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ハスモンヨトウとは?その生態と植物への被害を抑える駆除・対策方法を解説!

ハスモンヨトウは農作物を荒らしてしまう困った害虫です。昼はほとんど表に出ず、夜に活動をするためなかなか発見できず、駆除に困っている方もとても多いと思います。そこで今回は、ハスモンヨトウの生態と防除対策について紹介をしていきたいと思います。
更新: 2021年6月15日
mami-na
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ハスモンヨトウとは?

ハスモンヨトウはヨトウガの仲間

ハスモンヨトウは、チョウモ目ヤガ科スポドプテラ属の昆虫で、ヨトウガと同じ科目の蛾の仲間です。ヨトウガと同じで、農作物の葉を食害する農業害虫であり、その被害は広範囲の農作物に広がります。ハスモンヨトウは漢字で「斜紋夜盗」と書き、成虫の羽は暗褐色で、その中央に淡い褐色の縞模様があるため、その模様が名前の由来になっています。

ハスモンヨトウの被害

ハスモンヨトウはさまざまな農作物を食べる雑食害虫で、野菜や花、果樹、たばこなど、広い範囲に被害が及んでいます。食欲がとてもおう盛で、一度発生すると一晩で農作物を食い荒らしてしまう、とてもやっかいな虫なのです。見つけたら必ず駆除をしなければいけない害虫です。

ハスモンヨトウの生態

発生時期

ハスモンヨトウの発生時期は4月~10月の暖かい時期です。寒さには弱いため、冬場はあまり発生しません。暖かい環境で産卵、ふ化、成長をするため、暖かい環境に整えられたハウスなどでは通年で発生しやすくなっています。また、多雨や猛暑の年などは多く発生する傾向にあります。年に3回ほど産卵とふ化を繰り返しますので、被害の無い月がほぼ無いという、やっかいな生態をしているのです。

活動時間

ハスモンヨトウの幼虫の活動時間は主に夜になりますが、ヨトウムシよりも顕著ではないため、昼にも葉の裏や花の蕾の中などで発見することもあります。日中は土の浅い部分などで過ごし、天敵の少ない夜になると土中から出て植物に這いあがり、作物を一気に食い荒らします。

ハスモンヨトウの成虫

成虫の生態

ハスモンヨトウの成虫の体長は、約15mm~20mmあり、羽を広げた状態では約40mm程度になります。早い頃だと3月から発生し、越冬個体の少ない4月から増加をし始め、夏から秋に発生のピークを迎えます。成虫になると食事は花の蜜などに移り、農作物への被害はなくなります。

成虫の活動時間

成虫の活動時間は天敵の鳥などが活動しない夜などです。春や秋などの気候の良い時期は昼にも活動しますが、雨や夏の暑い時期などは農作物の葉の裏や、雨や暑さをしのげる木々の中、人家の軒先などで休み、暑さが和らぐ晴れた夜などに活動が活発化します。

産卵

成虫になるとすぐに産卵が始まります。羽があるため広範囲に移動し、農作物に限らず、樹木や人家、建築物など、いろいろな場所に産卵をします。

ハスモンヨトウの卵

卵の特徴


卵は一度の産卵で、数百個程度の塊で葉に産みつけられ、卵塊は薄黄色の鱗毛で覆われています。卵が産みつけられる場所は葉の裏が特に多い場所です。産卵後、約4~5日で卵から幼虫が生まれます。

冬も暖かいビニールハウスや温室は要注意

ビニールハウスや温室は特に注意が必要な場所で、冬になっても温度が下がりにくく、通年で卵が発見されやすい場所です。家の温室などの空気の入れ替え時に蛾が入り込み、植物などに産卵してしまうことがありますので注意が必要です。また、ビニールハウスのビニールなどに産卵をすることもあります。

家の中の植物を日光浴させるときも注意!

家の中の植物を外で日光浴をさせる場合にも注意が必要で、ほんの数時間で卵を産み付けられていることがあります。家に取り込む時は植物をよく見てから入れましょう。

ハスモンヨトウの幼虫

幼虫の生態

幼虫が生まれるときはほとんどの卵が同時にかえります。ふ化したばかりの幼虫の大きさは3mm~5mm程度で、生まれたばかりの幼虫は1週間ほどは群生して育ちます。その間に群生している場所の葉を食い荒らすのです。生まれてから1週間ほど経過すると、それぞれに離れて他の場所や作物に移り、大きくなっていきます。

幼虫の特徴

成長した幼虫は、大きさ40mmほどにも育ち、体の色は、灰緑暗色や、暗褐色など、個体別や、食べる植物によっても変化が出てきます。幼虫の頭部に近い辺りに大きな暗褐色の斑点があるのがハスモンヨトウの特徴です。尺取り虫のようにうねりながら移動して、被害を拡大していきます。

ハスモンヨトウの対策

ハスモンヨトウを見かけたら即効で対処を!

ハスモンヨトウの卵でも幼虫でも見かけたら、早急に駆除をしましょう。被害が広がる前に早めの対処を心がけます。また、農作物に穴が開いていたら、幼虫がいる事をまず疑って、植物全体を観察しましょう。ハスモンヨトウが1匹いるだけでもとても大きな被害を被ることがあるからです。

ハスモンヨトウが付きやすい植物

ハスモンヨトウの生態は雑食性で、さまざまな農作物を食害してしまいます。日本国内だけでも被害作物は80種にも及び、農家だけではなく、一般家庭の園芸好きな方にとっても悩みの種なのです。食害被害は広範囲に及び、アブラナ科、マメ科、ナス科、キク科、バラ科、ウリ科など、ありとあらゆる植物が被害にあっています。

ハスモンヨトウの防除①

農薬や殺虫剤を使わない駆除対策

農作物を無農薬で育てたいときは、定期的に葉の裏などをチェックします。卵やかえったばかりの幼虫は群生している習性があるので、それを生かして駆除をする方法です。とても手間はかかりますし、完全には取り切れないのですが、被害は少なくなります。見つけた卵や幼虫は、逃げ出さないようにビニール袋に密封し、可燃ごみに出してください。

防虫ネットで産卵を防除する


害虫防除対策で効果があるのは防虫ネットです。ハスモンヨトウの成虫は20mm前後ですので、細かい網目の防虫ネットを張っておけば植物に卵を産み付けらることは無くなります。ですがこちらの防除方法は完ぺきというわけではありません。防虫ネットに産卵をし、隙間から生まれたばかりの幼虫が入り込むということもあるのです。こちらも毎日の観察が必要になってきますのでお気を付けくださいね。

米ぬかでおびき寄せて一気に駆除をする

ハスモンヨトウをはじめ、ヨトウムシは米ぬかが大好きです。雨にぬれず、風に飛ばされないように乾いた米ぬかを植物の近くに置きます。一晩たつと米ぬかに集まってくるので、全て捕殺しましょう。

ハスモンヨトウの防除②

産卵をさせないためにまず大元の蛾を駆除する

初めの防除対策は、卵を産ませないことですので、まずヨトウガ自体を退治しましょう。といっても、相手は夜行性です。夜通し見ているわけにもいきません。そこで使いたい害虫防除グッズは誘蛾灯です。誘蛾灯は、害虫が光に集まる習性を利用し、虫が好む光を放ち、引き寄せ、接触した虫類に電気ショックを与えて害虫を殺虫する専用機器です。ホームセンターやネットショップなどで2000円前後で購入できます。

ハエ取り紙

ハエ取り紙は、その名の通りハエを取る、粘着性の紙です。強力な粘着性を持っている紙ですので、紙に付いた害虫を取り逃しません。うまくいけば、これで産卵前の蛾を取ることができます。誘蛾灯と一緒に使うと捕殺率は上がります。少し見栄えは悪くなってしまうのですが、無農薬を心がけるのであれば、置いてみるのも良いですよ。

ハスモンヨトウに効く農薬と殺虫剤

どうしても駆除できないときは殺虫剤と農薬に頼る

いくら頑張っても駆除しきれないときは殺虫剤や農薬に頼りましょう。農薬は残効性が高いものや緩効性のもの、即効性の高いものなどいろいろとありますので、状況に合わせて使用しましょう。大きくなった幼虫には即効性がある殺虫剤を使いましょう。ですが、農薬の種類によっては人に影響するものもありますので、注意書きをよく読んでから使うようにしましょう。

残効性が高い散布用の殺虫剤

プレバソンフロアブル5 250ml

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ハスモンヨトウなどのヨトウムシなどのチョウ目やハエなど、幅広い害虫に効果があります。育成期に希釈液を散布すると、約2週間程度、また、根からの薬剤吸収により4週間程度効果が持続します。

住友化学園芸 オルトラン液剤 100ml

出典:Amazon
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ハスモンヨトウなどのヨトウムシやアオムシに効果があります。また、アブラムシなど吸汁性の性質を持つ害虫など、広範囲の害虫に効果があります。持続性が高く防除効果は良いのですが、使用時期や回数の制限がありますので、使用には注意が必要です。

フェニックス 顆粒水和剤 100g

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比較的に新しいタイプの殺虫剤で、農薬に強くなっている最近の害虫にとても効果の出る薬剤です。チョウ目の幼虫に特に優れた効果を発揮します。持続性が高く、散布後は長期間安定した効果を得られます。益虫に対する影響が少ないので、葉物野菜などに使うことをおすすめします。

即効性が期待できる殺虫剤

アファーム乳剤 500ml

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ハスモンヨトウなどのチョウ目に対して即効効果が期待できる薬剤です。また、アザミウマやダニ類、ハモグリバエなど、さまざまな害虫にも効果を発揮します。有効成分が自然由来で、成分は散布後に速やかに分解され、農薬成分の残存数値が低いため、環境や人体にも比較的安全です。生育時期を選ばないため、いつでも散布可能ですが、持続性は薄く、チョウ目が農薬の成分に対して耐性を付けてくるため、マッチ乳剤など、持続性の高い他の薬品とあわせて使用しましょう。

ディアナSC 100ml

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チョウ目に即効で効果を発揮する殺虫剤です。その他、アザミウマやハエなどにも防除効果があります。ただし、同じ農作物に対して使えるのは2回までですので気を付けましょう。


固形の散布タイプの殺虫剤

殺虫剤 オルトランDX粒剤 200g

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オルトラン、またはオルトランDXは土に薬剤を撒き、植物に薬剤の成分を吸わせるタイプの農薬です。顆粒タイプですので、容器からそのまま薬剤を土の上に散布することができます。散布した薬剤の上から水をかけることにより、土に薬剤成分が染み込み、それを植物の根が吸い上げ植物全体に薬剤を行きわたらせます。薬剤を吸い上げた葉をハスモンヨトウが食べることにより、駆除ができます。また、薬剤が植物に残っているときは卵の産卵率が減ります。

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スプレータイプの殺虫剤で、希釈せずにそのまま使用できます。チョウ目だけではなく、アブラムシなどにも即効性があり、また持続性もありますので、とても手軽に使用できますが、農薬ですので説明をきちんと読んで利用しましょう。害虫だけではなく病気にも使えます。こちらは花と観葉植物用ですので野菜には使用しないようにしましょう。同系列の商品で野菜にも使用可能なスプレーがあります。

農薬を使うときの注意点

人はもちろんペットなどにも気を付ける

農薬を使うときは、体から皮膚が出ないように気を付けてください。目に薬剤が入らないように防御することも忘れずにしましょう。それと、とても気を付けてほしいのがお子さんとペットです。体が小さいので農薬に対する免疫があまりついていません。農薬を吸ってしまうと体調を崩し、吐いてしまったりもします。農薬を使うときは遠ざけ、3日は農薬の散布場所に近づけないようにしてください。

農薬のタイプによっては使用制限などがある

農薬はできれば体の中に入れたくないものですよね。農薬の種類によっては自然由来のものであったりと、体に優しい成分のものもありますが、基本的には人体にもよくありません。中には特定植物に対する使用制限があったり、同一植物に対する利用制限などもあったりしますので、薬品パッケージの裏に書いてある説明書きをきちんと読んでから使用しましょう。

ハスモンヨトウの生態と防除の方法・まとめ

ハスモンヨトウはいつの間にか発生して、駆除がとても大変な害虫です。防除と、日々の観察を忘れないようにしましょう。相手は成長の早いやっかいな敵です。気が付くと植物が丸坊主、なんてことにならないように、早めの駆除を心がけ、被害の拡大を防ぐようにしましょう!

害虫が気になる方はこちらをチェック!

世の中にはまだまだいろいろな害虫が存在します。そんな害虫の対処に困ったときはこちらの記事も参考になさって対応してくださいね!