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春蘭(シュンラン)の育て方!気になる花が咲かない原因などもご紹介!

春蘭は日本を代表する野生ランです。日本各地に分布し、古くから季節の花や祝いの花として親しまれてきました。そのため、墨絵や塗り物の茶器、椀などに描かれることもあります。今回はそんな春蘭の育て方や、花が咲かない時の原因とその予防法をご紹介します!
更新: 2023年4月11日
おとうふ
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目次

春蘭(シュンラン)とは?

基本情報

春蘭はラン科シュンラン属(シンビジウム属)の野生ランで、原産地は日本と中国です。日本では北海道から九州の人里に近い山地の雑木林などに分布し、江戸時代より育種・栽培されています。東洋ランと呼ばれる仲間の一種で、近頃は名花・秀花の選別も盛んに行われています。

日本春蘭

赤・黄・紫・橙・白といった花色の豊富さが最大の魅力です。また、年中楽しむことのできる葉の紋様も種類豊富で、開花シーズン以外も目で楽しむことができます。

中国春蘭

孔子は中国春蘭を「美徳がある」と褒めたたえたそうです。花色は少ないですが、東洋ランの仲間で随一の芳香が魅力。花のサイズも6cm前後と、日本春蘭よりも大きな花を咲かせます。

春蘭(シュンラン)の育て方

春蘭は丈夫な植物ですが、花が咲かない!などの声を聞くこともあります。綺麗に栽培するためには株分け、肥料の施し方など少しだけコツが必要なのです。

開花の季節

3月に入ると春蘭は開花の季節を迎えます。文字通り、春に花を咲かせるのですね。基本的には1茎に1花ですが、まれに数花咲かせることもあります。開花の季節を終えると、花芽の形成が始まります。そして秋には地下に翌年のための花芽を抱き、翌年の春を待つのです。

植え替えの時期とやり方

春蘭の栽培にとって大事な植え替えは、2年に1回程度が目安。時期は開花後と秋の年2回です。植え替えの際には、傷んだバルブ(根元のふくらみ)や根を切断、整理します。この時に切断した切り口から病気が侵入しないように、必ず、事前に消毒したハサミを使用しましょう。


株分けの時期とやり方

種から栽培するためには、フラスコや培地などの特別な設備が必要となります。そのため、株分けでの増やし方が一般的です。大きな株になったものは、4月~5月に植え替えを行います。

その際にバルブ(根元のふくらみ)が1株に3個以上につくように、ハサミで切り分けます。必ず、事前に消毒したハサミを使用しましょう。

肥料を撒く時期

開花後の花芽の形成が始まる4月〜6月と、花芽が充実する9月〜11月に2週間に1回を目安に液体肥料を施します。またそれらの時期に1回ずつ置き肥を併用するとより効果的です。また液体肥料を施した際には、水は控えめに与えるようにしましょう。

春蘭(シュンラン)の花が咲かない!

病気

通常春蘭は5年ほど葉を残しますが、それよりも早く枯れてしまったり、新芽が弱々しいなどの症状があれば根やバルブ(根元のふくらみ)の病気の可能性があります。

多くはハダニやアブラムシにが媒体となっており、多くは葉に兆候が現れるため、早期発見には日頃からの観察が重要ですね。もし感染していた場合は、他の株に感染しないように抜いてください。

植え替えや株分けの際に使用する器具を事前に消毒しておくことも予防に繋がりますので、必ず消毒を行ってください。

害虫

害虫からの被害を予防するためには、育て方に工夫が必要です。春蘭では主にカイガラムシやハダニ類、線虫類などの被害が多く報告されています。戸外では防ぎきれないものもありますが、その多くは湿度の調整や薬剤の散布により防ぐことができます。

春蘭(シュンラン)を育てるコツとは

鉢選び

春蘭の根は長く、太いため、深さは深めのものが適しています。本来は夏の暑い時期でも、夜露や夕立などの少量の水分でも生育する野生ランです。

そのため、乾燥には強いですが多湿には弱い性質を持っているのです。鉢選びの際には、深さだけでなく通気性のよさにも気をつけたいですね。

ラン用の鉢も市販されていますので、初めての人はそちらを使うと良いかもしれませんね。

用土


鉢栽培の際に特に気をつけたいことといえば、根腐れではないでしょうか。春蘭は乾燥に強いため、毎日の水やりは不要です。鉢の内部が常に多湿の状態であったり、どこかに水が溜まった状態で温度が上昇することで、根腐れは起こります。そのため、用土選びの際には必ず通気性を意識してください。

水やり

山里に自生している野生の春蘭は、水不足の季節でも地表近くの水分を効率よく吸収するために、ほぼ地面に水平に根をはります。しかし、鉢栽培の春蘭はどうでしょうか。

野生のものと比較すると、水平に広がるはずの根を地面にほぼ垂直に下ろすことになります。そのため、水やりの際には鉢底から流れ出る程度の多めの水量でしっかりと水やりを行ってください。1ヵ月ほど根の部分に水が届かない状態が続くと、春蘭が枯れてしまいます。

水やり〜春、秋〜

本来雑木林などの野山に自生するランですので、比較的乾燥には強のが特徴です。しかし、多湿には非常に弱く、水やりには注意が必要です。春蘭の根は太く、保水量が多いため毎日の水やりは不要です。春、秋は2日〜3日に1回水やりを行います。

水やり〜冬〜

冬の水やりでは、気をつけなければいけないことがあります。それは冷えによる凍結です。もし水が凍ると春蘭のバルブや根の組織が破壊されるため、枯れる原因となるのです。冬場はあまり生長しないため、水やりは2〜3週間に1回程度に控えるようにしてください。

水やり〜夏〜

真夏は特に暑さに気をつけなければいけません。午前中に水やりを行うと、鉢の内部が多湿の状態で気温が上昇するため、根腐れの原因となることがあります。

根腐れを起こすと春蘭が枯れてしまいますので、水やりは夕方ごろに行うようにしてください。夕方ごろになると気温が下がり始めるため、根腐れのリスクを最小限に抑えることが可能です。

夏は1年で最も水やりの頻度が多い時期です。1日に1回程度、用土の表面が乾燥すれば行うようにしてください。

春蘭(シュンラン)は食べられる!

名花・秀花の選別も盛んに行われている日本春蘭ですが、実は身近な山菜・山野草として食べることもできるのです。目で楽しむだけでなく、舌でも楽しんでみませんか。

調理法〜加熱〜

全草食べられる春蘭の代表的な調理法は、若い花茎をサッと湯通しして楽しむおひたしや酢の物、お吸い物です。今では見かけなくなりましたが、昔は家庭料理として気軽に食べられていました。

調理法〜塩漬け〜


加熱調理以外にも、塩漬けが人気です。水で丁寧に洗い、ハカマを取った春蘭を5日程度塩で漬け込みます。鮮やかな色が一層濃くなり、桜茶のように蘭茶として楽しむことができます。来客時のおもてなしにいかがでしょうか。

効能

春蘭は古くから民間薬として効果があると言われています。花と花茎は煎じてお茶やうがい薬にすると、咳を抑える効果が。また根を乾燥させ粉末にすると、血流改善・滋養強壮の効果が期待できます。

実際に食べてみると、味や香りはあまりしないようです。花も花茎も固いため、おめでたい料理の彩りとして使わます。酢漬けや塩漬けにしても美しさはそのままですので、何気ない料理が特別に感じられますね。

まとめ

1年間大切に育てることで、やっと翌年の春に花を咲かせる春蘭の花言葉は、「気品」「清純」「飾らない心」「控えめな美」の4つです。上質な香りや鮮やかさで人々を魅了しますが、決して大きな花ではありません。

また、食用の春蘭を販売する生産者も残り1人になってしまいました。古くから祝いの花として親しまれてきた春蘭を、自宅ので楽しんでみてはいかがでしょうか。

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今回は春蘭という春の花を紹介しましたが、「暮らし〜の」ではさまざまな花の紹介を行っています。育て方やコツだけでなく、花言葉や大切な人への贈り方も紹介しておりますので、ガーデニングが趣味の方もこれから花のことを知っていきたい方も是非ご覧ください!