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オオムラサキツツジの特徴は?種類の違いや開花時期・花言葉などをご紹介!

オオムラサキツツジは身近なところで見ることができる花木です。よく見かけるので、ただ「ツツジ」と言ったときにはオオムラサキツツジを指すことが多いようですね。そんなオオムラサキツツジの特徴や種類、開花時期などについてご紹介します。
更新: 2023年4月7日
優花
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オオムラサキツツジの基本情報

オオムラサキツツジの名前の由来

オオムラサキツツジの学名は「Rhododendron pulchrum Sweet cv. Oomurasaki」です。「Rhododendron」はバラを意味する「rhodon」と、木を意味する「dendron」という2つの言葉の組み合わせでできています。

ちなみに、「Rhododendron」だけならシャクナゲを指す言葉です。「pulchrum」は美しい・上品な、などの意味で、「Sweet」は名付けた植物学者の名前からつけられました。最後の「Oomurasaki」は和名をローマ字表記にしたものです。

オオムラサキツツジの別名

またオオムラサキツツジは、単にオオムラサキと呼ばれることもあります。オオムラサキリュウキュウ、ヤマヒメ、オオサカズキなどはオオムラサキツツジの別名です。英名は「Azalea」で、これは「ツツジ」という種類全般を指しています。

オオムラサキツツジの分類

キリシマツツジ

オオムラサキツツジは、常緑、もしくは半常緑の低木で、樹高はおよそ1~2m程度になります。オオムラサキツツジはヒラドツツジの一品種です。ただルーツがはっきりしておらず、「ケラマツツジとリュウキュウツツジ」の交配や、「ケラマツツジとキリシマツツジ」の雑種などの説があります。

園芸種ですが原産地は不明です。オオムラサキツツジは江戸時代から栽培されてきたと言われています。

オオムラサキツツジの特徴

オオムラサキツツジの花と大きさ

オオムラサキという名前の由来通り、花の大きさと赤紫色が特徴です。花の大きさはツツジの中でも最大と言われ、花径が10cmほどにもなります。オオムラサキツツジの萼片には毛があり粘り気はありません。花の先は五裂した漏斗型です。

2~4個の花が枝の先にまとまって咲きます。雌しべが1本、雄しべが10本なのも特徴です。オオムラサキツツジの花の中を見ると、上方に濃い紫の斑点が見えるでしょう。

ほかのつつじにも見られますが、これは蜜標(またはガイドマーク)と呼ばれる昆虫を呼ぶための印です。蝶やミツバチに蜜を与える代わりに、オオムラサキツツジは花粉を運んでもらいます。

オオムラサキツツジの葉と大きさ

オオムラサキツツジの葉の大きさは2~7cmです。花はツツジの中で最大とも言われていますが、葉の大きさも10cm程度になるものがあります。幅は1~2.5cmくらいで、先が尖った長い楕円形です。

葉の見た目は革のような質感で、光沢はなく細かな毛が裏と表の両面にあるのが特徴です。色は黄緑や濃い緑など季節によって異なります。葉の付き方は互生です。

オオムラサキツツジの開花時期


オオムラサキツツジの開花時期は4月~5月で桜が終わった頃になります。たくさんあるツツジの中でも、遅咲きの種類なのがオオムラサキツツジです。

開花時期は九州など南側の方が早く4月中旬ごろ、関東から北になると開花時期は5月頃になります。ほかのツツジが見頃を終えても、オオムラサキツツジは楽しむことができるでしょう。

ツツジの中で一番と言われる大きさの赤紫色の花はゆっくりと開花します。オオムラサキツツジの大輪の花が満開になった風景は見事です。

オオムラサキツツジと季節

オオムラサキツツジと季節|春

桜の花が散り始める頃になると、ツツジの花たちが咲き始めます。しかし、オオムラサキツツジの開花時期にはまだ少し早く、枝葉は伸びますが蕾は小さいままです。明るい緑色の新葉の付いた枝先にある蕾は時間をかけて大きくなり、ほかのツツジの花が満開になってから苞のあいだに赤紫色の花びらをのぞかせます。

オオムラサキツツジは5月のゴールデンウイーク頃に満開を迎える場所も多いようです。東北地方の開花時期と見頃はゴールデンウィークが明けてからという場所もあります。

オオムラサキツツジと季節|夏

満開の時期を過ぎると季節は春から夏へ移っていきます。遅咲きのオオムラサキツツジも花期を終えて赤紫色の花を落とす時期です。花の大きさが際立つオオムラサキツツジが色褪せて散っていく様子は、少し物寂しく見えます。

色褪せた花冠が枯れた後には長い雌しべが残り、それもやがてなくなると生い茂った葉が暑い日差しを受ける夏の到来です。

オオムラサキツツジと季節|秋~冬

オオムラサキツツジは常緑もしくは半常緑の花木で、個体によって葉が黄色く紅葉するものもあります。葉の大きさは幾分小さくなり落葉する個体もあるでしょう。

しかし、緑色の葉はそのまま残り冬を越すことができます。オオムラサキツツジが秋にするのは翌年の準備です。ツツジ科の花の多くは、花後に花芽をつけ秋には株もしっかりします。

まだ小さな茶色の花芽ですが寒い冬に耐えて、ツツジの中で最大と言われる大きさの花を咲かせるのですから、素晴らしいですね。

オオムラサキツツジの花言葉

オオムラサキツツジの花言葉

オオムラサキツツジの花言葉は「美しい人」です。学名に使われている「pulchrum」も、美しいという意味ですね。緑の中に映える大輪の花から連想された花言葉だと言われています。ちなみに、紫色のツツジの花言葉も「美しい人」です。

オオムラサキツツジ以外のツツジの花言葉

レンゲツツジ

ツツジ全般の花言葉と、色別の花言葉についてご紹介します。どの花言葉もツツジの花色や、花が咲くまでの様子から連想されているようですね。節度や努力などは、鮮やかな色の花を咲かせるけれど、葉や蕾の季節は主張し過ぎないこと、ツツジが花芽をもったまま越冬することなどが理由と言われています。レンゲツツジの花言葉は、上を向いた花の様子が理由のようです。
 

ツツジ 節度、慎み、自制心、節制、努力、訓練。
ヤマツツジ 燃える思い。
レンゲツツジ 向上心、情熱。
恋の喜び、燃えるような恋、燃える思い、燃え上がる愛。
ピンク 愛の喜び。
美しい人。
初恋。
オレンジ 燃える思い。

オオムラサキツツジの育て方のポイント


オオムラサキツツジの育て方|特徴

オオムラサキツツジは初心者にも育てやすい種類の花木です。大気汚染に強い特徴をもっていて形も整えやすいので、街路樹や公園、生け垣などに良く利用されています。

街中で見かけることが多いツツジだといえるでしょう。日当たりの良い酸性の土壌を好みますが、それほどこだわらなくても育ちます。

細かい根が地表近くに根付くので乾燥には気をつけましょう。暑さや寒さには比較的強い種類ですが、日陰だと花付きが悪くなったり、枝が徒長したりします。

オオムラサキツツジの育て方|水やり

庭木や生け垣に利用されることが多いですが、鉢植えでも外で管理できます。鉢植えは、日当たりの良い場所に置いて管理しますが、暑い時期は半日陰に置きましょう。地植えも鉢植えも、夏は朝か夕方にしっかりと水をあげてくださいね。それ以外の季節に関しては、土が乾いたら水を与えます。

オオムラサキツツジの育て方|剪定

花がらは摘んであげたほうが、翌年の花付きがよくなるでしょう。オオムラサキツツジの大きさや形を美しく保つには、剪定が欠かせません。オオムラサキツツジの剪定は、花後すぐの6月中に行うのがおすすめです。

ツツジの樹形はどこに植えるかで違いますが、丸い形か四角い形に剪定されているのを見かけることが多いですね。

オオムラサキツツジは剪定に強く芽吹きもよいので、好みの形に整えやすいという魅力があります。ただ、剪定の時期を誤ると翌年に花が咲かなくなりますので、注意してくださいね。

オオムラサキツツジの病害虫

ツツジグンバイムシ

病気

オオムラサキツツジに限らず、ツツジ類全般がかかる病気があります。ツツジはもともと病気にはかかりづらい花木です。ただ、ツツジ類とツバキ類だけがかかる「もち病」が春や秋に発生することがあります。

雨の多さや日照不足で糸状菌が感染しておこる病気です。葉の形が普通と違い、もちのように膨らんで変色したあと、罹患した部分は枯れるか腐食します。

葉の形が膨らんだ部分に白く粉をふくようになっていたら、それはカビの胞子なので病変が広がる原因です。葉の形の違いに気づいたら、病気の部分は切り取って処分しましょう。

害虫

ツツジグンバイムシ

病気と同様に、ツツジ類全般に通じる害虫です。オオムラサキツツジをはじめとするツツジ類は、病気よりも害虫被害のほうが多い傾向にあります。季節によって、ハダニやツツジグンバイムシ、ベニモンアオリンガ(シンクイムシ)などの害虫がつきます。

ハダニは乾燥を好むので、葉の表面だけでなく裏にも水をかけるようにするとよいでしょう。ツツジグンバイムシは葉の汁を吸ってツツジを弱らせます。ベニモンアオリンガ(シンクイムシ)は蕾を食べてしまうので、翌年の花付きに影響を与える害虫です。

ベニモンアオリンガ(シンクイムシ)は繭の中で蛹になり越冬します。被害が大きくならないように駆除しましょう。薬剤を使う際には、その虫に効果があるかよく確認してくださいね。

オオムラサキツツジとヒラドツツジの違い

オオムラサキツツジとは


オオムラサキツツジは、ヒラドツツジ系というグループに属する品種のひとつです。ツツジの中でも一番と言われる花の大きさが特徴的なオオムラサキツツジは、ヒラドツツジの代表的な品種になります。オオムラサキツツジが大輪なことでもわかるように、ヒラドツツジ系の特徴はその花の大きさです。

ヒラドツツジとは

ヒラドツツジは長崎県平戸市で昔から栽培されてきたツツジです。書物にヒラドツツジの名前が記載されており、江戸時代にはすでに栽培さていたことがわかっています。

ヒラドツツジの母種はケラマツツジという説が有力です。それに、リュウキュウツツジ、モチツツジ、キシツツジ、ヤマツツジなどが交配された交雑種と言われています。

木の大きさは1~1.5m程度と、オオムラサキツツジより少し小さめです。花色は、白・赤・紫・ピンクなどさまざまで数多くの種類があります。

ヒラドツツジの種類・品種は300を超える

ヒラドツツジの品種は300を超えるほどあります。その中でも代表的なのがオオムラサキツツジです。それ以外の品種についても、いくつかご紹介します。センエオオムラサキ(千重大紫)は、幾重にもなる花びらが美しい品種です。

あけぼの(曙)は、蜜標の濃いピンクと花冠の淡いピンクのコントラストが美しく、オオムラサキツツジと同じくらいの大きさの花をつけます。シロタエ(白妙)は枝先に純白の花をつける種類です。そのほかにも、数多くの色彩をもつヒラドツツジがあります。

オオムラサキツツジは季節を知らせてくれる花

オオムラサキツツジは庭木や生け垣としてだけではなく、公園や道路脇にも植えられるツツジです。大気汚染に強く緑化にも利用されるオオムラサキツツジは、花の大きさが魅力のひとつと言えます。

目にする機会は多いかもしれませんが、満開の時期の美しさには心も惹かれることでしょう。オオムラサキツツジやほかの種類のツツジも、季節を彩る春の花として桜と同じように愛されています。春になったら、色とりどりのツツジが見られる名所を訪れてみてはいかがでしょうか。

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