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ハナモモの育て方!植え付けや植え替えなど上手に花を咲かせるコツを解説!

ハナモモは江戸時代初期から品種改良されてきた花木です。育て方も簡単なその頃の品種が今も苗木として流通しています。今回はハナモモの種類や特徴、植え付け時期や挿し木の方法、植え替えや剪定、肥料の与え方、花が咲かない原因などハナモモの育て方を詳しく解説します。
更新: 2022年3月29日
chiro
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目次

ハナモモとは?

ハナモモは、花を観賞するために改良されたモモの木で、梅の実ほどの実はできますが食用にはなりません。形態は落葉高木に属し、5m~8m位まで成長します。開花期は3月中旬から4月中旬と、桜とほぼ同時期が見ごろです。耐寒性と耐暑性が非常に高く、初心者でも育てやすい花木となります。

ハナモモの代表品種

ハナモモの種類は大きく分けると4種類です。この4種類をベースにして立ち性、枝垂れ性、ほうき立ち性、矮性に枝分かれし、花色も濃い紅色から白や複色まで様々な種類があります。開花した形状も含めるとかなりの種類です。

ひな祭りに欠かせない 矢口(やぐち)

ハナモモの中でも最もポピュラーな種類が「矢口(やぐち)」です。開花形状はピンクの八重で、枝が真っすぐに伸びるので、切り枝向きの樹形となります。ひな祭りのお花として花屋の店頭に並ぶので、誰でも一度は目にしたことがあるハナモモです。開花時期は比較的早いですが、花持ちが大変良い品種なので、つぼみの状態で切り枝して花瓶にさしても綺麗な花を見せてくれます。

狭い庭向きの樹形で花が大きい 照手紅(てるてべに)と照手白(てるてしろ)

ほうき立ち性で開花形状は濃い紅色の大輪が照手紅(てるてべに)、黄色に近い白の大輪が照手白(てるてしろ)です。遠くからでも目立つほどの存在感を放ちつつも箒のような形状なので、狭い庭でも植え付けが可能となります。何本か並べて植えられている景色は、まるで春の訪れを知らせるような凛々しさで、近年人気の種類です。

菊花のように重なった花弁 菊桃(きくもも)


その名の通り菊の花のような形状が特徴のハナモモです。新芽は花の終わりとほぼ同時に展開し始め、開花時期の中盤には葉の緑と花弁のピンクが見事なコントラストを見せてくれます。その美しさから、ハナモモの中でも特に人気のある種類です。樹形は立ち性で、庭木としてシンボルツリーとなる存在感で、少し広めのお庭の方が見栄えが良い品種となります。

紅白の絞り花弁が目を引く 源平(げんぺい)

源氏と平家の両者の旗が入り乱れて合戦している様子に例えて、1本で紅白の花が付くものを源平(げんぺい)と言います。これはハナモモに限らず、花全般で共通した呼び名となります。ハナモモの源平咲きは、紅白と絞りの3色です。年によって赤が多かったり、白ばかりになったりしますが、それも楽しみのひとつ。ハナモモは全般的に寿命の短い花木ですが、源平咲きの種類は他のハナモモより、5年程度短いと考えた方がよいです。源平咲きのハナモモの中でも一番人気は枝垂れとなっています。

ハナモモの育て方

ハナモモは中国原産ですので極寒の地でない限り、1日2~3時間に日当たりがあれば植え付けが可能となります。日当たりが悪いと落葉が早かったり、花が咲かないなどの症状が出ますので、植え付け場所には気を付けましょう。

管理方法は2月に石灰硫黄合剤を10倍程度に希釈して散布します。主な病気はうどんこ病や黒星病ですので、バラと同じと考えてよいです。5月~9月は10日から2週間程度の間隔で定期的に害虫駆除の消毒をします。主な害虫はアブラムシで、来年の花芽を食べてしまうので早めに駆除しましょう。石灰硫黄合剤はホームセンターなどで入手できます。

苗木の植え付け時期と注意点

まだそれほど大きくなっていない時期の植え替えや苗木の植え付けは梅雨までには終わらせますが、寒い時期は避けてなるべく春になってからの方が根付きが良いです。鉢植えの場合は、12月の強剪定の時期に植え替えると失敗しません。

台木から芽が出ていないかよく確認し、もしも台木から芽が出ていたらもぎ取ってください。これは、生育の強い台木の芽が、肥料をとってしまうために接ぎ木であるハナモモに栄養が行きにくくなることを防ぐためです。

ハナモモの剪定方法と剪定後の育て方

ハナモモは毎年冬に剪定します。夏頃に次の年に咲く花芽を付けるので、それを切り落としてしまうと花の少ない状態になってしまいますから、花芽を見極めながら剪定を行いましょう。枝が混みあっていたり、樹形が悪くなると病気にかかり易いので、冬場の剪定は重要な作業です。

苗木の剪定ポイント


春に植え付けた苗木の2年目までの剪定は、2月の寒い頃の花が咲く前におこないます。この時期に花を咲かせると樹勢が落ちてしまい、3年目以降の育ち方に影響を及ぼすからです。新苗の剪定は半分以下まで切り詰めます。

剪定後の肥料は与え過ぎないようにし、植え付け場所から30㎝程度離れた木の周りに、寒肥として腐葉土や堆肥、油かすなどを穴を掘って埋めましょう。そのまま夏まで何もする必要はありません。

3年目以降の剪定ポイント

3年目以降の剪定は11月~12月に行います。夏に付けた翌年の花芽を必要以上に切り落とさないように気を付けましょう。もしも花芽を見分ける自信がない場合は、花が終わったすぐのころに剪定をしてもかまいませんが、花終わり時期の剪定だと、栄養を蓄える夏場を少ない枝で迎えてしまうので、多少生育状況に影響します。

花が咲かない木になるよりはまだよいと考えて、慣れるまではこの方法がお勧めです。

ハナモモの挿し木と育て方

挿し木の方法は、新枝が少し伸びて、硬くなりすぎる前の5月が適期です。元気な新枝を切り、10㎝程度に切りそろえて、葉を先端部分に2~3枚残して落とし、十分に水揚げさせてから、市販の挿し木用土に挿します。

水を切らさないようにたっぷり与えながらも、ため水にならないよう気を付けて、風の当たらない日陰で管理し、発根率は相当低いと覚悟して、複数本挿してください。概ね10本差して1本程度の発根と考えます。

発根した挿し芽の管理方法

Photo byanadfontana

発根した挿し芽は、まだ根が育ち切らないうちに冬を迎えますので、屋内に取り込むか、風や雪、霜を避けられる軒下で管理します。

乾かないように水は与え続けますが、土内に残った水が凍ってしまうとダメになりますので、水量を調節しながら与えてください。この時期の管理はかなり上級者向きの作業です。新芽期は寒肥は与えません。

ハナモモが咲かない原因と対策

ハナモモが咲かない原因は大きく2つで、剪定の失敗か病気です。樹勢は良いのに花が少ない、または咲かない場合は前者、落葉や黄変が多く元気が無いのが後者となります。

前者の場合は次の剪定を弱めにするか、花が終わった直後の剪定に切り替え、寒肥を与えることを忘れずにおこないましょう。普段通りの管理をすれば来年はまた見事な花を見せてくれます。厄介なのが病気の場合です。若いハナモモは病虫が多いので、特に気を付ける必要があります。

大切なハナモモが病気?対策と管理方法


ハナモモが良くかかる病気はうどん粉病や黒星病です。これはバラ科の宿命ともいえる病気ですので、日ごろの消毒が重要になります。もしも罹患してしまったら、特効薬はサプロール剤です。

指定希釈したサプロール剤を病巣に集中的に吹きかけけると同時に、まだ罹患していないところに予防として散布します。また、罹患した年の剪定は、いつもより思い切って行いましょう。

まとめ ハナモモの育て方

耐寒性に優れ、生育も早いハナモモは花木初心者にピッタリです。多少の病気や虫は生きている証拠だと気軽に受け止めて日々の管理を楽しめば、必ず見事な満開の花で応えてくれます。庭のシンボルツリーや記念樹としてお勧めです。

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