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カマツカとは?その生態や食べ方、飼育方法まで解説!飼育環境はどうする?

日本の川では珍しくもないカマツカは、昔から釣りや川遊びで日本人には馴染みのある存在ですが、それ以外にも料理に使ったり、家で飼育したり、別な楽しみ方も豊富な魚なんです。今回はカマツカについて、生態から飼育の仕方、食べ方までまとめてみました。
更新: 2021年3月12日
蛙屋
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カマツカについて

カマツカという植物もありますが、ここで紹介するのは魚のカマツカです。まずはカマツカの基本から。

カマツカの生息地

カマツカは岩手、山形以南の本州と、四国、九州の河川中・下流域に生息しています。大きさは15~20cm。普通にいる魚で、川に行けば出会うことは簡単です。釣ることもできるし、網などですくっても捕獲できます。入手するのも容易なので、料理や飼育にも利用しやすいでしょう。

鎌の柄のように硬い?

ウロコが非常に硬いカマツカ。「まるで鎌の柄のように硬い」というところからカマツカと呼ばれます。また、煮ると身が鎌の柄のように締まるからという説もあります。どちらにしても硬いことは間違いなく、皮も味わう食べ方をするときは注意してください。

ビタミンB1が豊富

美味しい白身魚のカマツカ。食べ方は多くないですが、料理にもよく使われてきました。最近はあまり食べられる機会はありませんが、旬の3月~6月はいろいろな食べ方で楽しめます。カマツカにはビタミンB1が特に含有されており、疲労回復、利尿効果、母乳の出もよくなるのだそうです。旬期にはなんとか頂きたいものですね。

カマツカの生態

カマツカの生態を知ることは、飼育するうえで大事なことになります。

採餌は吸い込むスタイル

コイ科のカマツカは、コイらしい下向きの口と、口の周りのヒゲが特徴です。体は細長く、色は褐色。黒い斑点があり、砂の上で保護色となっています。コイというよりはハゼのような姿ですね。

餌は下向きの口で砂ごと吸い込んで、砂だけをエラから排出するスタイル。飼育の際もこの食べ方に合わせてやる必要がありますよ。

砂に潜る臆病者

カマツカは臆病な性格で、外敵に襲われるなどすると砂に潜ることがあります。砂から目だけを出している姿もよく見られます。

この習性から「スナホリ」「スナモグリ」と呼ばれることもあり、他にも底を這いまわる様子が海のキスに似ているので「カワギス」、エラから砂を出すので「スナフキ」といった別名も持っています。

カマツカの産卵と寿命は?

繁殖期は5月6月の時期で、その前の3月4月が美味しい旬になります。カマツカは流れの緩やかな川底に産卵。孵化して一年で7cmほどになり、3年でほぼ成魚になります。寿命は自然下で5年ほど。飼育可でも5~6年でしょう。でも飼育での繁殖は難しいよう。

カマツカ飼育の準備

カマツカを飼育する前に、どうやって飼うのか確認しておくことも必要ですね。

飼育経験者が望ましい

最近はカマツカを飼育する人も多いのですが、カマツカはそれほど人には慣れない魚です。餌などをやっていると多少は懐いたような仕草も見せるものの、基本は懐かないと思ってください。飼育の難易度は初心者にはやや難しくなります。ある程度経験のある人なら、じゅうぶんに飼育できるレベルです。


掃除屋か?観賞魚か?

カマツカを飼育する利点は、カマツカが熱帯魚のコリドラスのような底を這う魚で、餌の食べ残しを掃除してくれることです。観賞よりもむしろ、掃除担当で飼う人が多いです。しかし、日本の川魚の美しさも近頃は見直されており、観賞魚としても悪くありません。

カマツカの入手方法

カマツカの入手はどうすればいいのでしょうか?方法は2つあります。

旬期は川で直接捕まえられる

ひとつは川で獲ること。網などを使うと楽でしょう。川底にいるカマツカは見つけにくく、逃げ足もけっこう早いです。釣りで獲る場合、やり方はコイ釣りと同じです。釣りの旬は春から秋まで。ぶっこみ釣りや吸い込み釣りで狙います。

ただし、カマツカはコイに比べると小さい魚ですから、仕掛けや練り餌の大きさは小さめにしましょう。

お店でカマツカを買う

もうひとつの方法はペットショップで買うことです。このほうが簡単かもしれません。カマツカを売っている店は元々あまりないのですが、飼育魚として人気も高まり、今は置いている店も増えています。値段は幼魚なら一匹300円くらい、成魚で600~800円といったところですね。

カマツカ飼育:水槽作り

カマツカを飼うと決めたら、水槽と底砂を準備します。要点を説明しましょう。

大水槽でスペース確保しよう

カマツカ飼育の水槽は大きなサイズをおすすめします。カマツカ自体が20cmもあり、臆病な性格で驚いて逃げることが多く、よく水槽の壁にぶつかって怪我をするからです。最低でも60cm水槽、できれば90cm水槽がいいですね。他種を混泳させて楽しみたい魚なので、大きい水槽のほうが絶対いいです!

カマツカに合う砂を考える

底砂はカマツカ飼育に必須です。砂に潜るカマツカもそのほうが落ち着きます。前述しましたが、カマツカは砂ごと採餌して、砂だけエラから吐き出します。

つまり掃除機が吸い込んだゴミを外に吐き出しているようなもので、細かすぎる砂は水中を漂って濁してしまいます。といって、重すぎて、角ばった砂もカマツカを傷つけるので向きません。

砂は「田砂」、厚さは数cmで

カマツカ飼育では「田砂」がよく利用されます。川の砂にも近く、自然にいるような感じで飼える他にも、丸く軽すぎないという条件を満たしています。水槽の底に敷く砂の厚さは、多すぎても手入れが大変なので、カマツカの体が半分埋まるくらいで構いません。

出典: https://www.amazon.co.jp/%E3%82%A8%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%95%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%91%E3%83%B3%E4%BC%81%E7%94%BB-%E7%94%B0%E7%A0%82-%EF%BC%91%EF%BD%8B%EF%BD%87/dp/B004D7RLXA/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1527662369&sr=8-1&keywords=%E7%94%B0+%E7%A0%82

カマツカの餌

カマツカの餌の食べ方は独特です。餌のあげ方にも工夫は必要ですよ。

いろいろな餌を与えよう

川に棲んでいるカマツカは雑食性で、幼魚のうちは藻を食べ、成魚になると水生昆虫などを食べます。よって、餌も雑食にさせるのが理想です。沈下性の餌でも大丈夫ですが、時々はアカムシなども与えてあげるといいでしょう。ちぎったキャベツなども食べてくれるようです。いろいろな餌を与えることが大事。


食べ残しだけでは不安

掃除をしてくれるということで、カマツカの餌はほとんど他の魚の食べ残しになることも多く、飼い主もそれで安心してしまうことがあります。でも、カマツカのいる底まで餌が行き届くかは運みたいなものですから、よく観察しないといけません。

じゅうぶんに餌が与えられないと病気になります。カマツカの健康状態に目を配ってあげってください。

カマツカ飼育の注意点

飼育するにはカマツカにとっていい環境を作ってあげることを心掛けましょう。

水温と水質、水流を整える

カマツカが好む水質と水温は、弱酸性~弱アルカリ性で20℃~27℃。水温は30℃以上にはしないようにしましょう。カマツカは清流好きなので、水質はきれいであることを心掛けてください。ろ過機もあったほうがいいかもしれません。

その場合、水流が強すぎないように調節できることが理想です。

まめな掃除でカマツカも元気になる!

砂の状態にも注意が必要です。底で這っている魚、いわゆる底モノは、砂と接している時間が長い分、砂状態の悪化が健康に直結します。これはカマツカ以外の底モノにも共通のことです。一週間から十日に一度くらいはサンドクリーナーなどで掃除してあげましょう。

カマツカの混泳について

カマツカは他の魚と混泳させることがほとんどです。混泳のさせ方も勉強しておきましょう。

和風の組み合わせがベスト

カマツカは熱帯魚とでも混泳は可能ですが、相性がいいのはやはり日本の川魚。オイカワ、カワムツ、ヨシノボリなどと混泳させると、日本の川を再現した味わい深いアクアリウムができあがります。一番、混泳がおすすめできるのも日本の川魚。生息地の環境が似ているもの同士ですから、最高の相性となります。

下層で争う魚はやめておく

底モノ同士の混泳には気をつけないといけません。底モノで餌の奪い合いになり、臆病なカマツカがどうしても負けてしまうからです。同じ理由で、攻撃的な魚も混泳させられません。熱帯魚なら上層・中層にいるグッピー、プラティなどのメダカ種、またはカラシン種ならほぼ大丈夫と思います。

エビとは混泳させないのが無難

カマツカとの混泳が難しいのはエビ類です。どちらもおだやかで争いはないのですが、カマツカの吸い込み食性でエビまで吸い込まれることが多いのです。せっかく飼育しているエビが食べられちゃっては意味がありませんからね。エビ類との混泳は避けたほうがいいでしょう。

カマツカを料理する前に

料理に使えるカマツカですが、料理の前に注意することもあるようです。

カマツカは食べられなくなっている?

カマツカは春から初夏にかけてが旬。この旬期には昔からよく食べられましたが、今では産地の滋賀県、福岡県などでもなければ、店頭に並ぶこともほとんど見かけません。釣ったものや、網にかかったものが手に入れば、いくつかの料理で味わえるという程度です。

生食は寄生虫の怖れもある

大きめのカマツカは刺身にもできますが、この食べ方はあまりおすすめできません。というのは、寄生虫が心配だからです。淡水魚は寄生虫の危険が高く、生での食べ方は避けたほうがいいでしょう。カマツカを刺身でいただくなら、しっかりと衛生管理のできている店で食べるか、湯引きして殺虫されたと信じられるものにしましょう。


硬いウロコはしっかり取ろう

カマツカはとにかくウロコの硬い魚です。ウロコ取りをちゃんとやっておかないと、口当たりが悪くなります。ヒレの周辺の見落としがちな部分もきちんとウロコを取ることです。これを怠ると、せっかくの旬であろうと、どんな美味しい食べ方だろうと台無しになります。

カマツカ料理を味わう

カマツカ料理は決して多くはありません。食べ方も限られていて、レシピといえるものも非常に少ないのですが、いくつか紹介しましょう。

カマツカの塩焼き

カマツカは塩焼きが簡単です。レシピも塩を振って焼くだけ。気になる方は内臓を取ってください。大切なのは硬い皮をこんがり焼くこと。カマツカは横向きにならない形で、グリルでは少し苦労します。焼きを強くすれば骨も食べられますよ。塩焼きはカマツカの味がもっともわかる料理法でしょう。

カマツカの唐揚げ

カマツカの素揚げのレシピは、まずウロコをしっかり取ること。それに塩・コショウをして、片栗粉を軽くまぶして揚げます。素揚げはそのまま煮びたしにもできます。

唐揚げにする場合のレシピはカマツカを醤油、みりん、ショウガのすりおろしで漬けてから、片栗粉をまぶします。よく漬けこむことで淡白な味のカマツカも強めの味になってくれるでしょう。

カマツカの天ぷら

レシピは普通の天ぷらと同様です。塩でもタレでもお好きな味で召し上がってください。揚げるカマツカは丸ごとでもいいですし、開きにしてしまっても問題ないです。開きにすると火の通りもよく、生揚げになるのを防ぎやすいでしょうか。丸ごとは160℃くらいでじっくり揚げると、骨まで食べられるようになります。

カマツカのソテー

三枚におろしたカマツカをバターで炒めます。レシピは塩・コショウを振ったカマツカを、バター焼きするだけです。同じレシピでホイル焼きしてもいいです。白身魚のレシピがそれぞれ使えます。野菜と一緒にしたり、レモン味を加えたり、レシピを工夫するのも楽しいですね。

カマツカのまとめ

もっとカマツカを知ってほしい

カマツカについて生態、飼育、料理と解説してきました。川によくいるカマツカですが、あまり気がつかれない魚でもあり、親近感が薄れているのが現状です。

それでもこの記事にあるように、カマツカは日本の代表的な淡水魚で、楽しめる要素がいっぱいです。このカマツカの魅力を再発見してみてはいかがでしょうか?