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ブルーベリーの適切な剪定と時期とは?夏と冬での違いや簡単な方法をご紹介!

育て方が簡単で、初心者でも栽培しやすいブルーベリー。お手入れがしやすいことでも人気ですが、剪定となると自信がなくなる人も多いはず。剪定する枝の見分け方とは?夏と冬で剪定の方法に違いはある?など、ブルーベリーの剪定のコツをまとめてご紹介します。
2020年8月27日
しまうま花屋
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ブルーベリーとは

落葉性の果樹

ブルーベリーは北アメリカが原産の、ツツジ科スノキ属の落葉果樹です。寒冷地向きの品種と温暖地向きの品種があり、ほぼ日本全国で栽培することができます。また、秋の果実収穫だけでなく、四季を通してお花も紅葉も楽しめます。

庭植えでも鉢植えでも楽しめる

ブルーベリーは広がりすぎず場所をとらないため、庭植え向きでも鉢植え向きでもあり、育て方が簡単な植物です。ベランダなどでも栽培しやすいので、初心者向きでもあります。お手入れも難しくなく、比較的簡単に収穫することができます。

ブルーベリーの種類と違い

大きく分けて3種類

ブルーベリーには大きく分けて3種類の系統があります。系統や品種によってそれぞれ温暖地向き、寒冷地向きなどの特徴があります。購入する際には、栽培する場所と特性が合っているか注意して見てみましょう。

ハイブッシュブルーベリー

従来から栽培されている栽培用の種類です。ハイブッシュブルーベリーの中でも、寒冷地向きで日本でも多く栽培されている北部ハイブッシュブルーベリー、温暖地向きの南部ハイブッシュブルーベリー、樹高が低めで寒冷地向きの半樹高ハイブッシュブルーベリーの3つに分かれます。

ラビットアイブルーベリー

果実が熟す前にウサギの目のように赤くなることからラビットアイと呼ばれるこのブルーベリーは、高温や乾燥に強い温暖地向きのブルーベリーです。土壌も選ばず、強くて栽培しやすい種類です。ハイブッシュブルーベリーよりも実つきは良いですが、実の大きさはハイブッシュの方が大きいとされています。

ローブッシュブルーベリー

栽培種とされるハイブッシュやラビットアイとは違い、ローブッシュは北アメリカの野生種で、ワイルドブルーベリーとも呼ばれます。樹高が1〜3mの栽培種に比べ、15〜60cmと低く這うように育つのが特徴です。栽培種よりも果実に含まれるポリフェノールが多いといわれています。

系統の見分け方

日本で売られているブルーベリーはたいていハイブッシュかラビットアイですが、ラベルに品種名は書いてあっても系統名は書かれていないこともしばしばあります。品種により多少の違いはありますが、見分け方を簡単にまとめてみました。

ハイブッシュブルーベリーの特徴

・落葉する
・枝の色が赤褐色
・葉の形が丸く、縁のぎざぎざが弱め

ラビットアイブルーベリーの特徴

・落葉しない
・枝の緑色が濃いめ
・葉の形が細長く、縁のギザギザが強め

ブルーベリーを剪定する前に

剪定とは?

不要な枝を切ったり、枝の量を調整するお手入れを剪定といいます。植物は適切な剪定をすることで株が元気になり、病害虫を予防できる効果もあります。また、樹形を整えるためにも剪定を行います。

どうして剪定が必要?

ブルーベリーの剪定では、樹形を整える・病害虫を防ぐことのほかに、枝の若返りをさせることで実つきをよくする目的があります。剪定しなくても果実をならせることができますが、より大きな果実をしっかり収穫するには剪定が必要なのです。

剪定って難しい?

剪定というと少し難しいようなイメージを持つかもしれませんが、剪定の方法を知りコツを掴めば簡単です。そのためにはブルーベリーの生育をよく知り、ブルーベリーの生育年数に合わせて剪定することが大切です。

ブルーベリーの剪定:生育を知る

ブルーベリーの12ヶ月

ブルーベリーの生育状態は、休眠期・開花期・果実肥大期・収穫期・紅葉期があります。品種により時期のずれはありますが、3〜4月に開花し、その後果実ができ、6〜8月頃に収穫期を迎えます。その後10〜11月に紅葉したあと落葉し、12〜3月頃まで休眠期に入ります。

休眠期のブルーベリー


落葉し休眠期に入ったブルーベリーは、一定期間冬の寒さに当たることによって休眠から目覚めていきます。南部ハイブッシュブルーベリーやラビットアイブルーベリーは低温に当たる時間が短くても目覚めることから、温暖地向きと言われています。

伸長期のブルーベリー

休眠期が開けるとブルーベリーは萌芽期になり、4月からは第一次伸長期に入って新梢が伸び出します。その後6月頃にいったん成長が止まり、7月に入ると第二次伸長が始まり、さらに勢いの良い株は8月中旬から9月ごろまで第三次伸長の時期を経て多くの枝を伸ばします。

ブルーベリーの剪定:時期は冬?夏?

剪定の時期は冬

ブルーベリーのお手入れにおいて剪定と言われるのは、休眠期に花芽の量を調節したり不要な枝を取り除く作業のことを指します。休眠期の12〜3月の間がよいとされていますが、雪も溶けはじめ少し暖かくなってきた2月から3月中旬までが適切な時期です。

夏は摘心

4月頃から6月頃までの第一次伸長期に伸びすぎた新梢を調整するお手入れを摘心といい、夏の剪定ともいいます。この徒長枝とも呼ばれる伸びすぎた新梢をそのままにしておくと、枝分かれが悪くなり翌年の花の量が少なくなってしまいます。

ブルーベリーの剪定:花芽の見分け方

花芽と葉芽の違い

ブルーベリーは、枝の先端に花芽がつき、その下に葉芽がつきます。花芽は大きく膨らみ、葉芽は細く小さくつきます。春になると枝の先の花芽から花が咲き、葉芽からは葉が出て新梢が伸びてきます。

果実のなり方

先端の花芽が開花し受粉すると果実がなります。収穫期が終わり、休眠期の冬になると果実のなった先端の部分が枯れ込み、昨夏に葉芽から伸びた新梢の先端に花芽がつきます。そうしてどんどん枝分かれしていきます。

ブルーベリーの剪定:枝の選び方

枯れた枝や病害虫のついた枝を切る

枯れている枝を切ります。

まずは、枯れ込んだ枝や、病害虫のついた枝を剪定します。果実がつき終わって枯れた枝や、細く弱くなって枯れてしまっている枝などをカットしていきます。

混み合った枝を間引く

内向きに伸びて他の枝の邪魔になってしまう枝を切ります。

株元で混み合っている枝を間引きます。混み合った枝を剪定して風通しをよくし、内側にもしっかり日光が届くようにすることで、病害虫の予防にもなります。また、内向きに伸びて樹形を乱している枝を剪定するとすっきり見た目もよくなります。

勢いのよい枝を残す

花芽のついた枝のことを結果枝ともいいますが、ブルーベリーは生育年数が経ってくると、勢いの強い太い結果枝と、花芽がついているものの勢いの弱い細い結果枝が出てきます。弱い枝を剪定しながら、太い結果枝を残して株を成長させていきます。

ブルーベリーの剪定:冬の剪定①1〜2年目

1〜2年目は幼木

植えつけてから1〜2年のまだ枝も少ない株は、幼木と呼ばれます。花芽がついていることもありますが、この時期に果実をつけさせてしまうと木が弱ってしまうので、花芽は切ってしまいます。葉芽を残して、株に力を蓄えさせましょう。

ブルーベリーの剪定:冬の剪定②3〜4年目

主軸枝を決めて残す

この頃になると、株元から伸びる枝も増えてきます。これらの中から太くて勢いのある枝を主軸として、この主軸枝が3〜5本程度になるように弱い枝を間引きます。

勢いのある結果枝を残す

また、主軸枝には花芽のついた結果枝がいくつか出てきますが、その中でも果実への栄養が分散しないように、太くよく伸びている勢いのある結果枝を残して、勢いの弱い結果枝を間引きます。

混み合った枝を剪定する

3〜4年目のブルーベリーになると、枝が増えてきて株が混み合ってきます。風通しが良くなるように、内部にまで日光が届くように、混み合った枝は剪定しましょう。内向きに伸びている細い枝を中心にカットしましょう。

ブルーベリーの剪定:冬の剪定③5年目以上

株の若返りを図る


5年以上経ってくると、これまで主軸枝となってきた枝が古くなって成長が鈍くなってきます。この主軸枝を切り戻して若返らせることで、また果実がなりやすくなります。主軸枝に勢いのある結果枝が残っている場合は、それを残して弱っている枝を半分程度に切り詰めます。

弱ってきたら地際まで切り戻す

花芽がついている結果枝があってもあまり勢いがなくなっている主軸枝は、地際近くの1/3ほどの長さに切り戻します。全ての枝を地際で切り戻してしまうと花がつかなくなってしまうので、新しくて勢いのある枝をしっかり残すよう気をつけましょう。

花芽の数を間引く

5年以上経ったブルーベリーの株にはたくさんの花芽がつきますが、すべてを残すと小さい果実ばかりになってしまいます。花芽のつきすぎた結果枝を間引くことで負担が減り、大きい果実を収穫することができます。

ブルーベリーの剪定:冬の剪定のコツ

主軸枝から剪定する

細かい枝を剪定するほうがわかりやすくて手をつけやすいですが、剪定するときは大きい主軸枝から剪定することで失敗が減ります。細かい枝を剪定してから大きい主軸枝を間引くと、樹形が崩れたり欲しいところに枝がなくなったりしてしまいます。

外側向きの葉芽を残す

剪定する際は芽の5mm程度上を切りますが、外側に向いた葉芽を残して切るようにしましょう。ブルーベリーは葉芽から新梢が出てくるため、内側に向いた芽の上で切ってしまうと内向きに枝が伸びて株が混み合ってしまいます。外側の芽を残して、枝が広がって成長するように調整しましょう。

ブルーベリーの剪定:夏の摘心

摘心する枝を見分ける方法

株元からまっすぐ伸びた枝を剪定する

夏の摘心は、枝分かれが悪いことで花芽がうまく分散してつかなくなってしまうことを防ぐために行うお手入れです。そのために、伸長期に株元からまっすぐ強く伸びた枝を2/3ほど残して剪定します。勢いの弱い枝や、きれいに枝分かれしている場合は手入れする必要はありません。

様子を見てもう一度摘心

ブルーベリーの伸長期は夏にかけて第一次・二次・三次とあるので、第一次が終わった6月頃に剪定したあと、7月頃にもう一度様子を見ましょう。またまっすぐに強い枝が伸びているようなら、同じように2/3程度残して剪定します。

剪定を簡単にするコツ

剪定は難しくない

ブルーベリーの剪定の基本をお伝えしてきましたが、ブルーベリーの剪定はそこまで難しく考える必要はありません。ブルーベリーは剪定を失敗して枯れてしまうことはあまりなく、また、剪定をしなくても果実をつけてくれます。そんな中でも剪定のコツを3つにまとめてみました。

花芽の数を調整する

たくさん花芽がついて花が咲くと嬉しいですが、たくさん果実がなるとデメリットが数点あります。まずひとつは若い株だと木が弱ってしまうこと、そしてもうひとつは、果実が小さくなってしまうことです。花芽がつきすぎている結果枝を調整してあげることを意識して、剪定してみましょう。

風通しを意識する

ブルーベリーに限らず、植物のお手入れには「混み合った枝を整理する」という項目が出てきます。これは、株元を整理してすっきりと風通しをよくすることが目的です。混み合った枝を間引くときは、株の中に風が通るように、株の内部にも太陽の光が届くことを意識して剪定すると簡単になってきますよ。

枝の伸びる方向を推測する

樹形をきれいに整えていくことを意識すると見た目もきれいになるだけでなく、生育にもよい影響になります。芽が出ている方向に枝が伸びていくという性質に注目して、枝が外側に伸びていくように意識するとだんだんコツがわかってきますよ。

剪定した枝で挿し木してみよう

挿し木の方法は二通り

ブルーベリーを増やしたい場合、挿し木するのが一般的です。挿し木する場合、ブルーベリーには休眠枝挿しと緑枝挿しというふたつの方法があります。緑枝挿しは夏に成長中の枝を挿し木する方法ですが温度管理が難しく、休眠枝挿しのほうが簡単な育て方です。

休眠枝挿しの方法

3月上旬頃の発芽前のブルーベリーから、穂木をとります。冬の剪定でカットした枝を使うとよいでしょう。その際、太くしっかりした1年枝を選ぶと成功率が高くなります。穂木は、先端の花芽を切り葉芽のみの部分を使います。

ピートモスと鹿沼土を1:1で合わせた土に挿し、根が出てくる7月までは水やりをしっかり行います。その後は少し水を控えめにし、7月下旬には緩効性肥料を施します。翌年3月の発芽前に鉢上げしましょう。

緑枝挿しの方法


緑枝挿しは、第一次伸長期がいったん終わった6月下旬から7月上旬の新しい枝を使います。夏の摘心に合わせるとよいですが、この時期の枝でないとうまくいかないため、枝の成長をよくみましょう。10cmほどにカットした枝の上の葉を2枚残し、さらに葉の先を1/3ほど切ります。そして3時間ほど水につけておきます。

ピートモスと鹿沼土を1:1にした土に挿し、鉢をビニールで密閉して、直射日光を避けて中を30℃以下で保ちます。土を乾かさないように水やりに気をつけ、3〜4週間して発根してきたらビニールをとって、翌春に鉢上げします。

ブルーベリー育て方の3つのポイント

剪定以外のお手入れのコツは?

ブルーベリーのお手入れの中でも大切な剪定について述べてきましたが、そのほかにも育て方のコツがいくつかあります。ブルーベリーの基本的な育て方について簡単にご紹介します。

育て方のポイント①2品種以上

同系統で2品種以上

ブルーベリーは、2品種以上を揃えると受粉しやすい植物です。しかし、ハイブッシュとラビットアイの間では受粉することができないので、同じ系統の中から品種の違う株を2つ以上育てることで受粉しやすくなります。

自家不和合性

ブルーベリーは同じ品種同士ではうまく受粉できない性質があり、それを自家不和合性といいます。特にラビットアイ系統でその傾向が強いとされています。ハイブッシュは1本でも受粉できる品種もありますが、2品種以上を栽培することでより大きく甘い果実を収穫することができます。

育て方のポイント②肥料

肥料の種類

ブルーベリーにはアンモニア態チッ素が含まれる肥料がよいとされています。しかしこの肥料は速効性で、4〜5年以上の成木にはよく効きますが、植えつけて3年以下の若い株では肥料やけを起こすことがあります。2〜3年までは緩効性肥料を選ぶようにしましょう。

肥料の量と時期

ブルーベリーの施肥は、3月上旬と6月上旬、7月上旬の計3回行います。3月に積雪のある地域などでは11月上旬にします。株が若いうちは肥料を少なめに、年数がたつにつれ肥料の量を増やします。ブルーベリーは根が広がって育つので、枝の広がりよりも広くに散布しましょう。

育て方のポイント③マルチング

マルチング

ブルーベリーのお手入れにおいて有効なのが、有機物のマルチングです。ブルーベリーは根が広く浅く育つため、土が固まって通気性が悪くなると生育が悪くなってしまいます。3月上旬の肥料を施す時期に、わらや腐葉土、おがくずなどを株元に厚さ10cmほど敷きます。

剪定して上手に育てよう

コツをつかめば簡単

ブルーベリーの剪定はコツをつかめば簡単です。多少失敗しても剪定に弱い植物ではないので、冬の剪定も夏の摘心もあまり難しく考えずに挑戦してみてくださいね。剪定してより大きく甘い果実を収穫しましょう。

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