検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

キンポウゲ(金鳳花)はどんな植物?花言葉や花が咲く季節などをご紹介!

キンポウゲ(金鳳花)は愛らしい黄色の花を咲かせる植物です。各地に自生しているので目にする機会が多い花でしょう。季節を知らせる花のひとつですね。ただ、有毒植物なので注意が必要です。キンポウゲ(金鳳花)とはどんな植物か、花言葉や花の咲く時期などをご紹介します。
更新: 2023年12月16日
優花
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

キンポウゲ(金鳳花)とはどんな植物?

キンポウゲ(金鳳花)について

キンポウゲ(金鳳花)はキンポウゲ科キンポウゲ属の植物です。学名を「Ranunculus japonics」といい、蛙を表すラテン語の「rana」が語源とされています。キンポウゲ(金鳳花)の近縁種が蛙の住むような湿地でよく見られることが由来のようです。

キンポウゲ(金鳳花)は、日本、朝鮮半島、中国、台湾などに分布しています。キンポウゲ科は植物の中でも大きなグループです。世界中に数千種の花が存在します。

キンポウゲ(金鳳花)の特徴

キンポウゲ(金鳳花)は多年草の半耐寒性植物です。花は黄色で直径3cm程度と小さく花弁は5枚です。八重咲き品種もあります。似ている春の花はキツネノボタン、ヒキノカサ、タガラシなどです。

草丈は30cm~60cmくらいで、根生葉の柄は長く葉の部分は3~5裂の掌状です。その他の葉は3裂の掌状で、縁にはギザギザとした鋸状の切れ込みがあります。

キンポウゲ(金鳳花)の季節|見頃は春

キンポウゲ(金鳳花)の花と季節①春

キンポウゲ(金鳳花)は春に花を咲かせます。キンポウゲ(金鳳花)の小さな黄色い花の見頃は4月~5月頃です。全国各地に自生し、日当たりの良い山野で見られます。花弁がキラキラと光沢を帯びて輝くのは、光を反射するデンプンを含んだ細胞層があるからです。

キンポウゲ(金鳳花)はどんどん増えていく植物で、場所によっては群生しています。八重咲きの品種は、小さなラナンキュラスのようです。春には、群生したキンポウゲ(金鳳花)の花が、陽射しを浴びて黄金色に輝く景色を見たいものですね。

キンポウゲ(金鳳花)の花と季節②夏

春の早い時期に咲いた花は、4月の末頃には実になります。キンポウゲ(金鳳花)の実は金平糖のような形です。一見するとトゲトゲしたボール状ですが、実際には種が集まってできた集合果です。夏には花も集合果もたくさん見られます。ただ、あまり暑すぎると枯れてしまうこともあるようです。

キンポウゲ(金鳳花)の花と季節③秋

この頃になるとキンポウゲ(金鳳花)は冬支度を始めます。葉が黄色く変わっていく季節です。しかし、秋になっても花が咲いていることもあります。葉や茎にある白い毛が目立ってくるのは、寒さをしのぐためのようです。

キンポウゲ(金鳳花)の花と季節④冬

キンポウゲ(金鳳花)は休眠して越冬します。半耐寒性なので寒すぎると枯れることもありますが、こぼれた種からも育つので翌年も花が見られるでしょう。葉はロゼット状になります。

キンポウゲ(金鳳花)の有毒成分と症状

キンポウゲ(金鳳花)の有毒成分プロトアネモニン


愛らしい花姿とは違い、キンポウゲ(金鳳花)は全草が有毒の植物です。ラヌンクリンという成分が加水分解されて「プロトアネモニン」という有毒成分が作られます。プロトアネモニンの量は生育状況や時期によって個体差がありますが、開花時期に多いようです。

プロトアネモニンによる症状

刺激が強い揮発性の有毒成分で、皮膚や粘膜につくと炎症を起こしたり水疱ができたりします。汁液に触れると皮膚がただれることもあるので、手袋をするなどの対策をしましょう。誤って食べると口の中にただれや潰瘍ができ、胃腸炎、下痢、嘔吐、麻痺、幻覚などの症状が起こると言われています。

有毒成分を消す方法

人が誤って食べたという報告は現在のところありません。しかし、放牧されていた牛がキンポウゲ(金鳳花)を食べて中毒症状を起こしたという報告があります。キンポウゲ(金鳳花)は乾燥や煮沸などで有毒成分が分解されるので、その状態であれば中毒症状は起こらないようです。

キンポウゲ科の花は美しく有毒な種が多い

キンポウゲ科にはラナンキュラスやアネモネ、デルフィニウムやクリスマスローズなど、よく知る美しい花が多く存在します。他には福寿草やトリカブト、オダマキやセンニンソウなどもキンポウゲ科です。キンポウゲ科の植物は目を惹く美しい色の花が豊富で、有毒成分を持つものが多いと言われています。

キンポウゲ(金鳳花)の薬効

有毒植物は薬になることも多いですね。キンポウゲ(金鳳花)にも薬効があります。漢方では毛茛と呼ばれ、扁桃腺の炎症や皮膚病などの症状に外用薬として利用されます。

日本でも昔は民間薬として、マラリアや関節痛などの症状に利用されたようですが、現在はほとんど使われていません。有毒植物なので一般の人が使用するのは控えた方が安全です。

キンポウゲ(金鳳花)の花言葉|日本

キンポウゲ(金鳳花)にはさまざまな花言葉があります。日本と海外では花言葉は多少違うものです。しかし、どちらも素敵な花言葉を持っています。野草ですが家庭での栽培も可能な花なので、花束やブーケにして贈るのもいいですね。

では、まずは日本におけるキンポウゲ(金鳳花)の花言葉をご紹介します。花の小ささと色にちなんだ花言葉が多いようです。

子供らしさ、無邪気、幼稚、上機嫌 小さな黄色の花が、天真爛漫な子供を連想させることからつけられた、という花言葉です。
栄誉、栄光、富、到来する幸福、楽しみ到来、幸福、美しい人格 キンポウゲ(金鳳花)の花びらが、太陽の光を受けて光沢のある輝きを見せることからつけられた、という花言葉です。
中傷、悪意、忘恩 キンポウゲ(金鳳花)の有毒性がマイナスイメージの花言葉になったと言われています。

キンポウゲ(金鳳花)の花言葉|海外


海外の花言葉は日本と少し違う点があります。キンポウゲ(金鳳花)が子供の頃から親しまれ、ガーデニングやプレゼントにも使われている馴染み深い花だからでしょうか。海外におけるキンポウゲ(金鳳花)の花言葉をご紹介します。

きちんとした 整然と並んだ5枚の花びらの様子からついた花言葉です。迷っていたり、複雑な状況に置かれていたりする人に贈ると良いでしょう。
幼稚、未熟、幼さ、若さ、陽気、富 花が小さいことと、明るい黄色がまだ幼い子供を思わせることからつけられた、といわれる花言葉です。
謙虚さ、純粋さ、清楚 野に咲く素朴で小さい花は、派手さはないけれどもシンプルな美しさを持つとしてつけられた花言葉です。
魅力、あなたの魅力は私を驚かせる、心からの愛、喜び、友情 キンポウゲ(金鳳花)は、老若男女を問わず多くの人から愛され親しまれていることから、魅力の象徴になっています。
不誠実な行動、嘲笑 有毒成分を持っていることや、キンポウゲ(金鳳花)にまつわる神話などからイメージされた花言葉だと考えられます。

マイナスイメージの花言葉もあるので、贈るときには気をつけたいですね。また、キンポウゲ(金鳳花)は有毒なので、扱い方には注意しましょう。

キンポウゲ(金鳳花)の名前の由来4個

キンポウゲ(金鳳花)にはいくつかの別名があります。どんな由来があってつけられた名前なのでしょうか。まずは日本での名前キンポウゲ(金鳳花)と別名の由来についてご紹介します。


キンポウゲ(金鳳花)の名前①キンポウゲ


和名の「金鳳花」という漢字は、黄金色に輝く鳳凰の姿を連想させる光沢を帯びた花色が由来です。また、キンポウゲ(金鳳花)には「ウマノアシガタ」という別名があります。漢字では「馬の脚形、馬の足形」と書きますが、おもな由来は大きく分けて二説です。

キンポウゲ(金鳳花)の名前②ウマノアシガタ

根の部分から出ている葉の形が馬蹄に似ているという説と、鳥という漢字を誤って馬と書いたという説があります。実際には、キンポウゲ(金鳳花)の根生葉はあまり馬蹄には似ていません。

鳥の足によく似ているとも言い難いのですが、漢字を誤ったという説が有力です。また、キンポウゲ(金鳳花)はコマノアシガタ(駒の足形)と呼ばれることもあります。「駒」は馬を表す言葉でもあり、意味合いはウマノアシガタと同じだと考えられるでしょう。

キンポウゲ(金鳳花)の名前③オコリオトシ

キンポウゲ(金鳳花)には他にも、やオコリオトシ(瘧落とし)という別名があります。「瘧」とはマラリアに似た症状の熱病です。キンポウゲ(金鳳花)の薬効についてもお伝えしましたが、昔は民間薬としてマラリアに使われたと言われています。名前の由来はそこにあるのでしょう。
 

キンポウゲ(金鳳花)の名前④毛茛

キンポウゲ(金鳳花)のことをさすウマノアシガタは、漢字で「毛茛」とも書きます。これはキンポウゲをさす中国語の言葉です。中国では毛茛は生薬として用いられています。

また中国で「金鳳花」と書く花は、日本でいうホウセンカのことです。日本と中国では、同じ「金鳳花」という漢字を書いても違う花をさすので、間違えないようにしましょう。

キンポウゲ(金鳳花)の英語名はバターカップ

日本での名前とは別に、多くの人が知っている呼び名があります。キンポウゲ(金鳳花)の英語名「Buttercup」です。英語名にもいくつかの由来があります。ひとつは黄色の花姿がバターカップの形に似ている、という説です。

もうひとつはバターカップというスラングの意味が関係しています。キンポウゲ(金鳳花)の花が持つ「可愛い子供や女の子」のイメージが、スラングの「バターカップ」の意味と同じだから、という説です。

最後は言い伝えで、キンポウゲ(金鳳花)を食べた牛のお話が由来です。言い伝えはいくつかあるので後述します。

キンポウゲ(金鳳花)の神話

海外にはキンポウゲ(金鳳花)にまつわる伝説や神話があります。花言葉にも関連があるのかな、と思われるお話しなど4つをご紹介します。

キンポウゲ(金鳳花)の神話①美しい声を持つ若者ラナンキュラス

美しい声を持つラナンキュラスという若者がいました。ラナンキュラスは美声に名誉を与えられます。ある日、ラナンキュラスは木の妖精たちのために歌い続けることになりました。歌い続けて疲れ切ったラナンキュラスは、そのまま地面に倒れて死んでしまいます。

ラナンキュラスが倒れた場所には小さな花が育ちました。名誉ある美声を称えて、その小さな花には彼の名前がつけられました。「名誉」という花言葉の由来とも思える神話です。

キンポウゲ(金鳳花)の神話②牛のミルク

春になりキンポウゲ(金鳳花)の咲く場所に牛たちが放牧されました。牛たちがキンポウゲ(金鳳花)の花を食べると、他の牛たちよりも甘いミルクを出したのです。

そのことから、キンポウゲ(金鳳花)にはバターカップという名前がつけられました。実際には、牛がキンポウゲ(金鳳花)を食べると中毒症状がでます。言い伝えならではのお話ですね。

キンポウゲ(金鳳花)の神話③金と老人


袋を持ったケチなお年寄りが野原を横切ろうとしていました。袋の中にはたくさんの金が詰まっています。すると、妖精がやってきて金を分けてもらえないかと尋ねました。ケチなお年寄りは金を分けずに、そのまま歩いていきます。

そこで妖精は草の刃で金の詰まった袋を切りました。金が地面に落ち始めると、そこにはバターカップの花が咲いたそうです。教訓を含んだお話ですが、春の野原に黄金色のキンポウゲ(金鳳花)の花が次々と咲く様子を感じさせますね。

キンポウゲ(金鳳花)の神話④コヨーテの瞳

あるとき、コヨーテは自分の目を空中に投げてはつかむ遊びをしていました。そこへワシが飛んできて、空中でコヨーテの目を奪ってしまいます。目を失くしたコヨーテは何も見えなくなりました。

そこでコヨーテは、可憐なキンポウゲ(金鳳花)の花を新しい目にしました。そのため、今でもキンポウゲ(金鳳花)はコヨーテの目と呼ばれています。このお話は、特にアメリカで人気があるそうです。

キンポウゲ(金鳳花)の一重咲きと八重咲き

キンポウゲ(金鳳花)一重咲き

ところで、キンポウゲ(金鳳花)とウマノアシガタは厳密には同じ花ではありません。キンポウゲ(金鳳花)を調べて出てくる写真の多くは黄色い一重の花です。これは正式名称をウマノアシガタと言います。

キンポウゲ(金鳳花)|八重咲き

キンポウゲ(金鳳花)とは本来、八重咲きの品種をさす名前です。八重咲きの花は、一重咲きのウマノアシガタの雄しべが変化して花びらになった品種をさします。しかし、最近では八重咲きも一重咲きもあまり区別されていません。八重咲き一重咲きに関わらず、キンポウゲ(金鳳花)と呼ばれています。

黄金色に輝くキンポウゲ(金鳳花)は春を告げる花

キンポウゲ(金鳳花)はどんな花なのか、見頃や花言葉などをご紹介しました。キンポウゲ(金鳳花)は野草ながら、ガーデニングやプレゼントにもおすすめの花です。春には、一重咲きだけではなく八重咲きの花も一緒に楽しみたいですね。

キンポウゲ(金鳳花)の種類や栽培方法が気になる方はこちらをチェック!

キンポウゲ科にはいろいろな種類の花があります。園芸品種としてご存知の方も多いラナンキュラス(ハナキンポウゲ)もそのひとつです。キンポウゲ科の花について知りたい、ラナンキュラス(ハナキンポウゲ)を育ててみたい、というあなたにおすすめの記事をご紹介します。