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シュロの木の伐採・剪定方法とは?上手な手入れや、処分方法までご紹介!

シュロの木って、どんな木かご存知ですか? 南国のイメージが強いヤシ科の植物で、1本植えるだけでたちまちリゾート地のトロピカルな雰囲気に変える、このシュロの木についての伐採の方法、剪定方法や、手入れの仕方、処分方法までをまとめてみました。
更新: 2022年2月19日
chacky
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シュロの木とは

シュロの木をインターネットで検索すると、なぜかシュロチクがヒットします。同じヤシ科の植物ですがシュロの木は常緑高木なのに対し、シュロチクは観葉植物なので地植えよりも鉢植えで育てた方が向いています。シュロの木は庭木としてのびのび育てましょう。

シュロの木の種類

ヤシ科にはいろいろな種類がありますが、ヤシ目ヤシ科ヤシ属の総称をあらわすシュロという名前をもつシュロの木はヤシ科の代表格といえます。

また、ワジュロ、トウジュロ、アイジュロ、ノラジュロがあり、一般的に植栽で使われているのはワジュロ、トウジュロです。10mを超す樹高があるワジュロは街路樹などで使用され、それより小型のトウジュロは個人宅で使用されています。

アイジュロは、ワジュロとトウジュロの交雑種、故意に植えたものではなく、鳥などによって種が運ばれて生えているのがノラジュロです。

シュロの木の育て方

陽当たりの良し悪しは特に関係なく、また手入れもそんなに必要がなく、ゆっくりとした速度で成長をするシュロの木はとても育てやすい植物です。ここでは、置き場所や、水やりの仕方、肥料の与え方などをみていきましょう。

陽当たりと置き場所

半日蔭や、日陰でも成長速度に関係なく、シュロの木は育ちます。専門書では日陰を好む陰樹に分類されることも多いですが、夏の強い日差しに当たっても大丈夫です。

むしろ、住宅街に植わっているシュロの木は5mを超す樹高であれば日陰になる方が難しいかもしれません。ただし、鉢植えになっている幼木は、葉焼けを防ぐためにも直射日光を避けた場所で管理した方が成長にはいい環境です。

水やりの仕方

ヤシ科の植物は水分を好む植物ですが、用土の水分が抜けてからたっぷり水やりをするようにしましょう。ゆっくりした成長速度のシュロの木は水分を取る時もゆっくりです。

用土が水分を含み、湿った状態で水やりを繰り返すと、常に根が水に浸かっている状態になるため、いずれ腐ってしまいます。

根が腐ってしまうと、根腐れといって樹木本体も枯れてしまいますので注意が必要です。幼木の鉢植えの場合は1週間に1度程度、葉に霧吹きで葉水を与えるようにしましょう。病害虫の予防にもなります。

直植えの場合、地面の土の水分で十分なので心配する必要はありません。

じょうろ

肥料の与え方

直植えも、鉢植えも花が咲く前の2月から3月ごろに緩効性の固形肥料や、堆肥、鶏糞を施します。幹から少し離れたところを一周ぐるりと溝を掘り、肥料を施したら土をかぶせて水やりをしてください。

肥料のやり過ぎは樹木を弱らせる原因にもなるので、年に1回のペースで十分です。早く大きく育てたいからと肥料を多く施しても成長速度は変わりません。

成長速度がゆっくりしているので、即効性のある液肥ではなくゆっくり効く固形肥料を使用してください。

固形肥料

ハイポネックスジャパン プロミック いろいろな植物用

出典:楽天

シュロの木の増やし方

シュロの木は種で増やします。花穂ができ花が咲き実ができたら熟すまで待ちます。11月ごろになると実が熟すので、熟しきったのを確認してから、陽の当らない涼しい場所に保管して次の年の春に蒔きます。

ワジュロとトウジュロが近くに植わっている場所でできた実からの種の採取はおすすめしません。両種は交雑しやすいため、種の質が悪いものが多いからです。また、幼木の状態では花は付きません。

とにかくゆっくりした速度で成長するので、植えている環境にもよりますが花が咲くまでに数年、数十年かかることがあります。

シュロの木の花と実

シュロの木は雌雄異株なので雄株と雌株があります。雌株には5月ごろになると小さな粒状のクリーム色の花が咲きます。花後は直径1cmの実ができ、秋になると青黒色に熟します。この実を食べた鳥が運んだ先でノラジュロが自生することになります。

また、この実を採取して陽の当たらない風通しのよいところに保管しておき、春に蒔くと芽が出てきます。

シュロの木の買い方

シュロの木

出典:Amazon
出典:Amazon

シュロの木を購入する際は、シュロチクと間違えないようにしましょう。インターネットで検索をかけてもシュロチクの方が多くヒットします。シュロチクは観葉植物なので樹高も2mくらいなので鉢植えで育てる方が向いています。

シュロの木は常緑高木で庭木の部類に入ります。常時販売されているわけではないですが、ホームセンターや園芸店で実物を見て購入することをお薦めします。販売されているものはまだ幼木なので1m前後の樹高です。

購入する際に、店員にいい株の見分け方や手入れの仕方なども聞けるのでお好みの株を見つけてください。

シュロの木の伐採方法

伐採するための準備

手が届く高さなら簡単にできる伐採も、はしごを必要とする高さまで成長してしまったシュロの木を伐採するには、必ず二人以上で作業をしてください。道具はシュロの木を切るためのノコギリやチェーンソーなどの刃物と繊維の皮むきをするためのナタ、ロープ、軍手、ゴミ袋を用意します。

はしご

ノコギリ

チェーンソー

マキタ(Makita) 電気チェンソー300mm

出典:楽天
出典:Amazon
出典:楽天
出典:楽天

ナタ

五十嵐刃物工業 C-70

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ロープ

軍手

ゴミ袋

UH54 強化ポリ袋 半透明 45L

出典:楽天
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出典:楽天
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伐採の手順

準備が整ったら、手順を確認します。
①ハシゴを立てかけたら、上の部分をロープで固定する
②葉、枝を剪定しながら繊維の皮むきをする
③上から50cmくらいづつ切り落としていく
④切り倒せる高さまでになってから、根元を切り落とす
⑤切り落とした幹は更に短く切り分けてから、ゴミとしてまとめる
特別な切り方はないのですが、無理をしないように切りやすい方法で安全に伐採してください。

伐採の注意点

先にも述べましたが、シュロの繊維の皮むきをしてから、伐採してください。繊維がのこぎりの歯に絡みつくと上手く切れません。
ナタなどを使ってはがしてから作業してください。この繊維の皮むきをしてから伐採するのが、切り方のコツです。

また、10m近い樹高になってしまったシュロの木を伐採する際は、危険を伴うので業者に任せることをお勧めします。高所専用のハシゴが必要になりますし、幹が固くなっているので、のこぎりで伐採するのが困難だからです。

シュロの木の剪定方法

剪定する時期

シュロの木の成長の速度はかなり遅い方です。そのため樹姿が乱れることはほとんどありません。手入れも楽で、育てやすい木です。手入れが楽な分、枯れた葉をそのままにしがちですが、樹全体の下の葉は先に生えた葉なので、古い葉となります。

この古い葉や枯れた葉を剪定します。時期は頂上に新芽が見えてくる4月ごろが適期なので、暖かい日を選んで作業しましょう。

剪定の方法

まずは、全体の樹形をみて下に垂れている葉を剪定していきます。切り方にコツはないので、切りやすい方法で剪定してください。特に枯れている葉は水分が少なく、切りにくくなっているので、何度か刃を入れて切り落とします。

頂上の新芽を含む10枚程度の葉を必ず残すようにしてください。剪定しすぎると光合成しにくくなるのでシュロの木の成長の妨げになります。

また、残し過ぎても、陽が当たらない葉は枯れやすくなるので、全ての葉に陽が当たるように剪定します。

剪定の注意点

毎年春先になると頂上から新芽が出てきます。新芽を出そうと栄養分を上に押し上げるため、古い葉から枯れていきます。新芽をきちんと出すためにも余分な葉に栄養がいかないように切り落としましょう。その際、必ず新芽の状況を確認してください。

新芽が枯れていたり、出ていないと樹自体が枯れている、または病気の可能性があります。剪定は樹がきちんと成長しているかの確認の意味もありますので、毎年行ってください。

シュロの木の手入れ方法


葉を切り落とす

ヤシ科の植物は、下の葉から枯れていきます。下の葉は先に生えた葉だからです。そのままにしておくと見栄えが悪いので、葉の根元から切り落とします。切り方としては葉の根元の上側から刃を入れて切り落とします。

同時に樹形を整える意味でも、多く生えてしまった葉は切り落としてください。10枚程度残しておけば、光合成ができるので切り過ぎないようにするのがコツです。年に1回で構わないので、この手入れをすることできれいな樹形を保つことができます。

花穂を切り落とす

雄株と雌株があるシュロの木ですが、雌株の場合は5月ごろに花が咲き、実を付けます。実ができてしまうと栄養分が実にいってしまい、樹に栄養がまわらないので成長の妨げになります。花穂ができたら花が咲く前に切り落としましょう。

種を取りたい場合は、実を付けたまま熟すまでそのままにしておきます。花穂の切り方としては、花穂の根元から刃を入れて切り落としてください。

シュロの木の処分の仕方

シュロの木の繊維の皮むき

シュロの木を伐採、剪定したあとに残った木くずは各自治体のごみの分別に従って処分してください。

ゴミ袋に収まりやすいように細かくしますが、シュロの繊維が付いていると細かくできません。まずはこの厄介な繊維の皮むきをします。一番やりやすいのはナタを使うことです。

幹の周りに一周切り込みをいれます。この切り込みに合わせて繊維の皮をむくと比較的楽にはがすことができます。やや面倒な繊維の皮むきですが、スムーズに処分するための大事な作業なのでしっかり行いましょう。

処分しやすいように細かくする

シュロの木の繊維の皮むきが済んだ幹は、のこぎりを使って細かく切ります。切り方としては30cmを目安に切りそろえると、ゴミ袋に入れやすく処分しやすくなります。太い幹は切り方を揃えて何度も刃を入れて細かくしましょう。

成長したシュロの木は樹高が高ければ高いほど、硬くなります。そして、水分が抜けたシュロの木もまた硬くなります。

樹高が高くなりすぎて、伐採や剪定がしにくくなったからと、あえて枯死させる方法もありますが、水分が抜けているので細かく切ることが難しくなるので伐採したらすぐに処分するようにしましょう。

シュロの木のまとめ

シュロの木の育て方や手入れ方法、剪定、伐採方法、処分方法などをまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。庭に植えるだけで、リゾート気分を満喫できる植物はなかなかないので、シュロの木は本当におすすめです。成長速度がゆっくりなため、我が子の成長を眺めるようにじっくりと育ててあげてください。

剪定や伐採も幹が真っすぐなので、特別な切り方はありません。古くなって枯れた葉だけを切り落とせばいいので、手入れも楽です。

苦労して皮むきした繊維を鉢底網として再利用したり、たわしやほうき、縄などに加工できるのでぜひ試してみてはいかがでしょうか。