十四年式拳銃の魅力とは?マルシン工業が再現した国産拳銃の魅力をご案内!のイメージ

十四年式拳銃の魅力とは?マルシン工業が再現した国産拳銃の魅力をご案内!

皆さんは十四年式拳銃と呼ばれる軍用ピストルをご存知でしょうか。戦前に自前の技術で開発された国産の自動式拳銃です。戦後の憲法で牙を抜かれた大和民族ですが、かつては、自国は国産の兵器で守る!という気概を持っていました。その国産自動拳銃の十四年式拳銃をご紹介します

2018年09月11日更新

ijirare1960
ijirare1960
ijrare1960と申します。 トイガン歴とサバゲー歴、それぞれ数十年、トイガンはモデルガン全盛時から、サバゲーは日本で始まった頃から見てきました。 実銃の歴史やメカニズムの雑談系とエアガン、サバゲー関連の解説記事を、初心者の方にも分かりやすいように、お伝えします。
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目次

  1. 十四年式拳銃とは?
  2. 十四年式拳銃のデザイン
  3. 十四年式拳銃のスペック
  4. 十四年式拳銃の歴史
  5. 南部式自動拳銃は世界でも早い時期の開発だった
  6. 南部式自動拳銃の生産向上版が十四年式拳銃だった
  7. 十四年式拳銃のメカニズム
  8. 十四年式拳銃のガスブローバックガン
  9. マルシン工業とは?
  10. マルシンが初のショートリコイルモデルを
  11. 十四年式拳銃の魅力とは?ーまとめ

十四年式拳銃とは?

十四年式拳銃とは、旧大日本帝国陸軍が大正十四年(1925年)に制式採用した国産の自動式軍用拳銃です。使用する弾薬は8ミリ南部弾で制式採用後は、日華事変、太平洋戦争と日本国の拳銃として、戦場の兵士と共に戦い、敗戦までの間に約28万丁が製造されたと言われています。

十四年式拳銃のデザイン

soft_reeさんの投稿
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十四年式拳銃は、国産拳銃として、日本人が使うためにデザインされた拳銃なので、手の小さな日本人でもシッカリと握れるように細身のグリップとしてデザインされています。また、グリップの角度が絶妙で、グリップを握って手を伸ばすと、自然と銃口がターゲットにピッタリと合うように作られています。リアサイトも、今日で言う「ノバックサイト」に近いデザインで狙いやすいサイトに仕上がっています。

b_star_b2005さんの投稿
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片手で安全装置が入れられない!

安全装置は構えた時に左側前方のトリガー上部にあり、レバーを180度回転させて操作するようになっています。レバーを銃口側の回せば発射位置で、グリップ側に回せば安全装置が入りになり、それぞれの位置に火と安の文字が刻まれていてひと目でわかります。しかし、グリップした右手だけで操作をするのは不可能であり、左手での切り替えが必要となります。

jinokazakiさんの投稿
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ボルトストップレバーがない!

ボルトも全弾発射後はホールドオープンするようにはなっていますが、ボルトストップレバーというパーツは設けておらず、マガジンのフォロアーで直接ボルトを止めているので、再装填の時には、マガジンを抜くために余分な力が必要です。そのために、ガバメントのような素早いリロードをするのには不向きなデザインとなっております。

misa.nao.3370familyさんの投稿
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人が兵器に合わせるのだ!

安全装置の使いづらさや、手間取るマガジンチェンジの様子をみていると、旧帝国陸軍は、戦場での拳銃の使用を想定していないのではないかとすら思えてきます。ライフルの弾が切れた時のバックアップとしては、かなり使いにくいデザインなので、このあたりがガバメントなどとの大きな違いであり、資源の乏しい日本では、拳銃弾も節約したかったのでしょうか。それとも、「武器に人が合わせる」という日本軍の伝統なのでしょうか。
 

十四年式拳銃のスペック

wind64yさんの投稿
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陸軍十四年式拳銃は、口径が8ミリで、「8ミリ南部弾」というカートリッジを使用します。装弾数はマガジンに8発+1発で、同時代の軍用拳銃と比べても、決して劣った装弾数ではありません。8ミリの拳銃弾というと、7.65ミリの30ルガーや、30モーゼル弾よりも威力がありそうに思えますが、実は、この2つのカートリッジよりもかなりの弱装弾です。

弱装弾の8ミリ南部弾でショートリコイル?

riyo_minemuraさんの投稿
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しかし、この弱装弾を使いながらも、モーゼルC96をルーツとしたプロップアップ式ショートリコイルという凝ったメカニズムを採用しているあたり、こだわりの強い日本人気質の現れでしょうか。なぜ、8ミリ南部弾の威力が低いのかは、メカニズムのところで説明いたします。
 

十四年式拳銃の歴史

十四年式拳銃の開発を説明するには、この軍用拳銃の元となった「南部式自動拳銃」の開発にまで遡らなければなりません。19世紀末から実用化されたいわゆる無煙火薬の登場によって、銃弾の性能は飛躍的に向上します。それまで、銃弾の発射薬として使われていた黒色火薬は発射薬(プロペラント)というよりは爆薬(デトネーター)に近い燃焼速度だったので、バレル内で銃弾を安定して加速するのには、あまり向いていませんでした。

omocharoomさんの投稿
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スモークレスパウダー(無縁火薬)はゆっくりと燃える

しかし、燃焼速度が黒色火薬よりゆっくりな無煙火薬は、銃弾がバレル内から飛び出すまで燃え続けて、銃弾を加速し続けるので、安定した銃口初速を得られるようになりました。この安定した発射薬を手にした銃器関係者達は、自動拳銃の応用を模索し始めます。そうして、世界各国で自動拳銃の研究が行われるようになりました。

banbutsusozoboさんの投稿
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銃弾の発達が銃器を進化させた

その結果、アメリカではガバメントが、ドイツではモーゼルやルガーなどの自動拳銃が開発されます。そんな中、日本でも陸軍砲兵大佐であった南部れん次郎が各国から自動拳銃を取り寄せ研究し、1902年の南部式自動拳銃を開発しはじめます。

南部式自動拳銃は世界でも早い時期の開発だった

出典: https://upload.wikimedia.org

南部式大型自動拳銃(パパナンブ)

1902年の国産自動拳銃の開発というのは、世界的に見ても決して遅かったわけではなく、むしろ早いほうでした。モーゼルの自動拳銃が1896年、ルガーが1900年、ガバメントの元となったモデルが1900年の開発ですので、明治維新から僅か三十数年で国産自動拳銃の開発を成し遂げたのは、称賛に値すると思います。

garden.2014さんの投稿
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日露戦争はリボルバーで戦った

完成した南部式自動拳銃は陸軍によってテストされ、優秀な成績を収めますが、時の陸軍大臣から、構造の複雑さと拳銃の更新にかかるコストを考えた結果、自動拳銃の採用は不要不急の判断を下され採用には至りませんでした。そして、その二年後に起きる日露戦争では、リボルバーの26年式拳銃で戦うことになります。

南部式自動拳銃の生産向上版が十四年式拳銃だった

出典: https://upload.wikimedia.org

南部自動式拳銃はその後の1906年に帝国海軍から制式採用になります。陸軍を通して採用したため、海軍では「陸式」拳銃と呼んだそうです。その後、海外で各国の自動拳銃を視察した南部は、他国の自動拳銃の優秀さに感銘を受け、帰国後に東京砲兵工廠において、自動式拳銃の開発を進言します。

こうして、南部の指導の元、南部式自動拳銃をベースに新型拳銃の研究が行われ、大正十四年に採用されたのが、十四年式拳銃となります。十四年式拳銃は、南部式自動拳銃の構造を一部改良と簡略化を加え、マスプロラインに載せやすくしたモデルです。二年後の1927年には海軍も制式採用としています。

十四年式拳銃のメカニズム

ここでは、国産の軍用ピストルとして初めて陸軍に採用された十四年式拳銃にメカニズムを簡単にご紹介します。

トリガーメカニズム

発射前の十四年式拳銃です。トリガーとシアーの関係が分かりやすいように左側前方から見ています。

内部のパーツの動きが分かりやすいようにスケルトンにして色分けをしました。

トリガーを引くとトリガー上部のトリガーレバーがシアーを押し上げます。シアーはシアーピンを中心に回転するので、片方が持ち上げれば、シーソーのようにもう片方は下がります。一番後の大きな矢印がシアーとファイアリングピンの結合部です。

シアーの下降でファイアリングピンを保持するものがなくなり、自由になったファイアリングピンはスプリングの力で前進してプライマーを叩きます。これが十四年式拳銃のトリガーメカニズムです。

ショートリコイル

ここでは十四年式拳銃のショートリコイルを説明します。十四年式拳銃はストライカー方式で形も似ていることから、ジャパニーズルガーとか呼ばれていますが、内部構造的にはモーゼルの影響を多分に受けていて、ルガーのコピーではありません。

発射前です。矢印のところがボルトとロッキングブロックが噛み合っているところです。

発射後、この位置までボルトとロッキングブロックの結合により、バレルとボルトは共に後退します。

この位置でロッキングブロックが下がり、ボルトとの結合が解かれます。この後は、ボルトだけが後退して、空の薬莢を引き出します。

ボルトが完全に下がり切り、空の薬莢を排出しています。以上が十四年式拳銃のトリガーメカニズムとプロップアップショートリコイルの説明でした。本当はマガジンセーフティーについても説明したかったのですが、スペースの関係で、またのご案内にまあします。

十四年式拳銃のガスブローバックガン

kamiya255さんの投稿
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マルシン工業南部十四年式拳銃

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十四年式拳銃のガスブローバックガンはマルシン工業から発売されています。十四年式拳銃はトリガーガードの形によって前期型と後期型に分かれるのですが、マルシン工業からは、前、後期共にモデル化しています。マルシン工業から発売されていた十四年式拳銃には、マルシン工業の独自規格で立ち上げた8ミリBB弾のシリーズがラインアップしてあったのですが、現在ではカタログから消えており、6ミリBB弾のモデルのみとなっています。

マルシン工業とは?

閉鎖系ブローバックカートリッジのパイオニア

マルシン工業でまずイメージするのは、モデルガンの閉鎖系カートリッジの嚆矢となった「プラグファイアーカートリッジ」です。マルシン工業が初のプラグファイアー式ブローバックのモデルとして選んだのが、「ブローニング・ハイパワー カナディアンモデル」でした。

モデルガンの人気を底上げした

それまで、ブローバックモデルガンは自分で擦り合わせをしないと快調なブローバックなどは望めなかったのですが、マルシン工業のプラグファイアーの登場で、誰でも気軽にブローバックを楽しめる時代がやってきました。ただし、初代ハイパワーは、発射音がほとんどぜず、「下宿屋モデル」とマニアの間では囁かれていたのは、懐かし良い思い出です。

マルシンが初のショートリコイルモデルを

マルシン工業がプラグファイアーの次に出したのが、業界初のモデルガンのショートリコイルブローバックモデルでした。これには、ユーザーも驚かされました。当時、業界最大手のMGCが「ニュー5」というキャンペーンで、ガバメントのショートリコイルモデルの発売を公表していたのですが、なかなか商品化されずに、ファンたちは焦らされていました。

常にイノベーティブな発想でファンを喜ばせた

そんなところに、マルシン工業が「ワルサーP38」であっさりとショートリコイルをするモデルガンを発売したものですから、当時のファンはド肝を抜かれ、みんなが飛びつきました。勿論、銃弾を発射できないモデルガンでショートリコイルを再現するのは、不可能に近いと認識されていたのですが、「コロンブスの卵」的な発想で、マルシン工業は、モデルガンのショートリコイル化を成し遂げたのです。

その後も独特な商品を出す続けているが

マルシン工業の商品レビューを見てみると、主な購買層は40代の方が多いようです。おそらく、昔からのマルシンの製品のファンの人たちが、マルシンブランドを支えてくれているのでしょう。また、マルシン製品の人気の秘密は、他のメーカーが出さないようなモデルをエアガンやモデルガンとして製品化してくれるので、そういったモデルが好きな方にとっては、常に期待を持たせてくれるメーカーなのでしょう。
 

実射性能に磨きをかけて欲しい

ただ、できればガスブローバックガンの実射性能と作動性をもう少し底上げして頂けると以前のマルシンの製品のように購買意欲が湧いてくるのですが。十四年式拳銃のガスブローバックモデルも、マガジンリップの仕上げが甘く、ホールドオープン状態でマガジンを入れると、マガジンから勢いよくBB弾が吹き出すとか、マガジンがガス漏れを起こすと言ったレビューも見受けられます。

元気なマルシンを期待しています。

東京マルイレベルとまでは望まないので、お座敷で楽しめるレベルまでは、実射性能に磨きを欠けて欲しいものです。昔のマルシン工業の製品を知っているものとしては、以前のように元気いっぱいのマルシンの復活を願わずにはおられません。

十四年式拳銃の魅力とは?ーまとめ

十四年式拳銃の魅力とは一言でいえば、「郷愁」ではないでしょうか。アメリカ人ならガバメントやシングルアクションアーミーに、ドイツ人ならモーゼルやルガーに特別な思いを抱くように、日本人は十四年式拳銃にたいして、外国人には理解できない想いを抱くのでしょう。

惚れたらアバタもエクボ・・かな?

外国人から見れば欠点だらけの十四年式拳銃も、日本人にとっては欠点ではなく、十四年式拳銃がもつ味として感じるのです。そういったところがこの銃の持つ魅力ではないかと、感じています。

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