュエーションでは、あまりにかしこまった方法でもてなすのはかえって失礼かもしれません。そんなとき、気取らずに懐紙を重ねて出すだけでも、とてもきれいでおしゃれに演出することが可能です。

無地の白い懐紙を重ねるのもよし、色のついた紙を重ねるのもよし、その時のシチュエーションに合った懐紙でおもてなしをするのもよしです。お手拭きや汚れ拭きとしても使えますので、気の利いた方法だと言えます。


懐紙のおしゃれな折り方や使い方②

モチーフを合わせて遊び心を楽しむ

市販されている懐紙にはさまざまなモチーフがあります。懐紙を使う際には向きに注意して、さまざまな折り方で楽しむことも可能ですが、このモチーフを生かして楽しむこともできます。

こちらでご紹介させていただいているのは、うさぎの形をした和菓子に、うさぎのモチーフの入った懐紙を使ったものですが、季節を代表するモチーフの懐紙に季節感のある食材を合わせるほか、その日の服装と合わせた懐紙を持ち歩くなど、いろいろと楽しむことが可能です。

シンプルでおしゃれな合わせ方を学ぼう

懐紙のモチーフの合わせ方は人によってそれぞれです。さまざまな合わせ方を見て、感覚を学んでいくことでセンスが光っていきます。ビビッドな色合いの食材には、シンプルだけどうっすらと文様の入った懐紙もなかなかおしゃれですし、シンプルな湯のみにビビッドなカラーリングの懐紙もおもしろいです。

懐紙は、100均などでも店頭に並んでいます。いろいろな種類の懐紙を購入してぜひ楽しんでみましょう。

懐紙のおしゃれな折り方や使い方③

茶道を知らなくても取り入れてみる

茶道をきちんと習っていらっしゃる方は、懐紙の本格的な使い方をご存知のはずです。もちろん、茶道にたけた方はちゃんとした使い方で正しいおもてなしをされることでしょうが、茶道を知らなくても懐紙の使い方を覚えれば日常的に使うことが可能です。

日々のちょっとした合間に懐紙を使うことで、茶道に興味を持つ方もいらっしゃるかもしれません。おもてなしの気持ちで懐紙をどんどん使ってみましょう。

茶道を知らないからこそ楽しめる方法も

茶道と聞くと、いささか敷居の高い芸事のように感じる方は少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。ただ、現在の国際社会では、日本の文化としてお茶をもてなすことは日常的に起こりうることです。

茶道を習ったことがないからといって何もしないのではなく、お茶を入れてお茶菓子に懐紙を添えることで、相手を喜ばすことができます。さほど難しいことではありませんので、ぜひ気軽にはじめてみましょう。

懐紙のおしゃれな折り方や使い方④

ちょっとしたプレゼントを包むときにも大活躍

大切な人のお祝いに金品を送りたいとき、プレゼントにカード類を送るときなど、懐紙は、ポチ袋のように使うこともできます。さまざまな文様の懐紙がありますので、送る相手やシチュエーションに応じて、その場に合ったものを使いましょう。

お金を送るというのはいささか仰々しいことですが、お祝い事にさりげなく送りたいときなど、懐紙を使うのは有効です。また、不祝儀の際にも使うことができますので、上手に日々の習慣に取り入れていきたいです。

さっそく懐紙のポチ袋を折ってみよう

ポチ袋の折り方はとてもかんたんです。シチュエーションに合ったお札を三つ折りにします。お祝い事や祝儀ではシワのないお札を使いますが、仏事やお盆など弔事の際は新品のお札ではなく使い古したお札を使うのが礼儀です。この違い、けっこう重要ですのでご注意を。

そして、懐紙を10cmほどずらして三角に折り、真ん中にお札を置きます。三角の尖った部分を底辺に合わせて折ります。裏に返して右側を中央に向かって折り、左側も同じように折ります。左回りに建てにしてから折り上げて差し込み、表裏を返せばできあがりです。

懐紙のおしゃれな折り方や使い方⑤

懐紙でお皿を折る折り方も

懐紙でお皿を作るのはとてもかんたんです。懐紙の折り方のバージョンとしてぜひ覚えておくと、ちょっとしたときにとても便利です。まず半分に2回折り、懐紙の中心を決めます。折り目をつけたら横長に開き、中心に向かって四つの角を下ります。折った角をそれぞれ1cmほどで折り返して裏に返すと、四角い懐紙の上に、さらに四角いお皿が載っているように見えます。

折り方のバリエーションを真似してみよう

懐紙は、さりげなく折っただけでおしゃれにまとめることが可能です。ちょっと折り方に違いを加えたり、向きを変えてみたりするだけで、その場に合った折り方ができるかもしれません。いろいろな方法で試してみましょう。ただし、慶事や弔事の違いと折り方の向きだけは間違えないようにしましょう。


懐紙のおしゃれな折り方や使い方⑥

懐紙で作るお皿の折り方

お祝い事など祝儀のシチュエーションで使える折り方のバージョンがこちらです。まず、三角形に折ります。このとき、お祝い事の際の折り方にすることを忘れずに。上の紙が右下になるように向きを間違いないようにしましょう。さらに紙を横にして折り、1cmほど残して折り返します。反対側も同じように折り返すと、ちょっとしたお皿に変身です。

鳥の形のお皿もおしゃれ

懐紙をお皿に折る折り方に、鳥のモチーフがあります。とてもすてきなお皿になりますのでぜひ覚えておきたいです。まず、懐紙を三角形に折り、左の辺を折り返します。さらに、左角を上方に折り、折った先を開いてくちばしに見立てればできあがりです。

懐紙のおしゃれな折り方や使い方⑦

箸置きや箸入れなども作れる

懐紙を折り紙に見立てて、さまざまな折り方をすることで、いろいろなアイテムを作ることができます。箸置きや箸入れも作ることができますので、工夫して取り入れてみましょう。和テイストのおしゃれな作品ができるはずです。

洋風にも利用できるのはうれしい

懐紙はおもに和柄が多いですが、市販されている懐紙の中には洋柄のものもあります。お盆や仏事といった日本の行事に限らず、クリスマスやホームパーティなどでも気軽に取り入れることができますので、肩ひじを張らずに利用の仕方にバラエティを持たせるようにしましょう。

懐紙をおしゃれに取り入れた毎日を!

懐紙は、おもに茶道で使われるほか、お祝い事、仏事やお盆の際などに使われるのをよく目にします。その使い方や意味はいろいろですが、実はもっと日常的に、あらゆるシチュエーションで取り入れることが可能です。

基本的な折り方、つまり折り方の向きに注意しさえすれば、ちょっとしたプレゼントやご祝儀、お祝い事などの折に使うことが可能です。慶事と弔事の使い方の違いに留意して、もっと日本の文化である懐紙を使っていきましょう。

ポチ袋の作り方が気になる方はこちらもチェック!

懐紙だけではなく、折り紙などでできるちょっとしたおもてなしとして、ポチ袋の作り方をもっと知りたいという方はこちらのサイトも参考にしてください。さらにバリエーションのある使い道と出会えるかもしれません。