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ガス缶には2つの種類がある
ストーブやランタン・シングルバーナーなどに使えるガス缶と言えば、アウトドアでの必須アイテムのひとつであると言えるでしょう。キャンプなどの経験者ならほぼ間違いなく使った事はあるかと思いますが、実はこのガス缶に2つの種類があることはご存知ですか? 実はこれを知らない人ってキャンプ経験者でも結構いるんですよ。種類によって使い方の向き不向きや規格の合う機具は異なってくるので、それぞれの特徴や適切な使い方はぜひ知っておくようにしましょう。
cb缶とは
ガスボンベ缶の中でも多くの人が見慣れているであろう、細長い筒状のガス缶・ガスカートリッジのことを一般的に「cb缶」と言います。鍋をするときのカートリッジ式のカセットコンロなどと同じ規格なので、こちらはキャンプの経験が無くても見たことがある人は多いのではないでしょうか。cb缶の「cb」というのは「Cassette Gas Bombe(カセットガスボンベ)」の略ですね。
od缶とは
ガスボンベ缶の中でもcb缶とは形状や規格が異なり、背の低いドーム状になっているのがod缶と呼ばれる種類のガス缶ですね。od缶のodは「OutDoor(アウトドア)」の略称です。その名前の通りキャンプなどアウトドアでの使用を中心に考えられたガス缶で、屋外でも安定して使える火力やいざという時に困らない大容量サイズなどが特徴となっていますよ。
cb缶とod缶の違い:その1
価格の違い:cb缶
cb缶のほうの最大の特徴として挙げられるのがそのコストパフォーマンスの良さですね。こういったガスボンベ缶の容量は一般的に250g程度で、出力を気にしないのであれば1本100円のものや3本セットで300円未満の物までありますよ。アウトドアメーカーから販売されている物もあり、3本セットで900円程度と少し割高な代わりに火力は安定しているようですよ。
価格の違い:od缶
1本単位での価格が非常に安いcb缶と比較して、od缶はアウトドア用に出力がしっかりしているぶんその1本単位での価格は少しお高めとなっていますね。同じ250gのものでも1つで600円前後の物が多くなっています。大容量の500gサイズともなると1000円近くかかるものもありますので、お世辞にもお財布に優しいアイテムとは言えませんね。
cb缶とod缶の違い:その2
入手しやすさの違い:cb缶
cb缶は家庭用ガスボンベだけあって、取り扱っている店舗の数もかなりのものですね。スーパーやホームセンターはもちろんの事、コンビニや100円ショップなんかでも販売しているので非常に入手しやすい種類のガス缶と言えるでしょう。人によっては家庭でガスカートリッジ式コンロに頻繁に使うこともあるため、気軽に手に入れられるというのはかなり大きなメリットですね。
入手しやすさの違い:od缶
反対にod缶はと言えば、現状では取り扱っている店舗がcb缶と比較したときにかなり少ないため購入がしにくいところが不便な点であるとしてよく挙げられます。基本的にはアウトドア専門のショップで購入することになりますね。自宅から向かえる範囲にアウトドアショップが無い場合は、Amazonなどインターネットでの購入も可能なので、現在では手間こそかかるものの「入手がしにくい」とまで感じることはありませんよ。
cb缶とod缶の違い:その3
火力の違い:cb缶
元々が家庭内でカートリッジ式のガスコンロに使うことを主としているためか、cb缶の出力はod缶と比較してかなり控えめとなっています。屋内での使用を前提としているため寒さに対する耐性も比較的低くなっている点も注意が必要となりますよ。屋内で使う分には問題ないのですが、もしアウトドアなど屋外での使用も考えているのであれば、cb缶の使用は避けるか、一部の寒冷地対応型cbガスボンベ缶を選ぶようにしましょう。
火力の違い:od缶
od缶の火力はと言えば、やはりアウトドアでの使用を前提としているだけあってかなり高い水準で安定しています。アウトドア用のガスストーブやシングルバーナーにはかなり高い火力を要求するものが多いので、高い火力を出せることはod缶として最も重要なポイントと言えますね。冬場の屋外でも問題なく使えるように考えられており、耐寒性もかなり高いものが多いのもodガスボンベ缶の特徴ですよ。
cb缶とod缶の違い:その4
対応アイテムの違い:cb缶
cb缶のデメリットとしてよく挙げられるのですが、アウトドア用のアイテムでcb缶の規格に合う物というのは少なく、使える道具が比較的限られてくる点は要注意ですね。家庭用で見るのであればカセットガスコンロとしての活躍が主になりますが、アウトドア向きとは少し言いにくいのが正直なところ。コストパフォーマンスを求めてcb缶をキャンプに利用するなら、ストーブやシングルバーナーをcb缶規格対応の物で揃えて購入するように気を配る必要がありますね。
対応アイテムの違い:od缶
アウトドア用として作られたガスボンベ缶であるため、当然と言えば当然ですがアウトドア用ガスストーブやシングルバーナーのほとんどはod缶の規格を前提として作られたものが殆どです。種類が豊富なため、アウトドア用品を買い揃えたときに「od缶では対応していないから使えない」なんてことは基本的にありません。アウトドアならとりあえずod缶にしておけば道具は適当に買っても使えるなんて意見もあるくらいですよ。
種類別主な使い道の違い:cb缶
cb缶は主にカセットコンロに使用
cb缶の主な用途はやはりカートリッジ式のガスコンロなどになりますね。屋内で鍋をするときなどには最適のガスボンベではありますが、やはりどうしてもキャンプ用としての選択肢は狭くなりがち。細長い形状から収納や持ち運びに便利という利点はありますので、cb缶規格対応のシングルバーナー・ガスストーブを探して使うのも決して間違った選択ではありませんが道具選びには特に気を遣う必要がありますね。
cb缶用の代表的なアウトドアアイテム
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種類別主な使い道の違い:od缶
od缶はシングルバーナーやランタンなど
od缶はそもそもアウトドア用として作られているだけあって、屋外使用のシングルバーナーやストーブに規格が合うものも多く揃っています。缶そのものが高い出力を安定して出し続けられるように考えられており、寒い時期の屋外でも安心して使えることも重要ですね。od缶はその形状から缶そのものがシングルバーナーの脚として使われることも多く、高出力・コンパクトなバーナー・ストーブもcb缶規格の物と比較して数が多いですよ。
od缶用の代表的なアウトドアアイテム
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cb缶とod缶に互換性はあるの?
同じ種類同士なら殆ど互換性あり
ガス缶を使用する器具は必ずと言っていいほど注意書きに「純正メーカーのガス缶を使用するように」という記述があります。この場合の純正メーカーというのはもちろんその器具を販売しているメーカーの事なのですが、実際は同じ種類のガス缶であれば互換性がちゃんとあるので別メーカーの物であっても使いまわしは可能となっています。特にcb缶に関しては規定によって互換性を持たせるように決められているためどのメーカーでも使いまわしは可能。od缶も一部を除いてほぼ全てが互換性を持っているため、メーカー別の互換性や規格の違いなどは気にしなくても大丈夫そうですね。
同じガス器具でガス缶がどちらも使えるものは少ない
同じ種類のガス缶は互換性がしっかり考えらえているのですが、残念ながら一つのガス器具で「cb缶・od缶どちらも使える」といったタイプの物はかなり少ないのが現状ですね。異なる種類の缶に対して互換性を持つものが全くないわけではないのですが、価格が比較的高めの物だったり出力が安定しない物が殆どであるため、キャンプ経験者からはあまりお勧めされない物の方が多いようです。
cb缶からod缶への互換性は?
原則としてcb缶とod缶はカートリッジ部分の規格が違うためそのままの状態で互換性がある物は存在しません。ネットで探してみるとcb缶からod缶へとガスの詰め替えをするアイテムなども販売はしているので、例えば「安いcb缶を買ってod缶規格のアイテムに使うことでコストパフォーマンスを良くする」なんて使い方も不可能ではありませんが、詰め替え作業はかなり慎重に行わないと危険なためあんまりおすすめはできません。ほとんどのガス缶メーカーからも注意書きで「詰め替えはしないでください」と書かれていることをしっかり認識しておきましょう。
詰められているガスの種類によっても違いが
ここまでガス缶の種類ごとの比較を紹介してきましたが、ガスボンベの性能は缶の種類だけではなく中に詰められているガスの種類によっても大きく異なってきます。一般的なガス缶に詰められているガスは「プロパン」「イソブタン」「ノルマルブタン」と呼ばれる3種類ですね。cb缶・od缶問わず詰められているガスはこれら3種類の混合して詰めて販売されている点は全て同じで、その混合比率が商品ごとに異なっている形となります。
主に違いが出るのは耐寒性能
ガスボンベに詰められている種類や成分比率が違っていても燃焼した際の温度や出力そのものに差はあまり見られません。各種ガスはそれぞれ沸点と蒸気圧の2点が異なっており、その影響は使用時に「耐寒性」という形で現れてきます。蒸気圧が高ければ高いほど火力に差が出ますし、沸点は逆に低ければ低いほど低温環境でも問題なく使用できるものであるとされていますよ。
ガス缶に詰められているガスの種類・その1
プロパン
プロパンガスは使用されているガスの中でも沸点がマイナス42.1度と最も低く、そのため極寒の地域でも使用可能なガスとなっています。蒸気圧も3種類で比較したときに最も高いため出力も高くなっており、総合的に見てもっとも優れているガスと言えるでしょう。ですがガスカートリッジの内圧がとても高くなってしまうという欠点があり、単体使用はもちろんのこと混合使用でも混合率にかなりの制限がかかってしまいます。
ガス缶に詰められているガスの種類・その2
イソブタン
イソブタンガスは沸点がマイナス11.7度とプロパンと比較すれば大幅に高く、後述のノルマルブタンよりは低い温度となっています。一応マイナス温度の環境でもある程度の使用は可能で、蒸気圧も平均的なものなので出力はかなり安定しているガスと言えるでしょう。
ガス缶に詰められているガスの種類・その3
ノルマルブタン
ノルマルブタンは3つの種類の中で最も沸点が高く、その温度はマイナス0.5度となっています。氷点下の環境で使用するのには正直不向きですね。3種類のガスの中では最も性能が低いとも言えますが、カートリッジの内圧が上がりにくいという特徴はそのまま「安全性が高い」ということでもあり、基本的には混合ガスの中で比率が最も高いのはこのノルマルブタンとなっていますね。性能は比較的低いですが扱いやすいというのがこのガスの特徴と言えるでしょう。
キャンプでガスを使うなら、注意は怠らないように
当然ながらガスボンベとは火を扱うためのものなので、アウトドアでガス使用をする際は正しい使い方をちゃんと意識しないとちょっとしたうっかりで大惨事になるなんてことも大袈裟な話ではありません。特に初心者だと案外知らずにいた危険な使い方や、逆にキャンプに慣れてきた人だからこそ気を付けなければならない注意点なんてものもあるので、ガスを扱うのであれば基本的・常識的なところであってもないがしろにせずしっかりとチェックしておきましょう。
キャンプでガス缶を扱う時の注意事項・その1
ガスカートリッジは高温にならないように
特にアウトドアでガス缶を使うとすると最も多いのがシングルバーナーでの利用です。アウトドア用シングルバーナーはガスカートリッジにシングルバーナーを直接取り付けるタイプが殆どなのですが、これらのタイプは自身の火がそのままガスカートリッジ本体を熱してしまうことも多く、間違った使い方をするとその熱で爆発なんてこともあります。注意書きにもあると思いますが、炭火起こしに使ったり、底面が広い物に長時間利用することは避けましょう。車内や砂浜など、高温になりがちな場所に放置するのも危険ですので気を付けましょう。
キャンプでガス缶を扱う時の注意事項・その2
テント内部での使用は絶対にNG!
当たり前のことではありますが、テント内のような密閉された空間でガス器具の使用はご法度です。燃えやすい素材でできているというのももちろんそうですが、それ以上にガス燃焼によって発生する一酸化炭素がテント内に溜まってしまうと少量でも脳や内臓への悪影響、量が多いと死に至ることも珍しくないのでテント内での使用は絶対にやめましょう。ガスストーブやランタンなどの小さなものであっても、テント内での使用は大袈裟でなく自殺行為ですよ。
キャンプでガス缶を扱う時の注意事項・その3
ガスの再充填は極力しない
上のほうでガス缶の互換性について説明する際、cb缶とod缶のガス詰め替えを行う道具もあると紹介はしましたが、その時にも言った通りこれは「可能ではあるが危険なので注意」と言われる使い方です。初心者だけでなく中級者以上でも扱いには細心の注意を必要とするものなので、気軽に行えるものではないということを必ず忘れないようにしましょう。ガス器具を扱っている会社のサイトなどでもガスの再充填や詰め替えをしたガスカートリッジは通常よりガス漏れ・爆発の危険が高いため禁止とされています。
キャンプでガス缶を扱う時の注意事項・その4
Oリングの定期メンテナンスは欠かさない
これは初心者よりもある程度慣れた人が注意するべき点ですね。ガスストーブなどの器具を長く使い続けるとOリングという部品が劣化してくるので、これのメンテナンスは欠かさないようにしましょう。Oリングはガスカートリッジとバーナーやストーブの接合部分に使われているガス漏れ防止用の消耗品で、これを劣化したままにしておくとガス漏れ・引火などにつながるため非常に危険ですよ。
まとめ
アウトドアを楽しむのならガスストーブなどのガス器具や、ガス缶というのは決して無縁ではいられない重要な道具です。cb缶やod缶などの種類の差やそれぞれの特徴を把握しておいて損は決してないのでしっかり覚えておきましょう。