NIKWAX(ニクワックス) LOFTテックウォッシュ
NIKWAX ニクワックス TX.ダイレクト
TOKO(トコ) テクスタイルプルーフ
モンベル(mont-bell) リペアシート
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ゴアテックスとは
アウトドアを楽しむ方なら一度は耳にしたことがあるゴアテックス。レインウェアでお馴染みの防水透湿性素材の代名詞、ゴアテックスとはアメリカのWLゴア&アソシエイツ社の商標登録です。卓越した耐水性と保護性能、快適性を持ちあわた素材で、厳しい天候の中活動する登山者の強い味方です。レインウェアはもちろん、シューズやその他登山道具に幅広く採用されています。
ゴアテックスのレインウェア
登山を始めるに当たって最初に揃えるべき「三種の神器」が登山靴、ザック、レインウェアです。中でもレインウェアは街中での気候とは違う厳しい天候の山中、風雨からあなたを守ってくれるアイテムです。命を守るためのアイテムですから、機能性、快適性共に優れたゴアテックス製レインウェアが最適です。ただし高機能であるがゆえ高価なゴアテックス製レインウェア。なるべく長く快適に使用するために、正しいメンテナンス方法を学びましょう。
ゴアテックスの基本のお手入れ
ゴアテックス製のレインウェア、洗濯されていますか?雨を弾き防ぐものですから、何となく洗濯してはいけない、なんて考えられる方も多いかもしれません。しかし、ゴアテックス製レインウェアには洗濯が必要であり、洗濯が基本のメンテナンス方法です。
洗い〜すすぎ〜乾燥〜アイロン
具体的には洗濯表示を確認し、洗い、すすぎ、乾燥、アイロンがけの手順を踏みますが、とくに難しいことはありません。手洗いの必要もなくご家庭の洗濯機で洗えます。使用した後に正しい洗い方で洗濯すれば、レインウェアの寿命を伸ばすことが可能です。
ゴアテックスのお手入れ1 洗濯表示の確認
まず最初のステップは洗濯表示を確認することです。普段あまり確認されないかもしれませんね。しかし洗濯表示には洗い方に関する様々な情報が記載されています。例えば使用できる洗剤や漂白材、アイロンの温度などですが、ゴアテックス製レインウェアのチェックポイントは以下の通りです。
洗濯表示のチェックポイント
ゴアテックス製レインウェアの洗濯には以下のものが使用できません。粉末洗剤や柔軟剤、塩素系漂白剤、染みぬき剤です。また洗濯時の温度や乾燥の方法、アイロンの温度についても表記されており、アイロンは低音、スチームなしが基本です。レインウェアのメーカーによって差がある場合がありますので、あなたのレインウェアの洗濯表示を確認しましょう。
ゴアテックスのお手入れ2 洗濯
洗濯前の準備
洗濯表示を確認したらいよいよ洗濯に入ります。大抵のゴアテックス製品は手洗いの必要はなく、普通の洗濯機を使用して大丈夫です。まずは全てのファスナーやポケット、マジックテープを閉じます。これは洗濯中の破損を防ぐためです。さらにネットに入れれば安心ですね。洗濯表示に注意書として記載されている場合もあります。
洗濯機の設定
具体的な洗い方ですが、洗濯機の回転を設定できる場合は弱回転、もしくはソフトコースを選択して下さい。ゴアテックスに強力な洗い方は必要ありません。摩擦により撥水性能を低下させることがあるからです。水温は40℃前後のぬるま湯が適しています。洗濯後に自然乾燥させますので脱水も必要ありません。
洗濯機での脱水はNG
洗い方の注意点として、洗濯機を使った脱水はNGです。水を通さないゴアテックス製品に脱水をかけると過剰な遠心力が洗濯機にかかり、破損する可能性があります。乾燥させるまでに脱水したい場合は、タオルで拭き取るなど違った方法をとりましょう。
ゴアテックスのお手入れ3 洗剤
ゴアテックス製品には粉末洗剤の使用は推奨されていません。よい効果を得るためには液体洗剤を使用します。ご家庭にある液体中性洗剤でも大きな問題はありませんが、できればゴアテックスに適した高機能素材用の洗剤をおすすめします。
専用洗剤を使用する
液体中性洗剤には微量ながら芳香剤や柔軟剤が含まれていることがあり、ゴアテックスの機能を低下させる可能性があります。また専用洗剤では、通気性や耐久性を確保したまま自然乾燥で撥水力を回復できます。長く使用するアイテムですから、専用洗剤の使用がおすすめです。
おすすめの洗剤
NIKWAX(ニクワックス) LOFTテックウォッシュ
洗濯と同時に撥水効果を回復できます。通常は自然乾燥でも十分ですが、乾燥機やアイロンで熱処理を加えることにより、より高い撥水性能を発揮できます。
ゴアテックスのお手入れ4 すすぎ
すすぎ時間は標準の2倍
次はすすぎに入ります。この時脱水は必要ありません。大事なポイントはすすぎ時間を標準の2倍程度長く取ることです。たとえ専用洗剤で洗ったとしても、すすぎ残しはゴアテックスの機能低下を招きます。洗濯の段階で洗剤の分量には注意しましょう。規定より多すぎると、すすぎ残しの原因になります。
ゴアテックスのお手入れ5 乾燥
すすぎ残しがないか確認できれば乾燥に入ります。もし残った水分が気になる場合は、タオルなどで脱水しましょう。そして風通しの良い場所で陰干しをします。直射日光での急激な乾燥はゴアテックス繊維を傷めることになりますので控えましょう。洗濯表示を確認した上で、乾燥機の使用が可能な場合は乾燥機がおすすめです。
この時乾燥機の温度指定に注意しましょう。ゴアテックスは熱処理を加えることにより、撥水性能を回復させることができます。専用洗剤を使い正しい洗い方で洗濯できていれば、撥水効果はかなり回復しているはずです。何も難しいことはありません。ご家庭の衣類と同様にご自宅でメンテナンス可能です。
ゴアテックスのお手入れ6 アイロン
仕上げのアイロンがけです。シワを伸ばすためにアイロンをかけるのではありません。乾燥後にアイロンをかけ熱を加えることにより、さらに撥水性能が回復します。ここでも洗濯表示をよく確認し、アイロンの温度を設定します。大抵は低温指定になっているはずです。アイロンのスチームはオフにして当て布をかけます。なるべくゆっくり時間をかけたほうが効果的です。
アイロンがけの注意点
ただし接着テープやファスナーの上、メーカーロゴの上へのアイロンがけは避けてください。破損する恐れがあります。
ゴアテックスのお手入れ7 保管
毎回スタッフバッグから取り出す
愛着を持ってメンテナンスしたレインウェア。効果を最大に発揮するには保管方法にもポイントがあります。まず1つはスタッフバッグから取り出して保管することです。登山に出かけてレインウェアを使わなかった場合、スタッフバッグにしまったまま片付けてませんか?面倒ですが、スタッフバッグから取り出してハンガーで保管しましょう。折りじわがついたままでは、ゴアテックスを劣化させる原因になります。
高温多湿は避ける
湿気はゴアテックスばかりか、ファスナーなどのパーツを傷める原因になります。なるべく風通しのよい湿気が少ない場所で保管しましょう。もちろん直射日光のあたる場所での保管もNGです。
ゴアテックスのお手入れ8 撥水処理
正しいメンテナンスを施し、適切な保管方法をとればゴアテックスの寿命を伸ばせます。ただ数年も使っているとどうしても撥水性能が低下してしてまいます。そんな時はゴアテックス用の撥水剤を使用しましょう。
撥水剤の使い方
まずは正しい手順でゴアテックスを洗濯します。すすぎを確実に行い、すすぎ残しのない状態で撥水剤を使用します。確認ができたら洗濯機に水(ぬるま湯)をはり、レインウェアを浸します。この時ファスナーやポケットは全て閉じて下さい。洗濯機の設定は洗濯と同様、ソフトコース、すすぎを2回です。脱水は必要ありません。撥水剤の分量を計り洗濯機に投入し洗濯スタート。そのまますすぎまで終えて下さい。乾燥は日陰で陰干し、または乾燥機を使用し熱処理を加えて完了です。
手洗いの場合
30リットル程度のバケツにぬるま湯をはり、洗濯が終わったレインウェアをつけ込みます。分量を計った撥水剤を投入し約10分浸します。あとはすすぎ残しのないよう念入りにすすいで下さい。タオルで拭き取っても構いません。すすぎ終えれば自然乾燥か、乾燥機での熱処理を経て完了です。
撥水スプレーの使い方
つけ込みタイプの撥水剤だけではなく、スプレータイプの撥水剤もあります。こちらは裏地を避けて表面だけ撥水処理したい場合に有効です。使い方は簡単。手順にしたがって洗濯を終えたレインウェアに、満遍なくスプレーを吹き付けます。その後余分な撥水剤は乾いたタオルなどでしっかり拭き取り、自然乾燥させます。乾燥機を使用したりアイロンで熱処理を加えれば、さらに強固な撥水性能を発揮できます。
ゴアテックスのお手入れ9 撥水剤
つけ込み撥水剤
NIKWAX ニクワックス TX.ダイレクト
洗剤でもご紹介したNIKWAX(ニクワックス)の撥水剤です。こちらはつけ込みタイプで、レインウェア全体を満遍なく撥水加工できます。自然乾燥でも強力な撥水性能を得られ、通気性や耐久性を損なうことがありません。
スプレー撥水剤
TOKO(トコ) テクスタイルプルーフ
こちらはスプレー撥水剤です。こちらは部分的に撥水処理をしたい場合に有効。裏地を避けて表面だけに撥水処理を施せます。自然乾燥でも撥水性能はよみがえりますが、乾燥機やアイロンを使用して熱処理を加えることをおすすめします。
ゴアテックスのお手入れ10 傷の補修
思わぬ転倒や岩場で擦れて、レインウェアが破れてしまうことはよくあります。もちろん買い替えを検討するのも1つですが、小さな傷や破れであれば補修が可能です。メンテナンスや補修をしながら大切に使えば、さらに愛着が深まることでしょう。
リペアシート
簡単な傷や穴あきはリペアシートで補修できます。リペアシートにも種類があり、両面テープで貼るタイプとアイロンがけが必要なタイプがあります。
簡易タイプ
強力な両面テープつきの生地を、破れた箇所に貼り付けます。あらかじめカットされたタイプや、傷の大きさに合わせてカットして使うものがあります。一番のメリットはフィールドでその場で補修可能なことです。たとえば2泊3日の縦走登山中にアイロンがけなんて出来ませんよね?もしもの時にザックに1つ忍ばせておけば、その場で補修できる心強いアイテムです。ただし簡易タイプですので耐久性は期待できません。帰宅してから、縫製と熱処理タイプのシートで補修する必要があります。
熱処理タイプ
簡易タイプとは違い、補修に縫製とアイロンがけが必要なタイプです。まずは補修箇所の汚れを落とし、縫製します。縫製が終わればリペアシートを裏からあて、アイロンをあてながら圧着します。簡易タイプと違い手前がかかりますから、フィールドでの補修は不可能です。ですが縫製、アイロンがけの工程をふむことで耐久性には優れています。フィールドでは簡易タイプ、帰宅後に改めて熱処理タイプと使い分けましょう。
シームテープ
レインウェアの生地の縫い目を隠すために貼られているシームテープ。いくら防水浸透素材と言えども、縫い目からの漏水は防げません。そこでシームテープを貼り防水するのですが、劣化によって剥がれることがあります。そんな時はシームテープを貼り替えましょう。作業は簡単。剥がれたシームテープを取り除き、新しいシームテープを貼ります。あとはゆっくりアイロンをあて圧着します。カーブやつなぎ目は難しいかもしれませんが、なるべく細かく切らずに貼りましょう。
ゴアテックスのお手入れ11 補修材
リペアシート
モンベル(mont-bell) リペアシート
両面テープを使用した簡易タイプです。フィールドですぐ利用できます。
CAPTAIN88 CP172
アイロンがけが必要な熱処理タイプです。ゴアテックスをラミネートした生地で、レインウェアの性能を妨げません。テントの補修にも使用可能です。
シームテープ
キャプテンスタッグ シームレステープM-8380
劣化したシームテープの交換に使用します。貼り付けた後にアイロンによる熱処理で圧着します。
ゴアテックス登山靴のお手入れ
ここまでゴアテックス製レインウェアについてご紹介してきましたが、ゴアテックスを採用した登山用品の1つに登山靴があげられます。レインウェア同様に風雨から足元を守り、常に蒸れを放出し快適性を保ちます。もちろん定期的なメンテナンスが必要であり、メンテナンス次第で効果を高め寿命を伸ばすことが可能です。
ゴアテックス登山靴の洗い方
メンテナンスの基本はレインウェアと同じく、汚れを落として洗うことです。ただ登山靴には皮革が使用されている場合もあり濡らすこと自体に抵抗があるかもしれません。しかしご安心ください。正しい洗い方をマスターすればご自宅で簡単にメンテナンスできます。
洗う前の準備
まずは靴ひもや中敷など取り外せるものは外します。同時に傷み具合もチェックしましょう。劣化がひどい場合は交換します。面倒ですがこうすることによって作業しやすく、その後の工程も捗ります。
洗い方
基本的には手洗いです。バケツに水を用意し、スポンジか靴ブラシを使用します。洗剤は中性洗剤でも問題はありませんが、皮革も洗える専用洗剤の方が安心です。中性洗剤では皮革の栄養分まで抜けてしまいますが、専用洗剤には保革成分が含まれています。
乾燥
洗い終わったらしっかりと水気をきり、洗い残しは拭き取ります。レインウェアと同様に直射日光を避け影干します。登山靴の内側に新聞紙を入れれば、早く乾かすことができます。
撥水処理
最後に撥水処理を行います。スプレータイプやジェル状のものなどがありますが、防水浸透素材、専用のものを使用して下さい。一般用の撥水スプレーでは防水浸透素材の透湿効果を半減させてしまいます。お使いの登山靴に合った専用撥水剤を使用しましょう。
ゴアテックスお手入れまとめ
ゴアテックスのメンテナンスについてご紹介してきましたがいかがでしょうか?思ったよりも、簡単にメンテナンスできると感じて頂ければ幸いです。定期的に、適切なメンテナンスを行えば飛躍的に伸びるレインウェアの寿命。さっそくあなたのレインウェア、チェックしてみてはいかがでしょうか。
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