日本の三大朝市とは
歴史ある市場のことで規模ではない
3つの大きな朝市と書くので、規模が大きなトップ3つであると連想をしがち。しかし実はこの日本三大朝市、規模の盛大さではなく、昔から歴史的に知名度の高い3つのことなのです。その始まりは数百~千年も前まで遡るとのことで、三大と呼ばれているのも納得です。
実は4大朝市だった
たった3つと聞いていたのに何故か数が合わなかったりするのは、神社仏閣の名所でも、お昼のおにぎりでもありがちですが、この朝市でも同様でした。いつの頃からか三大朝市に含まれる朝市場は4つあるのです。それなら日本四大朝市にすれば良いのに、何故か四大にはならないのも不思議な話です。
日本三大朝市①輪島朝市(石川)
輪島朝市とは
風情ある建物が並ぶ商店街に、オレンジ色で統一されたテントがどこまでも並ぶ、能登の輪島の朝市。輪島の漁港の近くに通る長さ360mの街路で、連日のように早朝から開催されています。現在の露店の数はゆうに200店を超えるほどの規模があり、日本三大朝市の名に相応しい規模です。
輪島朝市の歴史
その始まりは平安時代まで遡って、実に1,000年を超える歴史を維持しています。輪島朝市の始まりは、物々交換だったと言います。その後室町時代には、日付に4と9が付く日の風物詩となりました。毎朝の開催になったのは明治の頃からです。歴史の長さで言っても、日本三大朝市の筆頭格と言えます。
朝市開催情報
【場所】石川県輪島市河井町1部115番地
【時期】毎日(元日三が日、毎月第2・第4水曜日定休)
【営業時間】8:00~12:00
【アクセス】のと鉄道七尾線の穴水駅から、北鉄奥能登バスで輪島高校前バス停まで38分、北へ徒歩10分。
輪島朝市の名物
漁船が無数に出入りする、能登の輪島漁港のお膝元にあるのが朝市通りです。だから日本三大朝市の露店では、常にイカやカニといった新鮮な魚介や、加工された海産物の食べ物が目立ちます。独特な工芸品も気になる中、海鮮丼やフグ寿司、芋焼きといった輪島グルメの食べ歩きもおすすめです。
輪島朝市のイベント
いつもより輪島の朝市が活況を呈するイベントは年に数回ありますが、中でも好評なのは冬2月の感謝祭。祭りでは輪島ふぐ振る舞い鍋で、おいしいふぐ料理にもありつけます。12月の朝市食堂では、朝市で買った魚や野菜をその場でバーベキューできるなど、日本三大朝市のグルメイベントは大注目です。
日本三大朝市②勝浦朝市(千葉)
勝浦朝市とは
岬が連なるリアス式の海岸と海中展望塔が知られる勝浦にも、昔ながらの朝市が受け継がれています。日本三大朝市に数えられる、勝浦朝市です。中央商店街のある下本町と、隣接している仲本町で、1ヶ月に15日づつ、朝市を交互に開催する特徴があります。
勝浦朝市の歴史
桃山文化が花開いていた1591年に、勝浦で最初の朝市が始まったと伝わります。当時の勝浦城主だった植村氏による発案で、中心街の勝浦根古屋を舞台として食べ物の取引が成されていました。それから400年以上も続いてきたので、日本三大朝市の地位を確固たるものとしました。
朝市開催情報
【場所】勝浦の下本町朝市通り(勝浦市浜勝浦)、仲本町朝市通り(勝浦市勝浦)
【時期】下本町朝市通り:毎月1日~15日、 仲本町朝市通り:毎月16日~月末(水曜・元日定休)
【営業時間】6:00~11:00
【アクセス】JR外房線勝浦駅より南へ徒歩10分
勝浦朝市の名物
毎朝のように商店街の地面にはシートやテントが設置されて、朝市がスタートしています。日本三大とは思えないほど質素な町並みと商売の風景ですが、勝浦漁港から上がった海産物や近隣の野菜など食べ物が豊富。名物のまぐろの漬け丼、わらび餅、コーヒーなど、多様なグルメも楽しみにできます。
勝浦朝市のイベント
朝市自体で開催するイベントはないですが、通りに接する場所に街を上げてのイベント会場が登場します。5月には日本三大市場の通りに近い勝浦港でカツオまつりが開かれ、会場はカツオのグルメやお土産一色です。夏の見せ場は勝浦大漁まつり。秋には市場東方のキュステで青空市が開かれます。
日本三大朝市③宮川朝市(岐阜)
宮川朝市とは
古風な町家建築で有名な飛騨高山も、伝統の朝市を受け継いできた場所です。高山中心街に流れる宮川に並行する街路にあるのが、日本三大に含まれている宮川朝市。早朝から商店のオーニングやテントが並び、飛騨の観光にやってきた人々も集まってくる名所です。
宮川朝市の歴史
高山の鉄砲町にある照蓮寺のあたりで、江戸時代に最初の朝市が開かれたと伝えられています。戦後になって朝市の場所は安川通りに移りますが、国道158号建設に伴って再び移転をします。1950年代から、現在の宮川沿いに、白テントが連なる日本三大朝市が開かれるようになりました。
朝市開催情報
【場所】岐阜県高山市下三之町・宮川沿い
【時期】毎日
【営業時間】4~11月:7:00~12:00、12~3月:8:00~12:00
【アクセス】JR高山本線高山駅より、東へ徒歩10分。
宮川朝市の名物
長にんじんに飛騨ねぎなど、地元で脈々受け継がれた伝統野菜は、この宮川朝市の中心となる食べ物の売れ筋です。この町で楽しみたい名物グルメと言ったら、むかし京都から伝わったというみたらし団子。小京都の観光地なこともあり、日本三大の名に相応しく、毎朝のように活況の中でお買い物ができます。
宮川朝市のイベント
収穫祭は2012年より秋に行われている、宮川朝市の一大イベントです。ゆるキャラが練り歩く中、伝統野菜の収穫を祝っての安売りや、鍋料理の振る舞いなど普段と違った装いです。年の瀬を迎えれば歳末売出しとなって、日本三大朝市ではお正月に必需となる商品を安く求められる時間になります。
日本三大朝市④呼子朝市(佐賀)
呼子朝市とは
独特な焼き物が名物な唐津では、イカの水揚げ量が多い呼子の漁港近くに注目の朝市があります。今では日本三大朝市にも含まれることがある呼子朝市です。イカのゆるキャラもいる朝市通りは、唐津の中心街から遠いながらも毎朝活況を見せています。
呼子朝市の歴史
その始まりは大正の頃で、他の朝市よりは若干新しめではありますが、それでも100年以上も続いています。当時沖合の唐津湾などの海域で、魚が豊漁だった時に、朝市が始められるようになりました。昭和になって、朝市の規模も日本三大に相応しく大きなものとなりました。
朝市開催情報
【場所】唐津市呼子町呼子朝市通り
【時期】毎日(元旦定休)
【営業時間】7:30~12:00
【アクセス】JR唐津線・唐津駅前の大手口バスセンターから、バスで呼子バス停まで30分。
呼子朝市の名物
露店のパワフルなおばちゃんの声を耳にしつつ、呼子で目立っている食べ物はやっぱりイカ。街路のあたりには干されたイカが回転して独特な景観を生み出し、朝市周辺ではイカの活造りを提供するお店が人気です。呼子の日本三大朝市は、海鮮や手作りアイスなどグルメ三昧もできるところです。
呼子朝市のイベント
3月になると呼子朝市で一番のイベント、ふれあいフェスタが開催されます。このイベントではイカのゆるキャラがうねうねする中、バーベキュー開催や味噌汁の振る舞いがあり、魚の捌き方教室などもあるなど日本三大朝市らしい内容です。冬の営業中にはツリーイルミネーションも見どころです。
日本三大に入らない有名朝市も
年季の入った感じでは敵わないかもしれないけれど、規模の大きさやコダワリの特徴なら負けていない、そんな朝市は各地にあります。その中には日本最大の朝市や、大都市を代表する朝市も含まれています。ここからはそんな惜しくも日本三大三大朝市には入れなかった朝一をご紹介。三大朝市にも負けない各地の有名朝市の魅力をお届けします。
三大朝市に入っておかしくない朝市①(青森)
館鼻岸壁朝市
その膨大な露店と来場者の数だけなら、日本三大を超越する大規模さなのがこの朝市。八戸の港で開催されている、館鼻岸壁朝市です。毎週日曜日を迎えると、全長800mの区間に300ものテントの露店がずらっと並び、1回あたりで1~2万人も集めます。八戸の港は、まるで毎週がお祭り騒ぎのようです。
館鼻岸壁朝市の楽しみ方
怪しいゆるキャラのイカドンが見守るエリアは、広いので6つに分かれています。食べ物はたい焼きにラーメンホットドッグと、祭り気分を誘うグルメ屋台が多めで、漁港なので所々に鮮魚の販売店も出ています。日本三大を超える規模の朝市は、音楽ライブやイベントもあったり、多様な楽しみ方ができます。
朝市開催情報
【場所】青森県八戸市新湊三丁目・館鼻岸壁
【時期】3~12月の毎週日曜(平日臨時開催あり)
【営業時間】夜明け~9:00
【アクセス】うみねこレール八戸市内線の陸奥湊駅北口から、北へ徒歩10分。
三大朝市に入っておかしくない朝市②(東京)
太陽のマルシェ
各地のこだわりの食べ物が、土曜日になると勝どき駅前の太陽のマルシェに大集合します。著名な日本三大朝市とは違って、全国の農家の出店を中心としているイベントです。毎月第二土曜になると月島第二児童公園には白いテントが並び立って、欧州の青空市のような光景となります。
太陽のマルシェの楽しみ方
この勝どきのマルシェでは、開催ごとに違うテーマを中心に開かれる楽しみがあります。参加している店舗は、珍しい野菜を栽培する農家からスイーツ専門店まで食べ物系が様々。現地でピザやケバブなどグルメを頬張るだけでなく、抽選会やプレゼントなど、日本三大朝市にもない発想の市場が楽しめます。
朝市開催情報
【場所】月島第二児童公園(東京都中央区勝どき1-9-8)
【時期】毎月第2週末
【営業時間】10~3月:10:00~16:00、4~9月:10:00~17:00
【アクセス】都営大江戸線の勝どき駅から徒歩1分。
三大朝市に入っておかしくない朝市③(高知)
土佐の日曜市
楠の並木が伸びている追手筋は、高知城を真正面に見据える道路で、日曜日になると街路市とも呼ばれる朝市空間に変身します。街路市は300年前から始まっているので、日本三大朝市に入ってもおかしくない歴史があります。早朝から400店のテントが連なり、人が詰めかける市場の規模には圧倒されます。
日曜市の楽しみ方
旬な採れたて山菜や根菜などを色々扱う、土佐の農家を中心とした露店が中心となります。日曜市に行けばアイスやサンドイッチなどのグルメの店もズラリと勢揃いで、その雰囲気はまるで東南アジアの市場だと表現されます。朝から夜まで入り浸れることも、日本三大朝市を超えるポイントです。
朝市開催情報
【場所】高知県高知市追手筋
【時期】毎週日曜日
【営業時間】4~9月:5:00~18:00、10~3月:5:30~17:00
【アクセス】JR土讃線高知駅の南口から南へ徒歩10分、とさでん交通の蓮池町通駅前。
日本三大朝市に行こう
歴史と名物を求めて
ご近所では入手が困難な魚介やその場所だけのグルメが、朝市の何よりの魅力。輪島や宮川など日本三大と呼ばれる朝市だけでなく、各地にはお買い物の満足感を高める朝市が開催されています。たまにはいつもより早起きをして、朝市にお出かけしてみませんか。
朝市の街が気になる方はこちらもチェック!
当サイトでは4つあった日本三大朝市の他にも、観光情報をまとめています。朝市の街の旅行を充実させたい方は、チェックしてみてください。
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