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ニラの育て方は?家庭菜園でできる種まきから収穫までの上手な栽培方法を解説!

独特の香りが特徴のニラ。中華料理を中心に活躍します。ニラは病害虫に強く育て方が簡単で、一度種をまくと、数年収穫ができるため家庭菜園でも人気です。この記事では、家庭菜園でのニラの育て方について種まきから収穫までの上手な栽培方法をご紹介しています。
2020年8月27日
のべじ
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はじめに

独特な香りが特徴で、スタミナ料理に欠かせないニラは、一度種をまくと、数年収穫を続けることが可能です。畑の隅でも栽培可能で、再生力も強く、一度刈り取ってもまた新たな葉っぱが生えてきます。家庭菜園での育て方も簡単で、初心者の方にもおすすめです。今回はニラの家庭菜園での一般的な育て方について、種まきから植え方、収穫やその後の株分けでの増やし方まで詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

ニラとは

ネギの仲間

ニラはネギ属の野菜で、中国原産とされています。非常に歴史が古く、3,000年も前には栽培が始められていたのではないかと考えられています。独特の香りが特徴ですが、この臭いから、精進料理などでは避けられているほどです。

ニラは多年草

ニラは多年草のため、春に芽吹いたニラは、夏にかけて成長し、やがて花を咲かせ、冬になると枯れるというサイクルを数年続けます。ニラはこのサイクルを利用した育て方をし、一度種を播くと、数年間は同じ場所で収穫をすることが可能です。スペースに限りがある家庭菜園にはぴったりの野菜です。

日当たりがなくても育つ?

ニラの中には、黄ニラと呼ばれる種類があります。これは日当たりがない場所で特殊な育て方をしたもので、光合成をさせないことで黄色く育てたニラです。栽培中、少しでも日当たりがあると色づいてしまうため、一般家庭では育てるのが難しいです。手間のかかる育て方のため、高級食材として流通しています。

ニラの栄養素

ニラにはその香りのもととなるアリシンという栄養素が含まれます。アリシンには滋養強壮や疲労回復に効果があるとされるため、スタミナ料理に使われます。また、このアリシンとともにβカロテンを多く含むことで、免疫力を高める効果が期待でき、ガンや生活習慣病の予防に繋がるとも考えられています。

ニラの育て方①:苗床の土づくり

苗床の場所

ニラの苗床は、日当たりのいい場所に用意しましょう。それほど広いスペースは必要ないため、日当たりさえよければ、畑の隅の方でも構いません。また、数がそれほどない場合は、プランターで苗を作っても良いでしょう。プランターであれば、天気によって日当たりのいい場所や、雨を避けられる場所に移動しやすいメリットもあります。

苦土石灰をまく

ニラは酸性に傾いた土壌を嫌います。そのため、種をまく前に土壌を中和する必要がります。苦土石灰を1㎡あたり100gまき、土と混ぜながらよく耕します。しっかりと中和させるために、種まきの2週間ほど前までには終わらせましょう。

肥料をまく

しっかりと養分を含む土壌を作るために、苦土石灰をまいた後に肥料をまきます。1㎡あたり2kgのたい肥と、100gの化成肥料をまいてよく耕しましょう。こちらも土とよくなじむように、種まきの1週間ほど前までに終わらせましょう。


畝を立てる

苗床の水はけをよくするために、畝を立てましょう。幅60cm、高さ10cmほどの上を立て、表面を平らにならします。種は条播きしますので、支柱などを使って深さ1cm程度のまき溝を作っておきましょう。

ニラの育て方②:種まきの方法

種は水に浸す

ニラの種はそのまま播いてもいいのですが、発芽率がやや悪くなってしまいます。そこで、種をまく前日にコップなどの容器に水を入れ、種を浸しておきましょう。種に給水させることで、発芽率が良くなります。

条播きをする

種の植え方は、条間15cmの間隔で条播きをします。予め作っておいた播き溝に、1cmほどの間隔をあけて種を播きます。ニラの種は光が当たると発芽が悪くなるので、しっかりと覆土をして、手のひらで鎮圧しましょう。その後、たっぷりと水やりをし、乾燥防止に不繊維をべた掛けします。発芽するまでは絶対に乾燥させないのがポイントです。

苗の育て方

発芽をしたら徐々に間引きを行います。2、3回に分けて株間が3cmほどになるように間引きをしていきましょう。種を播いてから30日と60日後に追肥として、化成肥料を1㎡あたり2つかみ程度まきます。

ニラの育て方③:苗の定植

定植場所の土づくり

苗を定植する場所は、苗床と同じように土づくりをします。最初に苦土石灰をまき、その後肥料をまいて畝立てを行います。畝の幅は同じく60cmですが、水はけがよくなるように高さは15cmほどにしましょう。条間30cmの間隔で、深さ7~8cmほどのまき溝を作って、苗の植え付けに備えましょう。

苗の植えつけ準備

まず、苗床から苗を丁寧に抜き取ります。この時に根っこを痛めないように注意してください。抜き取った苗が大きい場合は長さ20cmほどに切り詰めましょう。ニラは単独では成長が遅くなります。そのため、3~5本の苗をまとめて植えるちょっと変わった植え方をします。予め3~5本程度の苗の束を作っておきましょう。

苗の植え方

ニラの苗の植え方は、事前に束にした苗を、10~15cm間隔で植え溝に植え付けます。植え方は他の野菜と変わりませんが、成長点がギリギリ隠れない程度に深く植え付けましょう。植え付け後は水をたっぷりとかけることで、早く根付かせることができます。

ニラの育て方④:植え付け後の管理

土寄せ

苗が根付いたら、3週間に1回を目安に土寄せを3回行います。この時に成長点を土に埋めてしまうと、枯れる原因となってしまうため注意しましょう。最初のころは成長点が分かりづらいかもしれませんが、分岐が始まる場所が成長点ですので、よく観察してみてください。


追肥

植え付けから1か月後と、9月頃にそれぞれ追肥を行います。1㎡あたり20gほどの化成肥料を苗と苗の間にまいていきます。化成肥料をまくのと同時に土寄せをすると、作業の効率化もできますし、肥料の効果をより引き出すことができます。

1年目は収穫しない

ニラの育て方のポイントは、株をなるべく大きくすることです。そのため、1年目は収穫をせずに土寄せと追肥によって大きく育てましょう。もし蕾ができてきた場合は株が弱ってしまうので、早めに摘み取りましょう。

冬に枯れるのは大丈夫?

冬を迎えると、ニラは枯れてしまいます。枯れる姿を見ると、不安になってしまうかもしれませんが、冬に枯れるのは自然な状態ですので大丈夫です。そのままでも大丈夫ですが、追肥と防寒を兼ねて、株にたい肥をかぶせて冬越しをさせても良いでしょう

ニラの育て方⑤:病害虫対策

害虫対策

ニラに発生しやすい害虫はアブラムシです。ニラは各種病気を媒介しますし、大量に寄生されると、枯れる原因となってしまいます。予防としては、防虫ネットを張って育てるのが効果的です。万が一寄生されてしまった場合は、なるべく早期に発見し、捕殺するか、市販の殺虫剤をまいて駆除しましょう。

病気対策

ニラに発症しやすい病気として、さび病や、白斑病、乾腐病などが挙げられます。どの病気も日当たりの悪化や、長期間多湿な環境に置かれることで発症し、枯れる原因となってしまいます。予防方法としては、余裕を持った植え方や、日当たりの良い場所での栽培、畝を高くすることによって、風通しや水はけをよくすることです。万が一発症してしまった場合は、市販の薬剤を散布して対処しましょう。

ニラの育て方⑥:収穫

2年目の春から収穫

冬超しをして、2年目の春を迎えたらいよいよ収穫です。葉が20~30cmに成長したら、根元を2~3cm残して包丁などで刈り取って収穫します。収穫後は化成肥料を株元に軽く撒いて、成長を促しましょう。

秋までに繰り返し収穫できる

収穫後しっかりとした育て方をすると、秋までに4~5回程度繰り返し収穫をすることができます。1度刈り取ると、20日程度で再度収穫できるサイズに育ちますが、もしそのタイミングで食べることができない場合でも刈り取ってしまって下さい。そのままでは株が疲れてしまい、その後の株分けなどにも影響してしまいます。

花茎は摘み取る

夏になると花茎が伸び、蕾が出来てきます。この蕾が出来た段階で、花茎を摘んでしまいましょう。そのままにしておくと、やはり株が疲れてその後に影響が出てしまいます。この時積んだ花茎は食べることができ、炒め物などにすると美味しいです。スーパーなどに並ぶことはないので、家庭菜園だからこそ味わえる特権です。

ニラの育て方⑦:増やし方


ニラは植え替えが必要

ニラの増やし方は、植え替えに伴う株分けによって行います。ニラは種まきから3年ほどたつと、茎の数が多くなり、1本の葉が細くなってきてしまいます。そこで、株分けをして、植え替えをすることで、新たな株を育てることができます。

株分けの時期

株分けを行うのは、種まきから3年目の春先に行います。この時期はニラが休眠から目覚め、新しい芽を出そうとする時期です。新しい芽を出すために、養分をたっぷりと貯めているため、このタイミングに株分けを行うことによって株分け後の成長を促すことができます。

株分けによる植え替えの方法

株分けは、まずニラの根元から土ごと掘り起こします。その後、1株ずつに分け、苗の植え付けと同じ植え方で植え替えを行います。植え替えた後の育て方基本的に同じです。植え替えた株は、20cmほどに成長すれば、その年から収穫できますので、刈り取って収穫しましょう。収穫後の追肥も忘れず行ってください。

種による増やし方

ニラの増やし方は株分けが一般的ですが、種による増やし方もあります。ニラは基本的に花茎を摘み取りますが、摘み取らずに開花させると、受粉させることができます。受粉後、刈り取って乾燥させると販売されているような種が採れます。この種を翌年蒔くことで、新たなニラを増やすことが可能です。自家採種したニラも育て方は一緒です。

ニラの育て方についてのまとめ

以上、家庭菜園でもニラの育て方についてご紹介しました。ニラの育て方のコツは、株を充実させることです。追肥や花茎の摘み取りなどしっかり行うことによって長く収穫することができます。さらに株分けなどの殖やし方で数を増やすと、かなり長期間収穫を続けられます。ニラは育て方も簡単で、育てていると、何かと重宝しますので、ぜひ育ててみてください。

ニラの育て方が気になる方はこちらもチェック!

今回は家庭菜園でのニラの育て方についてご紹介しました。その他にも、様々な野菜や果物などの育て方について解説した記事が沢山ありますので、気になる方はぜひチェックしてみて下さい。