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サンゴジュとは?その特徴や育て方を解説!剪定や病気などの手入れは?

サンゴジュはツヤツヤとしたグリーン色の葉に秋の赤い実が美しい広葉樹。とても丈夫で排気ガスも何のその。そのため古くより生垣や街路樹に利用されてきました。サンゴジュの育て方やお手入れ方法、増やし方のポイントなどをご紹介いたします。
2020年8月27日
Yukari.S
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サンゴジュってどんな植物?

サンゴジュは日本や台湾を原産とする常緑性の広葉樹です。樹高はだいたい7~8メートルにまで成長します。とても強い樹木で、排気ガスのあるようなところでも負けずに育つ特徴から、街路樹や海岸沿い、生垣などに重宝されています。秋に実が熟すと赤く色づき、まるで海のなかにある珊瑚のようであるところから、珊瑚樹(さんごじゅ)という名前がつけられました。

サンゴジュの花の特徴

サンゴジュの花の咲く時期は、6月~7月ごろ。白く手小さな花が集まったように花を咲かせます。サンゴジュの花はよく見ると可愛らしいのですが、青々とした葉っぱと比べるとそれほど特徴がなく、あまり目立たず、フューチャーされにくいお花です。

サンゴジュの葉の特徴

サンゴジュは活き活きとしたエネルギッシュな濃いグリーン色の葉っぱをつけます。葉っぱのふちにはゆるいギザギザがあり、葉っぱの表面はツヤツヤとした特徴があります。また、サンゴジュの葉っぱには水分が多く含まれていて、万が一火事にあっても燃えにくい性質を持っています。そのためサンゴジュは防火用の生垣として利用されることもあります。

サンゴジュの実の特徴

花が咲いたあと、秋になると実がつきます。花と同様に、小さな実がたくさん集まっていて、また色が真っ赤なのでとても可愛らしいです。ツヤツヤのグリーン色の葉っぱと赤い実のコントラストがとても見事です。ただし、実が熟したあとはやや黒っぽくなったあと地面に落下しますので、道沿いなどに植えているとやや掃除が大変という側面があります。そんな場合は、夏に剪定をして秋の実がつかないように工夫するとよいでしょう。

サンゴジュの基本データ

科名属名

レンプクソウ科(旧体系:スイカズラ科)ガマズミ属

学名

Viburnum awabuki

和名

珊瑚樹(さんごじゅ)

別名

やぶさんご、きさんご

英名


 sweet viburnum

原産国

日本、台湾

サンゴジュの花言葉

花言葉1・負けず嫌い

サンゴジュは耐陰性のある樹木で、ほかの植物の育ちにくい半日陰のようなところでも負けずに育ちます。また、街路樹や海のそばの風よけなど、環境のよくないところでも強くたくましく生き抜く樹木です。そんなサンゴジュの姿から、負けず嫌いという花言葉がつけられました。

花言葉2・端麗

生垣としての需要の高いサンゴジュですが、秋につく赤い実はとても美しく観賞用としてもおすすめの樹木です。小さく真っ赤な実がたくさん集まったものが枝から垂れ下がるようにつき、それは素敵。そんなサンゴジュの姿から、端麗という花言葉が生まれました。

サンゴジュの育て方1・土作り

サンゴジュは、湿り気のある粘土質の土壌を好む植物です。ただし、とても強い植物なので、そうではないからと言って枯れることもなく植えられた場所でたくましく育ちます。サンゴジュは生垣など地植えにすることが多い植物ですが、鉢植えでも育てられます。市販の草花用培養土や植木用の土を利用するとよいでしょう。

サンゴジュの育て方2・肥料

冬の寒い時期、1~2月ごろに寒肥として穏効性の固形肥料や油粕などを株元にほどこします。その後、成長を見ながら随時追肥をおこなってください。追肥は、寒肥と同じく穏効性の固形肥料や油粕でよいでしょう。春から秋にかけて1~2カ月に1度の割合で肥料をあたえましょう。とくに生垣など目隠しを目的として栽培している場合、肥料が切れると葉っぱのつきが悪くなり隙間ができてしまいます。こまめに肥料をほどこして、葉っぱをたくさん茂らせましょう。

サンゴジュの育て方3・水やり

サンゴジュは、比較的水を好む植物です。ですが、生垣など地植えにしている場合は、ほとんど自然の雨だけで大丈夫です。よほど日照りが続くなど異常気象で乾燥が気になる場合のみ、少し水やりしましょう。なお、夏に水やりするときは、朝夕の涼しいうちにおこなってください。昼間の気温の高い時間に水をやると、土のなかで水があたたまって、サンゴジュの根っこを傷めてしまうことがあります。

サンゴジュの育て方4・場所

サンゴジュは、日当たりと風通しのよいところを好みます。ですが、耐陰性にも優れた植物なので、やや日陰の環境でもよく育ちます。この特徴が、サンゴジュが生垣として古くより重宝されてきた理由と言えるでしょう。

サンゴジュの育て方5・植え付け


サンゴジュの植え付けに適した時期は、3から4月もしくは9~10月ごろ。いずれも気候のよい人間にとっても過ごしやすい時期です。サンゴジュの苗木の根っこのサイズよりやや大きめの穴を掘り、サンゴジュを植え付けます。植え付けたあと、しっかり根付くまでは、こまめに水やりを続けましょう。なお生垣など何本か植え付ける場合は、株と株のあいだを最低1メートルくらいはあけましょう。

サンゴジュの育て方6・植え替え

サンゴジュを生垣など地植えにしている場合は、植え替えは不要です。ですが鉢植えで楽しむ場合は、定期的に植え替えする必要があります。ずっと同じ鉢で育てていると根っこがどんどん成長して鉢のなかいっぱになり根詰まりを起こすからです。根詰まりを起こすと株に元気がなくなり、枯れてしまうこともあります。サンゴジュの植え替えはだいたい1~2年に一度の割合でおこないましょう。植え替えに適した時期は、春もしくは秋です。これまでより一回り大きな鉢を準備して、サンゴジュの株を植え替えます。植え替えた株がしっかり根付くまで、水やりをこまめにおこない乾燥しないように気を付けましょう。

サンゴジュの育て方7・剪定

サンゴジュは、枝がピュンピュンと伸びて自然のままにしておくと、樹形が乱れて汚らしくなってしまいます。生垣や街路樹に適しているとはいえお手入れが必要な樹木と言えます。定期的に剪定によるお手入れをおこない、美しい樹形を保ちましょう。剪定によるお手入れは、だいたい3~4月と、7~8月の年に2回おこなうことができます。

 

長く伸びた枝や込み合ったところを切り取る

まず、長く伸びて突き出ているような枝を剪定ばさみで切り落とします。それだけでも格好がよくなります。次に、葉っぱや枝があまりに混みあっているようなところの枝をやはり剪定ばさみで切り落とします。なおサンゴジュは芽吹きがよく丈夫な樹木なので、やや強めに剪定しても大丈夫。思い切ってスパスパと剪定しましょう。

実を鑑賞する場合は夏の剪定はNG

サンゴジュは、春と夏の年に2回剪定できる樹木ですが、秋につく赤い実を楽しみたいときは夏の剪定はやめておきましょう。生垣など実用的に利用する場合のみ、通りの邪魔にならないためにも春と夏2回の剪定をおこないましょう。

サンゴジュの育て方8・病気

すす病

排気ガスのあるようなところでも育つと言われ強さが自慢のサンゴジュですが、ときどきすす病という病気にかかることがあります。すす病は、その名前のとおり葉っぱや茎などにすすのような灰色もしくは黒色の病斑部があらわれる病気です。病気にかかると、まず見た目がよくありませんし、何より、病気により光合成を阻害され株が弱っていきます。放っておくとどんどん病気が広がってしまいますので、病気を見つけたらただちに病気にかかっている部分を切り取って処分してください。

サンゴジュの育て方9・害虫

サンゴジュハムシ

サンゴジュには、サンゴジュハムシという害虫がつくことがあります。冬に葉っぱや茎に卵が産み付けられ、春になると幼虫になります。葉っぱのやわらかいところが大好きな害虫でしかも大食漢。あっという間に葉っぱを食べられてしまいますし、成長点を食べられるとその後の成長にも支障をきたします。サンゴジュハムシが発生したらすぐに害虫専用の薬剤を塗布して駆除しましょう。

カイガラムシ

サンゴジュには、カイガラムシが発生することもあります。カイガラムシは春から秋の気候の良い時期に発生する害虫です。小さい害虫ですが体のわりによく食べます。カイガラムシを見つけたら、やはりすぐに駆除しましょう。ただしカイガラムシはとても硬い殻で覆われた害虫で、通常の害虫用スプレーなどを吹き付けても効果が薄いです。カイガラムシはブラシなどで直接こそぎ落とすとうまく駆除できます。


ハマキムシ

ハマキムシは、日陰や多湿の環境に発生しやすい害虫で、植物の葉っぱを巻いて巣にし、そのなかで暮らしながら植物の葉や茎を食べていきます。葉っぱがくるくると巻かれるので発見しやすい害虫です。とてもよく食べますので、見つけたら巻かれた葉っぱごと切り取ってすみやかに駆除しましょう。

サンゴジュの増やし方1・種まき

種の採取

サンゴジュは種まきで増やすことのできる樹木です。ただし種はあまり市販に出回っていませんので、栽培しているものから自家採取します。秋に赤く熟した実のなかに種があるので、実ごと採取してなかから種を取り出します。まわりについている果肉を水できれいに洗い流したら、できるだけ乾燥しないよう密閉できるビニール袋に入れて、冷蔵庫などの冷暗所で種まきの時期まで保管します。

種まき

サンゴジュの種まきに適した時期は、春。3月ごろです。自家採取して保管していた種を取り出します。種まき用の土を入れた鉢などに種を一粒ずつまきます。軽く土をかぶせたら、水やりをしましょう。芽がでて苗が安定するまで、日当たりと風通しのよいところでこまめな水やりをおこないましょう。

サンゴジュの増やし方2・挿し木

サンゴジュは挿し木で増やすこともできます。前述の種まきと比べると、挿し木は比較的成功率の高い方法でおすすめです。挿し木に適した時期は、6~8月ごろです。育てているサンゴジュのその年に伸びた枝を10センチくらい切り取り挿し木用とします。発根剤を入れた水に半日くらいつけておきます。挿し木用の土を入れた鉢などに挿し木します。挿し木したものから根がでて苗が安定するまで、日当たりと風通しよく管理しながら、水やりなどのお手入れを続けましょう。なお、挿し木苗2年生くらいまでは少し弱いので、夏の暑さ対策や冬の寒さ対策をして、少し過保護に育ててあげましょう。

 

サンゴジュの赤い実はとても可愛い

サンゴジュは古くより生垣や街路樹などに利用されてきました。どちらかというと目隠しや風よけなど実用的な用途で栽培されているサンゴジュですが、実は、秋のなる赤い実がとても可愛らしい樹木です。とても強い木なのでそれほど難しいお手入れもありません。ひとつ挙げるなら、生命力が強いのでこまめな剪定によるお手入れが必要な程度。とは言え、芽吹きがよいので思い切って剪定しても大丈夫です。昔からある植物ですが、その可愛らしさを再認識してガーデンに取り入れてみてはいかがでしょうか。

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