検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

時計草(トケイソウ)の育て方は?増やし方や花が咲かない原因まで解説!

時計草は、花姿が時計の文字盤に似て、シンメトリーな造詣の美しさが特徴的です。花が咲いている期間も長く楽しめるので人気がある植物です。そんな魅力のある「時計草」の花がなかなか咲かないというお悩みの原因や管理の方法、増やし方や育て方などをご紹介しましょう。
更新: 2022年4月13日
Meigen Oka
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

目次

「時計草」ってどんな植物?

学名は「Passifloraパッシフローラ)」、別名「passion flower(パッションフラワー)と呼ばれます。トケイソウ科トケイソウ属で、中南米原産の常緑のツル性植物です。花を咲かせると、その形状がシンメトリックに萼片(がくへん)と花弁が5枚ずつ円状にあり、その内側にある副花冠(例:水仙の様に花びらの内側に輪状の花びらを有すること)がまるで時計の文字盤そっくりに放射状に開くことと、3本の雌しべが針に見えることから和名が「時計草」と名付けられています。葉茎には幻覚症状を起すといわれるアルカロイドが含まれていて毒性があることが知られています。

時計草の種類

時計草は、中南米、アジアなどの亜熱帯地域に約500種類ほど生育分布しています。園芸品種として交配育種されたものも多種流通しています。一部種類のなかには「パッションフルーツ」と呼ばれて果実を食用とされます。寒さにはやや弱いのですが、温暖な地域では冬越しができます。挿し木でも増やせる時計草は葉の形や、ツルの先端も巻きヒゲの様な可愛らしさから観葉植物としても楽しめます。

時計草の主な種類

時計草の仲間とされる種類は数多くありますが、品種のなかで一般的な流通品種を挙げてみました。

パッシフローラ・カエルレア

時計草の種類としては一番ポピュラーな品種です。写真の様に淡い紅色か薄青い花びらの内側に紫色の副花冠があり、中心部分は白色をしています。

トケイソウ・クリアスカイ

パッシフローラ・カエルレアの改良種で大輪の花を咲かせ、耐寒性もあり丈夫な品種ですので地植えもできるタイプです。

パッシフローラ・インセンス

インカルナタとキンニカータとの交配種で生長が早く耐寒性もあるのが特徴です。

パッシフローラ・インカルナタ(チャボトケイソウ)

寒さに強く-15℃程度まで耐えられる丈夫な品種です。ハーブとして鎮静作用があるといわれる香りを放ち、果実も食用とされます。


パッシフローラ・エドゥリス(クダモノトケイソウ)

南米が主な原産で、熟した赤い実が食用とされる品種です。長く垂れ下がる様な副花冠が特徴です。

ピレシー

寒さには弱い種ですので、冬季は10℃以上を保つ室内での管理が必要です。情熱的な赤い花を咲かせる魅力的な品種です。

アメジスト

時計草の交配種としては古くから育成されている品種で、カエルリアとカエルメシアナとの交配種です。青紫色の花を咲かせ、割合長い期間花持ちが良いのが特徴です。

時計草・名の由来と花言葉

属名の「パッシフローラ」は「flor della passione(情熱の花)」というラテン語の意味ですが、時計草の花姿の5つの雄しべと3つの雌しべがキリストが十字架に架けられた姿、5枚ずつの花びらと萼片(がくへん)が10人の忠実な使徒、放射状に伸びた副花冠はキリストの後光に例えた様子に見立てられたことから「パッション」の語は「キリストの受難」を表しているといわれています。その意味からも花言葉は「聖なる愛」「宗教的情熱」「情熱的に生きる」「信仰」という宗教的な要素を含んでいるものが付けられています。日本に渡来したのは江戸時代の初め頃とされています。

時計草の管理と育て方

時計草は亜熱帯原産ですが、日本でも暖地であれば露地植えでも十分越冬でき、増やし方も簡単で挿し木でも可能な植物です。支柱を立てた鉢物で生育させているものは日当たりの良い場所に置きます。夏季は半日影の場所に置いて管理し、冬季は室内のガラス越しに陽ざしが当る所に置いて管理します。関東地方以南の暖地では露地植えが可能ですが、寒い北風などが直接当らない場所がベストです。寒冷紗を被せることが出来ればなお良いでしょう。根元には敷き藁(わら)などを敷いて防霜対策もしておきましょう。

時計草の植え付け・植え替え

時計草の苗などを植えつける時期は、春4~5月、秋9~10月が適期で、真夏や真冬は避けます。鉢植えは、根張りが早いので植え付けと同じ時期に年1回の植え替えを必ず行います。植え替えをしないと、鉢の中の根が密集して根腐れを起こし生育が悪くなるばかりか枯れてしまう恐れがあります。地植えにする場合も植え付け時期は鉢植えと同様です。

時計草の仕立て方

時計草はツル性植物ですので鉢植えの場合はリング支柱を立てます。地植えにする場合は、緑のカーテン、トレリスやフェンスなどに絡ませます。ツルが伸びてきたら手間は掛かりますが誘引をしましょう。

用土


市販の園芸用培養土でも良いのですが、水捌けを良くするのがコツです。赤玉土(小粒)5:鹿沼土(小粒)かひゅうが土2:腐葉土3を混ぜ合わせた用土を用意します。

水やり

鉢植えや地植えとも基本は表面の土が乾いていたらたっぷりと与えます。但し、真夏の高温時は日中の水やりは絶対に与えてはいけません。朝夕の涼しい時間帯にたっぷり葉水とともに与えましょう。

肥料

苗植えを行う1週間ほど前に化成肥料の適量を用土に混ぜ込んでおきます。鉢植えは生長期の4~6月、秋9~10月に月1度、緩効性有機質肥料を施肥します。液体肥料を与える場合は真夏を除き、適度に希釈した液肥を10日に1度施肥します。地植えの場合は定植時に化成肥料を施肥するだけで良いのですが、生長が思わしくない時は緩効性化成肥料を適宜施肥すると良いでしょう。

サンアンドホープ 有機緩効性肥料

出典:Amazon

時計草の増やし方

時計草は種類によって違いがありますが、丈夫な植物ですので、暖地では露地植えが可能で伸びたツルが下垂し地面に着くと根付くということもあります。この様に挿し木で増やせますので、5~7月頃に切り取った2節ほどの茎枝を、赤玉土(小粒)6:バーミュキライト4の用土を入れたビニールポットか育苗箱に挿し木をします。約30日ほどで発根しますので、鉢植えや地植えに移植します。

時計草の剪定・切り戻し

時計草は生長期の5~9月頃はツルを勢い良く伸ばすので、そのまま放置するとツル同士が絡み合ってしまい風通しが悪くなって病害虫の発生原因にもなります。10日に1度程度の割合で伸び過ぎた茎枝を剪定し、ツルの誘引を行います。鉢植えは特に支柱に見栄え良く絡ませることが必要で、茎枝の剪定と誘引を適宜行うことが必要です。冬季前に室内に取り込む時に枯れ枝や不要な枝を整理しておきます。

時計草の病害虫


時計草の若芽などに春から梅雨時までの頃はアブラムシ、カイガラムシの発生がありますので注意します。剪定を怠り風通しが悪くなったりすると発生し易くなります。気温が高くなると葉などにハダニが発生します。放置すると葉全体が食害されてカスリ状になり、光合成ができなくなって枯死してしまいます。

予防方法

どちらも早期の発見が肝心で、見つけたら薬剤の散布と食害された枝葉を取り除き処分してしまいましょう。予防としては、植栽した時に浸透性殺虫剤を株元にばら撒きしておくと効果があります。

時計草の花が咲かない原因

時計草の開花する時期は6~7月と、秋9~10月中旬頃の20℃程度の比較的気温が落着いた時期に花を咲かせます。花が咲かない原因としては、亜熱帯原産ですが、真夏の高温時にはあまり花を咲かせません。花の数が極端に少ない、まったく花が咲かないとう原因は苗植えをしてほぼ1年位は開花が少ないと思って下さい。冬越しをさせて親株がしっかりすると翌年からは花の数が増えてきます。施肥する場合も実肥といわれる配合肥料ではリン酸分の割合が多い肥料を与えると良いでしょう。

摘心(剪定)の注意点

時計草の花芽はツルの先端部分に付きます。剪定する時は若い新芽を全て切り取ると、次の新芽が出て花芽が付くまでに時間が掛かりますので、その間花は見られません。剪定の時期と剪定の仕方に注意しましょう。

まとめ

日本的な草花にない様な個性のある花の咲き方が魅惑的な時計草は、近年では緑のカーテンやトレリスに絡ませたりして植栽して楽しむ方が増えてきました。少し個性的な植物を育ててみたいという方は時計草の栽培にチェレンジしてはいかがでしょうか?

時計草をもっと知りたい方はこちらもチェック!

”時計草をこれから植えてみようかな”という方は、「暮らし~の」ウェブマガジンの記事も参考にしてはいかがでしょうか。