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FTR223インプレまとめ!スペックとツーリングに向けたカスタムは?

ホンダのFTR223は軽量でコンパクトな車体に粘り強いエンジンを搭載したストリートバイクです。ホンダらしさ溢れる中性的で洗練されたデザインですが、その走行性能は思いもよらぬ結果が?FTR223の性能をスペックとユーザーのインプレを通して検証します。
2020年8月27日
hosokawa_taka
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FTR223のスペックとインプレ:はじめに

出典: https://www.goobike.com/catalog/detail/photo/1010128_00_2007_11.jpg

ホンダ FTR223STD(スタンダード)

ホンダのFTR223は2000年の9月に販売が開始され、2007年モデルまで生産された軽二輪スポーツバイクです。ストリートバイク全盛期に誕生し、ダートトラックレーサー風のかっこいいデザインに人気がありました。現在(2019年7月20日)は新車で購入できませんが、中古車在庫数の多さや価格の安さに注目している人は多いはず。ここではホンダのFTR223のスペックを徹底検証します。

バイク旅やバイク女子に相応しいか検証する!

出典: https://www.goobike.com/catalog/detail/photo/1010128_02_2007_11.jpg

ホンダ FTR223トリコロールカラー

ここではFTR223がツーリング(バイク旅)やバイク女子に相応しいか?という観点で検証します。2019年7月20日現在、軽二輪はスポーティな方向へと向かいつつあり、ストリートバイクが少なくなっているのが現状です。FTR223は厳しい排出ガス規制をクリアできれば継続生産されたであろうバイクですので、絶版となった今も輝きを失っていません。

FTR223のスペック:車体サイズ

バイク旅やバイク女子に相応しいかを検証

【ホンダ FTR223の車体サイズ】

  ホンダ
FTR223STD
(2007年モデル)
軽二輪MT車
平均値
(2019年モデル)
全長(mm) 2,080 2,105.0
全幅(mm) 830 800.9
全高(mm) 1,090 1,155.6

※2019年7月20日現在

ホンダのFTR223の車体サイズを2019年の現行モデルと比較すると、全長が短くて全高は低い反面、全幅は広いですね。全幅はハンドル幅を表す数値ですので、FTR223は車体サイズの割にハンドル幅が広いといえます。FTR223トリコロールカラーの全幅は910mmもありますので、さらにハンドル幅が広いですね。

車体サイズに関するユーザーインプレ

FTR223の車体サイズに関するユーザーのインプレを確認すると「コンパクトな車体は取り回しがしやすく、幅広なハンドルは左右のバランスが取りやすいと好評です。扱いやすい車体サイズですので、FTR223はツーリングやバイク女子に相応しいバイクだといえます。

ノーマルだとハンドル幅も広く、車体も軽いのでかなり軽快に走れます。

知らない土地でも冒険したくなる。軽いし小回りきくので、ここ行ったら何処行くんだろう…が増えます。

FTR223のスペック:エンジン

バイク旅やバイク女子に相応しいかを検証


【ホンダ FTR223のエンジン】

  ホンダ
FTR223STD
(2007年モデル)
軽二輪MT車
平均値
(2019年モデル)
最高速度
(km/h)
理論値
109.2
5速
7,000rpm
140.7
トップギヤ
9750rpm
トルクウェイト
レシオ
(kg/Nm)
7.251 7.441

※2019年7月20日現在

ホンダのFTR223のエンジンスペックを確認すると、残念ながらパワフルなエンジンだとはいえません。しかし、加速の指標にしやすいトルクウェイトレシオは2019年モデルの軽二輪の平均値を上回っていますので、低中速での加速に期待できます。

エンジンに関するユーザーインプレ

FTR223のエンジンに関するユーザーのインプレを確認すると、粘り強い低中速でのトルク特性が高く評価されています。しかし、非力だと評価するユーザーが多いのも事実。キャンプツーリングやバイク女子にとって低中速域の粘りは強い味方になりますが、最高速の低さは課題となります。

トルクがあり、粘り強いエンジンだと思う。

小排気量の割にトルク感があって、絶対的なスピードは低くても十分楽しめます。

FTR223のスペック:足回り


バイク旅やバイク女子に相応しいかを検証

【ホンダ FTR223の足回り】

  ホンダ
FTR223STD
(2007年モデル)
フレーム セミダブルクレードル
サスペンション フロント インナーチューブ径Φ37mm
正立フォーク
リヤ リンクレスモノサス
調整不可

ホンダのFTR223の足回りはシンプルでオーソドックスだといえます。サスペンションはコストダウンするために簡素化された印象を受けますね。残念なのはリヤサスペンションのプリロード調整ができないこと。キャンプツーリングで荷物を積載しても、サスペンションの調整で前後のバランスが取れるようにしたいですね。

足回りに関するユーザーインプレ

FTR223の足回りに関するユーザーのインプレを確認すると、軽快なハンドリングが高く評価される反面、サスペンションとバネ下重量のアンバランスさを指摘するコメントを見かけます。リヤサスペンションは「硬い」と「柔らかい」のコメントが混在し、ライダーの体重によって印象が違うようです。体重が軽いバイク女子には硬めに感じる可能性があります。

純正タイヤでもグリップが良く、軽量な車体と相まってコーナーは意外に楽しめる印象。

硬いサスと重い鉄ホイール・タイヤのせいで突き上げが激しい。

FTR223のスペック:街乗りは?

バイク旅やバイク女子に相応しいかを検証

【ホンダ FTR223の街乗りに関するスペック】

  ホンダ
FTR223STD
(2007年モデル)
軽二輪MT車
平均値
(2019年モデル)
シート高(mm) 780 805.0
車両重量(kg) 128 158.3

※2019年7月20日現在

ホンダのFTR223の街乗りに関するスペックを確認すると、2019年の現行モデルより優秀です。シート高の低さや車両重量の軽さは特筆すべきで、ゴー&ストップを繰り返す街乗りで不安を感じることはありません。ツーリング先での路地裏散策で活躍するのはもちろん、街乗りでは体格が小さいバイク女子でも安心です。

街乗りに関するユーザーインプレ

FTR223の街乗りに関するユーザーのインプレを確認すると、絶賛ともいえるほど評価が高いですね。街乗りでは低中速で粘るエンジン特性も威力を発揮します。しかし、タイヤへの荷重が重視される街乗りで、リヤサスペンションの調整ができないのは残念ですね。標準的な体形のライダーなら問題ありませんが、キャンプツーリングや体重が軽いバイク女子には課題となります。

下道ツーリング、街乗り、通学通勤等では最高の相棒になってくれると思います。

足着きもよくハンドル幅が広いので押さえ込みが効き 舵角がフルロック状態でも安心してクルンクルン回せます。

FTR223のスペック:高速道路走行は?

バイク旅やバイク女子に相応しいかを検証

【ホンダ FTR223の高速道路走行スペック】

  ホンダ
FTR223STD
(2007年モデル)
軽二輪MT車
平均値
(2019年モデル)
エンジン回転数
rpm
6,407 6915.7
割合1(%) 116 89.9
割合2(%) 92 73.3

※エンジン回転数:トップギヤ100km/h時のエンジン回転数の理論値
※割合1:トップギヤ100km/h時のエンジン回転数/最大トルクを発生させるエンジン回転数(5,500rpm)×100
※割合2:トップギヤ100km/h時のエンジン回転数/最高出力を発生させるエンジン回転数(7,000rpm)×100
※2019年7月20日現在

ホンダのFTR223の高速道路走行性能に関するスペックを確認すると、非力だといわざるをえません。5速100km/hでのエンジン回転数は最大トルクを発生させるエンジン回転数を超えますので、巡航速度に達するだけで精いっぱい。キャンプツーリングで荷物を積載すればさらに悪化すると考えられます。

高速道路走行に関するユーザーインプレ

FTR223の高速道路走行に関するユーザーのインプレを確認すると、振動の大きさに辟易するコメントが多いですね。エンジンの項で紹介した通り、FTR223の理論上の最高速度は109.2km/hですので、空気抵抗を含めると常に最高出力付近までエンジンを酷使していることになります。バイク女子には体力的に厳しいですね。


高速走行は苦手なので出しても90キロ~100キロくらいじゃないでしょうか?

高速道路100キロ巡航は出来ない事は無いですが、振動と立ち気味のポジションなので風圧がつらいです。

FTR223のスペック:ツーリングは?

バイク旅やバイク女子に相応しいかを検証

【ホンダ FTR223のツーリングに関するスペック】

  ホンダ
FTR223STD
(2007年モデル)
軽二輪MT車
平均値
(2019年モデル)
エンジン回転数
rpm
3,844 4,149
割合(%) 70 53.9

※エンジン回転数:トップギヤ60km/h時のエンジン回転数の理論値
※割合1:トップギヤ60km/h時のエンジン回転数/最大トルクを発生させるエンジン回転数(5,500rpm)×100
※2019年7月20日現在

ホンダのFTR223は一般道をメインとしたツーリングが楽しいバイクだといえます。トップギヤ60km/h時のエンジン回転数は低いだけでなく、充実したトルク感を得やすいエンジン特性だからです。1速落として4速60km/h時のエンジン回転数は4,534rpmで、最大トルクまでの割合は82%。キャンプツーリングで荷物を積載していても、一般道では元気いっぱいだといえます。

ツーリングに関するユーザーインプレ

FTR223のツーリングに関するユーザーのインプレを確認すると、走る楽しさを感じられるバイクだと評価されています。クオリティが高いバイクだとはいえませんが、扱いやすさや親しみやすさはツーリングライダーやバイク女子に受け入れられやすいポイントです。また、かっこいいデザインはツーリング先での小休憩で疲れをいやしてくれる要素になります。

全体的にバランスのとれたいいバイク!走るのが楽のでついつい遠くまではしってしまいます。ただタンクの容量がもう少しあればいいなと。

私が一番気に入っているのはスタイルで、個性的で独特の雰囲気をかもし出しています。また、(中略)FTRくらいのライトな感じなら気負いなく乗れるのもいいです。

FTR223のカスタム:高速編

バイク旅やバイク女子に相応しいかを検証

ホンダのFTR223は扱いやすい車体サイズやエンジン特性が魅力ですが、体力に自信がないバイク女子にとって高速道路走行は苦行でしかありません。高速道路での非力さを改善するカスタム例を紹介します。

ツーリングでの高速道路を快適にするカスタム

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ツーリングでの高速道路走行を快適にするなら、二次減速比を変更するカスタムがおすすめです。ドライブスプロケットを14丁にすると、5速100km/h時のエンジン回転数を5,949rpm(最大トルク比108%)まで落とせます(二次減速比:42/14=3.000)。キャンプツーリングやバイク女子にとってはちょうどいい調整ですね。ドライブスプロケットを14丁に変更するとケースに当たるというインプレがありますのでご注意ください。

余談:時速100km/h時に最大トルクを発生させると

ドリブンスプロケット(リヤホイール側のスプロケット)を36丁に落とすカスタムをすれば、5速100km/h時のエンジン回転数を約5,500rpm(最大トルクが発生するエンジン回転数)まで落とせます(二次減速比:36/13=2.769)。しかし、5速60km/hのエンジン回転数が3,295rpmまで落ちてしまうので、あまりおすすめできません。FTR223の美点は元気な低中速トルクにあることを忘れないようにしたいですね。

FTR223のカスタム:ツーリング編

FTR223でキャンプツーリングをするなら積載性を高めたいですね。また、荷物を積載すると、足回りのバランスが気になります。キャンプツーリングやバイク女子におすすめのカスタム例を紹介します。

リヤサスペンションを換装して調整可能に!

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FTR223でキャンプツーリングをするなら、リヤサスペンションを社外品に換装するカスタムを検討しましょう。キャンプツーリングで荷物を積載するときと体重が軽いバイク女子が乗るときとでは、サスペンションの沈み込み量が全く違います。プリロード調整が可能なカスタムサスペンションに換装し、前後の沈み込み量を一定にしたいですね。フロントサスペンションのイニシャルアジャスターも流通しています。


リヤキャリアを追加する

FTR223 リアキャリア スチール製 最大積載量3kg KIJIMA(キジマ)

FTR223でキャンプツーリングをするなら、リヤキャリアを追加して積載性を高めましょう。空荷でも不格好にならないよう、さり気ない形状のリヤキャリアを選ぶのがベスト。リヤキャリアをつけるとFTR223を押し引きするときの掴みどころ(グラブバー)になるので、バイクの重さが気になる女子にもおすすめです。

FTR223の課題:タイヤサイズ

バイク旅やバイク女子に相応しいかを検証

FTR223のタイヤは特殊サイズで、前後に120/90-18を装着しています。メーカー推奨であるダンロップのK180は未舗装路を想定したブロックパターンであるにもかかわらず、FTR223は未舗装路を想定したバイクではありません。しかし、K180以外のタイヤを探すと数種類しか見つからないのが現状です。

CB223Sサイズのタイヤを装着する

FTR223とフレームやサスペンションを共用するCB223Sと同サイズのタイヤを装着するユーザーは思いのほか多いですね。FTR223に装着できるオンロードパターンのタイヤの選択肢が少し増えるからです。スピードメーターに若干の狂いが生じますが、許容範囲内だといっていいですね。ただし、メーカー推奨ではないので、自己責任でお願いいたします。

余談:メーター誤差を計算

CB223Sのタイヤサイズはフロント:110/90-18、リヤ:130/80-18。フロントタイヤは少し細くて外径が小さくなり、リヤタイヤは少し太くて小さくなります。フロントタイヤの外径から1キロ当たりの誤差を計算すると約0.735mです。FTR223の実燃費は約32km/Lですので、高速距離は約230km。満タンで出る誤差は170mでした。

FTR223のスペックとインプレ:まとめ

ホンダのFTR223は軽量でコンパクトな車体に粘り強いエンジンを搭載したストリートバイクです。汎用性を重視するホンダには珍しいバイクで、特定の目的に特化するスズキ車的な印象を受けます。しかし、中性的で洗練されたかっこいいデザインはホンダ車ならでは。足回りや高速道路走行にカスタムの余地がありますが、扱いやすく親しみやすいキャラクターは貴重な存在だといえます。

現行モデルが気になる人はこちらをチェック!

2019年7月20日現在の現行モデルMT車を理論上の最高速度順にランキングした記事もチェックしてください。FTR223に近いキャラクターを持っているのはヤマハのトリッカーとスズキのジクサーですが、キャンプツーリングやバイク女子にピッタリなバイクも見つかりますよ。