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ハバチの生態とは?害虫ハバチの発生時期と駆除&防除方法をご紹介!

日本では現在700種類以上のハバチが確認されており、その中にはバラやツツジなどの葉を餌にする種類もいるため害虫とされています。一度にたくさんの幼虫が現れ、放っておくと対象の植物を丸坊主にする事もあります。ハバチの発生時期や駆除・防除の方法を詳しく解説します。
更新: 2021年10月13日
hanakosan
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はじめに

ハバチとは

ハバチとはハチ目ハバチ亜目の原始的なハチです。世界に約1万種類、日本では700種類以上確認されています。毒針は持たないハチの仲間で、人を刺すことはありません。一見無害な昆虫ですが、ハバチの幼虫は若葉を好んで食べるため、大発生すると葉っぱを食べつくすという食害があります。また成虫も茎の中や葉の組織内に産卵する習性があり植物の生育を妨げるため、成虫・幼虫共に害虫とされています。

代表的なハバチの種類

Photo byBrett_Hondow

たくさんの種類の中でも庭の花や野菜に飛んでくる代表的なハバチがいます。バラやツツジ類を好むチュウレンジハバチ、ツツジ類を好むルリチュウレンジ、ダイコン・カブ・ハクサイなどアブラナ科の野菜に付くカブラハバチなどです。今回はこの3種類のハバチの成虫、幼虫の生態や発生する季節を詳しく紹介します。

チュウレンジハバチの生態と発生する季節

チュウレンジハバチの成虫とは

チュウレンジハバチの成虫はオレンジ色の腹に黒い羽根がついており、動きが遅いのが特徴です。体長は1~2cm。成虫はバラの茎に逆さまになって産卵管を突き刺し、茎の中に卵を産みつけます。狙われるのは若い茎が多く、幼虫が茎から這い出る時に茎が縦に裂けるためバラの成長が損なわれます。発生しやすい季節は春から秋にかけてです。特に5月頃から目立ち始め、年に3~4回発生します。寒い季節は土の中でさなぎの状態で越冬します。

チュウレンジハバチの幼虫とは

チュウレンジハバチの幼虫はイモムシのような形をしており、頭が黒く体は緑色で黒い斑点があるものもあります。その形からチョウや蛾の幼虫かと思われがちですが、ハチの仲間です。体長は8~15mm。卵から1週間でふ化し、30日間の幼虫期間を経て成虫になります。お尻を持ち上げて食べる姿が特徴的で、たくさんの幼虫が集団で食べ続けるので放っておくとバラの苗を丸坊主にしてしまいます。

ルリチュウレンジの生態と発生する季節

ルリチュウレンジの成虫とは

ルリチュウレンジの成虫は身体全体が光沢のある瑠璃色をしていて、体長は9mmほどと小さいです。成虫はツツジ類の葉の縁から組織内に産卵管を差し込んで一枚の葉に複数の卵を産卵します。葉の縁が点々と膨らんでいたら産卵した後です。寒い季節は土の中で繭に包まって越冬し、最初の幼虫は5月頃からふ化し始めます。チュウレンジハバチと同じく9月頃まで年3~4回発生します。

ルリチュウレンジの幼虫とは

ルリチュウレンジの幼虫もイモムシのような形をしており、頭がオレンジ色、体は黄緑色で黒の斑点があるのが特徴です。幼虫の発生初期は集団になってツツジの葉を食べ、葉脈を残してすべて食べつくします。また、葉っぱのみならず、ツツジの蕾も食べてしまいます。最初は集団で生活していますが、成長するにしたがって分散していくため発生初期に対策を取った方がその後の被害を抑えられます。

カブラハバチの生態と発生する季節


カブラハバチの成虫とは

カブラハバチの成虫は体長が7~8mmで頭と羽が黒く、体はオレンジ色をしています。ダイコン、カブ、コマツナ、ハクサイなど、柔らかい葉っぱのアブラナ科全般を好み、産卵します。産卵方法はルリチュウレンジと同じように葉の組織内に卵を産み付けるので、産卵後の葉にはぷっくりと膨らみが見られます。発生する季節は春と秋で、真夏の間は一旦発生が落ち着きます。

カブラハバチの幼虫とは

カブラハバチの幼虫は身体全体が黒っぽくイモムシのような形をしており、ナノクロムシともよばれています。体長は12~18mmで触ると丸まって地面に落ちてしまいます。真っ黒で落ちると動かないので見つけるのが困難です。風通しの悪い場所で発生しやすい傾向があるので、風通しの良い環境を作るようにしましょう。

害虫ハバチの駆除と防除

駆除とは

Photo bywuzefe

ハバチなどの害虫を退治することを駆除といいますが、これは「追い払う」という意味で、薬剤を投入して撃退するという意味合いが強いです。薬剤を投入する場合速効性はありますが、多くの薬剤を使用して環境への負荷がかかったり、食物を介して人体へ影響したりといったデメリットも発生します。場合によっては多少の薬剤は必要ですが、薬剤に頼り過ぎない方法で撃退する方法もあります。

防除とは

Photo byjohnhain

防除という言葉には撃退するという意味以外に害虫の飛来、発生を予防するという意味も含まれています。つまり今いる害虫を撃退し、なおかつ新たな害虫の侵入や発生を防ぐという事です。薬剤は最小限の使用に止め、生息や侵入しにくい環境づくりを行い被害を防ぎまず。多くの薬剤を使用する前に、以下の予防対策をまず実行してみましょう。

害虫ハバチの防除対策①成虫が飛来したら

袋や防虫ネットをかける

植物を鉢で育てていたり苗のような小さい状態であれば、ハバチの成虫が飛来する季節になる前に防虫ネットをかけておきましょう。ネットをかけることでハバチの侵入を予防でき、植物に卵を産み付けられることもありません。ネットはハバチの成虫よりも目の細かいものを選びましょう。寒冷紗というネットは防虫はもちろん、遮光、防風、防寒などの機能を兼ね備えておりおすすめです。

ダイオ化成 ダイオ寒冷紗 黒

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習性を活かす

Photo byOpenClipart-Vectors

ローズガーデンのようにネットをかけるのが難しい場合や、ネットをかけてしまうと景観が楽しめない場合はハバチの習性を活かした方法で退治しましょう。ハバチは黄色に寄って来る習性があるので、黄色いバケツに水をはっておきます。するとハバチが近寄って来て水の中に落ちるという仕掛けです。すべてのハバチを捕獲できるわけではありませんが、簡単にできる対策です。黄色い粘着テープを吊り下げてハバチを捕る方法もあります。

成虫を取る


Photo byHeungSoon

ハバチはハチの仲間ですが、毒針を持たず人を刺しません。また、動きが遅いという特徴があります。特に産卵時期のハバチはとてもゆっくりとした動きになります。そこで茎に止まったところで手でつかんで捕殺することも可能です。たとえ失敗しても、産卵を目的としているハバチは戻ってくる可能性が高いのでチャレンジしてみましょう。

害虫ハバチの防除対策②産卵跡を見つけたら

産卵後の茎や葉を切る

Photo bystux

ハバチが飛んでいるのを見かけたら、葉や茎に産卵の跡がないかチェックしましょう。ハバチは葉の組織内や若い茎の中に卵を産み付けます。すでに産卵をしてしまっていた場合は葉や茎の根元から切り取りましょう。特にバラは茎の中に卵を産み付けられるため、ふ化すると幼虫が茎を裂いて出てきます。裂けたところから病気になったり、その後の生育を妨げる要因になったりするので注意が必要です。

卵を掻き出す

Photo by is_kyoto_jp

産卵場所が葉っぱの場合は切り取って処理できますが、チュウレンジハバチが好んで産卵する場所はバラの茎で今年伸びた若い茎が多いです。新しい茎を切るのが忍びない場合、茎に産卵の跡を見つけたら爪楊枝やまち針で卵を掻き出してみましょう。掻き出した卵は必ず潰しておきます。

害虫ハバチの防除対策③幼虫を見つけたら

葉っぱごと取り除く

Photo by ume-y

対象の植物がたくさんあって、すべての茎や葉を見てまわれない場合や、ハバチの卵がうまく取り除けなかった場合、また取り残しがあって幼虫がふ化してしまったら、産卵後と同様に幼虫がついている葉っぱごと取り除きます。ハバチの幼虫は初期段階では集団で葉っぱを食べていることが多いので、葉っぱごとちぎってビニール袋に入れ、ゴミとして処分します。

割り箸やピンセットで取る

Photo by yto

ハバチの幼虫は小さく、カブラハバチの幼虫のように当たったり葉を揺らしただけで丸まって落ちてしまう種類もいます。また集団行動から分散してくると葉っぱごと取り除けないので割り箸やピンセットで確実に捕獲します。万が一落ちてしまった時のために下に容器を添えたり新聞紙をひいておくと安心です。

害虫ハバチの駆除対策①薬剤を撒く

薬剤の使い方と使う時期

Photo by_mequable

予防してもハバチの被害が収まらない場合は薬剤を使用します。薬剤には手軽に使用できる粒剤やスプレーと少し手間のかかる水で薄めるタイプがあります。粒剤は株元に薬剤を撒くタイプ、スプレーは葉に直接吹きかけるタイプ、水で薄めるタイプは畑などの広範囲を噴霧器を使って散布する薬剤です。薬剤を使う時期は卵からふ化した直後、初期の幼虫の段階で使用した方が効き目があります。

オルトランDX粒剤

オルトランDX粒剤は浸透移行性を持つ粒状の薬剤です。使用時期は発生初期です。株元に撒いておけば薬剤が水に溶け、水分と一緒に植物が薬剤を吸い上げます。薬剤が浸透した葉っぱを害虫が食べることで効果を発揮します。もちろん土中の害虫にも効果があります。粒状なので風向きを心配したり近所に迷惑をかける事もありません。浸透するまでに時間はかかりますが、持続性はあります。使用量、使用回数が決まっているので使いすぎなようにしましょう。


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ベニカXスプレー

ベニカXスプレーは葉に直接散布するスプレータイプで、使用時期が決まっていないので害虫を見つけた時にその場で退治する薬剤です。速効性があり、害虫のみならず病気も防除します。使用回数に制限がなく持続性はありません。散布時には風向きに注意し、農薬用マスク、手袋、長袖、長ズボンなど着用しましょう。洗濯物やペット、子どものおもちゃなどにかからないように使用します。

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マラソン乳剤

マラソン乳剤は浸透移行性をもつ液状の薬剤で、水で薄めて噴霧器を使って散布します。希釈倍数があるのでよく確認して薄めます。植物への薬害が少なく広範囲の害虫に効果を発揮します。広い畑などで使用するイメージです。ハバチに関しては、ハクサイ、ダイコンなどを好むカブラハバチに有効です。速効性があり効果は続きませんが、野菜は口に入るものなので使用時期、使用回数を守って使用しましょう。

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まとめ

早期予防と早期発見

Photo byJade87

ハバチは人を刺さないので飛んでいても怖がることはありません。しかし、本当に怖いのは葉っぱを食い尽くしてしまう食害です。せっかく育てた花や野菜が害虫によって枯れてしまうのは本当につらいです。発生する季節になる前にしっかり予防してハバチの侵入を防いだり、産卵跡や幼虫が発生していないかチェックしましょう。もし発生していても諦めずに、これまで紹介した方法で防除・駆除に努めてください。

その他の害虫の駆除・防除対策にこちらもチェック

ハバチ以外の害虫に関して知りたい方はこちらに駆除・防除の仕方が紹介されています。どの害虫でも早期発見、早期予防が大切です。参考にして庭や畑を害虫から守りましょう。