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オオクワガタの幼虫の飼育方法!温度や時期など成長に合わせた管理方法を解説!

オオクワガタの幼虫の飼育方法を、菌糸ビンで飼育する場合と、透明カップで飼育する場合に分けてまとめました。オオクワガタの飼育温度や温度に合わせた管理方法、またオスメスの幼虫の見分け方やふやし方まで紹介しているので、ぜひ参考にしてください!
更新: 2021年12月13日
吉岡てんぱ
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オオクワガタとは

オオクワガタは絶滅危惧種

オオクワガタはコンチュウ目クワガタムシ科にぶんるいされるホペイオオクワガタ亜種のことを指します。日本では、乱獲や環境悪化により個体数が極端に減ってきており、2007年より絶滅危惧Ⅱ種に指定されました。

オオクワガタの成虫の見分け方

オオクワガタは、日本にいるクワガタの中でも最大級なので、一目見ればそれがオオクワガタだということは大体わかります。野生のオオクワガタの場合、オスは20mm~76mm、メスは22mm~48mmですが、飼育環境下ではオスは90mm、メスは60mmにもなると言われています。

オオクワガタとほかのクワガタの見分け方は、大顎がとても太くかどうか、先端に小歯がついているかどうかを見ると簡単ですよ。ただ、小歯は小さいオオクワガタにはついていないこともあります。その際は、中央の内歯を確認すると、見分けられますよ。

オオクワガタの分布

オオクワガタは、日本のほか朝鮮半島や中国北東部に生息していると言われています。日本ではほとんどの地域で生息が確認されていますが、特にブナの原生林がある場所やクヌギ林に生息していることが多いです。ただ、対馬以外の離島ではオオクワガタは確認されていません。対馬にオオクワガタが生息しているのは、氷河期に日本が中国大陸と陸続きだった際に、対馬に種が残り、繁殖したと考えられています。

オオクワガタの幼虫の見分け方

オオクワガタの幼虫の見分け方

オオクワガタの幼虫を探しにいくと、いろいろな昆虫の幼虫と出会うことがあります。カブトムシも、同じ時期に同じような場所で幼虫の姿になっているので、間違えてしまうこともあります。ただ、オオクワガタとカブトムシの幼虫では育て方も違うため、幼虫が死んでしまう可能性もあります。そこで、そんな失敗を避けるためにも、オオクワガタの幼虫の特徴をおさえておきましょう。

オオクワガタの幼虫の特徴

オオクワガタの幼虫は、初令~3令中期までは白いですが、3令後期くらいまで成長すると体の色が黄みがかった白色になり、濃厚なバニラアイスのような色をしています。また、オオクワガタの幼虫には、体毛がほとんど生えていません。そして子供でもわかりやすい見分け方は、頭とお尻の色や形です。オオクワガタの幼虫の頭はオレンジ色で、お尻は縦に割れ目が入っているという特徴があります。

特に頭の色に関しては、とても分かりやすい特徴なので、幼虫を採集しに行く際は事前に画像などで確認しておくといいですね。

オオクワガタの幼虫のオスメスの見分け方

オオクワガタが成虫まで成長すると、オスとメスの見分け方は簡単ですが、幼虫の時期ははどんな見分け方をするかご存知ですか。オオクワガタの幼虫のオスとメスの見分け方は、お尻側の背中の側面を見る方法が一般的です。メスの背中の側面には、オレンジ色の斑点がありますがこれは卵巣です。つまりメスの幼虫にしかありません。斑点の大きさはさほど大きくありませんが、数匹捕まえて比較すると、よくわかりますよ。

オオクワガタの幼虫を購入する方法

オオクワガタの幼虫を販売している場所

オオクワガタの幼虫は、ペットショップやホームセンターのほか、ネット通販でも手に入れることができます。ペットショップやホームセンターは、入荷後の管理によっては幼虫が弱っていることもあるので、もし不安がある場合はネット通販がおすすめです。ネット通販の方が血統などが明確にされていることも多いため、愛着がわくという人も多いです。

オオクワガタの幼虫の販売価格

オオクワガタは、血統などによって価格は変わりますが、だいたい1頭500円前後から購入可能です。後ほどご紹介する、菌糸ビンの飼育セットに入って売られているものなど、お得なセットもあるので、購入の際はいろいろ探してみてくださいね。

国産オオクワガタ幼虫

出典:Amazon
出典:楽天
出典:Amazon
出典:Amazon
出典:楽天
出典:楽天

オオクワガタの元気な幼虫の見分け方

オオクワガタの幼虫を飼育するなら、元気な幼虫を育てたいですよね。特に、ペットショップやホームセンターで販売されている幼虫は、店頭に並んでからの期間が長く、元気がない幼虫もいます。そのため、元気な幼虫の見分け方を頭に入れて幼虫を選ぶと、失敗が少なくなりますよ。やはり、幼虫でもよく餌を食べて、よく動くことが元気の証です。逆に、元気がない幼虫は足がマヒするなどして、あまり動かなくなりますので、じっくり観察して幼虫選びをしましょう。

オオクワガタの幼虫を捕まえる方法


オオクワガタの幼虫は捕まえて飼育することも可能

オオクワガタを捕まえると言うと、成虫を思い浮かべる方も多いですよね。しかし、幼虫も捕まえることは可能です。購入する場合と違って、どんな幼虫と出会えるかわくわく感もあるので、ぜひ探しに行ってみてくださいね。

オオクワガタの幼虫が棲んでいる場所

オオクワガタの幼虫は、どの大きさの期間も、朽ちたクヌギの木や倒木の中にいることが多いです。特に、キノコが生えている木には、オオクワガタの幼虫がいる確率が高いと言われています。

オオクワガタの幼虫の捕まえる時期と注意事項

オオクワガタの幼虫は、成虫と違って、朝昼晩どんな時間帯でも捕まえることができます。飼育するのにちょうどよい大きさの幼虫に出会えるのは冬頃とも言われていますよ。ただ、オオクワガタの幼虫を捕まえるために、枯れていない木に傷をつけたり、割った木を散らかして帰るのはマナー違反です。昆虫たちのためにも、「来た時よりも美しく」の精神を忘れず、きれいに片づけて帰りましょう。

オオクワガタの成長過程における期間の呼び方

オオクワガタの幼虫でよく見かける「令」とは

オオクワガタやカブトムシの幼虫を買いに行くと、よく「1令」「2令」「3令」という表示を目にします。なんとなく、幼虫の年齢や成長段階みたいなものなんだろうな…とはわかりますが、具体的な意味を知っている人は少ないとも言われています。そこで、オオクワガタの幼虫で見かける「令」について簡単に説明しますね。

1令幼虫(初令幼虫)とは

1令幼虫(初令幼虫)とは、卵から孵化して1回目の脱皮までの期間の幼虫のことを指します。幼虫の大きさは数mm程度で、簡単につぶれて死んでしまいます。大変デリケートな時期なので、飼育する場合は丁寧に扱うようにしましょう。

2令幼虫とは

2令幼虫とは、孵化してから1回目の脱皮を行って、2回目の脱皮を行うまでの期間の幼虫を指します。少しずつ体の大きさが大きくなり、食事も始める大切な時期なので、質のよい餌をたっぷり与えてあげたい期間です。

3令幼虫とは

3令幼虫とは、2回目の脱皮(最後の脱皮)を終えてさなぎになるまでの期間の幼虫を指します。3令は、1令や2令の時期より期間が長く、販売されている幼虫の多くは3令の幼虫です。3令の期間に、餌をたくさん食べさせ、幼虫にとって心地の良い環境を提供できれば、より立派な大きさの成虫に成長すると言われています。

オオクワガタの幼虫の飼育の際の温度管理

オオクワガタの温度管理は慎重に

オオクワガタは暑い時期の虫なので、暑さに強いと思っている人がいたら、それは間違いです。オオクワガタが暮らしている環境を想像してください。木々が生い茂っていて、木陰の多い比較的温度の低い場所にいますよね。また、実際の活動時間は温度が下がる夜が多いです。

夏の屋外の温度は、40℃を超える日もあります。しかしオオクワガタが暮らす場所は、そんな日でも30℃以下の場所がほとんどです。そのため、オオクワガタの幼虫の育て方の中でも、温度管理は重要で、温度を低めに管理することが大切です。

オオクワガタの幼虫の適切な飼育温度

オオクワガタの幼虫は、28℃以下で育てることが大切です。また、大きさを気にする場合は、どの時期も20℃前後の温度を保つ育て方をするとよいと言われています。

夏の温度管理

オオクワガタの幼虫を飼育している場所の温度を下げることも必要ですが、1番大切なことは、オオクワガタの体感温度を下げることです。具体的に温度を低く管理するための方法としては、菌糸ビンなど幼虫を飼育している容器を、水を入れたバケツに浸けたり、日陰に置いて扇風機をつけるという方法があります。また、日中人がいる場合は、クーラーの効いた部屋に飼育容器を置くのもいいですね。

冬の温度管理


冬も、できれば18℃以上の温度を保った育て方をした方がいいので、まずは気温が保てる場所で飼育するのがおすすめです。こたつの中や、ホットカーペットの上で育てると、ちょうどよい温度になるという声も多いですよ。また、外出時などは、毛布に包んでおくだけでも保温できるので、ぜひ試してみてくださいね。

温度次第で幼虫の期間を短くできる

オオクワガタは、高めの温度での育て方により成長を促し、幼虫の期間を短くして羽化を早めることもできます。早く成長させたい場合は、23~25℃くらいの温度で飼育すると、早ければ5か月程度で羽化させることも可能です。早く成長させたい方は、少し高めの温度で飼育してみましょう。

オオクワガタの幼虫は個別に飼育する

以前は幼虫の多頭飼育が一般的だった

かつては、オオクワガタの幼虫の飼育と言えば、大きなケースに入れたたくさんの幼虫を一気に管理させる方法が一般的でした。しかし、最近はツヤクワガタやパプアキンイロクワガタなど一部の種類を除いて、個別に飼育する方法がスタンダードになっています。

オオクワガタの幼虫の多頭飼育が減った理由

オオクワガタの幼虫の、多頭飼育が減った1番の理由は、共食いです。オオクワガタの中には、共食いするものがいて、タイワンオオクワガタやグランディスオオクワガタなどは、半数程度が共食いによって死んでしまうこともよくあります。一方で、国産のオオクワガタはあまり共食いをした事例はありません。ただ、万が一を考えると、個別に飼育した方がいいのでは?という声が多く、多頭飼育する人が減少しました。

また、多頭飼育より個別飼育の方が、管理がしやすいという点も、個別飼育が増えた理由の1つです。オオクワガタの幼虫は、孵化した日にちも異なれば、羽化する日にちも異なります。そのため、いろいろな大きさの幼虫を多頭飼育していると、管理がとても難しくなります。

オオクワガタの幼虫の飼育は菌糸ビンがおすすめ

オオクワガタの飼育は菌糸ビンだと管理が簡単

菌糸ビンによるオオクワガタの幼虫の飼育のメリットは、なんといっても管理が簡単なことと、幼虫が大きく育つことです。菌糸ビンに入っているオガは、栄養も豊富で、オオクワガタの幼虫にストレスを与えにくく、すくすく育ってもらうことができますよ。

菌糸ビンとは

菌糸ビンとは、キノコの栽培に使っている菌床のことです。キノコの栽培に使われる菌床が、オオクワガタの幼虫の飼育に向いているのでは?と思い立った方が飼育に大成功し、その噂は一気に広まり、今や一般的な飼育方法にまでなりました。

菌糸ビンには、粉砕された広葉樹に、キノコの菌とリグニンと呼ばれる樹木から抽出された成分を混ぜ、幼虫の餌にした飼育容器です。オオクワガタの幼虫の飼育には、オオヒラタケやカワラタケなどのキノコ菌が使われることが多く、菌という名前ではありますが、安全な成分なので安心してオオクワガタの幼虫の飼育に使ってくださいね。

オオクワガタの幼虫向きの菌糸ビンの大きさ

菌糸ビンの大きさはさまざま

菌糸ビンを購入しにいくと、いろいろな大きさの菌糸ビンを前に、戸惑ってしまうかもしれません。菌糸ビンの大きさは、飼育環境などに合わせて選んでもいいですが、できればオオクワガタの幼虫の育て方に適した大きさの菌糸ビンを選んであげられるといいですね。

オオクワガタの幼虫の飼育に適した菌糸ビンの大きさ

オオクワガタの幼虫の飼育の場合、メスの幼虫に適した大きさは800㏄くらいと言われています。一方、体が大きくなるオスの幼虫は、1100㏄くらいの大きさが適していると言われています。

オオクワガタの幼虫の菌糸ビン飼育手順1

菌糸ビンを飼育場所に置く

オオクワガタの幼虫を飼育する場所を決めたら、幼虫を入れる前に1日、菌糸ビンだけをその場所に置いておきましょう。幼虫を菌糸ビンに入れてから置き場所を変えると、幼虫にストレスがかかる心配があるので、この手順はスキップしないようにしましょう。

成長したキノコがあったら捨てる

菌糸ビンの中には、キノコ菌が入っているので、その中でキノコが成長していることもあります。菌糸ビンの中にキノコが生えていたら、取り除き、捨てましょう。


オオクワガタの幼虫を菌糸ビンに入れる

オオクワガタの幼虫を入手したら、菌糸ビンの表面を少し掘って、スプーンなどを使って菌糸ビンの中に入れましょう。購入したばかりの幼虫は、とてもデリケートです。少しでもストレスが減るよう、やさしく扱ってあげましょう。

幼虫が潜っていくことを確認する

菌糸ビンに幼虫を入れて、幼虫が潜っていったらふたを閉めます。ただ、まれに幼虫が潜ってくれないことがあります。幼虫が潜らない理由は、温度が高い、酸素が足りない、警戒しているなどさまざまなことが挙げられます。温度が高い場合は温度を下げるよう工夫をし、酸欠の場合はふたを閉めずにティッシュで入り口を覆うなどしましょう。警戒して潜ってくれない場合は、少し様子を見て、どうしても無理な場合は、新しい菌糸ビンを用意するといいですよ。

オオクワガタの幼虫の菌糸ビン飼育手順2

菌糸ビンを適宜交換する

オオクワガタの場合、菌糸ビン1個で幼虫の全期間を乗り越えるのは厳しいです。そのため、適宜菌糸ビンを交換する必要があります。交換する時期は、次のような変化があったときです。変化を見逃して、交換するタイミングを間違えると、幼虫が死んでしまうこともあります。しっかり菌糸ビンを観察し、交換のタイミングを逃さないようにしましょう。菌糸ビンの交換の際は、幼虫を菌糸ビンに入れる方法と同じ方法で行います。

菌糸ビンを交換する目安

次のような変化が見られたら、菌糸ビンを交換しましょう。
・菌糸が減って半分以上黒くなったとき
・菌糸が縮んでスカスカになったとき
・菌糸ビンの底に水が溜まったとき
・カビが大量に発生したとき

菌糸ビンを交換してはいけない時期

上記のような変化があっても、菌糸ビンを交換してはいけない時期があります。それは、さなぎになったとです。さなぎになると、菌糸を食べることもなくなるので、菌糸ビンを交換せずに見守ってあげて問題ありません。ただ、菌糸ビンに水が溜まったりカビが生え、菌糸の色が変色した場合などは、さなぎに悪影響がある場合もあります。そのときは、菌糸ビンを交換するのではなく、人工蛹室へ移動させてあげましょう。

オオクワガタの幼虫の菌糸ビン飼育手順3

さなぎになってからは見守る

オオクワガタの幼虫がさなぎになったら、何もせずに見守ってあげるのが育て方のポイントです。オオクワガタは、さなぎになって1~2ヶ月で成虫になりますが、成虫になってもしばらくは菌糸の中に潜っています。そのため、オオクワガタが成虫になっていても、自ら這い出てくるまでは何もせず、見守ってあげましょう。

オオクワガタを正しい育て方で立派に成長させよう

オオクワガタの幼虫の育て方は、難しいと思っている人が多いようですが、基本的な育て方をおさえておけば、比較的簡単に育てられます。オオクワガタの成虫を採集したり購入して育てるのも楽しいですが、やはり幼虫から育てると、かわいいなと思う気持ちのレベルが違いますよ。オオクワガタの幼虫の正しい育て方を実践し、立派に成長させてあげましょう!

オオクワガタが気になる方はこちらもチェック

オオクワガタの育て方をマスターしたら、次は他のクワガタやカブトムシを育ててみませんか。夏の昆虫の王者たちに囲まれると、暑い夏も元気に乗り越えられる気がしてきますよ!