はじめに
広い野外でスポーツカイトと呼ばれるスポーティーなカイトを飛ばして遊ぶことができます。今回はそのスポーツカイトの紹介です。種類や構造、注意点や作り方・組み立て方に飛ばし方などをお伝えします。
スポーツカイトとは
スポーツ要素が強いカイト(凧)
スポーツカイトとはスポーツ要素の強いカイトの1種です。日本語で表現するなら凧(たこ)と表現するとわかりやすいですが、骨組みに紙や布などを張ったものとなっていて、糸で操って飛ばして遊びます。
日本人なら正月に行う凧遊びをイメージするとわかりやすいでしょう。しかし、スポーツカイトはその凧遊びよりスポーティーにしたものです。
スポーツカイトは広いスペースで軽快に遊べる
スポーツカイトを空に飛ばして遊ぶため、スポーツカイトを遊ぶには比呂スペースが不可欠です。しかし、スペースさえあれば空にスポーツカイトを放って専用の糸でコントロールすることで軽快に遊べます。初期投資のお金も安く抑えられるので興味本位でスポーツカイトを遊んでみるのも良いです。
スポーツカイトは風を動力源にする
スポーツカイトと言えど構造は凧と同じ、つまり風を動力源にして動かします。作り方や組み立て方などは説明に従って行えばよいですが、実際の飛ばし方は風を利用した方法となるので飛ばし方のコツを学んで実践できるようになる必要があるのです。
とはいえコツさえつかめばできるので、作り方・組み立て方も合わせてスポーツカイトを楽しめます。
スポーツカイトの構造
スポーツカイトの骨組み=ロッド
スポーツカイトの構造において骨組みは大切な役割を果たします。カイトの骨組みは通称ロッドと呼ばれていて、カイトの骨組みをベースにその他の部品を取り付けます。カーボンロッド製のロッドやグラスファイバー製ロッドなどがカイトの骨組みになることが多いです。
しかし、骨組みですので、ロッドに強い力がかかったりすると、例えばカイトが空中から地面へ急降下して落下したときなどですが、このカイトの骨組み自体が破損してしまうことがあります。
セイル
セイルはスポーツカイトに張られる布部分になります。ナイロン製やポリエステル製のセイルというのが一般的です。セイル自体は基本、薄く作られています。薄くありながらも強度が高く、風力を利用して空中に浮くスポーツカイトですから、凧として機能するために必要不可欠な部分です。
ライン
スポーツカイトを飛ばすときに操作する糸のことをラインと言います。スポーツカイトの飛ばし方はこのラインの使い方次第です。ラインにも種類があり、種類によって強度が違います。また、スポーツカイトによっては取り付けられるラインの本数が異なり、さらに本数の違いが遊び方に与える違いも多々あります。
スポーツカイトの種類その1
シングルライン
スポーツカイトの種類その1はシングルラインと呼ばれるスポーツカイトです。シングルラインは1本のラインで操作するスポーツライトになります。スポーツカイトの中では最もシンプルです。スポーツカイトを新たに始める方には着手しやすいタイプです。
初心者向けとしておすすめ
シングルラインのスポーツカイトは初心者向けとしておすすめです。操作に使うラインの数が1本ということもあり、1本のラインを操作するだけでスポーツカイトを飛ばして遊ぶことができます。スポーツカイトの飛ばし方はその分限られますが、1本に操作を集中できるのでランディングやターンなどのフライト操作の練習に打ってつけです。
スポーツカイトの種類その2
デュアルライン
デュアルラインはスポーツカイトに2本のラインが取り付けられているものになります。シングルラインのスポーツカイトと比較すると、セイルの中央部分に横並びになるような作り方・組み立て方になっているのが特徴的です。
初心者も上級者も楽しめる
デュアルラインタイプのスポーツカイトは2本のラインが付いているので操作性はシングルラインタイプよりも難しいですが、その分シングルラインよりも細かな操作が可能で、ランディングやフライトにターンなどをより細かな操作で楽しめます。
それゆえ、上級者でも楽しめる作り方・組み立て方となっています。初心者の方でもデュアルラインから始める方はちらほらです。
スポーツカイトの種類その2
クワッドライン
クワッドラインはラインが4本取り付けられている種類のスポーツカイトになります。ロッド上で四角形を描くように各頂点に取り付けられ、それらを操作するのがこの種類のスポーツカイトです。4本のラインを操作するため、高い操作技術が必要になります。
繊細な動きを生み出せる
スポーツカイトを4本のロッドで操作する、つまり4つの支点で操作できるためスポーツカイトの中でもより繊細な動き・操作が可能です。ランディング、フライトやターンなど、どの操作でも他種類のスポーツカイトとは一線を画す動きが生まれます。上級者向けのスポーツカイトで、初心者向けではありません。
スポーツカイトに必要な道具
スポーツカイトで遊ぶにあたって必要なものは、遊ぶためのスポーツカイト、ライン、ハンドルやストラップなどです。スポーツカイト本体は当然必要ですが、本体だけでなく操作するための道具も揃える必要があります。本体を購入する際に注意しましょう。
スポーツカイトの組み立て方
作り方・組み立て方は難しくない
スポーツカイトの作り方・組み立て方は難しくありません。スポーツカイトを購入したときに付属している説明書を読み、そこに記載されている作り方・組み立て方に従えば、初心者・上級者問わず誰でも組み立てられます。
本体を組み立てる
作り方・組み立て方はスポーツカイト本体を組み立てるところから始まるのですが、本体の組み立てはロッドを決められたコネクター部分に差し込むので、パーツの差し込み部を確認しながら行いましょう。
差し込んだロッドがしっかりはまっていることを確認しながら組み立ててください。これができていないと不自然な飛行をしたり、そもそも飛ばないことがあります。
糸の配置をチェック
ロッドを差し込んでカイト本体を組み立てたら、カイトの紐が適切な位置になっているかどうかを確認します。ブライドルと呼ばれるスポーツカイト本体につけられている紐で、これが正しい位置にあるかどうかを確認しましょう。正しい位置を判断するために、左右でブライドルの位置を確認やひっかかりなどを見ておくと良いです。
スポーツカイトの基本操作その1
ラウンチ
スポーツカイトの基本操作その1はラウンチです。ラウンチとは英語で表記するとlaunch、つまり日本語の「離陸する」に該当します。カイト初心者の方なら、説明書の作り方・組み立て方に沿って頑張って組み立てたスポーツカイトで遊ぶ最初の行為です。スポーツカイトの飛ばし方でも最初に覚える飛ばし方になります。
カイトを風下にセットする
カイトのラウンチのファーストステップは風下にスポーツカイトを設置することです。風下に設置することで、風を利用した飛ばし方ができるようにします。本体を少し後ろ(斜め)に倒すようにして置いておくと良いでしょう。
手でラインを上から下に押し下げる
スポーツカイトをセットしたら、実際にスポーツカイトを浮かせる段階に移ります。飛ばし方としては、デュアルラインで説明しますと、2本のラインを片手でそれぞれ持って上から下へ勢いよく引き下ろしてください。こうすることでスポーツカイトが空中へ飛び始めます。引き下ろすときの腕の力を均等にしましょう。
スポーツカイトの基本操作その2
ストレート
スポーツカイトの基本操作その2はストレートです。ストレートはスポーツカイトを直線方向に動かす飛ばし方になります。どの種類のスポーツカイトもストレートの飛ばし方が可能で、飛ばし方も同じです。
ちなみに、この「両腕を揃えてラインを引く」という行為は非常に大切で、垂直上昇や水平面の直線的な移動、そして落下(着陸)時になどの直線的に動く飛ばし方にはこの動きが重要となります。
墜落に注意
先ほど紹介した飛ばし方のラウンチでは左右の糸を上から下に引くことでスポーツカイトを上昇させましたが、上昇したスポーツカイトが下降し始めた時にこの動作を行っても必ず上昇するとは限りません。
ラウンチの際にはラインを下に引っ張った時にスポーツカイトが上昇するようにセットしていたため、下降し始めたスポーツカイトの向きによっては下に引くと逆に勢いよく墜落してしまうのです。
スポーツカイトの基本操作その3
ターン
スポーツカイトの基本操作その3はターンです。日本語で言うと旋回にあたります。空中に飛ばしたスポーツカイトをラインの操作で旋回させられるのです。
モータースポーツをやっている方がストレートだけでなく速いコーナーリングをできるように限界ギリギリを攻めるのと同じように、スポーツカイトでもターンをうまくできるようになると気持ち良いです。
右のラインで右方向に進む
スポーツカイトのターンでの飛ばし方ですが、右のラインつまり右手を手前に引くと右方向に旋回します。左方向へのターンの場合も、右側と同様に左手で左のラインを手前に引くと左への旋回が可能です。
ターン操作をする時のコツはラインの引きや戻しをゆっくり丁寧に動作することが挙げられます。注意点は片方ばかりで旋回させないことです。理由は操作性が悪くなるからで、1-3回ほどを目安に旋回方向を左右逆にしましょう。
スポーツカイトの基本操作その4
ランディング
スポーツカイトの基本操作その4はランディングです。ランディングは離陸とは反対の着陸にあたります。
数十メートルの高さまで浮いているスポーツカイトですから、着陸方法を失敗すると骨組みなどが折れて壊れる可能性が高いので、正しいランディング方法でランディングすることが大切です。
フライトを最後まで安全に終えるという点では旅客機や戦闘機など、どの飛行機とも同じです。
ノーマルランディング
フライト状態から着陸するランディングには、ノーマルランディングとイーグルランディングと呼ばれるランディングがあります。ノーマルランディングによるランディングでは、フライトで高度にあるスポーツカイトを地上3mの位置まで降下させます。
この状態からウィンドウ・エッジ(スポーツカイトが飛行できる範囲で最も外側にあたるエリア)に移動させ、最後にフライヤーが前方向に動くことでカイトに当たっていた空気を逃がすのです。これで無事ランディングできます。
イーグルランディング
イーグルランディングはデルタ型のスポーツカイトを操作する場合に行える種類のランディングになります。イーグルといえば鷲ですが、実際に鷲が舞い降りるかのごとく着陸できるのがこのランディングの良さです。
ランディングポーズが美しい反面、高い操作性が求められたり、風の吹き具合によってはランディングが難しいなど一癖あります。ウィンド・エッジにカイトを移動させ、プッシュ・ターンなどを使ってランディングさせるのです。
フライトからランディングをするときにきれいにランディングさせたいですが、きれいなランディングには高い操作技術も必要となるので沢山フライトして経験を積みましょう。
スポーツカイトの注意点
カイトで遊ぶ場所を考える
スポーティーに遊べるカイトのスポーツカイトですが、遊ぶにあたって注意点がいくつかあります。まず必ず注意すべきなのはスポーツカイトで遊ぶ際に遊ぶ場所が適切かどうか考えることです。
電線が張ってあるような場所や住宅が軒並み並んでいる場所、人混みなどでフライトさせると事故につながる可能性が高いです。
ラウンチやランディング、ターンなどスポーツカイトの各種フライトを安全に楽しむために広くて人も少なく障害物がないような場所で遊びましょう。
カイト操作時には日差しに気を付ける
もう1つ注意点を挙げるなら、スポーツカイト操作中に日差しに気を付けることです。スポーツカイトを浮遊させるので自然と目線が上にやるため、日差しが非常に眩しくなります。
眩しくなるとカイトの操作性にも関わり、それが原因でスポーツカイトを落下させては事故やカイトの破損に繋がります。カイト操作時にサングラスを装着するなどして対策しましょう。
保険に加入する
スポーツカイトで遊ぶにあたり保険に加入するとよいということを初心者の方は覚えておきましょう。ここで言う保険とは傷害保険に当たりますが、カイトで遊んでいる際にもしかしたら事故が発生してしまうかもしれません。
カイトでラウンチやターン、ランディング中など楽しいフライト中に事故が発生してしまうのは非常に悲しいですが、万が一の場合にも対応できるようにしておきましょう。AJSKA(全日本スポーツカイト協会)に加入すると自動的に保険に加入できます。
スポーツカイトの製品紹介その1
アメリカのスポーツカイトメーカーであるPrism Design Inc.が発売するスポーツカイトのネクサスは初心者・入門用としておすすめのスポーツカイトです。デュアルラインタイプのカイトで、スポーツカイトで遊ぶために必要な道具が全てセットとなっています。
入門用と言いながらも品質は上級クラス並みとなっていて、作り方・組み立て方の紹介も動画でされているほど。初めの組み立てからラウンチ・ランディングまで難なくこなした初心者におすすめです。
まとめ
スポーツカイトでより繊細で流動的なカイトを楽しんでみるのはいかがでしょうか。
初心者の方でも最近では始めやすいようなセットなども販売されているので、ぜひスポーツカイトを始めてください。ラウンチには技術も必要ですが、それと同時にラウンチする環境も大切になりますので、安全には十分注意しましょう。
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【スペック】
価格:税込9,070円(2018/7/22時点)
サイズ:165cm×78cm
重量:170g
メーカー:Prism Design Inc.(USA)
付属品:カイト本体1台、ダイニーマライン 100lb 20m×2、ストラップ、デラックスカイトバッグ