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ノコンギク(野紺菊)とは?名前の由来から特徴・育て方まで解説!

ノコンギクという花をご存知ですか?画像を見れば誰でも一度は目にしたことがあるようなよく見かける野の花です。その愛らしさから園芸種としても栽培されることがあるノコンギクの仲間の特徴と園芸種との違いや季節ごとの育て方を紹介しましょう。
2020年8月27日
佐藤3
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はじめに

ノコンギクの特徴は?他の野菊との違いや食べ方も

夏の季節を代表する野の花といえばノコンギク(野紺菊)をあげる方も多いでしょう。野菊の仲間は日本ではたくさん見かけますが、その中でも紫や白といったかわいらしい色を持つこの素朴なキク科の花は名も知らぬ野の花だとしても誰もが一度は見たことがあるというほど、よく見かける植物です。このノコンギクの名前の由来から花や葉の特徴・他の野菊との違いや育て方をご紹介します。

ノコンギクについて1.基本情報

かわいらしいノコンギクの花。野の花としてだけでなく庭に野趣を置きたい方にも愛されている植物です。まずはその植え方・育て方の前に基本的なことから見ていきましょう。

ノコンギクの分類や原産地

科・属:キク科シオン属(アスター属に分類されることも)
原産地:日本各地
英語名/学名:/Aster microcephalus var. ovatus

草丈や開花の季節

ノコンギクは大きさが30cmくらいになり大きなものになると1mほどにも達することがあります。多年草で花の開花時期は7月から9月ころまで。非常に開花時期が長いことでも有名です。

食べ方

ノコンギクの葉は若いうちでは食用としても用いられます。食べ方は塩を入れた熱湯で湯がくだけ。アクを取り除くため水に浸してから絞っておひたしなどにしていただきます。若い葉や芽は天ぷらとして召し上がる方もいますよ。

ノコンギクについて2.花びらや葉の特徴

ノコンギクの花びらの特徴

ノコンギクの花びら色は白や紫。一重の花びらが放射状に広がり咲く姿はとてもシンプル。しかし決して見苦しいものではなく、見る人に野の花を思い思いに摘み歩いた少年少女時代を思い出させてくれるやさしさをもっています。開花時期が長い花なのでいつ見ても咲いているというイメージがあると共に、その花びらを使って花占いをした人も多いのではないでしょうか。

ノコンギクの葉の特徴

ノコンギクという菊の仲間なのでよくある楕円形に左右対称にいくつか切り込みが入った菊特有の葉の形をしているのが特徴。品種によって大きさであったり丸みの具合も違いますが、基本的に菊の葉の姿をしているものが圧倒的に多いでしょう。

ノコンギクについて3.名前の由来

ノコンギクの名前の由来には、実はうっかりすると順番の間違えをしてしまいそうな落とし穴があります。ノコンギクとコンギク。この2つの花の関係を知ることでその名前の由来がわかるでしょう。

ノコンギクの名前の由来


花の名前の紺菊とは花色が紫色をしているところから由来しているのでしょう。紺菊とはコンギクと書いて園芸用のノコンギクの仲間ですが、こちらは花色は決して紫だけでないのが特徴。名前の由来を考えるのであればノコンギクをベースとして考えた方が良いでしょう。

名前の由来は野に咲く紺菊だが

ノコンギクに対してコンギクという園芸種があります。言葉だけを見ると名前の由来として野に咲くコンギクというように勘違いしそうですが、実は花の種類としてはノコンギクの方が先。ノコンギクの中から草丈の低いものを園芸用として独立させたのがコンギクです。

ノコンギクについて4.他の野菊との違い

同じように見える野草に近い菊の花の仲間。しかしよく観察するとそれぞれ特徴があるのがわかります。まずは園芸種であるコンギクとノコンギクの違いとその他の特徴的な品種も解説します。

よく似たコンギクとの違いは

名前の由来でもコンギクという園芸種を登場させましたが、このふたつの植物は非常によく似ています。コンギクを差してノコンギクと言っても疑う人は少ないくらい見分けの付きにくい花です。ここではそのふたつの違いを具体的に見ていきましょう。

コンギクとの見分け方1.花びら

花びらの特徴はノコンギクには白が存在するというところでしょう。コンギクにはこの白っぽい花びらの色のものはなく、紫や赤紫・ピンク色など有色の花びらが特徴です。

コンギクとの見分け方2.葉や草丈

ノコンギクの一番の特徴といえばその高い草丈です。とても可愛らしい可憐な花なのに園芸種として栽培されなかったのはこの草丈にあるといっても過言ではないでしょう。そんな中から背の低いものを残していったのがコンギクの種類。葉自体にはあまり違いは見られませんが草丈が低く花壇や庭で栽培しやすいものがコンギクです。

その他品種と違い1.アキバギク

アキバギクも菊のような花が咲く野草でノコンギクと混合される事が多いですが、葉柄がはっきりとしているのが特徴。キヨスミギクと呼ばれるのもこのアキバギクです。

その他品種と違い2.タニガワコンギク

タニガワコンギクは川の岸に多く咲く種類で、葉の幅においてノコンギクと違いが見られます。ただ川辺に咲くノコンギクではなくタニガワコンギクという種類かを見分けるには、葉がスマートなのがタニガワとおぼえておくと良いでしょう。

その他品種と違い3.シロヨメナ

コンギクという名前の他にヨメナという名称が付けられた仲間もいます。その中のひとつがこのシロヨメナ。白というのは花や全体の色が白っぽいことから付けられています。花色は白か薄い色付きのものだけで、葉や茎も白みがかっているのが特徴です。

ノコンギクの育て方1.日当たり

ノコンギクの特徴や他の花との違いがわかったところで、早速育て方をご紹介します。もともと野で咲く花ですので、条件にあった場所に好みの土で植え付けることで肥料などあまり必要としないのがこれらの植物の特徴です。まずはどんな場所に植えるのが良いかというところからチェックしていきましょう。

ノコンギクを育ててみよう


ノコンギクは草丈が高くなる植物ですが、庭で育てることもできます。植え方のコツは花壇の後方・壁際に場所を選ぶことで他の植物に影響を与えにくく立体的な庭づくりができるでしょう。開花時期が長いので、時々摘んでは切り花として楽しむのもおすすめです。

ノコンギクが好む場所

明るい日かげは得意ではないノコンギク。鉢で育てて日かげに移動するか、夏場は日かげになるような工夫をしてあげてください。シロヨメナなどの種類は明るい日かげが好きなので、年間を通して日の当たる場所に植え付けても構いません。

ノコンギクの育て方2.植え替え

丈夫でどんどん増える植物なので地植えにする際にも増えすぎを防ぐために鉢ごと埋めるのをおすすめします。鉢が根でいっぱいになったら植え替えていかないと花つきが悪くなったり中には枯れてしまうものも。

ノコンギクの植え替え時期

Photo by sor

ノコンギクは地下茎で増えていくので、鉢植えにするとすぐに根がいっぱいにまわってしまいます。2-3月の早春の時期に毎年植え替えをしてください。

植え替えのやり方・季節

作業する季節は春。鉢植えのものは抜き取ったものをふたつかみっつの株に手で裂き、それぞれの鉢に植え直してあげると良いでしょう。地植えの場合は植え替えの必要はありませんが、先程申し上げたとおり地下茎でどんどん増えていってしまうので、逆に不要な部分のものを掘り起こして処分するという作業が必要です。

ノコンギクの育て方3.日常管理

ノコンギクの水やりや肥料など日常的なお世話をご紹介します。病気や害虫とその注意する時期や、剪定のやり方もこちらでご確認ください。

ノコンギクの水やりや肥料

ノコンギクの中でもどこに生えている種類かによって土野湿り気具合を変えてあげましょう。渓流に自生するタニガワなどは湿気った土が好み。二重鉢にすると良いでしょう。その他の場合は地植えであれば水やりの心配はありません。野草ですから肥料は少なめにしないと葉ばかり旺盛に伸びて花が埋もれてしまいます。時々液肥を水代わりにあげる程度で良いでしょう。

ノコンギクの注意したい病害虫

ノコンギクに現れる病気はうどんこ病。葉などに白いカビのようなものが付くのでわかりやすいです。見つけ次第感染した部分を切り戻すことで蔓延を防げます。害虫はアブラムシがつきやすいので見つけ次第駆除すると良いでしょう。

病害虫に注意する季節

アブラムシは気温が暖かくなってきた春に。うどんこ病は梅雨から葉が茂る夏によく現れる病気です。それぞれの季節には風通しをよくするなど、内側の葉や茎の様子も時々見てあげてください。

ノコンギクの剪定

花茎の数を増やすには5月頃に一度切り戻し剪定をしてあげることで脇芽が伸びて花がたくさん咲きます。また花の後に花柄摘みをすることで株のちからが失われにくく、長く花時期を楽しむことができるでしょう。

剪定の季節

切り戻しは春、花柄摘みは夏から秋にかけて長い期間おこないます。切り戻しは一度おこなえば良いので、やった方が良いですが、花柄摘みは面倒であればそれほど気にしなくても。切り花として切るだけで花柄摘みと同様の効果も出てきます。


ノコンギクの育て方4.増やし方

最後になりますが、ノコンギクをもっと増やしたい方にその増やし方を3種類解説していきましょう。どの方法も簡単ですが、一番おすすめなのが植え替え時の株分けです。最初からある程度の大きさの株が手に入りすぐにでも花が咲く可能性が一番高いからです。

ノコンギクの増やし方1.種まき

Photo bySztrapacska74

開花後のノコンギクの花をそのままにしておくと種ができます。その種をまくことで新しい株を増やすことが可能。種は冷蔵庫で冷やす期間を設けてから、採取した翌年の2月に種まきするとその年じゅうには開花するでしょう。

ノコンギクの増やし方2.挿し木

Photo bykontakt

剪定で刈り取った枝の中から比較的新しいものを選んで挿し木用の土に挿すことで発根して新しい株として使用できます。挿し木の時期は成長期にあたる5-6月ころが適期。発根するまで土を乾燥させないように日かげで1ヶ月ほど管理してください。

ノコンギクの増やし方3.株分け

植え替え時にできるのが株分けという方法です。地下茎で増える植物なので根があればそこから茎が出て大きく育ちます。ひとつの鉢から2-3株に分けることができるので、これが一番簡単な増やし方といえるでしょう。株分け時期は2-3月の芽が出る前におこなってください。

まとめ

夏の季節にずっと咲き続けるノコンギクを育てよう

庭の花壇で楽しむなら草丈が低いコンギクも良いですが、切り花にするには背丈が高いノコンギクを切り戻ししながら育てた方が便利であったりします。開花時期が長くたっぷりと楽しめる丈夫でシンプルな美しさをもった花。庭やプランターなどで育ててみてはいかがでしょうか。ただし根で増えるので他の花の居場所を占領してしまう恐れもあります。地植えにする場合は、毎年増えすぎた株を整理するのをお忘れなく。

開花時期が気になる方はこちらもチェック

花屋にいくとハウスで育てられた花がいつでもあって、ポピュラーな植物であってもその開花時期をよく知らなかったりします。自然界での花の開花時期や育て方が気になる方はこちらも見てくださいね。