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ナイロン、フロロカーボン、PEを徹底比較!素材ごとの特徴の違いとは?

あらゆる釣りで幅広く使われているラインは、「ナイロン」ライン、「フロロカーボン」ライン、「PE」ラインですが、それぞれの特徴は大きく異なっています。この記事では、ナイロンライン、フロロカーボンライン、PEラインそれぞれの特徴を比較しながら、詳しく解説します。
更新: 2021年12月30日
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ラインは 素材ごとに特徴が大きく異なっている

釣り全般において、ラインは魚と釣り人とをつなぐ重要なアイテムです。ラインに使われる素材は、科学技術の進歩と共に年々進化を続けていて、現在はさまざまな素材で作られたラインが市販されており、素材ごとに特徴が大きく異なっています。

ナイロン フロロカーボン PEそれぞれの特徴を解説!

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快適に釣りを楽しみ、釣果を確実に伸ばしていくためには、ラインの素材ごとに異なる特徴についての知識を深め、状況に合わせてさまざまな素材のラインを適切に選択することが肝心です。

ここでは、幅広い釣りで一般的に用いられている、「ナイロン」ライン、「フロロカーボン」ライン、「PE」ラインそれぞれの特徴を比較しながら徹底解説しますので、皆さんのライン選び の参考になれば幸いに思います。

ラインの 素材別の特徴1.【ナイロン】

ナイロンラインは、あらゆる釣りにおけるほぼすべての用途で使用可能な 万能ライン で、現代になってから登場した 化学繊維素材のライン の中では、最も古くから使われているポピュラーなラインです。ここでは、ナイロンラインの特徴を「4つの要素」で見ていきます。

ナイロンの特徴①: 強度

ナイロンの直線強度は 無難なレベル

後述する フロロカーボンラインやPEライン と比較すると、ナイロンラインの直線強度は、特別高いわけではないものの、「実用性に乏しい」と言わざるを得ない直線強度ではありませんので、「無難なレベルの直線強度」と評価できるでしょう。

また、詳細については後述しますが、ナイロンラインは伸縮性が高く、魚の引きを柔軟に受け止めるクッション性に秀でている特徴もあるため、掛かった魚が激しく暴れている状態における直線強度は、かなりのものです。

結束強度の高さは ナイロンの特筆すべき長所

ナイロンラインの結束強度は非常に高く、直線強度と結束強度との差が、他の素材のラインと比較すると小さいのが特徴です。

詳細については後述しますが、ナイロンラインは適度な硬さを持っているため、結束部が食い込んでいくことで結束強度を高める結び方における結束強度が特に優れており、結束部で極端に強度が落ちてしまい、ラインが持つ本来の直線強度を十分にいかせない事態になりにくい点が、あらゆる場面で武器となるでしょう。

ナイロンの耐摩耗性はそこそこだが・・・・

ナイロンラインの耐摩耗性は、後述する フロロカーボンラインとPEライン と比較すると、フロロカーボンラインよりも少し低い位置付けになっており、そこそこの耐摩耗性はあるものの、摩耗に対する特別な耐久性は望めません。

とはいえ、激しい摩耗による直線強度の大幅な低下は、後述する フロロカーボンライン が持つ高い耐摩耗性では十分に太刀打ちできないレベルであるため、基本的には、「著しく実用性に欠けることはない」と言えるでしょう。

ナイロンの特徴②: 伸縮性や硬さ

ナイロンが持つ伸縮性の高さは 長所にも短所にもなり得る

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ナイロンラインは伸縮性が非常に高く、太さが太いものでは、手で引っ張った時でも伸縮性の高さを容易に実感できるほどですので、魚が暴れることで発生する強い衝撃を柔軟に受け止め、直線強度を超える負荷が加わった場合でもギリギリまで切れることなく、粘り強くやり取りを続けることが可能です。

とはいえ、ナイロンラインの高い伸縮性は、仕掛けのキャスト時の 遠投力 や、アタリに対する感度を低下させる大きな要因となっており、特に、低伸縮性が特徴のPEライン (詳細は後述)と比較すると、ナイロンラインの 比重の重さ も相まって、「遠投力の低さやアタリを捉える感度は致命的」と言わざるを得ないのが実情です。

適度にコシがあり 適度にしなやかなのがナイロン

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後述する フロロカーボンラインとPEライン それぞれの硬さは両極端であるのに対し (詳細は後述)、ナイロンラインの硬さは非常にバランスが取れており、ライントラブルが起きにくい程度の適度なコシと、強い糸グセが付きにくい程度の適度なしなやかさとを併せ持っています。

それ故、使い心地もノーマルで扱いやすい (詳細は後述)ラインに仕上がっていますが、コシの強さが求められることが少なくない ハリスやショックリーダー などの用途や、糸グセを特に嫌う 道糸やメインライン などの用途では、釣り人の要求にこたえ切れないのが難点です。


ナイロンの特徴③: 比重や使用感

ナイロンの比重は 水よりも若干重い

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淡水の比重を「1」と定義した場合の ナイロンラインの比重 は1.1から1.2で、基本的には、水中でゆっくりと沈下していきます (ナイロンラインの種類によって、特徴は異なる)。

ナイロンラインの比重は、後述する フロロカーボンラインやPEライン の比重と比較すると、中間に位置する比重であるため (詳細は後述)、どのような用途においても一定のパフォーマンスを発揮してくれますが、迅速にラインを沈めたい場合や、沈むことなく水中を漂っていて欲しい場合には不向きです。

ナイロンの使用感はクセが少なく 釣り初心者でも扱いやすい

ナイロンラインは、トータルバランスの高さが特徴的であるため、さまざま釣りにおいてオールマイティーに用いることができ、独特のクセが少ない使用感が魅力です。

タックルの取り扱いに慣れていない釣り初心者でも非常に扱いやすいですし、他の素材 のラインを使ううえでの練習としてもピッタリのラインですので、釣り初心者が初めてラインを購入する場合は、基本的にナイロンラインが強く推奨されます。

ナイロンの特徴④: 価格

ナイロンラインの価格は、他の素材 のラインよりも非常に安価で、さまざまな製品グレードのナイロンラインが市販されているため、品質よりも価格を重視した選び方ができるのも、「ナイロンラインならではの特徴」と言えます。

幅広く使われているラインとしては高価格な PEライン と比較した場合、ナイロンラインの価格は、同品質のものでも30%から40%ほど安いですし、それほど価格の高くない フロロカーボンライン と比較した場合でも、ナイロンラインの方が15%から25%程度安価で購入できるため、お財布に優しいラインです (いずれも詳細は後述)。

ラインの 素材別の特徴2.【フロロカーボン】

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フロロカーボンラインは、ポリフッ化ビニリデンを原料とするラインで、エサ釣りはもちろん、ゲームフィッシングで使われる機会も非常に多いラインです。ここでは、フロロカーボンラインの特徴を「4つの要素」で解説します。

フロロカーボンの特徴①: 強度

フロロカーボンの直線強度は ナイロンよりもわずかに低い

フロロカーボンラインの直線強度は、前述した ナイロンライン よりもわずかに劣っているため、1.5号未満の太さ のラインを使う釣りでは、ナイロンラインよりもワンランク太いものを使う必要が生じる場合がありますが、1.5号以上の太さであれば、直線強度の差は微々たるものでしょう。

確かに、新品状態で直線強度を検証した場合に直線強度が低いことは事実ですが、フロロカーボンラインは耐摩耗性が非常に高く、ダメージを受けても直線強度が低下しにくい特徴があります (詳細は後述)ので、「一般的な釣りにおけるフロロカーボンラインの直線強度は、全く申し分ないレベルである」と評価できるでしょう。

結束強度の低さが フロロカーボンの弱点

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詳細については後述しますが、フロロカーボンラインの硬さは、PEラインほどではないものの、前述した ナイロンライン と比較すると硬いため、結束部に大きな負荷が加わった際にラインが食い込みにくく、結束強度が低いのが弱点です。

そのため、直線強度は低くないにもかかわらず、結束することによって強度が大幅に落ちてしまい、本来の直線強度が十分にいきなくなってしまいますので、フロロカーボンラインを使用する際は注意が必要でしょう (詳細は後述)。

フロロカーボンは 耐摩耗性の高さがウリだが・・・・

フロロカーボンラインは、耐摩耗性の高さが最大のウリで、釣り具メーカーの宣伝や釣り関連のメディアでは、フロロカーボンラインの耐摩耗性が声高に強調されており、前述した ナイロンライン や、後述する PEライン と比較した場合の、フロロカーボンラインの耐摩耗性は一定の評価ができます。

とはいえ、水中の障害物や魚の口に激しく擦れた場合は、フロロカーボンラインの 摩耗に対する耐久性 では、焼け石に水でほとんど無意味であるため、あくまで、目視したり触れたりするだけではわからない細かな傷によるダメージが蓄積されていくことによって、直線強度が低下してしまうことを防止する程度の効果しか期待できません。

フロロカーボンの特徴②: 伸縮性や硬さ

フロロカーボンは 適度な伸縮性が特徴

フロロカーボンの伸縮性は高く、前述した ナイロンライン とほぼ同等の伸縮性を持っており、魚の引きをクッションのように優しく受け止めてくれます。

また、ナイロンラインと比較すると、「初期伸縮度」と呼ばれる、ラインに負荷が軽く掛かった状態における伸縮度が非常に低いため、超低伸縮性が特徴の PEライン (詳細は後述) ほどではないものの、アタリを的確に捉えて伝達する感度にもたけています。


コシが強く 硬いのがフロロカーボンの特徴

フロロカーボンラインは、前述した ナイロンライン や、後述する PEライン と比較すると、コシが非常に強く、硬いため、水中で素早く正しい姿勢になってくれる特徴があり、仕掛けを激しくあおった際に水中で仕掛けが絡むなどの、しなやかな ナイロンライン にありがちなライントラブルが起きにくい点が長所です。

ただし、フロロカーボンライン特有の硬さは、糸グセの付きやすさにつながっていることも事実で、道糸やメインラインとしての用途では、糸グセとの闘いを強いられますし、ラインを使用するためにボビンから取り出した際に、糸グセを手で丁寧に取る手間が生じることもあります。

フロロカーボンの特徴③: 比重や使用感

フロロカーボンは 水よりもかなり重い比重

淡水の比重を「1」と定義した場合の フロロカーボンラインの比重 は1.7から1.8で、基本的には、水中で素早く沈下していきます (フロロカーボンラインの種類によって、特徴は異なる)。

フロロカーボンラインの持つ コシの強さ との相乗効果によって、水に素早くなじんでくれるため、ハリスやショックリーダーなどの、仕掛け本体を構成する用途には最適なラインですが、道糸やメインラインとして使用する場合は、比重の重さによって、水中における仕掛けの動きや姿勢が適切な状態にならなくなる恐れがあります。

フロロカーボンの使用感は良好だが 結束時に注意が必要

フロロカーボンラインは基本的に、前述した ナイロンライン と似た使用感で使うことができ、使い心地は比較的良好でしょう。

ただし、前述の通り、フロロカーボンラインは硬く、コシが非常に強いため、ナイロンラインと同様の結び方では結束しづらく、場合によっては、直線強度と結束強度との差が大きくなってしまうこともありますので、フロロカーボンラインを使う際は、結び方そのものを変更したり、結び方の工程を工夫したりすることで、結束強度を引き出すように努めましょう。

フロロカーボンの特徴④: 価格

一般的に市販されているフロロカーボンラインの多くは、前述した ナイロンライン の価格と比較すると、15%から25%程度高い価格設定となっているため、ナイロンラインしか使用した経験がなく、フロロカーボンラインの持つさまざまな長所について知らない釣り初心者の場合は、購入をためらってしまうかもしれません。

また、特定の用途での使用に特化して設計された 用途別専用フロロカーボンライン については、用途によっては、製品ラインナップが極端に少ないこともあるため、手ごろな価格で入手できるものが見つからないこともあります。

ラインの 素材別の特徴3.【PE】

PEラインは、現代になってから登場した 化学繊維素材のライン の中では、最も歴史の浅いラインであり、ポリエチレンを原料とするラインを4本から8本ヨリ合わせて作られている マルチフィラメントライン (複数本のラインをヨリ合わせることで、1本のラインを形成しているラインのこと) です。ここでは、PEラインの特徴を「4つの要素」で取り上げていきます。

PEの特徴①: 強度

PEラインは 最強クラスの直線強度がうれしい

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PEラインは、化学繊維素材のラインとしては最強クラスの直線強度を誇っており、新品の状態で純粋に直線強度を検証した場合、前述した ナイロンライン の直線強度と比較すると2.5倍から3倍ほど、前述した フロロカーボンライン の直線強度と比較すると3から3.5倍ほど、それぞれ高い直線強度を持っています (PEラインの種類によって、多少の違いはある)。

ただし、PEラインの最大の武器である高い直線強度を、自分の釣りに十分にいかすことができるかどうかは、結び方、先糸やショックリーダー の有無、摩耗による直線強度低下の状況などによって大きく変わってくることも覚えておかなければなりません。

PEラインの結束強度は 結び方に大きく依存している

前述した ナイロンラインやフロロカーボンライン と同様の結び方で結束した場合、PEラインの結束強度は、直線強度の40%から50%程度まで低下してしまい、一般的な釣りではとても使い物になりません。

とはいえ、ナイロンラインやフロロカーボンラインの 先糸やショックリーダー を介して、仕掛け本体を接続することを前提に、PEラインと非PEラインとを、「摩擦系ノット」と呼ばれる、重なったライン同士の摩擦抵抗力を高める結び方で結束すれば、直線強度の85%から95%程度まで結束強度を高めることができますので、「PEラインの結束強度は、結び方に大きく依存している」と言えます。

PEの特徴②: 伸縮性や硬さ

PEラインの低伸縮性は 極端な使用感の原因

PEラインが持つ 最大の特徴 の一つは、金属製のワイヤーにも匹敵するほどの低伸縮性で、前述した ナイロンラインやフロロカーボンライン の伸縮性との差は歴然です。

PEラインならではの低伸縮性は、仕掛けのキャスト時 の遠投力の向上や、アタリを的確に捉えて伝達する感度の向上に大きく貢献していますが、低伸縮性が原因のライントラブルが起きやすく、直線強度限界の負荷が加わると、粘ることなく「プツン」と切れてしまうなど、極端な使用感を生み出す原因となっています。


PEラインの表面は非常に硬いが コシは極めて弱い

PEラインは表面が非常に硬く、結束強度の低さやガイドリングへの負担増大につながっていますが、コシは極めて弱く、しなやかでフニャフニャした柔らかいラインです。それ故、糸グセが非常に付きにくい点は、「PEラインの大きなメリット」と評価できますが、その分、ラインに掛かるテンションが緩まった際に絡みやすいのが難点です。

PEの特徴③: 比重や使用感

PEラインは 水よりも若干軽い比重が特徴

淡水の比重を「1」と定義した場合の PEラインの比重 は0.9から1で、基本的には、水面、または水中をゆっくりと漂います (PEラインの種類によって、特徴は異なる)。

前述した ナイロンラインやフロロカーボンライン と比較すると比重が軽いため、仕掛けの動きや姿勢に大きな影響を与えづらいのが特徴ですが、風にあおられやすく、波や潮流に簡単に流されてしまう弱点もあるため、釣り方によっては、扱い方に多少コツがいることも少なくありません。

PEラインは どうしてもベテラン向きの使用感が拭えない

前述した ナイロンラインやフロロカーボンライン とは一線を画す、さまざまな特徴を持つ PEライン は、釣り初心者が使用するにはハードルが高く、摩擦系ノットの難易度も決して低くないため、どうしてもベテラン向きの使用感が拭えないのが実情です。

釣りの経験をある程度積んだ人でも、初めてPEラインを実際に使用すると、独特の使い心地やライントラブルに悩まされることになるのは必至ですが、それでも、PEラインならではの良さを自分の釣りに存分にいかすことができれば、より快適に釣りを楽しむことができるようになり、釣果のさらなる向上にもつながってくるでしょう。

PEの特徴④: 価格

一般的に市販されているPEラインの価格は、前述した ナイロンラインやフロロカーボンライン よりも突出して高く、気軽に購入しやすい価格が魅力の ナイロンライン と比較すると、同品質のものでも30%から40%程度高価な価格設定です。

比較的低価格のPEラインも販売されてはいるものの、品質が粗悪なものが少なくなく、ある程度の価格のものを選ぶのが無難ですが、糸グセが付きにくく、紫外線や塩分による強度低下も発生しにくいため、ナイロンラインやフロロカーボンラインよりも長期間使えることも考慮すれば、「意外とお買い得なライン」と評価できるかもしれません。

ナイロン フロロカーボン PEそれぞれを 適切に使い分けよう!

ラインの素材ごとの 特徴の違いを深く学ぶことが大切!

ラインは素材ごとに長所や短所があり、特徴の違いを意識した ラインの選び方 が、さらなる釣果アップにつながってきます。この記事をお読みの皆さんもぜひ、ナイロンライン、フロロカーボンライン、PEラインそれぞれを 適切に使い分けていきましょう。

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