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スズキカタナ復活!新型モデルの情報と今も人気の旧型の魅力に迫る!

全世界のライダーが待ち望んだ新型の発売が発表された、新型スズキカタナの特徴やスペックをご紹介します。あわせて今だに人気が衰えない初代スズキカタナの歴史やこれまでのラインナップなど、伝説の名車スズキカタナの魅力に迫ります。
2020年8月27日
ironman17
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不動の人気を誇るスズキカタナ

1980年のケルンショーで発表されて以来、日本刀をモチーフとしたその鮮烈なデザインで一躍話題になったバイクがスズキカタナです。翌年の市販以降、爆発的な人気を呼び、その魅力はいまだ衰えることなくライダーたちを魅惑し続けています。販売終了から18年、今年ついに待望の新型の販売が発表されました。気になる新型カタナの特徴やスペック、今でも人気の旧カタナのラインナップなど、カタナのすべてをご紹介します。

スズキカタナついに復活

2000年のファイナルエディション以降、カタナの歴史は途絶えました。根強い新型を待望するライダーたちの声は根強くありましたが、現実のものとなることはこれまでありませんでした。それが2018年、ついに現実のものとなったのです。それも発表は1980年に”ケルンの衝撃”と言われた旧型発表の地、ケルンでした。2019年春に予定される欧州販売を前に、新型スズキカタナの全貌に迫ってみます。

新型スズキカタナのスタイリング

新型カタナのスタイリングも旧型カタナ同様に、まさにカタナで無駄なものを削ぎ落としたかのようなソリッドなデザインが特徴的です。カラーリングも全モデル同様、刀の刃を思わせるシルバーメタリックが施されています。刀の刃の切っ先をイメージしたといわれるポジションランプなど、ディテールに至るまでそのデザインは徹底しています。かつて話題となった深い前傾ポジションを生み出したセパレートハンドルは、アップタイプのバーハンドルとなり現代的な味付けも忘れていません。

新型スズキカタナの特徴

新型カタナはGSX-S1000の軽量なアルミツインスパーフレームをベースに、GSX-R1000K5のエンジンを改良したものが搭載されています。縦型のヘッドライトや刀の切っ先を思わせるポジションランプなどの灯火類はすべてLED製で、デザインは旧型カタナのイメージを踏襲しつつ、メカニズムは現代のバイクであることを感じさせます。ABSやトラクションコントロールなど、ライダーの走りをサポートするシステムもしっかりと装備されています。

新型スズキカタナのスペック

エンジン形式:水冷4ストローク DOHC16バルブ 並列4気筒
排気量:999cc
最高出力:150PS(110kW)/10,000rpm
最大トルク:11.0kg・m(108Nm)/9,500rpm
内径×工程:73.4mm×59.0mm
圧縮比:12.2:1
全長×全高×全幅:2,125mm×1,110mm×830mm
シート高:825mm
車両重量:215kg
燃料タンク容量:12.0リットル
タイヤサイズ前:120/70ZR17
タイヤサイズ後:160/50ZR17

スズキカタナの誕生ストーリー

1970年代後半、二大メーカーとして君臨するホンダ・ヤマハの後塵を拝していたスズキが、起死回生の一台として世に放ったのがGSX1100Sカタナです。日本刀をイメージしたそのデザインは、ヨーロッパで活躍していた工業デザイナーであるハンス・ムートが率いるターゲットデザインの手によるもので、1980年にドイツのケルンショーで発表されるやいなや、全世界にセンセーショナルを巻き起こし「ケルンの衝撃」と呼ばれました。翌年のヨーロッパでの市販開始と同時に人気が爆発、その後に発売された派生車種や他の排気量のモデルなどもライダーの高い支持を獲得し、2000年まで製造され続ける息の長いモデルとなりました。

スズキカタナの歴史

ケルンでの鮮烈的なデビュー

1980年に行われた西ドイツ(当時)のモーターショーが行われたケルンで、プロトタイプのカタナが世界で初めて発表されました。市販車のようなスクリーンもなく、まさに空気を切り裂いて前に進む日本刀のようなスタイリングは、ヨーロッパをはじめ全世界のライダーに衝撃を与えました。あまりにも前衛的なそのデザインは、あくまでプロトタイプのショーモデルであり市販はあり得ないと当時の人々は考えていました。

ヨーロッパでの市販開始


ケルンショーの翌年、カタナはヨーロッパでの輸出販売を開始します。メーター位置の変更やスクリーンが追加された以外は、ショーで発表されたプロトタイプとほぼ変わらぬスタイリングで、瞬く間にヨーロッパのライダーの心を虜にしました。当時、フルパワーの1100Sカタナを日本で乗るには、ヨーロッパからの逆輸入という形を取らざるを得ませんでした。

日本でのデビュー

日本でのカタナの登場はヨーロッパから遅れること1年、当時の排気量国内自主規制に合わせ750ccでの販売となりました。他にも当時の安全基準に合わせメータースクリーンがなかったり、セパレートハンドルではなく評判の悪かったアップタイプのバーハンドルであったりと、オリジナルのカタナとはかけ離れたものでした。実際に日本国内で1100Sカタナが販売開始されるのは、1994年になってからでした。

いったん販売を終了

販売されていたヨーロッパおよびアメリカだけでなく、逆輸入という形で手に入れることができた日本のライダーの間からも、カタナは依然として高い人気を維持し続けていました。ですが基本設計が古いこともありスペック的に競合する他社製オートバイに太刀打ちできなくなってきており、ついに1987年に生産終了を決定、それまでに世に送り出されたカタナは実に17,643台でした。

アニバーサリーモデルとして復活

生産終了後もカタナの人気は高く、日本だけでなくヨーロッパやアメリカなど世界各国のライダーから再販を望む声がありました。そして1990年、スズキの創業70周年を記念したアニバーサリーモデルとしてついに復活、その後も人気に後押しされるかのように継続生産されました。

250・400モデルの登場

日本でも逆輸入ではないカタナを望む声は高く、250cc、ついで400ccと排気量を下げたモデルが登場しました。スタイリングは初代カタナを忠実に再現し、スペックは最新式の水冷直4エンジンを搭載するなど現代の水準に見合うものでした。その後、排気量国内自主規制の撤廃を受け、1100カタナの国内販売も開始され、日本のライダーは3種類のカタナを選択することが可能になりました。

ファイナルエディションで販売終了

カタナの高い人気は続いていましたが、エンジンの基本設計の古さから年々厳しくなる環境規制に適合させることが困難となり、ついに2000年に販売終了が決定しました。限定販売されたファイナルエディションが即日完売となった事実は、初代カタナがどれだけ多くのライダーに愛されていたかの証しといえるでしょう。その後もカタナの人気は途絶えることなく続き、ついに2018年、多くのライダーが待ち望んだ新たなカタナの登場となったのです。

歴代スズキカタナラインナップ①

GSX1100S

多くのライダーが”カタナ”といえばこのGSX1100Sを思い浮かべるという、カタナを代表するフラッグシップモデルです。メーター位置が下がり、スクリーンがつけられた以外は、ほぼケルンで発表されたプロトタイプと変わらず、ターゲットデザインのスタイルをほぼ忠実に再現しているといえます。エンジンはGSX1100Eをベースにチューンナップされたもので、最高出力111PS、最高速度235km/hと、当時としては最高のスペックを誇りました。カラーリングはシルバーが基本ですが、年代によってブルーのストライプラインの入ったものや、キャンディレッドとシルバーのツートンカラーのものなども存在します。

スペック

エンジン形式:空冷4ストローク DOHC16バルブ 並列4気筒
排気量:1,074cc
最高出力:111PS /8,500rpm
最大トルク:9.8kg・m /6,500rpm
 


歴代スズキカタナラインナップ②

GSX750S

ヨーロッパやアメリカで人気が爆発していたカタナですが、日本では750ccまでしか国内販売できないというバイクメーカーの自主規制があり、そのままでは販売できませんでした。そこでスタイリングはそのままに排気量を750ccとしたGSX750Sが日本向けとして開発されました。日本仕様はスクリーンがなくサイドカバーの刀のステッカーもはずされるなど、厳しい日本の基準に合わせた変更がなされました。特に当時の保安基準に合わせセパレートハンドルは、耕運機と揶揄されたアップタイプのものが装着され、1100仕様のハンドルと交換した車両を違法改造として取り締まる”刀狩り”という言葉まで生まれました。

スペック

エンジン形式:空冷4ストローク DOHC16バルブ 並列4気筒
排気量:747cc
最高出力:72PS /9,000rpm
最大トルク:6.3kg・m /7,000rpm
 

歴代スズキカタナラインナップ③

GSX750S3

1983年の東京モーターショーで発表されたGSX750Sの3型は、それまでのカタナのスタイリングを一新し、話題となりました。ヨーロッパ発信のデザインから離れ、始めてスズキ内部でデザインされた車体は、これまでの日本刀のイメージではなく航空機をイメージしたと言われています。当時人気のあったリトラクタブルライトを採用し、空力を意識したスタイリングには賛否両論がありました。油冷エンジンやスチール製角パイプフレームなど、デザインだけでなくメカニズムの面でも新しい技術が導入されていました。発売当時は本来のカタナと異なるスタイリングで人気は低迷しましたが、現在はカタナを知らない世代を中心に中古車市場で高い人気を誇っています。

スペック

エンジン形式:油冷4ストローク DOHC16バルブ 並列4気筒
排気量:747cc
最高出力:77PS /9,000rpm
最大トルク:6.4kg・m /7,500rpm
 

歴代スズキカタナラインナップ④

GS650G

ケルンの衝撃と呼ばれた1100カタナの登場からさかのぼること1年前、同じくハンス・ムート率いるターゲットデザインによって世に送りだされたのがGS650Gです。先進的なストリームラインの燃料タンクとそこからつながるサイドカバー、六芒星をイメージした10本スポークのキャストホイールなど、後の1100カタナの元祖となったと言われるのもうなずけるスタイリングです。シャフトドライブを採用するなどツアラー的な性格が強いバイクで、400や250の派生車種もでましたが、わずか3年ほどでラインナップから姿を消す短命モデルでした。

スペック

エンジン形式:空冷4ストローク DOHC8バルブ 並列4気筒
排気量:673cc
最高出力:65PS /9,500rpm
最大トルク:5.3kg・m /8,000rpm
 

歴代スズキカタナラインナップ⑤

GSX400S


急世代のカタナのスタイリングをまとったモデルとしてはもっとも遅い、1992年に発売されたのがGSX400Sカタナです。元祖ともいうべきGSX1100Sカタナを忠実に再現したスタイリングで、なおかつ中型免許で乗れるカタナとして、日本でふたたびカタナブームを巻き起こしました。エンジンは水冷化されたものの空冷風の冷却フィンが刻まれ、カタナの持ち味であるメカニカル感を失わない工夫もされていました。

スペック

エンジン形式:水冷4ストローク DOHC16バルブ 並列4気筒
排気量:399cc
最高出力:53PS /10,500rpm
最大トルク:3.8kg・m /9,500rpm
 

歴代スズキカタナラインナップ⑥

GSX250SS

1987年にいったん生産を終了した1100Sカタナ以降、毎年のように噴出したカタナ待望論に応えるように1991年に登場したのが、GSX250SSカタナです。初代カタナを忠実に再現したスタイリングにバンデッド250の水冷エンジンを搭載した小さなカタナは、それまでカタナに乗れなかった女性のライダーの獲得にも貢献しました。その後に発売された400Sカタナや、再販された1100Sカタナの3台で、1990年代のリバイバルカタナブームをけん引しました。

スペック

エンジン形式:水冷4ストローク DOHC16バルブ 並列4気筒
排気量:248cc
最高出力:40PS /13,500rpm
最大トルク:2.7kg・m /10,000rpm
 

カタナのカスタム

カタナのカスタムビルダーといえばユニコーンジャパンが特に有名です。カタナの美しいフォルムを失うことなく性能をアップさせるコンプリートカスタムでは、右に出るものはない存在ともいえます。また個人レベルでカスタムするユーザーも多く、マフラーの交換や、強度に問題があるといわれるフレームの補強、足回りを現代のバイクのものに換装するなどのカスタムが一般的に行われています。

これからも続くカタナの名車伝説

スズキが誇る伝説のバイクであるカタナについてご紹介してきました。世間を驚かせた斬新なスタイリングで鮮烈なデビューを飾った名車の魅力は、今でも色褪せることなく世界のライダーを魅了し続けています。そして今また、この伝説に新たに新型カタナが加わろうとしています。これまでも、これからも愛され続けるカタナの伝説に目が離せません。