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北海道の珍味「コマイ」とは?その生態や気になる味、食べ方までご紹介!

知る人ぞ知るコマイという魚の魅力に迫ります。寒い海で生きるコマイの生態や、ドリンカーから愛されるコマイの味わいについて紹介しています。コマイのおすすめの食べ方を4つ掲載していますので、鮮魚のコマイが手に入ったときには是非お試しください。
更新: 2024年1月6日
KERA
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コマイとは?

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地方によっては「コマイタラ」とも呼ばれます。コマイはタラ目タカ科コマイ属のタラの仲間です。北海道で漁獲されるタラ科3種の中に含まれています。マダラ、スケトウダラより小型のタラです。コマイは出世魚です。

15㎝までをゴタッペ、25㎝までをコマイ、それ以上をオオマイと呼びます。北海道ではコマイのことを「カンカイ」とも呼んでいます。いろいろな食べ方ができ、特に北海道ではなじみ深い魚です。関東でも居酒屋ではよく見かける名前です。

コマイという呼び名の由来

コマイは漢字では「粉馬以」「氷下魚」「氷魚」と表記されることがあります。一般的には「氷下魚」が用いられます。氷が張った海の下にいるコマイを氷下待網漁で採ることからその名が付いたと言われています。東北や北陸では「小魚」を意味する方言からコマイという発音が来ているという説もあります。

コマイの流通の仕方

コマイという魚の知名度は高くありませんが、知る人ぞ知る魚です。特にお酒が好きな人の間では知名度が高い魚といえます。鮮度がすぐに落ちる魚なので、産地以外では鮮魚で流通することは少なく、一夜干しや干物として流通され、お酒のあてとして人気があります。一度食べるとそのおいしさが忘れられなくなる珍味です。

コマイとアイヌ民族

コマイはアイヌ語で「小さな音がする魚」という意味があります。現在知られるコマイの干物としての食べ方は、もともとアイヌ民族が保存食として行っていた食べ方です。

また、コマイを凍らせてから、半解凍の状態で食べる「ルイベ」という食べ方もアイヌ民族の伝統的な食べ方で「溶ける食べ物」という意味です。もともとルイベの代表的な魚がこのコマイでした。

コマイの生態

成長すると体長は40㎝程度になる海水魚です。上顎が下顎より突き出ているのが特徴で、下顎にあるひげが短いことによってスケトウダラやマダラと区別することができます。タラ科の中ではバランスの取れたスッキリした細身の体つきをしています。

体は灰褐色で背中に不規則な斑点があるのが特徴です。血液の中に凍結を防ぐための成分が含まれているので水温が0℃以下になっても生きる続けることができる魚です。成長は早く1年で体長20㎝になり、2年で成熟します。

コマイの生息地

生息地は黄海、オホーツク海、北太平洋、ベーリング海、北海道周辺、青森から山口県までの日本海、青森県から宮城県までの太平洋など水深200mより浅い大陸棚の海域に広く生息する魚です。産卵期は1月から3月です。岸近くの氷点下あるいは氷点下近い水温のところに産卵します。根室海峡はコマイの産卵場所として有名です。


代表的なコマイの漁法

氷下待網漁が一般的で、コマイの旬の冬になると海に張った氷に穴を開けて網を仕掛けます。翌日に、その網を引き上げる漁法です。底建網漁は決まった場所に網を設置して、入ってきた魚が徐々に狭められた端の囲いに入っていく漁法です。

コマイの旬

コマイの旬は12月から2月です。旬のコマイの白身のおいしさはもちろんですが、旬で嬉しいのは、卵や白子を味わえることです。白子は味噌汁や鍋にすると最高です。卵は醤油漬けがおすすめです。

関東の市場でコマイの鮮魚を探してもほとんど流通しておらず、干物として流通するのが一般的です。そのため、干物を食す関東では特に旬でなくても一年を通じて安定した味が楽しめる魚です。

コマイの釣り方

北海道では道南を除くほぼすべての漁港や防波堤からコマイが釣れます。釣り方は難しくなく、年中釣れるため北海道では釣り人に人気の魚です。旬のコマイが釣れる冬場が最盛期です。いろいろな釣り方ができますが、投げ釣り、ちょい投げ、サビキ、氷上からの穴釣りで釣れます。

コマイは夜行性のため、夕方から夜にかけて狙うのが一般的な釣り方です。群れで回遊しているため、一匹釣れたら同じ場所に仕掛けを投入するようにして釣果を上げます。

投げ釣り

投げ釣りは一般的な釣り方です。ナイロンの道糸4号に、一番下に20号前後のオモリを付ける銅突タイプの仕掛けを使用します。カレイ・コマイ16号くらいの針を使用します。エサはアオイソメやイワムシを使います。

大物を狙う場合はサンマの切り身が有効です。冬場に釣りをする場合は、PEラインは凍ってしまうのでナイロンのラインを使うことをおすすめします。

穴釣り

MORIGEN コマイ 投げ釣り 仕掛け

出典:Amazon
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旬のコマイを狙う釣り方としては穴釣りも一般的です。穴釣りはワカサギ釣りとおなじスタイルでドリルで氷に穴を開け、そこに仕掛けを落とし込む釣り方です。

ワカサギ釣りのロッドや短めのルアーロッドが有効で、仕掛けは投げ釣り同様に銅突タイプの一番下にオモリをセットするタイプが主流です。北海道では穴釣り用の仕掛けが販売されています。エサは、アオイソメやサンマの切り身で狙います。

コマイの食べ方

鮮魚の場合

三枚におろした身を凍らせて薄切りにしたルイベが絶品です。溶けるような甘みが口の中に広がります。その他に旬のコマイは塩焼き、フライ、煮つけ、鍋物などいろいろな料理方法で楽しめます。

小ぶりのコマイは骨が軟らかいので、唐揚げにして食べると上品な白身の味を楽しむことができます。コマイの魚卵は醤油漬けか煮物にして食べます。温かい白いご飯にコマイの醤油漬けをかけて食べるのは絶品です。


干物の場合

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大きめのコマイは頭と内臓を取り除いたあと寒干し用になるのが一般的です。冬季に採れたコマイを氷点下の屋外で干します。夜には凍り、日中は溶ける状態を繰り返してかちかちになるまで干されます。

この状態のものを「かんかい」と称され売られています。そのままでは硬くて食べれないため、木槌などでたたき、あぶって、手でむしりながら七味とマヨネーズなどで食べると絶品です。味にくせがあるので好き嫌いが分かれますが、お酒のあてとしてリピート率が高く人気があります。

干物が硬すぎる場合

木槌でたたいてもまだ硬すぎて食べることができないと感じたり、歯が痛くなってしまう場合は一度もどすことをおすすめします。一晩水につけてもどし、そのまま煮立たせます。その後、身を取り出して焼いて食べるとおいしくいただけます。煮汁はよいだしがでているので、そのままお味噌汁などに使うことができます。

一夜干しの場合

小さめのコマイは頭と内臓をとった後、一夜干し用になるのが一般的です。一夜干しの場合は身がまだ軟らかいため、そのまま焼いて食べることができます。一夜干しは干物のような独特の臭いがなく、だれでもおいしく食べることができる深い味わいが特徴です。一度食べるとくせになるおいしさです。

生食の注意

新鮮なコマイの刺身は絶品ですが、生のコマイをそのまま刺身にするというのは安全な食べ方ではありません。それは内臓にアニサキスという寄生虫がいるためです。きちんとした捌き方、料理手順を踏まないと危険です。特別な捌き方は必要ありませんが、釣り上げてすぐに、活きている状態で内臓を取るという点で独特の捌き方です。

次の手順が最も大切なのですが、身を一度冷凍にします。アニサキスは-20℃以下で24時間凍らせると死滅するので刺身として食べられます。サーモンの刺身を食べる時と同じ処置です。解凍せずにスライスしたものをルイベ、解凍してからスライスしたものを刺身と呼びます。

コマイの捌き方

コマイは小さな魚であるため捌き方や料理が簡単です。捌き方は、まず頭を落とし内臓を出します。それから腹を裂いて、血合いを取るだけです。子持ちのコマイは卵を傷つけないように腹を裂きます。唐揚げや煮つけの場合は頭を残しておくこともできます。

コマイのおすすめ料理レシピ①

ルイベのレシピ

【料理手順】①頭と内臓を取り除き水できれいに洗います。②皮をはぎます。③三枚におろします。④身を冷凍にします。(-20℃以下で24時間以上)⑤冷凍庫から取り出てスライスして完成です。刺身にしたい時は冷凍されている身を冷蔵庫で解凍してスライスすれば刺身になります。

コマイのおすすめ料理レシピ②

一夜干しレシピ


【料理手順】①頭と内臓を取り除きます。②腹開きにします。(捌き方はお好みで)③水1カップに塩を小さじ1.5溶かします。④腹開きにしたコマイを1時間その食塩水に漬けます。⑤キッチンペーパーで水気を取ります。⑥一晩干します。⑦焼いて七味マヨネーズで食べると最高です。多く作った場合は冷凍庫に入れて保存できます。

干し網がない場合は靴下などを干す時に使う洗濯ばさみがたくさんついているものを使用できます。一夜干しなので太陽に当てる必要はありませんが、雨に濡れないように気を付けてください。身が乾けば完成です。

コマイのおすすめ料理レシピ③

煮つけレシピ

【材料】こまい:5匹、水:200㏄、お酒:100㏄、醤油:大さじ4、みりん:大さじ2、砂糖:大さじ2、しょうが:少々【料理手順】①コマイの頭と内臓をとります(捌き方はお好みで)②コマイを軽く湯通しします。

③調味料をすべて鍋に入れて煮立たせます。④コマイを煮汁に入れます。⑤落し蓋をして20分ぐらい弱火で煮ます。⑥煮汁がトロリとしてきたらコマイに煮汁をかけながら煮て完成です。

コマイのおすすめ料理レシピ④

唐揚げレシピ

【料理手順】①コマイの頭と内臓を取り、ウロコもとります。②きれいに洗ったら、キッチンペーパーで水気を取ります。③片栗粉をまぶして揚げます。二度揚げすると骨までカリッと食べることができます。

④塩で食べるのがおすすめです。唐揚げ用のコマイは小ぶりのものがおすすめです。骨ごとおいしく食べられます。気泡が出なくなるまでよく揚げても、白身はふっくらしているのが特徴です。

コマイのお取り寄せ

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出典:Amazon
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コマイの干物(かんかい)や一夜干しも今ではインターネトで簡単にお取り寄せできます。メーカーや種類も豊富ですので、ぜひ検索してみてください。かんかいの相場は200gで1000円~2000円程度です。一夜干しの方がお手頃の価格です。

まとめ

コマイは知名度の低い魚ですが、その味は絶品です。旬の時期の北海道ではお店できちんと処理されたコマイのお刺身やルイベを食べられますので、是非冬の北海道を訪れたときには探してみてください。釣り方も難しくないので、手軽に防波堤から狙ってみることができます。タラの仲間なので、いろいろな料理で楽しめます。

関東で鮮魚に出会えない場合は、一度お酒のつまみとして「かんかい」を選んでみてはいかがでしょうか。手が止まらなくなること間違いなしです!