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作物に被害のある「白絹病」ってどんな病気?その対策と治療方法はある?

家庭園芸を行うときに一番注意したいのが病害です。白絹病はいろいろな作物に発症する代表的な病害の一つ。白色の菌糸が土中で繁殖していき、対策をしなければすぐに作物を枯死させてしまう恐ろしい病害です。白絹病とはどんな病気なのか、対策法を知り家庭園芸に生かしましょう!
2020年8月27日
石倉
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はじめに

白絹病は作物にとって致命的!

家庭園芸で愛情込めて作物を育てても美味しく育つとは限りません。作物も人間と同じく病気にかかり、枯れてしまうことがあります。白絹病は、作物にとって致命傷となりえる病害の一つです。

作物を守るために白絹病について知ろう

美味しく、すこやかに作物を育てるためにも白絹病による被害を何としても予防したいところです。そのためには、まずこの病気についての正確な情報を知るところから始めていきましょう。今回は、白絹病の予防法や対策を症状や原因から分かりやすく解説していきます。

白絹病はいろいろな作物に発症する

この病気が家庭園芸において「もっとも厄介な病気」として扱われているのは、発症する作物の種類が多いという事情に由来しています。ネギ科やナス科などの家庭園芸でよく栽培される作物はほぼ全てが白絹病の射程範囲内にあるので、家庭園芸を行おうとすれば必ず白絹病の予防や対策をしなければいけません。

白絹病には確実な治療方法がない

発症しないように予防するのが基本

白絹病は「いかに発症しないように対策・予防をするのか」を考えるのが重要です。基本的に発症したら、汚染された株自体を除去して廃棄し、病害が他の株に伝染するのを防止しましょう。

何とかして治療したい!

出典: https://www.irasutoya.com/2013/05/blog-post_247.html

ただ、そうは言うものの、愛情込めて育てた作物です。何とかして治療したいと考えるのが人情と言うもの。

確実な治療方法はないが

確実に治療できる方法はありませんが、発症初期の段階であれば後述する殺虫剤・殺菌剤で株に蔓延している菌を除去してから健康な土壌に植え替えをして高温多湿でない環境で管理することで治療できる場合があります。

白絹病ってどんな病気?

被害は土壌のなかで進行する

白絹病は作物の地上部よりも、土壌のなかで進行していく病気です。後述します病原菌がどんどん作物の土廻りから広がっていき、まるで白色の繊維で覆われていくかのように作物を包んでいきます。この白色の繊維は菌が出す糸です。

初期の症状

まず、ほとんど目に見えないほどの微細な白色の菌糸が、土と茎の部分に出現します。この頃はまだ目視ではなかなか症状を見抜けません。ただ、土壌のなかではどんどん白色の菌糸が広がり、病状の進行が進みます。

中期の症状

次に、茎の部分が変色していきます。緑色の健康な色合いから、どんどん枯れ葉色に変色していき、褐色の乾いた状態になっていきます。この頃にはもう白色の菌糸は大分目立つようになっているはずです。

末期の症状

末期になると、作物は土から生えている茎の部分から腐敗して枯れていきます。いわゆる「立ち枯れ」という状態で、地上部のほとんどは健康に見えるのですが、根元の茎の部分が完全に枯れてしまっているので土壌の根から栄養を補給できずにすぐに地上部も枯死していきます。

白絹病と菌核

最終期になると菌核を作る


白絹病はもともと繊維のような形で表出する病害ですが、末期を越えて最終期にまでなると後述する原因菌が凝縮し、まるで核のような形状に変化します。これは「菌核(きんかく)」と呼ばれ、この菌核を通じて広範囲に病原菌を撒き散らして被害株を増やしていくのです。この部分を残らず除去、あるいは滅菌するのが対策の基本となります。

画像で見る白絹病の菌核

この病害は上記画像で見られるように繊維のような菌糸が地面を覆うように広がっていき、作物の茎部分からどんどん弱らせていきます。白色で球状の物体を確認できるでしょうか。これが全て菌核です。

ツイッターで見る白絹病の症状

家庭園芸を嗜む方にとって、白絹病はもっとも注意すべき病害です。「発症した株は死ぬ」とまで言われるほどの恐るべき病害で、隣接する株にまでどんどん伝染していくため、発症してしまった株を一刻も早く除去しなければいけません。

白絹病の原因

原因.1 カビ

白絹病の原因としてまず挙げられるのが「カビ」です。湿気があまりに多い環境では土壌にカビが蔓延して、根の周辺にたくさんのカビ菌を繁殖させます。繁殖したカビ菌が土壌から作物にまで及ぶと白絹病としての症状が表れるのです。

原因.2 病原菌

カビは家庭園芸の世界では「糸状菌」と呼ばれますが、白絹病の原因はカビだけではありません。この病気は、スクレロチウムやロルフシなどの多様な病原菌を介しても発症します。

カビや病原菌が活性化する時期とは?

白絹病が一年の間にもっとも猛威を振るう時期は梅雨から初秋にかけて。この病気の原因となるカビや病原菌は気温が25度以上にならなければ活性化しません。そのため、暖かい年では6月から発生し始め、そして寒くなり始める9月の下旬あたりまで被害を出し続けます。

特に30度以上の高温環境では注意!

日本でも特に南の沖縄諸島や九州地方では30度以上の高温になる期間が他の地方よりも長いので白絹病の被害が大きくなります。この病原菌は25度以上で活性化する性質を有していますが、それよりも5度高い30度以上の環境ではさらに猛烈な速度で侵食していくので、家庭園芸を嗜む方は予防と対策により注力する必要があります。

白絹病の対策①:土壌

水はけのよい土を用意する

この病害の病原菌は高温でかつ多湿の環境で活発に繁殖する性質があります。そのため、家庭園芸の際には土壌に水はけのよい土を用意するのが大切です。

土の性質をよく理解しよう

家庭園芸において利用する土にはいろいろな種類のものがあります。堆肥や腐葉土、赤玉土など、これらの土にはそれぞれ排水性(水はけ)・通気性・保水性などのいろいろな性質による個性があり、作物の性質と合わせて土をブレンドしていくのです。

白絹病対策に効果的な土選び

白絹病の対策としては土壌を水はけのよい土にしてあげることが重要です。保水性に優れた土ばかりをブレンドした土壌ではどうしても多湿な環境になりやすいため、排水性(水はけ)に優れた土を一定の割合で混ぜ合わせ病原菌が繁殖しやすい環境になるのを防ぎましょう。

白絹病対策に効果的な土とは?

例えば、白絹病対策によく使用される水はけのよい土としては、赤玉土、バーミキュライト、パーライトなどがあります。特に赤玉土は水はけもよく通気性もあるので家庭園芸ではよく用いられる人気の土です。

黒土の使いすぎには注意!

赤玉土と同じように家庭園芸でよく用いられる土として「黒土」があります。よく畑で見られるフカフカで粒子の細かな土です。これは保水性が抜群で、正しい使い方をすれば大変有用な土なのですが、あまり黒土ばかりを使いすぎると白絹病の好むような多湿環境に陥りやすいため一定の割合で他の土を混ぜるなどして対策しておく必要があるでしょう。


白絹病対策に効果的な土のブレンド比

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家庭園芸で作物を育てる場合には、水はけのよい赤玉土を6割と、栄養と保水性に優れた堆肥を4割ブレンドした土を用いるのがおすすめです。

ブレンド比は環境によって調整しよう

日本は地方によって気温や湿度の環境が変わってくる国なので、沖縄諸島や九州地方、その他降雨量の多い地域などでは赤玉土の割合を7割程度にまで増やして栽培を開始するのも、白絹病対策として大変効果が期待できます。

白絹病の対策②:酸度

白絹病が発生した土には病原菌が残存している

白絹病の発生した株周辺の土には白色の繊維状物質の他にも病原菌が残存しています。そのため、作物を栽培している間にこの病害が発生した場合には隣接する株にも伝染して発症する可能性が高いです。発症してしまうと治療は困難なものとなりますので、殺虫剤や殺菌剤などを活用して予防しましょう。

病原菌は越冬する

この病気によって枯れた作物は菌の温床となっています。土壌のなかの菌も含めて冬の寒い時期には活動を停止しますが死滅したわけではなく、冬を越してまた25度以上の高温の時期になると活動を再開します。

病原菌の寿命は?

白絹病の病原菌は土壌のなかで6年以上もの間、生き長らえます。そのため、一度発症が確認できたなら土を入れ替えるなどの対策を講じる必要があります。この病原菌は土の比較的浅い部分で活動する種類のものですので、翌年以降の栽培に備えて菌を除去する方策を講じましょう。

白絹病は酸性土壌で活性化する

この病気は特に酸性の土壌でよく発症する傾向があります。マメ科作物などを栽培した後の畑は酸性へ変化しているので、同じ土で翌年以降も栽培を行う場合には注意が必要です。

土壌の酸度測定は家庭園芸の必須作業

一般に酸性の土壌は農業には不向きです。ただ、作物によって最適な土壌の酸度は異なりますので一概には判断できません。家庭園芸を行うにあたって土壌の酸度測定は避けては通れない工程の一つです。

土壌酸度計で土壌環境を計測しよう

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酸度計は本格的なものですと数千円以上はしますが簡易的な安価のものも購入できます。家庭園芸をこれから始められる方は、上記でご紹介しているような格安の酸度計からお手にとってみてはいかがでしょうか。

石灰を混ぜて土壌環境を改善する

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酸性の土壌を改良したい場合には石灰を土壌に混ぜ合わせておきましょう。石灰には酸性土壌を中和する作用があります。園芸用品店や通販でも安い価格から販売されておりますので、白絹病予防に種まきや苗植えの数ヶ月前から畑に石灰を混ぜておき土壌環境を改善しておきましょう。

白絹病の対策③:栽培法

水稲栽培で白絹病対策

農家の方がよく行う白絹病予防法として、水稲栽培があります。米などのイネ科の作物を水稲栽培で育成することで、土壌を冠水させて菌を死滅させます。白絹病の病原菌は水没すると死滅しますので、例えば一年目はナスや大豆などを育成し、二年目は米を育て、その次にまたキュウリなどをといった具合で水稲栽培を挟むことで白絹病を予防できます。

天地返しで白絹病対策


天地返しとは、農業や家庭園芸の用語で畑を深くまで掘り起こして深い部分の土を表面に出し、浅い部分の土を深い部分に入れ込むことを言います。白絹病の病原菌は土壌の浅い部分で繁殖する性質があり、あまりに深い土壌のなかでは繁殖できず死滅します。

太陽光で白絹病対策

白絹病の病原菌は土壌の浅い部分で繁殖している菌なので、土壌の表面を高温で熱して滅菌するのも効果的な対策法です。この病害の発生元である菌は寿命が長く厄介ですが、あらかじめ黒いビニールシートで畑を覆っておき、太陽光を重点的に集めて土壌を高温で熱することでより早く菌を殲滅して健康な土壌へと改善できます。

白絹病で枯死した作物は焼却処分しよう

白絹病に感染した作物をそのまま放置しますと、そこからどんどん病原菌が蔓延していきます。例えば栽培の過程でワラなどを畑に敷いてある場合には、そのワラにも菌が侵食している可能性が高いので、感染した作物と一緒にワラなども撤去しておきましょう。 処分方法は焼却するのがおすすめですが、隔離するだけでも充分に効果がありますので白絹病の発症が確認できたならすぐに畑から隔離しましょう。

白絹病の対策④:殺虫剤・殺菌剤

殺虫剤・殺菌剤を上手に使おう

病原菌を除去するには家庭園芸用の薬品を上手に活用していくのも大切です。この病害は治療が難しいのですが、最初期の段階であれば薬品で患部を滅菌して汚染されていない土壌で管理しておけば治療できる可能性があります。

殺虫剤・殺菌剤で土壌から菌を除去する

この病害の菌は6年程度、冬を越しながら土壌のなかで生き長らえます。前述した対策法でも病原菌を除去できますが、より早く迅速に菌を取り除くのなら殺虫剤や殺菌剤を併用しましょう。薬品の成分としてバリダシンやリゾレックスなどが有効です。

おすすめの殺虫剤・殺菌剤

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お手軽に白絹病を予防できる粉剤タイプのものがおすすめです。殺虫剤・殺菌剤は用法などを正確に守らなければ健康被害が出る可能性がありますので、よく注意書きを精読してから使用しましょう。上記の製品はお値段も手ごろで評価も高いおすすめの殺虫剤・殺菌剤です。

まとめ

白絹病を予防して家庭園芸を楽しもう

白絹病についてはいかがでしたでしょうか。この病害は作物にとってまさに天敵です。ただ、対策や予防法もさまざま用意されておりますので、上手に白絹病対策を行い家庭園芸を楽しみましょう!

病害や害虫について知りたい方はこちらもチェック!

当サイト「暮らし~の」には、他にも病害や害虫についての情報がたくさん掲載されております。それらの記事もご覧になり、家庭園芸を楽しむ際に是非お役立てください!