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アスパラガスの栽培方法まとめ!苗植えの時期はいつ?育て方のコツをご紹介!

アスパラガスは栽培しやすい人気の野菜ですが、元々は海外の野菜であるために意外と知られていない情報も多く、また間違った情報も多く見受けられます。アスパラガスの組織培養実験の時に色々学んだので、そういったところからリアルな栽培情報をご説明します。
2020年8月27日
HI-D
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アスパラガスの栽培

日本でも人気の高い野菜であるアスパラガスですが、家庭菜園でも簡単に栽培できる丈夫な植物であることはご承知でしょうか?畑がなくとも根を伸ばせるスペースがあれば駐車場の端などでも生育してしまうほどです。アスパラガスは厳しい環境でも生きていける様に進化した植物なので安心して栽培できます。問題となるのは苗を植え付ける時期、それから意外と害虫にやられやすく、天敵となる害虫が1種類存在します。そこの所を含めて詳しく解説していきます。

日本でのアスパラガス

日本でのアスパラガスは緑色のグリーンアスパラが主流です。そして横に倒されて積まれていることが多いですよね。しかし海外ではホワイトアスパラが主流で、縦に立てて販売されます。なぜ縦にするかというと、横にされたアスパラガスは自分が倒れたことを感じとり上を向こうと筋を硬くし始めるのです。そうなると糖分が消費され、さらに筋も硬くなります。自宅で保存する場合も立てて保存すると良いでしょう。

アスパラガスの栽培:アスパラガスの大きさ

ここでまずお話ししておかなければならないのは、収穫物であるアスパラガスのサイズではなく、生育時期のアスパラガスのサイズの事です。植え付け1年目のアスパラガスはそれほど問題にはなりませんが、3年を超えてくるようになると恐ろしいほどに巨大化します。なんと3メートルを超えてしまうほどの苗に成長するので、生育時期のアスパラガスのサイズを考えて植え付ける場所を決めると良いでしょう。アスパラガスは日本でもそだてやすいので一度チャレンジしてみることをオススメします。

アスパラガスの和名

アスパラガスはその大きさや枝振りからキジカクシという和名がついています。厳密にはオランダキジカクシといわれますが、オランダよりもイタリアやフランスに野生種があることが有名です。他にもアスパラガス・スプレンゲリーなどの観賞用の仲間が日本で栽培されています。日本では作り方に手間がかかるホワイトアスパラが珍しく見えますが、海外ではホワイトアスパラのほうが見る機会が追肥多いです。

アスパラガスの栽培:収穫までの年数

アスパラガスは他の野菜と違って多年草なので、植え付けてから何年も収穫が可能です。イタリアで最も有名なバッサーノでは植え付けたアスパラガスは8年育ててやっと収穫が始まりますが、日本では2年目から収穫が一般的です。一度も収穫しなかった場合3年目から極太アスパラガスになるので、極太がほしい場合は3年目からの収穫が良いでしょう。4年目になると指2本分ほどの太さになるので少し大きすぎるかも知れません。品種により収穫量などは変わります。

バッサーノ産アスパラ

バッサーノのアスパラは巨大なホワイトアスパラで、木の枝のようなもので束ねられています。太さに基準があるようで、年数を経て巨大化したものしか出荷できません。白ワインヴィネガーと半熟卵を混ぜたバッサーノソースをのせて食べるのが特徴です。味は日本のアスパラよりも苦味が強いですが甘味や香りも強く、ホワイトアスパラですが赤ワインに良く合います。意外に筋がしっかりしているので一口サイズにカットしたほうが食べやすいかも知れません。

アスパラガスの栽培:ホワイトアスパラの作り方

ホワイトアスパラはアスパラガスを軟白栽培したものでプランターなどでも作れます。アスパラガスの出てくる時期になったら苗の上に土を盛るのです、その後しばらく経ったら掘り起こせばホワイトアスパラが収穫出来ます。そのためヨーロッパではホワイトアスパラが収穫される畑の土を大切にします。最高級アスパラのバッサーノは赤土で栽培されるので日本の土でも良いものができるでしょう。しかし、ブランド力のないホワイトアスパラや日本のものは土ではなく暗い部屋でアスパラガスを栽培するという手法をとるので、本来のホワイトアスパラの味とは言えないものしか流通していません。

色々な作り方


ホワイトアスパラには色々な作り方があります。耕した畑の土を盛る作り方でも、アスパラガス全体をホワイトアスパラにする日本で一般的な作り方以外に、先っぽはグリーンアスパラにして首から下だけホワイトアスパラにするなどの作り方がみられます。最近ではピンクのアスパラガスなども開発されたので、作り方によっては色々なことに応用出来るかも知れませんね。

アスパラガスの栽培:紫アスパラの作り方

紫アスパラガスは、アスパラガスの一系統であり生まれたときから紫色です。かといって生育時期の苗は緑色に変わるので、出始めのシュートだけ紫で葉が広がると緑色に変わります。ただ、糖度が高く柔らかいという特徴があるので生でも食べることができ、かなり優れた野菜です。生トウモロコシやヒシの実に近い味がします。原種は竹藪の様な森で育つので、根元が日陰、そしてある程度伸びたら日が良く当たる場所が栽培に適しています。葉が展開するまで筋はほとんどできません。

日陰で育てる場合

日陰で育てる場合は若干紫色が薄くなりますが、完全に光が入ってこないワケで無ければ充分紫色に発色します。しかし、日陰で育てると本数が1年に3本程度しか取れなくなったり、2年収穫すると翌年はかなり小さくなってしまったりということがおきます。これを防ぐには多収品種を植えるか、一年おきに収穫するかという育て方にする必要があります。植え方も植木鉢で2年ほど日当たりで栽培した株を植えると良いでしょう。

アスパラガスの栽培:植え付け時期

アスパラガスの植え付け時期は10~11月とされますが、実際にはどの時期に植えても問題ありません。秋に植えて翌年収穫できるのは翌年収穫可能なまでに育った大株だけで、それ以外は春~夏に植えれば翌年に収穫という形で栽培できます。結局のところオススメなのは、発芽するかしないかわからない秋冬の苗を植えるよりは確実に発芽している苗を晩春頃に植えるのがオススメです。貯蔵根がしっかりしていても鱗芽が死んでいれば発芽しないので、秋冬の苗は鱗芽があるかどうかを基準に選んで下さい。

植え付ける時の工夫

アスパラガスは大株になると株分けで増やせることとアレロパシー植物でもあるともされることから、掘り起こし易いように植え付けたり、毒素を流しやすいように植え付けたりすると良いと思います。つまりは畝を作って植え付けるとその後の管理が楽になります。また、肥料をあげるときも畝にして植え付けた方が追肥しやすいと思います。プランターの場合はコガネムシの食を防ぐために表面2センチほど砂利か砂を敷くと産卵を防げます。

アスパラガスの栽培:苗の植え方

アスパラガスは苗の植え方が大切で、イチゴの場合にはクラウンが土に埋まると枯れますが、アスパラガスの場合には鱗芽が地上に露出していると大変な問題が起こります。なんとダンゴムシが鱗芽を食べてしまい、貯蔵根がしっかりしていても芽が無いために発芽出来ず枯れてしまうなど、害虫の被害に遭いやすくなってしまいます。さらに秋冬には乾燥にさらされる事にもなるので、植え方には気をつけましょう。基本的には5センチ以上20センチ未満の深さに植えるのが良いでしょう。浅植えすると芽の数も減ってしまうので注意した方が良いと思います。

新しい成長点を意識する。

アスパラガスは新芽を収穫する野菜なので、成長点を意識した植え方をします。地下茎を伸ばしながら成長点を増やし広がるので、植え方を間違えると成長点が独立せず、アスパラガスは太く生長しても収量が上がらなくなります。どういう植え方をすべきかというとアスパラガス1株につき60センチのスペースが必要なので、最低でも株間を30センチあけて植えます。密植すると、株間を開けたときと異なり、収量が減ります。ただし、品種によってはそういった植え方にも耐えるものもあるので、いくつかの品種を試して植え方を決めても良いかも知れません。

アスパラガスの栽培:種の蒔き方

アスパラガスの種は吸水しにくいので、3~5日水にいれ吸水させます。その後土にまくと20日ほどで発芽しますが、貯蔵根が出る前の苗は虚弱で枯れやすいので最低2ヶ月育ててから定植します。小苗の植え方も深植え気味にすると良いでしょう。種から収穫までは3年ほどかかりますが、種から育てたものには個性があり、同じ品種間にも香りや味の違いがあります。自分だけのオリジナルを探すのであれば種からの栽培も良いかも知れません。

アスパラガスの種取り


アスパラガスも野菜なので、種は出来ます。ただ苗を買って適当な植え方をすれば種が取れるわけではありません。アスパラガスは雌雄があるのです、通常アスパラはオス株の方が収量が多いとされるので販売苗は70%以上がオスです。メスを確実に手に入れるには種から育てるか、ホームセンターで雌花が開花したアスパラを買ってくるしかありません。もちろん異品種を隣り合わせにするような植え方をした場合には交配して新品種を作る事も可能です。秋に果実が赤く熟したら種をとることができます。

アスパラガスの栽培:苗の育て方

アスパラガスは簡単に育つので育て方にはそれほど手間はかかりません。唯一苗にたいして行うべき作業は秋に株が黄色くなってきたころに、根元から刈り取ると言う事です。なぜかというとアスパラガスは枯れるのにもエネルギーを使ってしまうため、枯れ始める前に刈り取るのがベストなのです。病気にも強い野菜なので育て方にはあまり気を配らなくても大丈夫ですが、成長の効率を高めるためにはこの作業が必須です。

生育のサイクル

アスパラガスは時期により姿の変化が大きい多年草で、春に萌芽し、夏に葉が展開したときにはアスパラガスからは想像できないような竹箒の王様のような見た目になります。その葉を伸ばすために栄養を貯蔵して、その葉になるための新芽がアスパラです。つまりはエネルギーを発芽前に貯蔵させることが最も大事なので、1年ごとに増える成長点を潰さないように収穫時期には1つの成長点に最低1本の芽を残していけば株が徐々に広がっていきます。

アスパラガスの栽培:土壌について

アスパラガスを育てる土については色々な話しがありますが、真っ直ぐに育てるために砂質土壌で栽培するという話しが多いです。ただ、最高級のアスパラガスのほとんどは自然のままの土を耕し植えるという育て方が多いです。イタリアのバッサーノもそうですし、フランスのアルジャントゥイユも同様の育て方です。アスパラガスの味は育て方よりもどんな土で育ったかが重要なのかも知れません。特にホワイトアスパラは土に触れている時間が多いので育て方や土の影響を受けやすいのでしょう。

石だらけの畑

春の時期になるとフランスで売られている頭は緑で首から下が白いアスパラガスがあります。アルジャントゥイユという古い品種で、タケノコの様に盛り土から頭が出た頃収穫するのでそのような見た目になります。アルジャントゥイユは実は日本でも輸入種子が販売されており、育てやすく品質も高いのでオススメです。さらに、アルジャントゥイユは砂利や石だらけの自然的な畑で有機肥料により栽培されるのでオーガニック栽培がお好みの方には合っているかも知れません。

アスパラガスの栽培:肥料の種類

アスパラは本来肥料をそれほど必要としない植物ですが、沢山芽が出る様に開発された品種などは肥料不足になる場合があります。リン酸肥料はほとんど必要ありません、必要なのはカリ肥料と少しの窒素です。カリ肥料は貯蔵根の発達の手助けをします。窒素肥料は葉の生育を助けます。アスパラガスはイモ類と同じような育て方とも言えるでしょう。有機肥料でまかなう事も簡単なので非常にエコな育て方が出来る野菜であることもポイントですね。

アスパラガスの有機肥料

アスパラガスに必要な肥料分の窒素は油かすなどで問題ありませんが、カリ肥料はどうすべきでしょう。カリ肥料は実は簡単に手に入る肥料で、植物を燃やした灰に含まれています。つまりは秋に打ち切りしたアスパラガスの枝葉を燃やせばカリ肥料になるというわけです。他の植物を燃やす場合にはクマザサがオススメです。

アスパラガスの栽培:追肥の仕方

アスパラガスの育て方において追肥の仕方はそこそこ重要な話しになります。アスパラガスは何よりも貯蔵根が大切で、細胞を培養する際にも貯蔵根の発達が必須になります。それは畑でも同様で、根を傷めるような追肥の仕方をしているといつまでたってもアスパラガスは成長しません。そのため、追肥するのであれば冬に刈り取ったあとに追肥をします。肥料以外に堆肥をいれると土の団粒構造の維持の手助けになるでしょう。

堆肥と肥料


アスパラガスにとって肥料分は勢力増強剤のようなものですが、堆肥はアスパラガスにとってベットであり、直接生育に影響するわけではありません。アスパラガスの追肥の時に堆肥も入れるというのは、アスパラガスのためというよりは畑の土のためです。堆肥が菌やミミズなどの餌になることによりそれらが通過した跡が空気の通り道となり、糞が継続的な栄養や団粒構造の元になるので土がフカフカになります。

アスパラガスの栽培:プランターでの栽培

通常サイズのアスパラガスで良ければプランターでも栽培が可能です、作り方は簡単で、畑と対して変わりませんが、プランターは肥料分が流れやすいので細かい追肥が必要になります。土は野菜用のものでも構いませんがアスパラガス専用の培養土も販売されています。通販でポット苗が一年中販売されているので、そう言ったものを利用すると良いかも知れません。

細かい追肥

プランターは畑よりも狭く、そして乾燥が早いためたっぷりと水をやります。すると肥料分の流出が多くなるため追肥の回数でまかないます。まず春に展葉した頃に窒素肥料とカリ肥料を追肥します、次に夏の暑さが収まってきた頃にカリ肥料を追肥します。そして最後、冬に堆肥を追肥すると良いでしょう。

アスパラガスの栽培:アスパラガスの品種

アスパラガスはヨーロッパ原産で、日本でもイタリアのエウガネイから野生のアスパラガスが輸入されてきますね。エウガネイは苦味のないアスパラですが、多くの野生のアスパラガスは苦味を持っています。これは栽培種も同様で、苦味のある品種はどんな作り方をしても苦いですし、紫アスパラはグリーンアスパラにはなりません。紫アスパラも作り方を変えればホワイトアスパラになるので、日本に輸入されているスペイン産の輸入ホワイトアスパラが紫アスパラだったりはします。作りたいものをイメージして品種を決めると良いでしょう。

オススメの品種

家庭菜園では収量の高さが何より大事になるでしょう、その場合従来であればポールランドやシャワーなどの品種がオススメされてきましたが、現在ポールランド系で春の収量が高いドットデルチェという品種が手にはいります、この品種はサイズも大きくなりやすいのでホワイトアスパラにも適していると言えるでしょう。紫品種ではサラダアスパラガスというものが改良園で糖度20にもなると書かれていますが、本当だったらオススメですね。ただ、あやしいのでデータの多い満味紫などの味の良い品種を選んだ方が良いかも知れません。

まとめ

アスパラガスの植え付け時期は多年草なので正直どの時期でも問題ありませんが、確実に芽が出ている時期に苗を選びやすいのと、冬の乾燥に弱いので晩春頃に植えると良いと思います。そして背が高くなるほど収量が上がるので高く伸ばせるスペースに植えると良いですね。アスパラガスは簡単で強い野菜ですが管理しだいでは家庭でもプロ並みの収穫を得られるのでオススメです。