検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

ウキツリボクとは?その特徴や育て方を解説!挿し木や剪定方法はどうする?

ウキツリボクは、初夏から秋にかけて茎からいくつもの花がぶら下がるように咲くキュートな植物です。ウキツリボクは夏の暑さにも冬の寒さにも強く、植え方の易しい植物で、挿し木による増やし方も簡単です。ウキツリボクの植え方のコツや増やし方などをご紹介いたします。
2020年8月27日
Yukari.S
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

ウキツリボクってどんな花?

ウキツリボクは、南アメリカを原産とする、半耐寒性の小低木もしくは多年草で、ツル性の植物です。原産国などでは、ウキツリボクは木のように成長します。また原産国では、ウキツリボクの木から繊維をとって、布を作っていた歴史があります。

ウキツリボクは育てやすい植物でガーデナーに人気

ウキツリボクは、日本の夏の暑さや冬の寒さにも比較的強く、とても育てやすい植物です。ウキツリボクは、赤や黄色の南国情緒あふれる花が可愛らしく、増やし方や植え方も簡単。さらには花の咲いている時期が長いので、現在ではガーデニングに人気の植物のひとつとなっています。

ウキツリボクは耐寒性に富む植物

熱帯や亜熱帯原産の植物と聞くと、耐寒性の低い植物で育てにくいのでは、といった印象が持たれがちですが、ウキツリボクは、耐寒性に秀でた植物です。関東より西の地域では、戸外でも容易に冬越しできるそうです。また、関東より東の冬の寒さが厳しい地域でも、ウキツリボクの株元にわらや落ち葉などを敷いて、寒さや霜の対策をしておくと冬越しできる可能性がぐんと高まります。万が一、ウキツリボクが、冬の寒さにあたって、地上部分が枯れたようになっていても、根っこが生きていることもあります。

ウキツリボクの花の特徴

ウキツリボクの花は、長い花の枝から、いくつもの花をぶらさがるようにつく特徴的な花姿をしています。ウキツリボクは、初夏の6月頃から冬に差し掛かる11月頃までのとても長いあいだ、花の開花を楽しめる嬉しい特徴を持った植物です。ウキツリボクの花には、鮮やかな赤色や黄色のものがあります。また、ウキツリボクは、花びらからおしべとめしべが飛び出した特徴のある格好をしています。

ウキツリボクの葉の特徴

ウキツリボクの葉っぱは、茎に互い違いに生える互生の特徴を持っています。ウキツリボクの葉っぱの特徴として、形はハート型のような三角形をしていて、葉っぱのふちにはぎざぎざがあります。

ウキツリボクの実の特徴

ウキツリボクの花が咲いたあと、そのまま置いておくとそこに実がつきます。ウキツリボクの実は、熟すると破裂して種子が放出される「さく果」という種類のものです。

ウキツリボクの基本データ

科名属名

アオイ科イチビ属

学名

Abutilon

和名

浮釣木(うきつりぼく)

別名


チロリアンランプ

英名

Chinese lantern、Tyrolean lamp、Trailing abutilon

原産国

ブラジル

ウキツリボクの花言葉

ウキツリボクには、3つの花言葉があります。いずれの花言葉も直接的というよりはイマジネーションを膨らませてつけられた花言葉と言えるでしょう。

花言葉1「恋の病」

ウキツリボクの代表的な花色は鮮やかなレッドです。その花色とともに、ウキツリボクのグリーンの葉っぱから見え隠れするフワフワと浮いているような花姿から、恋の病という花言葉が生まれたようです。

花言葉2「憶測」

ウキツリボクの花は、茎からぶら下がっているのですが、一見するとどのように花がついているのか分からずまるで宙に浮いているようにも見えます。ウキツリボク独特の浮遊するような花姿から、憶測というあいまいな意味の花言葉がつけられました。

花言葉3「さまざまな愛」

ウキツリボクの花は、赤と黄色の明るいもの。茎から垂れ下がるようにポップな花がたくさんつき、まるでその花姿は、恋愛を楽しむカップルたちの姿のようでもあります。そんな花姿からさまざまな愛というロマンティックな花言葉がつけられました。

ウキツリボクの花名の由来

ウキツリボクの和名「浮釣木」の由来、英名「Tyrolean lamp」の由来、学名「Abtilon」の由来について、ひとつずつ見ていきましょう。

和名「ウキツリボク」の由来

和名である「ウキツリボク」を漢字で記載すると「浮釣木」となります。ウキツリボクの花は、茎にぶらさがるように咲きます。その様子が、釣りのときに用いるウキに似ていることから、「浮釣木」という和名が名付けられました。

英名「Tyrolean lamp」の由来

ウキツリボクの赤いカラーと浮いているように咲く花姿からlamp(ランプ)をイメージして、英名である「Tyrolean lamp」がつけられました。

学名「Abutilon」の由来

ウキツリボクの属名である「Abutilon」は、「a」と「bous」と「tilos」の3つの言葉から成り立っています。「a」は否定をあらわします。「bous」は「牡牛」を意味し、「tilos」は「下痢」を意味します。これらを直訳すると「牡牛の下痢どめ」となります。ウキツリボクは昔、家畜の下痢に効果がある植物であると言われていて、その特徴から、学名「Abutilon」が名付けられました。

ウキツリボクの種類


ウキツリボクの属するアブチロンは、世界中のとくに熱帯や亜熱帯地方で100種類ほどが生育しているそうです。このうち日本で園芸品種として出回っているのは、ウキツリボクとショウジョウカ、ヒブリドゥムです。

ウキツリボク(アブチロン)

スタンダードなタイプのウキツリボクです。熱帯植物ならではの赤と黄色のコントラストが、初夏の太陽に映えます。ガーデンにウキツリボクの株がひとつあると、お庭全体がぱっと明るくなります。スタンダードなウキツリボクをガーデンのアクセントになるような植え方をすると素敵です。

ウキツリボク(アブチロン)・さくら

「さくら」という名前のとおり、ピンク色の花がとても可愛らしい品種です。スタンダードなタイプのウキツリボクと比べると、花のつきかたがちょっと違い、連なっては咲かずひとつひとつ咲きます。スタンダードなタイプの赤いウキツリボクと並べて植えるなど、両者の違いを楽しむような植え方もいいですね。

ウキツリボク(アブチロン)・ドワーフレッド

「ドワーフレッド」は、鮮やかなオレンジ色の花が印象深い品種です。ウキツリボクは、夏の暑い時期にも美しい花を咲かせてくれるので、明るいオレンジ色のウキツリボクから元気をわけてもらえそうです。

ウキツリボク(アブチロン)・マリナ

「マリナ」は、珍しい斑入りタイプの品種です。個性的なタイプをお探しの方にもおすすめです。

ウキツリボクの育て方1「土づくり」

ウキツリボクは、水はけのよい、肥沃な土壌を好む植物です。小粒の赤玉土に、腐葉土や堆肥を混ぜ込んだ土を準備しましょう。市販の草花用培養土を利用するのも便利です。

ウキツリボクの育て方2「肥料」

ウキツリボクは、初夏から冬に差し掛かるまでのあいだ、とても長い期間花を咲かせる植物です。開花時期のあいだに肥料がきれてしまうと、ウキツリボクの花付きが悪くなってしまうので、定期的に肥料を施すのがウキツリボクの植え方のポイントでしょう。初夏から冬のあいだ、だいたい一か月に一度の割合で、 緩効性の固形肥料を施すとよいでしょう。冬のあいだも、新芽が伸びるなどウキツリボクの生育がストップしていなければ、緩効性の固形肥料、もしくは液体肥料を少し与えるとよいでしょう。

ウキツリボクの育て方3「水やり」

ウキツリボクは、比較的水を好む植物です。ウキツリボクを植えている土の表面が乾いたらしっかりと水やりをしましょう。真夏など乾燥が気になる季節には、朝と夕方の2回、ウキツリボクに水やりをしましょう。なお、冬の水やりは、与えた水が凍ってしまわないよう気温の高くなるお昼間に水やりするのがベストです。

ウキツリボクの育て方4「場所」

ウキツリボクは、日当たりのよい風通しのよい場所を好みます。また、冬のあいだは霜に当たらないように管理するとよいでしょう。ウキツリボクの鉢植えの場合には、室内など暖かい場所に移動させましょう。地植えの場合、ウキツリボクの根元に霜よけになるわらなどを敷いてあげるとよいでしょう。


ウキツリボクの育て方5「植えつけ」

ウキツリボクの植えつけに適した時期は、4~5月ごろです。ウキツリボクは、丈夫な植物で生育スピードが早いので、地植えにするとグングン成長します。鉢植えの場合には、大きめの鉢を準備しましょう。また、ウキツリボクは半ツル性の植物なので、鉢植えならあんどん仕立て、地植えならアーチなど、近くにツルが絡みつけるようにしてあげるのが植え方のポイントです。

ウキツリボクの育て方6「植え替え」

ウキツリボクの植え替えに適した時期は、5~7月ごろです。ウキツリボクは、生育スピードが早いので、鉢植えの場合には定期的に植え替えをして、根詰まりを防ぎましょう。なお、ウキツリボクは、生命力の強い植物なので、植え替えにはそれほど神経質になる必要はありません。これまでのものより一回り大きな鉢を準備して、ウキツリボクを植え替えます。植え替えた株がしっかり根付くまで、水やりを続けましょう。

ウキツリボクの育て方7「剪定」

ウキツリボクの剪定に適した時期は、6~9月ごろです。ウキツリボクは、放任していると、どこまでもツルを伸ばして、もしゃもしゃとした印象になってしまうので、こまめに剪定をして樹形を整えましょう。また、あまり株が混みあっていると、病気や害虫の発生源ともなります。剪定により風通しのよい状態をキープしましょう。また、次々と咲く花の花がらをこまめに取り除くのも大切な剪定のひとつです。なお、剪定の際に、一緒に挿し木するのも便利です。今年伸びた新しい枝を剪定したものは、挿し木に利用できます。

ウキツリボクの育て方8「病害虫」

病気

ウキツリボクは、若い苗のあいだ、立ち枯れ病が発生することがあります。立ち枯れ病はカビの一種による病気です。ウキツリボクが立ち枯れ病にかかると、株がしおれたようになりやがて枯れてしまうこともあります。なお、ウキツリボクが立ち枯れ病にかかるのは、幼苗のうちだけで、しっかり生育すると、ほとんど病気の心配はなくなります。

害虫

ウキツリボクには、アブラムシやハダニ、カイガラムシなどの害虫が発生することがあります。これらの害虫は、春の暖かくなってきたころから発生しやすくなります。特にじめじめした場所が好きなので、ウキツリボクをなるべく風通しよく管理しましょう。害虫を見つけたら、すみやかに駆除しましょう。

ウキツリボクの増やし方「挿し木」

ウキツリボクの増やし方としては挿し木が一般的です。ウキツリボクは強い植物で、挿し木による増やし方は比較的簡単です。ウキツリボクの挿し木による増やし方に適した時期は、5~9月ごろです。ウキツリボクの枝を10センチくらい切り取り、発根剤を入れた水につけて数時間水揚げしましょう。そのあと、土をいれた育苗ポットなどに挿し木します。挿し木苗から根が出るまで、日当たりのよい風通しのよい場所で管理しながら水やりを続けましょう。なお、ウキツリボクを剪定した際に、切り取った若い枝を挿し木に利用してもよいでしょう。

ウキツリボクは明るくポップで元気なお花

ウキツリボクは、初夏から秋にかけてロングスパンで花を楽しめる植物です。ウキツリボクの花は、亜熱帯地方原産の植物ならではの華やかなもの。ウキツリボクは植え方や増やし方も簡単で、ほかの植物が元気をなくしがちな夏のあいだも美しい花を咲かせて見るものを楽しませてくれます。ウキツリボクをガーデンに取り入れて、華やかな雰囲気を演出すると素敵です。