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ハクサンボクとは?その特徴や枯れない育て方のコツをご紹介!

ハクサンボクとは日本のあちこちで見られる常緑の小高木です。立派な大きさの葉が印象的で、白くて小さい花をつけ、季節に応じて赤い実をつけます。独特の臭いを発するハクサンボク、枯れることなく元気に育てる育て方や季節や時期に応じた管理方法などをご紹介します。
2020年8月27日
水木誠人
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ハクサンボクの育て方を覚えよう

Photo byVIVIANE6276

ハクサンボクとは、日本でよく見かける常緑の小高木です。庭木としても良く利用され、季節に応じて花や実を楽しむことができます。春に咲く白い花、秋の赤い実、冬に紅葉する葉、枯れると独特の臭いなど、ちょっとした特徴がある植物としても知られています。今回はハクサンボクの育て方や剪定などの手入れ方法などについてご紹介します。

ハクサンボクとはどんな木?

季節を楽しむ庭木としても人気

ハクサンボクとは、赤い実で知られるガマズミ属の常緑小高木です。日本全国に生息し、主に西日本に自生します。寒さに弱く、関東よりも北の方では育てるのが難しいとされています。季節ごとに花や実を楽しめるハクサンボクは庭木としてよく利用され、関東では東京の浜離宮恩寵庭園、関西では伊勢神宮などのハクサンボクが有名です。

シンボルツリーとしても人気

ハクサンボクは、育てやすい上、季節を楽しめることもあって、シンボルツリーや生垣などとしても良く利用されます。元来、寒さに弱い植物ですが、日当たりのいい場所で育てていれば、とくに寒さを心配することなく、立派に育っていきます。樹高は3mほどまで生長しますので、育てる場合は植える場所を考えて植え付けをしましょう。

ハクサンボクの特徴①花

白い花が咲く

ハクサンボクは、春になると枝の先に小さな花がいくつも集まって咲く花冠が特徴的です。花の大きさは、径が5~7mm程度で、特徴的な生臭い臭いがあります。この臭いは、花が乾燥するとさらに強くなりますが、だからといって強烈に気になる臭いでもありません。ハクサンボクの花の開花時期は春で、3~5月ごろに花が咲きます。

花の後に実が成る

春になると、ハクサンボクは、小さな花がいくつも集まって、10cm前後の散房花序となります。小さな花冠は5裂し、とてもかわいらしい姿を見せます。アジサイの花姿にも似ています。花の時期が終わると、花の後に実が成ります。

ハクサンボクの特徴②葉

大きくて艶っぽい

ハクサンボクの葉は、5~15cmほどの大きさで、ときに20cmぐらいの大きな葉もあります。とても光沢のある葉で、葉の上部はギザギザしています。幅の広い卵型をした葉で、葉は対生します。ハクサンボクには山照らしという別称がありますが、まさに白い花と艶っぽい葉の姿を現しています。

冬になると紅葉する

ハクサンボクは常緑樹ですが、秋の終わりごろから冬になると、葉が紅葉します。冬の紅葉は、花の時期が終わって実が成る時期から少しずつはじまるため、季節に応じて実に鮮やかな花姿を楽しむことができます。ただし、ハクサンボクの葉は、乾燥すると独特な臭いが出てきます。このため、乾燥して枯れることがないように、育て方をしっかりと行っていくことが大切となります。

ハクサンボクの特徴③実

冬に実が甘くなる


春になるとハクサンボクの花が咲きますが、冬になるとその花に赤い実がなります。ハクサンボクの赤い実は、幅が広い楕円形をしていて、長さは1cm弱ほどです。この赤い実の中には種が入っていて、食べることができます。冬が深まっていくと、実の味は甘味を増します。秋のころに食べると酸味があります。

鳥の訪れを誘う

Photo bySanta3

秋から冬にかけて実がなる木には多くの鳥が訪れます。ハクサンボクの木もしかり、多くの鳥が実を食べに訪れます。逆にいえば、鳥に食べてもらうために赤くなるという表現もできます。実際、鳥によって種が遠くへ飛び、木が分散されていきます。庭木として育てていくと、鳥のさえずりが耳にやさしく、目だけではなく、耳でも楽しむことができます。冬に鳥が訪れるのを楽しみたい方は、ぜひハクサンボクを植えてみてはいかがでしょうか。

赤い実には有毒のものもある

Photo by *Yaco*

ハクサンボクの実は食べられますが、赤い実のなる植物の中には、有毒のものもありますので要注意です。ハクサンボクであることを確認して食べる分には問題がありませんが、同じように赤い実のなる植物の中には、死亡する可能性のあるものもあります。よくわからない実は口にしないようにしましょう。とくに小さな子どもがいらっしゃる方は誤飲には要注意です。

ハクサンボクの臭いとは

ハクサンボクの臭いは青臭い

春先など特定の時期になると、どこからともなく、何となく青臭い臭いを感じたという経験はおありではないでしょうか。あの臭いのもとこそ、このハクサンボクの臭いです。決して悪臭ではありませんが、花の心地よい香りでもありません。若葉をすりつぶしたような臭いです。日本のあちこちで見られるハクサンボクの臭い、春を感じる臭いです。

乾燥すると臭いが強くなる

ハクサンボクの臭いは、乾燥するとさらに強くなりますが、そのメカニズムはよくわかっていません。ただ、ハクサンボクは乾燥に強く、枯れる原因は水の与え過ぎによる根腐れのほうが多いようです。乾燥気味に育てると、独特の臭いが強くなりますが、根腐れで枯れることを考えると、多少、乾燥していても枯れるよりはいいという考え方もあります。臭いが機にならない場所で育てる、鉢植えで育てて春先など臭いが強くなる特定の時期には臭いが気にならない場所で管理するなど、時期に応じた対策を考えましょう。

ハクサンボクの由来とは

温かい地方でおなじみ

ハクサンボクは、本州でも西の方をはじめ、九州地方に分布します。元来、温かい場所を好む植木であるため、西日本の海岸をはじめ、山林などに自生するおなじみの植物です。東日本あたりでも見られ、東京にある浜離宮恩賜庭園のハクサンボクは有名です。自然に自生するほか、庭木としてもよく利用されています。

ハクサンボクは寒さには弱い

ハクサンボクの名の由来は、石川県と岐阜県の県境にある白山に自生するからだという説があります。これは、実際には誤りで、ハクサンには自生していません。事実、ハクサンボクは温かい場所に自生する植物であるため、寒さには弱く、寒い地方で育てても失敗することも多いと言われています。ただ、白山の地名があることから、あるいはこのあたりの地域と何らかの関係があるのかもしれませんが、これは定かではありません。

ハクサンボクの育て方とは①

栽培環境は温かい場所で

ハクサンボクは、寒さに弱く、温かい場所を好む植物です。このため、日当たりがよく、風通しのいい場所を選んで植え付けるようにしましょう。半日陰の場所でも栽培していくことは可能ですが、花が付きにくくなってしまったり、大きく成長していくのが難しくなってしまったりすることもあります。寒い地域では、土が凍ってしまうと、木が枯れることもありますので、栽培環境はしっかりと確保しましょう。

ある程度の大きさになることを想定して

ハクサンボクは、成長していくとかなりの大きさになります。だいたい2~6mぐらいの大きさにまで成長していくため、ハクサンボクを育てようと想定している場所は、ある程度の大きさの場所を選ぶようにしましょう。植木がどんどん大きく育ってしまうと、栽培する環境を変えるのがむずかしくなってしまいますので、植え付けや植え替えの時期などに大きくなった姿を想定して植えるようにしましょう。


ハクサンボクの育て方とは②

植え付けは庭植えがおすすめ

ハクサンボクは常緑樹です。一般に、ハクサンボクの苗の大きさは、生長していくと、2~6mほどにまでなります。このため、植え付けを行う際は、鉢植えではなく、庭植えで行いましょう。植え付けの際、苗木の大きさのおよそ倍以上の穴を掘り、掘り出した際の土に腐葉土などを混ぜて植えつけましょう。

植え付けの時期は冬から春まで

植え付けの時期は、だいたい11月~3月ごろがおすすめです。春になると新芽が出てきてしまい、その後、うまく成長していかなくなります。このため、新芽が芽吹く前、冬から初春の時期にかけてを目安に植え付けをしましょう。なお、ハクサンボクは冬の寒さが苦手です。寒い地域では植え付けはある程度温かくなってから時期を見て行うようにしましょう。

ハクサンボクの育て方とは③

水やりはとくに必要はない

Photo bycongerdesign

ハクサンボクは庭植えして育てるのが一般的です。このため、植え付けた当初はある程度、水やりを行って根がしっかりとつくようにしますが、いったん根がついたら、とくに水やりを行う必要はありません。ただし、真夏の猛暑のころは、土や植木の状態を見て、水やりを行うこと。まったく水やりを行わないでいると、元気がなくなって枯れることもあります。

鉢植えの場合は土が乾いたときに

Photo by sorarium

ハクサンボクをあまり大きいサイズにしたくない場合、鉢植えで育てることも可能です。この場合、水やりは土の表面が乾いたら行うようにしましょう。ハクサンボクは、比較的、乾燥に強いほうですので、頻繁に水やりを行わないほうがいいでしょう。根腐れして枯れることも考えられます。

ハクサンボクの育て方とは④

肥料はわりと好き

ハクサンボクは、肥料を好む植木です。このため、季節や成長過程に応じて、肥料を施すようにすると、植木の大きさも勢いも増していきます。肥料を与えるタイミングは、植え付けや植え替え、春の花が終わった後、冬に入るころなどです。植え付けや植え替えの際、土に肥料を混ぜるほか、作業の後に肥料を軽く株のまわりにまきましょう。ハクサンボクは、わりと肥料を好みます。

季節ごとの肥料について

春、ハクサンボクの花が咲き、花が終わったあと、夏に入る前ぐらいから、枝が伸びてきます。この初夏のころに肥料を施すと、枝がどんどん成長していきます。また、冬に向けて肥料を施すと、春になったときに花が元気よく咲きます。緩効性の肥料を軽くまくだけでOKです。

ハクサンボクの育て方とは⑤

剪定しなくても樹形が整う

ハクサンボクは成長が早く、剪定に強い植木です。ただ、剪定をせずに放っておいても、自然と樹形が整っていくため、剪定の必要がないという考え方もあります。このため、あまり大きな剪定をせず、混んでいる枝や不必要な枝を剪定して、風通しをよくするようにしていくことで、ハクサンボクが元気よく育っていきます。

剪定を行うのは冬がいい

Photo byCarlottaSilvestrini

剪定の必要がないといわれるハクサンボクですが、6mぐらいの大きさにまで生長するため、植えた場所によっては、剪定して大きさを調整する必要も出てきます。ハクサンボクを剪定する場合、季節は冬に行うようにしましょう。剪定して大胆に切り込んでも、ハクサンボクは春になると芽が出てきます。なお、大きさを調整したい場合、花の後にも軽く切り戻しておくようにしましょう。


ハクサンボクの育て方とは⑥

アブラムシやカイガラムシなどが発生することも

Photo byClaudiaWollesen

ハクサンボクは成長が速く、病害虫にも比較的強い植木ですが、害虫が発生することがあります。中でも、アブラムシをはじめ、ハマキムシ、カイガラムシといった害虫が発生することはよくあります。発生したらすぐに駆除することが重要です。日頃からハクサンボクの様子をしっかりと観察するようにしましょう。水やりは、害虫駆除にも役立ちます。庭木の場合、とくに水やりを行う必要はありませんが、ときどき様子を見て、軽く水やりを行うと害虫発生の予防になります。

病害虫の駆除のためにも剪定は大切

害虫が発生すると、植物の成長に問題が起こるほか、枝が枯れるだけではなく、植木全体に元気がなくなり、枯れることもあります。害虫が発生しないように、風通しをよくする剪定は大切です。枝が混んできたり、葉が増えてきたりしたら、剪定をするようにして、病害虫にかからないようにしたいです。

ハクサンボクの育て方とは⑦

増やし方はいろいろある

ハクサンボクは、種から増やすことも、挿し木で増やすことも可能です。種から育てるよりも挿し木のほうが早く育つことができますが、試してみたい方法で増やしてみましょう。

ハクサンボクを種で増やすためには

ハクサンボクを種で増やす場合、冬に入ったころにできた赤い実から採取します。熟した実を選び、果肉を十分に洗い落すようにしましょう。種まきの時期は冬です。発芽するまでは水を切らさないようにして、発芽した後は成長に応じて鉢を大きくしていき、ゆっくりと育てていきましょう。種から育てるのはなかなかむずかしいのですが、ぜひとも挑戦してみてください。

ハクサンボクは挿し木で増やすのがおすすめ

ハクサンボクは、挿し木で増やす方法がおすすめです。その年に伸びた枝を切り取ります。時期は枝が成長する夏がおすすめです。だいたい10~20cmほどの長さが目安です。挿し木の前に、切り口から水分を十分に染み込ませておきます。そすぃて、準備した鉢に枝を挿し、根づくのを待ちます。挿し木でハクサンボクを大きく育てている方はけっこういらっしゃいます。種から育てるほうがむずかしいため、まずは挿し木ではじめてみてはいかがでしょうか。

ハクサンボクを楽しもう

北海道から沖縄まで、日本全国で見られるハクサンボク。庭木としても良く利用される植木です。育て方はさほどむずかしいわけではありません。根腐れが原因で枯れることのないように注意して育てましょう。放っておいても元気に育っていき、季節に応じた姿を見せてくれます。春先の花、秋の実、冬の紅葉と、季節ごとに庭木を楽しみたい方はぜひハクサンボクを植えてみましょう。

ガマズミ属の植物が知りたい方はこちらもチェック!

ハクサンボクの属であるガマズミ属の植物についてもっと知りたいという方は、こちらの記事もチェックしてみてください。ハクサンボクの仲間のおなじみの庭木ではありますが、さらにハクサンボクへの理解が深まるはずです。