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「ハクレン」とは?その生態と豪快なジャンプで楽しいと噂の釣り方を解説!

ハクレンという魚をご存知でしょうか。この魚はもともと中国に生息していた食用魚です。小学生程度の大きさにまで成長するハクレンは豪快にジャンプすることで有名な、まさしく「怪魚」です。今回はそんなハクレンの生態とジャンプで楽しいと噂の釣り方、美味しい料理までご紹介!
2020年8月27日
石倉
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はじめに

ハクレンの大ジャンプ

コイは日本の淡水域で広く見られる魚ですね。ハクレンはそんなコイの仲間です。日本の河川にも生息しているこの魚は驚くほどのジャンプ力で知られています。

ハクレンの魅力をご紹介!

また、顔つきも何やらノッペリとした少しマヌケな印象を見る者に与えてしまうこの魚。実は一世紀以上前から人類に利用されてきたとても価値の高い魚なのです。今回は不思議な魅力のある魚、ハクレンについてご紹介しましょう。

ハクレンとは

中国原産の大型淡水魚

ハクレンはもともと中国大陸に生息していた魚です。この魚、見た目はトボけていますが味は絶品。そして、1メートルを越えるサイズにまで成長して可食部も多く、良質なたんぱく源として古来より利用されてきました。

四大家魚

中国には「四大家魚(よんだいかぎょ)」というカテゴリーが存在します。古くは唐の時代(600年から900年前後)にとある事情からコイの食用利用が禁止されました。その理由は唐の皇帝の名前とコイ(鯉)の名前が同音異字であったことに由来しています。

コイを食べるのは皇帝への侮辱

「皇帝と同じ発音で呼ばれる魚を民衆が捕まえて食べるとは何ごとか!」と怒った時の権力者によって、民衆が主に食べていたコイを捕まえることは禁止とされたのです。結果、民衆はコイに代わる美味しい魚を探し求め、四種の魚に行き着きました。

千年以上の歴史

それがソウギョ、アオウオ、コクレン、そして「ハクレン」の四種の魚です。それから1000年以上の時が流れた今でも、このカテゴリーはメジャーなものとして知られています。

ハクレンの由来と生態 1

ハクレンは外来魚

日本でも明治の時代にこの四大家魚(よんだいかぎょ)を食用目的で養殖しようという動きがありました。ただ、当時の文化では川魚でかつ馴染みのないこの魚たちは味がよくても普及することはありませんでした。

食糧難を解決するために

事情に変化が生じ始めたのは第二次世界大戦中のことです。食糧事情が厳しくなってきた日本はハクレンではなく、同じく四大家魚(よんだいかぎょ)であるソウギョに目を付け、一部の河川に放流したのです。

ソウギョに混じって伝来した

そのなかにたまたまハクレンの幼魚が混じっており、偶然にも放流された環境にピタリと適応したことから爆発的に繁殖し、今ではその川ではハクレンが大量に目撃されるまでに至りました。

海外では侵略的外来魚

すなわち、ハクレンは日本から見れば「外来魚」です。実際、ハクレンに限らず、アジア原産のコイ科の魚は生命力旺盛で海外では侵略的外来魚として駆除の対象にもなるほどの存在。

ハクレンの由来と生態 2

外来魚だが日本では定着している

日本では広く本州を中心に放流されているこのハクレンですが、もともとコイが定着していた日本の環境ではブラックバスやブルーギルなどの外来魚と比較してそこまで生態系を汚染することはないとされています。

多少の影響はある

ただ、それでもやはり多少の影響はあるようで、最近ではハクレンの繁殖を危険視する学者らも増えてきています。

国内での分布

ハクレンは日本では東北地方から九州地方にまで広く分布している魚です。ただ、その土地に完全に根付いて繁殖しているとまで言えるほどの川は、関東地方に流れる利根川。そして、同じく関東地方に流れる江戸川。さらに、滋賀県の琵琶湖から流れる淀川の三つの河川だとされています。


生息地としては利根川が有名

その三つの河川のなかでもハクレンが一番目撃される川としては「利根川」が有名ですね。自治体でもハクレンの大ジャンプがある種の名物として取り上げられているほど、その地域に定着している存在と言えましょう。

海外にも広く生息している魚

アジア以外ですとアメリカやヨーロッパ、アフリカなどでもこの外来魚は流入しています。「ジャンプするコイ」の名前で、たびたび海外のメディア紙を賑わせている魚です。日本のテレビ番組でも取り上げられたことがありますので、見覚えのある方もいるかもしれませんね。

ハクレンの由来と生態 3

英語圏では「シルバーカープ」

ハクレンは和名です。レンギョとも呼称されます。もともと漢字の国、中国の魚なので漢字表記では「白鰱」という少しややこしい字が付けられています。コイ目コイ科の魚で、英語圏の国ではシルバーカープの名前で呼ばれています。

海外では危険視されるハクレン

ただ、英語圏の国では完全な侵略的外来魚として扱うところも多いので「親しまれている」とは言いがたいかもしれませんね。

日本ではハクレンは保護対象

一方で日本ではハクレンは保護されている魚です。利根川周辺の河川ではこの魚の産卵期には釣りは厳禁。禁漁の期間として定められているので釣りの際には注意が必要です。

ハクレンのサイズは子供と同じくらい

ハクレンのサイズは成熟した個体で体長1.2メートル以上、体重は30キロ以上にまで成育します。これは小学校低学年の児童とほぼ同じ大きさです。

コイのようなヒゲはない

コイ科の魚ですが、コイのようなヒゲは存在しません。体つきは平たく、目が小さいのが特徴です。日本人によく知られているような、いわゆるコイやフナとは全くイメージの異なった顔つきをしています。

ハクレンの由来と生態 4

ハクレンの産卵期

産卵期は日本に生息している個体の場合は梅雨の時期、6月の初頭からはじまり40日間ほど続くとされています。川のなかでも流れのある場所、そこの比較的浅い水底に産卵します。このときに産まれた卵は流れに沿って下流域まで行き、産卵から45時間前後が経過すると孵化していきます。

冷たい水域では孵化できない

孵化に必要な水温は20度前後で、水温の低い環境ではこの魚の卵は孵化できません。そのため、北海道などの寒い地域では基本的に自然繁殖は困難であると言えましょう。

ハクレンの食性

ハクレンは主に藻などの植物を食べる魚です。プランクトンなどの微細な水生生物も捕食します。幼魚のころには成長のための栄養を蓄えようと比較的活発に水生生物を捕食して食べますが、成長するにつれて藻などの植物を主食としていきます。

約15年の寿命

ハクレンの寿命は約15年です。性成熟するには生後5年の歳月を要します。食用とする場合にはあまり長い期間生き長らえている個体よりも若い個体の方が味がよいとされています。また、丁寧に世話をされた養殖のハクレンは川魚のなかでも抜群の美味しさを誇ります。

ハクレンの豪快なジャンプ

成熟したハクレンの大ジャンプ

この魚は成熟すると群れで生活していくことで知られています。大型にまで成熟したハクレンが群れで水面からジャンプする光景は、この魚が繁殖している河川ではよく見られるシーンです。

他の魚とは比較にならない

釣りを嗜む方なら、魚が水面からジャンプする光景は見慣れたものでしょうね。「ジャンプする魚は釣れない魚だ」なんて言葉もよく聞くフレーズです。ただ、ハクレンのジャンプは一般的な魚のジャンプとは格が違います。

ジャンプの理由は未解明

なぜ、この魚がジャンプするのか。その理由は未だに解明されていません。元来、臆病な魚と考えられてきたハクレンですが、音や振動にショックを受けて反射的に飛び上がってしまうのではないかというのが通説です。ただ、確たる理由はこれからの研究を待つ必要があります。


埼玉県久喜市がジャンプ見物の名所

利根川は関東地方に広く流れている川ですが、そのなかでも埼玉県東部に位置する久喜市を横目に流れる河川域が、ハクレンのジャンプを見るのに絶好のホットスポットです。産卵期には数十の群れが一斉に水面から「ババババッ!」と盛大な音を鳴らしながら跳ねる光景が眼前に広がります。

ハクレンの楽しいと噂の釣り方 1

産卵期は禁漁期間

ハクレンは釣りの対象としても大変人気のある魚です。ただ、先述したように利根川などではハクレンを保護するために産卵期である梅雨の時期から初夏にかけては釣りが禁止されています。

ハクレンを釣る際には注意!

他の自治体でも産卵期を禁漁の期間として定めているところがありますので、その点だけは注意が必要です。

ハクレン釣りは白熱のバトル

逆に言えば、禁漁期間以外の時期ではハクレンを自由に釣りの対象として狙えるということ。ハクレンは1メートル以上の個体も珍しくないほど型のよい魚です。そのため、ハクレンの引きは熟練の釣り師でも手を焼くほどの力強さで、釣り上げるにはなかなかの駆け引きが要求されます。

釣り方はエサ釣りとルアー釣りの2種類

ハクレンの釣り方としては大まかに分けて2種類の方法が考えられます。エサで釣り上げるか、ルアーで釣り上げるかです。それぞれの釣り方によって仕掛けが異なりますので簡単にご説明しましょう。

ハクレンの楽しいと噂の釣り方 2

コイ釣り用の仕掛けを利用する

エサでの釣り方としては、一般的なコイ釣り用の仕掛けを利用します。ハクレンは大型のもので1.2メートル以上、重さ30キロ以上にまで成長する「怪魚」と呼んでも問題ないレベルの魚です。当然、この魚を狙うのなら生半可な仕掛けでは通用しません。

大物鯉用のロッドなど

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大物鯉用のロッドに、取り回しの容易なリール。そして仕掛けとしてウキを使用します。ヘラブナやコイ釣りの仕掛けをそのまま使用しても問題ありません。

エサはマッシュポテトがおすすめ

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エサも仕掛け同様にコイ釣りに使用される「マッシュポテト」がおすすめです。水深は中層に棚を合わせて、ハクレンがいるポイントを狙っていきましょう。

ルアーで狙う大物ハクレン

ハクレンはルアーでの釣り方でもよく掛かります。通常のバス釣り用の仕掛けをそのまま流用して、川岸から下流域に向かってキャストしていけば「バクッ」と比較的簡単に食い付いてくれますよ。

大物用ルアーロッドで

ただ、大物のハクレンがヒットした場合、中型用のルアーロッドでは耐えられずにへし折られてしまう危険があります。もしハクレンをルアーの仕掛けで釣り上げようと考えるのなら大物用のルアーロッドを用意しましょう。

ハクレンの味と食べ方

ハクレンは美味しい魚

ハクレンは美味しい魚としても有名です。この魚は日本ではほとんど市場価値のない魚で、ほぼ流通していない品種なので、釣り上げたものをご自身で料理して食べるという方法が基本です。

大型魚のさばき方を参考にしよう

ハクレンのさばき方は他の魚の方法と同じです。大型の魚なのでブリなどのさばき方が参考になるでしょう。身質はスズキなどに似ています。良質な脂と肉厚な身はいろいろな食べ方で利用されます。

利根川周辺のハクレンは美味しい

ただし、生息する河川によっては臭みが強い個体が存在しますので注意が必要です。利根川周辺で釣り上げられた個体は臭みが少なく美味しいとされています。

食べ方はいろいろ

本場での食べ方は蒸し、焼き、煮ると料理の幅が広くスープにも利用されます。頭部の肉がもっとも美味とされ中国観光の際にハクレンの頭を蒸した料理をおすすめする現地ガイドも多いとのこと。

美味しい食べ方をご紹介!


美食の国、中国で1000年以上も愛食されてきたハクレン。今回はそんなハクレンの美味しい食べ方を簡単にご紹介しましょう。

ハクレンの美味しい料理

ハクレンを使う中華料理「魚丸」

ハクレンを使用する料理のなかでまずご紹介したいのがこの「魚丸」です。これは中国語で「ユーワン」と読みます。この料理は日本ではさつま揚げとして知られている食べ物の起源とされています。

水餃子の具材にしても美味しい

ハクレンの上質な白身をすり身にして丸めた団子は、スープに入れて煮込むことで濃厚なダシを生み、深い味とコクを醸し出します。少し荒めに叩いた身は水餃子の具材としても人気です。

ハクレンを使う中華料理「紅焼魚」

中華で魚を使用した煮込み料理として大人気なのがこの紅焼魚(ホンシャオユー)です。中華なべに油をひいた後で軽くソテーしたハクレンの身に、香辛料を加え甘辛く味をととのえたタレを投入してコトコトと煮込みます。

辛味と旨みの調和

辛味と旨みがほどよく調和した味わいはまさに四大家魚(よんだいかぎょ)の名に恥じぬ美味しさですよ。

ハクレンを使う中華料理「清蒸魚」

広東料理の定番メニュー、清蒸魚(チンチェンユー)は川魚を蒸した一品です。醤油ベースの味付けで酒の香りで臭みを消したこの食べ方はハクレンにぴったりのレシピ。

新鮮なハクレンを使った贅沢料理

この食べ方は中国では祭事や祝い事の際に用いられます。新鮮なハクレンを使用する必要がありますが、利根川産の釣りたてハクレンを使用すれば美味しく簡単に料理できるでしょう。

まとめ

まだ馴染みのない魚

ハクレンが食用目的で日本に導入されてからもう数十年以上の時間が経過しました。ただ、この魚の特徴的な外見からか、あまり普及せずに今日にまで至っております。

古来より愛されているハクレン

日本の河川でハクレンを釣り上げられたのなら、ぜひ持ち帰りその絶品の味わいを楽しんでみてください。中国で1000年以上もの間、食べられてきた理由が、必ずや分かるはずです。

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