検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

ハイゴケの育て方と栽培方法!特徴や増やし方のコツ・植え方もご紹介!

テラリウムや苔玉など、様々なことに活用されているハイゴケ。日本各地で見かけるほど環境適応能力が高く、育てやすいことから苔栽培初心者におすすめの植物です。ハイゴケを栽培するにはどうすればいいのか?など、植え方や増やし方について紹介します。
2020年8月27日
haduki0
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

ハイゴケ(這苔)ってなに?

ハイゴケとは、世界各地でよく見られる苔の一種です。苔が這う(匍匐性)ように繁殖し広がる様子から這苔(ハイゴケ)と呼ばれるようになりました。どこにでもある苔なため入手や購入がしやすい上、比較的育てやすいことから園芸用はもちろん、テラリウムや苔玉といった事にも多く使われています。

ハイゴケの色

一般的なハイゴケは緑色をしていますが、中には茶色のハイゴケもあります。これは枯れているわけではなく、極度の乾燥や直射日光の浴びすぎにより変色しているだけです。水やりをしたり日陰に移動してしばらくすれば元の緑色に戻ります。とはいえ、決してハイゴケにとって快適な環境というわけではありませんので、対処する必要があるでしょう。

ハイゴケの花言葉

ハイゴケには花が無いように思えますが花言葉はしっかりあります。正確に言えば「ハイゴケ」ではなく、「コケ」すべてに対する花言葉ですが、「母性愛」「信頼」「孤独」「物思い」といわれています。苔の成長と侵食力の強さから、すべてを包み込む「母性愛」を感じ「信頼」できるのかもしれません。ですが逆に、侵食力の強さから他の植物と共存するのは難しく、「孤独」と感じ「物思い」に更けることもあるのかもしれませんね。

ハイゴケの群生地は?

ハイゴケは日本だけではなく、シベリア、アジア、ハワイなど世界各国で見ることのできる植物です。日本でも、北海道から沖縄までどこにでも見かけることができます。また、群生する場所も多岐にわたり、木陰や水辺はもちろん、石の上や屋根の上など場所を問いません。どこにでも活着(植物が根づき生長可能なこと)し群生するのがハイゴケの特徴といえます。

ハイゴケの特徴

ハイゴケの一番の特徴といえば名前の由来ともなった「這うような成長の仕方」ですが、他にも特徴はあります。

特徴:1「環境適応能力が強い」

ハイゴケは日本全国どこでも見られるように環境適応能力がとても高いです。半陰性で湿気を好みますが、全日照の場所でも問題なく活着していることもあるほどです。そのため、栽培や増やし方も比較的簡単で、初心者にも育てやすい植物なのです。

特徴:2「成長速度が速い」

ハイゴケは環境適応能力が高いだけではなく成長速度も速いです。放置していると庭や鉢全体を這うように埋め尽くしてしまいます。また、風に飛ばされたり動物などに付いて別の場所に落ちると、蒔きゴケとなってそこから活着します。多少増やし方や植え方を失敗しても成長し活着しますので、初心者におすすめといえるでしょう。

特徴:3「雑草が生えにくい」

ハイゴケは地面を覆いつくすように生長していきます。雑草の生える隙間なく成長しますので、雑草の生えるという心配があまりありません。雑草が生えることで景観が崩れにくく、ガーデニングや盆栽もしやすいです。ただ、あくまでも地面を覆いつくしていることが条件で、風などによってハイゴケが剥げていた場合、そこから雑草は生えてしまいます。ガーデニングに使用する際は雑草が生えないよう、満遍なく敷き詰める植え方をしましょう。

ハイゴケの育て方:1「環境」


ハイゴケは、半日陰(日中の半分は日向、半分は日陰)で湿気がある場所を好みます。そのため、木の根元などの直射日光が届かず風通しが良すぎない場所で育てましょう。屋根の上など全日照の場所でも育ちますが、茶色く変色してしまい見た目や生長にあまりよくありません。綺麗なモスグリーンを楽しむためにも直射日光は避けてください。

寒波に注意

ハイゴケはある程度寒さに強いですので、冬場は放置して問題ありません。多少雪が降った程度でも問題なく越冬します。霜柱によって剥がれてしまうこともありますが、剥がれたハイゴケが蒔きゴケとなり勝手に活着していきます。心配なら霜柱が溶けた後、地面とくっ付けておくといいでしょう。ですが、冬の寒波はハイゴケを乾燥させてしまいます。そのままでも問題ない場合もありますが、苔が弱ってしまいますので、乾燥対策に水やりをしたり、寒波にさらされないように松の葉を敷いて風が当たらないようにしたりしましょう。
 

室内での育て方

苔玉やテラリウムなど室内で育てる場合、レースカーテンのある窓際で育てるといいです。レースカーテンが直射日光を遮り程よい半日陰を作ります。また、乾燥を嫌いますのでエアコンや扇風機、暖炉など乾燥しやすい場所は避けるようにしてください。ある程度の光があり乾燥しない場所ならどこでも育てることが可能です。

ハイゴケの育て方:2「水やり」

ハイゴケは乾燥を嫌いますので常に湿った状態が好ましいです。そのため、土が乾くようならたっぷりと水やりをえてください。それ以外はハイゴケの乾燥を防ぐために、毎日霧吹きで水やりする程度で問題ありません。ただ、ある程度の乾燥にも耐えることはできますので、よっぽど乾燥が続くようでなければ水不足で枯れる心配はないでしょう。

庭栽培の水やり

ハイゴケは乾燥を嫌うとはいえ、乾燥に弱いわけではありません。ですので、庭栽培の場合は雨だけでも育てることができます。夏などの日照りが強く土や空気が乾燥する時には水やりをした方がいいですが、基本は放置で問題ありません。

水やりの注意点:1「水圧が強いと剥がれる」

ハイゴケは土や木に活着はしますが、深く根を張るわけではありません。そのため、ホースなどで水やりをすると水圧によってハイゴケが剥がれてしまうことがあります。ですので、水やりをする際はジョウロなどで優しく水やりをするようにしてください。でないと、「水やりした後には何も残らなかった」なんてことになりかねません。

水やりの注意点:2「季節ごとで時間を変える」

季節によって水やりの時間を変えてください。夏の日中に水やりをすると、水分が沸騰してしまったり、水滴が太陽レンズと化して焦がしたりとハイゴケにとって良くありません。逆に冬では、朝や夜に水やりをするとハイゴケが凍ってしまいます。そのようなことが無いよう、夏は涼しい朝や夜の時間に、冬は暖かい日中に水やりをしてください。

ハイゴケの育て方:3「土と肥料」

ハイゴケは環境適応能力が高く、どこにでも生息できますので栽培する土壌を選びません。園芸店などで市販されている土壌や、赤玉土などを混ぜた水はけがいい土壌で大丈夫です。それと肥料も必要ありません。むしろ肥料を与えることで栄養過多になって枯れてしまうこともありますので、栽培には不要といえるでしょう。

ハイゴケの育て方:4「刈り取り」

ハイゴケは放置しておくと勝手に生長し侵食していきますので、偶には刈り取りも必要になります。とはいえ、ハイゴケは手で簡単に剥がせますので不要の部分は手で剥ぎ取ればいいでしょう。また、ハイゴケが長くなると、ハイゴケの根元が茶色く変色してしまうことがあります。そのままでも問題ないともいえますが、ハイゴケ全体をきれいな緑色にするためにも、長すぎるハイゴケは短く切っておきましょう。そして、剥いだりカットしたハイゴケを別の場所に蒔きゴケすれば、どんどん増やすことができます。


ハイゴケの増やし方:1「貼りゴケ」

ハイゴケを増やす際は、シート単位でハイゴケを用意し、土や木などに貼り付ける増やし方をします。貼り付けて数日放置することで仮根が形成されて、その場所に活着するのです。貼り付けておくだけで活着はしますが、仮根ができるまでは風などによって簡単に飛ばされてしまいます。そのため、薄く土をかけて重しにしたり、釣り糸などで縛り付けるといいでしょう。また、貼り付けたからといって必ず成功するとは限りません。失敗することもありますので、そこは理解してください。

ハイゴケ採集は許可を取ること

ハイゴケはそこら辺でも自生していますので、切り取って持ってくることでも増やすことはできます。ただし、その場合は土地の所有者から許可を取ってから採取してください。たとえハイゴケの自生に関与していなくても、ハイゴケは土地の所有者の物です。勝手に採取すると窃盗罪などになりますので、必ず許可を取りマナーを守って採取しましょう。

ハイゴケの増やし方:2「蒔きゴケ」

貼りゴケ以外にも蒔きゴケで増やし方もあります。ハイゴケを適度にちぎって小さくし、それを土にまくことでハイゴケは増えていきます。生長するまで時間はかかりますが、初心者でも簡単に増やすことができます。増やすだけではなく、空いた隙間を埋める目地埋めにも効果的です。

ハイゴケの楽しみ方:1「テラリウムを作ろう」

ハイゴケを育てるならテラリウムがおすすめです。テラリウムとは瓶などの入れ物に石や苔などを入れて箱庭を作る鑑賞方法で、苔の小ささと育てやすさがテラリウムに向いています。

テラリウムの簡単な作り方

手順

1:テラリウムにする器を用意する(一般的に見やすいガラスの瓶がおすすめ)
2:器の底にセルライトや小石を敷き詰め水はけを良くする
3:土や砂を入れて土台を作る
4:岩(器に合った石)などの大きな置物を入れる
5:苔や観葉植物などを植え付ける
6:人形や枝など小物を入れる

作り方のコツ


テラリウムを作るコツは事前にテーマと設計図を決めておくことです。行き当たりばったりだと「ただ積んだだけ」のテラリウムとなってしまいます。また、植え方としてはピンセットを使うと細かくテラリウムを整備出来ておすすめです。完成後は適度に葉水をして大切にしましょう。

アクアリウムへの転用

テラリウム以外にもアクアリウムにすることもできます。アクアリウムとは、簡単にいえば「水辺のあるテラリウム」のことです。植物以外にも熱帯魚や亀などを入れることもあり、その場合は置物などは水没しています。アクアリウムは湿気がある分、ハイゴケにとっても快適な環境です。ただし、ハイゴケを完全に水没させてしまうと呼吸ができなくなってしまいますので注意してください。岸に植えたり、わざとハイゴケを長くして水辺から出るようにするなど植え方には工夫が必要です。

ハイゴケの楽しみ方:2「苔玉を作ろう」


テラリウム以外にも苔玉という鑑賞方法もあります。苔玉とは、その名の通り「玉状の苔」です。球体状の土玉に苔を張り付けて作ります。また、土玉な部分が保水することから、苔玉を鉢と見なして別の植物も同居させることもあります。活用方法は色々あり、テラリウムとは違った面白さがあるでしょう。

苔玉の簡単な作り方

手順

1:保水性が良く粘土質な「ケト土」と水はけを良くするための赤玉土を、大体7:3程度の割合で混ぜる
2:混ぜた土をお椀状にして中にケト土とは違う土を入れる
3:中に入れた土に植物を植えてケト土を閉じる(植物だけが出ている状態)
4:ケト土の周りに苔を張り付ける(釣り糸などを蒔き付け補強すると丈夫になる)

作り方のコツ

手順で紹介した植え方ですが、2と3は別の植物を同居させる方法ですので苔だけで作る場合は必要ありません。北海道土産で有名な「マリモ」のような見た目を楽しむことができます。スギゴケなどのハイゴケ以外の苔を合わせても面白いかもしれません。ですが、折角なら別の植物も同居させるとバリエーションが広がりインテリアとしてより楽しむことができます。

苔玉の応用

苔玉は球体が一般的ですが、直方体や円錐状の苔玉も作成可能です。ケト土で形を整えれば基本的にどのような形状の苔球も可能なのです。ハート形や星形といった複雑な物や、やろうと思えばキャラクター状の苔球も可能ですので、自分だけの苔球を作成しましょう。

まとめ

普段気にすることのないハイゴケですが、主張しない風情ある植物として育てている人は結構います。特に育てやすさから、苔栽培入門の人にもおすすめなのです。是非テラリウムや苔玉を作って、自分だけのインテリアを育ててみましょう。

ハイゴケが気になる方はこちらもチェック!

ハイゴケが気になる人は他にもハイゴケの記事はあります。テラリウムや苔玉での育て方や植え方などを紹介していますので参考にするといいでしょう。また、テラリウムや苔球を本格的に考えているなら専用の記事もあります。参考にして色々と試してください。