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VTR250の評価まとめ!スペックとレビューで楽しい走りを徹底解剖!

VTR250は名機MC15Eを搭載した最後の250ccネイキッドバイク。過去モデルからデチューンされたエンジンにVTR250は遅いと評価されることも。250ccネイキッド現行モデルとのスペック比較やユーザーレビューの評価を検証し、VTR250を徹底解剖します。
2020年8月27日
hosokawa_taka
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VTR250の評価を徹底解剖:はじめに

出典: https://www.goobike.com/catalog/detail/photo/1010224_00_2014_04.jpg

VTR250

ホンダのVTR250は絶版となった今も街乗りやツーリングで人気があります。スマートで粋な印象を与えるデザイン、名機MC15Eの血統など、現行モデルにはない魅力がたっぷり。惜しくも2017年に生産が終了しましたが、生産期間が長かったため中古車在庫も豊富です。ここではVTR250の全貌を明らかにし、その魅力に迫ります。

VTR250の系譜

VTR250は1982年の6月に販売が開始されたVT250Fを起源としています。初期型VT250Fのエンジン型式はMC08Eで、VTR250まで引き継がれたMC15Eが搭載されるのは1986年4月に販売が開始された3代目VT250Fから。その後、MC15EはVTZ250(1987年~)、VT250スパーダ(1988~)、ゼルビス(1991年~)、Vツインマグナ(1994年~)へと引き継がれました。

VTR250の年式について

VTR250はキャブレター車の前期型(MC33とBA-MC33)、インジェクション車の後期型(JBK-MC33)に分けられます。前期型と後期型でもそれぞれ2回マイナーチェンジを受けていますが、排出ガス規制対応や仕様の熟成を狙った変更でしたので、キャラクターやシルエットは大きく変更されていません。前期型は1998年式、2000年式、2003年式、後期型は2009年式、2013年式、2014年式で違いがあります。

前期型(MC33&BA-MC33)のVTR250

初期型のMC33とBA-MC33は1998年式から2008年式まで販売されました。2000年式では排出ガス規制に対応するための、2003年式では利便性を高めるためのマイナーチェンジがされています。MC33とBA-MC33の区別は二次空気導入システムの有無(エアクリーナーボックスを除くと判断可能)、2002年式と2003年式の区別はタコメーターの有無(1998から2002年式はタコメーター無し)でできます。

後期型JBK-MC33のVTR250

燃料供給装置がキャブレターからインジェクションへと変更された後期型は2009年式から2014年式まで販売されました。後期型はキャブレター車よりも全長が長いのが特徴です。2013年にはインジェクションセッティングが最適化されました。実質上の最終型である2014年式ではラジアルタイヤを標準装備し、リアタイヤを小径化することで楽しい加速感を得られるようになっています。

VTR250のスペックと評価【サイズ】


【VTR250の車体サイズ・スペック値】

  型式 全長 全幅 全高
前期型
キャブ車
MC33・BA-MC33
(~2000年式)
2,040 720 1,050
BA-MC33
(2003年式~)
2,035 725 1,055
後期型
FI車
JBK-MC33
(全年式)
2,080
現行250cc
ネイキッド
平均値
CB250R
MT-25
Z250
GSR250
2,061.3 777.5 1,053.8

※現行モデルの平均値はCB250R、MT-25、Z250、GSR250(生産終了車)のスペックをもとに算出しました。
※2019年5月15日現在

VTR250のスペックを確認すると、車体サイズは標準的だといえます。キャブレター車とインジェクション(FI)車の全長差は体感できるほどの違いがありますが、取り立てて問題視するほどではありません。全長が変更されてもキャスター角やトレール量は変更されていないため、ハンドリングには大きく影響していません。

車体サイズ:ユーザーのインプレレビュー

VTR250ユーザーのインプレやレビューを見ると、取り回しがしやすい車体サイズに満足するコメントを多く見かけます。街乗りからツーリングまで不具合を感じない、いわゆるジャストサイズの車体サイズが楽しいと評価されています。ステップ位置が高いというコメントも多く見かけます。ライディングポジションはややスポーティだといっていいですね。

取り回しはものすごく楽です。

ステップの位置も高めに設定されているため、膝の曲げ角が大きく、痛くなってきます。

VTR250のスペックと評価【エンジン】

【VTR250のエンジン性能・スペック値】

  最高出力
発生時の最高速度
5速/10,500rpm
最大トルク
発生時の最高速度
5速/8,500rpm
MC33
BA-MC33
JBK-MC33
(~2013)
155.8km/h 126.1km/h
JBK-MC33
(2014~)
148.9km/h 120.5km/h
現行モデル
平均値
149.1km/h 124.5km/h

※理論上の最高速度
※現行モデルの平均値はCB250R、MT-25、Z250、GSR250(生産終了モデル)のスペックから算出しました。
※2019年5月15日現在


VTR250の理論上の最高速度を計算すると、国内の道路を走行する上で十分なスペックを備えているといえます。エンジンのキャラクターはオールマイティ。フラットなトルク特性は街乗りやツーリングで楽しいですね。90度V型2気筒は等間隔に爆発しないのでトラクションを稼ぎやすく、理論上の振動は皆無。エンジンの前後長が長くなるデメリットがありながらも、車体サイズは標準的です。

ユーザーのインプレ・レビュー【エンジン】

VTR250ユーザーのエンジンに関するインプレやレビューを見ると、低中回転域の粘り強さと高回転域の楽しいエンジンフィーリングが高く評価されています。VTR250のエンジンは頑丈だと評価されていますので、メンテナンスしにくい90度Vツインでも心配ご無用。アメリカンクルーザー的な鼓動感はありません。

VT250F 40PS6速に対し32PS5速では走りに不満かなと思っていたのがトラ車のような低速の粘りが有りかつトップエンドの伸び切りも悪くない。急勾配の峠はVTRが速い。

低速域のトルクも良く、高回転までスムーズに吹け上がります。熟成され尽くしたエンジンで、ノートラブルです。

キャブ車とFI車の違い

自分でメンテナンスするならキャブレター車の前期型、利便性や経済性を重視するならインジェクション車の後期型が有利です。VTR250はV型2気筒エンジンであるがゆえにメンテナンス性が悪く、後方シリンダーの点火プラグチェックですら一苦労します。点検やメンテナンスをショップ任せにするなら、キャブレター車よりもインジェクション車がおすすめです。

VTR250のスペックと評価【足回り】

【VTR250の足回りスペック】

  VTR250全年式
フレーム ダイヤモンド
トラス構造
ピボットレスフレーム
サスペンション 正立フォーク
インナーチューブ径φ41mm
リンクレス
モノサスペンション
プリロード調整:無段

VTR250の足回りに関するスペックは、VTシリーズとしては冒険的です。ダブルクレードルフレームからダイヤモンドフレームに変更されているのが大きな特徴。フロントサスペンションは極太のφ41mmでリアサスペンションはリンクレスモノショックです。スイングアームはスチール製。ファンライドを追求するならアルミ製がベストですが、街乗りやツーリングではスチール製でも十分かもです。

ユーザーのインプレ・レビュー【足回り】

VTR250ユーザーの足回りに関するインプレやレビューでは、イメージどおりにコーナーをトレースするニュートラルなハンドリングが高く評価されています。剛性が高い車体と路面追従性が高いサスペンションはスポーティで上質!ツーリングでも疲労を蓄積しにくいといえます。スチール製のスイングアームに関する苦言も見当たりませんでした。重心はやや高めですので、ファンライドでのコントロールもしやすいとのことです。

車体の剛性感があり、しなやかにサスペンションが動きます。

軽く車体を倒すだけで簡単に右左折ができ、初心者にやさしい走行性能を持っていると思います。

VTR250のスペックと評価【街乗り】

【VTR250の街乗りに関するスペック】

  型式 車両重量 シート高
1998年式 MC33 153kg 780mm
2000年式 BA-MC33 154kg
2003年式 155kg 760mm
2009年式 JBK-MC33 161kg
2013年式
2014年式 160kg 755mm
現行モデル
平均値
164.3kg 787.5mm

※現行モデルの平均値はCB250R、MT-25、Z250、GSR250(生産終了車)のスペックから算出しました。
※2019年5月15日現在

VTR250の街乗りに関するスペックを見ると、車両重量が軽く、シート高が低いことがわかります。車両重量は排出ガス規制に対応するシステムを導入するたびに重くなっていきますが、シート高は年式を追うごとに低くなっていますね。最終型の車両重量がわずかに軽くなっているのは、リアタイヤの外径が小さくなっているからです。

ユーザーのインプレ・レビュー【街乗り】

VTR250ユーザーの街乗りに関するインプレやレビューを見ると、軽量な車両重量や低いシート高に安心感があると評価されています。前方が絞り込まれたシート形状がさらに足つき性を高めているとのこと。街乗りでは信号待ちで左足をつく回数が多いので、小柄なバイク乗りにはありがたいですね。VTR250の街乗り性の高さはツーリング先での路地裏散策でも活躍します。

重量は約160kgで軽く、取り回しは楽です。足付きは非常に良く立ちゴケなどの心配はないです。

町乗り走行では低速中速とものすごくスムーズにはしるので、今まで乗った中では一番です。


VTR250のスペックと評価【高速道路】

【VTR250の高速道路走行に関するスペック】

  5速100km/h時のエンジン回転数と
最大トルク発生回転数を占める割合
1998年式から
2013年式まで
6,739rpm
79.3%
2014年式以降 7,054rpm
83.0%
現行モデル
平均値
7,035rpm
83.3%

※理論上のエンジン回転数
※現行モデルの平均値はCB250R、MT-25、Z250、GSR250(生産終了車)のスペックから算出しました。
※2019年5月15日現在

VTR250の高速道路走行に関するスペックを見ると、巡航速度は問題ない範囲だといえます。エンジンの項で先述したとおり、最高速度は十分です。最大トルクを発生するエンジン回転数との割合は現行モデルの平均値に近いですね。VTR250に非力な印象を持つ人は多いのですが、そんな不安を払拭するデータとなりました。

ユーザーのインプレ・レビュー【高速道路】

VTR250ユーザーの高速道路走行に関するインプレやレビューを見ると、高回転まで伸びやかに加速するエンジン特性に満足するコメントが多いですね。高速道路での追い越し加速も250ccネイキッドとしては十分なレベル。車両重量の軽さによる不安定さや、走行風による疲労の蓄積が課題です。移動手段でしかない高速道路を重視するよりも、ツーリング先での絶景ワインディングロードを重視したほうが楽しいですよ。

キャブですが高速道路で気がつくとレッドゾーンに入っていた、そのくらい気持ちよく回っていきます。

高速に乗ると風がキツイですね、加速もパワーがある方じゃないので250ccだし察してください。ビキニカウルぐらいはあった方がいいと思います、だいぶ楽です。

VTR250のスペックと評価【燃費と価格】

VTR250の燃費性能

【VTR250の燃費に関するスペック】

燃費
全年式
燃料消費率 40km/Ⅼ
実燃費 約28.6km/L
航続距離 前期型キャブ車
(タンク容量13L)
377km
後期型FI車
タンク容量(12L)
348km

※実燃費は「みんから」の口コミを参考にしました。
※2019年5月15日現在

VTR250の燃費は250ccのネイキッドバイクとしては標準的だといえます。ガソリンタンクの容量は少なめですが、燃費性能がいいのでガス欠をする可能性は低いですね。キャブレター車よりもインジェクション車のほうが燃費性能に優れていますが、驚くほどの違いはありません。

VTR250の中古車価格


【VTR250の中古車価格とノーマル車の割合】

  中古車価格帯 ノーマル車が
占める割合
前期型
キャブ車
約14~39万円 約58%
後期型
FI車
約20~68万円 約61%

※VTR250、VTR250タイプLD、VTR250Fを含む価格
※2019年5月15日現在

VTR250の中古車価格を見ると、お買い得感が高いといえます。年式やコンディションによっては高いと感じるかもですが、フレーム剛性やサスペンションの質、国内生産モデルの品質の高さ、これらを踏まえると割安に感じます。今は名機MC15Eを安い価格で楽しむ最後のチャンスです。

VTR250のカスタム

VTR250は完成度が高い250ccネイキッドですので、カスタムを施す箇所は少なめです。しかし、ツーリングをメインでVTR250に乗っているVTR250ユーザーのインプレやレビューには不満を感じるコメントもチラホラと見かけます。高速道路、ライディングポジションのカスタムパーツを紹介します。

高速道路を快適にするカスタム①

サンスター SUNSTAR フロント スプロケット 520/15T 87年-07年 ホンダ スチール 黒 313-15 HD店

VTR250の最高速度を上げるには二次減速比のカスタムがおすすめです。巡航速度を変えずにエンジン回転数も落とせ、燃費の向上にもつながります。最高速ばかりを追い求めると低回転域のトルク感が薄くなりますので注意しましょう。

【二次減速比を変更した時の最高速度の変化】

  ドライブ
スプロ
ケット
VTR250
2014年式未満
リアタイヤ
140/70-17
VTR250
2014年式以降
リアタイヤ
140/60-17
最高速度 14丁 155.8km/h 148.9km/h
15丁 166.9km/h 159.5km/h
16丁 178.0km/h 170.1km/h
5速
100km/h
エンジン
回転数
14丁 6,739rpm 7,054rpm
15丁 6,291rpm 6,585rpm
16丁 5,898rpm 6,173rpm

※理論上のエンジン回転数

高速道路を快適にするカスタム②

【6ヶ月保証付】【VTR250】メーターバイザー スクリーンバイザー スモークバイザー【スモーク】【バイザー】

VTR250での高速道路走行は走行風との戦いです。メーターバイザーなどを追加して走行風を和らげましょう。防風効果はビキニカウルのほうが高いのですが、メーターバイザーはVTR250の美しいシルエットを崩しにくいですね。


ライディングポジション

VTR250 VTR250-F VTR VTR-F用 アジャスタブルセパレートハンドルキット

VTR250のステップ位置を高く感じるユーザーが多いことは先述した通りです。ステップを低くすることは難しいのですが、ハンドル位置を下げてライディングポジションを最適化するのはありです。角度を好みに調節できるセパレートハンドルに換装すると、ステップ位置の違和感がなくなります。

VTR250のマフラーについて

VTR250のマフラーを社外品に換装するのはおすすめできません。VTR250は街乗りでの利便性やツーリングでの軽快さが楽しい250ccネイキッドですので、排気音をわざわざ耳障りなマフラーに変更する価値が薄いからです。早朝や深夜の通勤通学ではご近所に迷惑をかける可能性がありますし、排気音が耳障りなVTR250で長距離ツーリングをすると疲労を蓄積します。

Vツインのドコドコ感が欲しい?

VTR250のエンジンはアメリカンクルーザー的な鼓動感が薄いといえます。アメリカンクルーザーのVツインエンジンは楽しい鼓動感を出すために、敢えて振動を発生させるバンク角(V型エンジンの角度)になっています。しかし、VTR250のエンジンは理論上振動を発生させない90度Vツイン。マフラーを社外品に換装しても、楽しい排気音にはなりません。また、VTR250のエンジンは完成度が高いので、社外品マフラーが性能を悪化させる可能性があります。

JMCA認定の社外品マフラーなら大丈夫?

JMCAが認める社外品マフラーは静かです。しかし「われここにあり」的な主張をする排気音をセールスポイントにしている製品もありますので、バイクが嫌いな人は耳障りに感じます。バイクのマフラーは自動車よりも容量が少ないので、ノーマルマフラーでもうるさいと感じる人は少なくありません。そろそろノーマルフラーよりも静かな社外品マフラーが開発されてもいいのでは?というバイク乗りもいますよ。

VTR250の評価を徹底解剖:まとめ

VTR250のスペックと評価を徹底解剖し、後半ではカスタムについても述べました。「ホンダの優等生」「面白みにかける」そんな評価も見かけます。しかし、街乗りやツーリングまでバランスよく楽しめる性能はホンダ車ならでは。モータースポーツへのあこがれを身近で便利な乗り物でつなぐVTR250は、ホンダイズムに満ちた名車だといえます。

ホンダの名車が気になる人はこちらもチェック!

ホンダの250ccを代表する名車の記事をチェックしてください。小排気量クラスならではの技術、ユーザーフレンドリーなキャラクターが見どころです。VTR250が築いてきた楽しい走行性能は2018年8月に販売が開始されたCB250Rに引き継がれました。また、CB250Rのエンジンを熟成させたCBR250R(MC41)も見逃せません。VTR250の前身であるゼルビスと共にホンダの250ccクラスを支えたGB250クラブマンは今も人気がありますね。