スカシユリとは?
上向きのユリ
スカシユリが持つ特徴が、上向きに花を咲かせることです。花なんだから上向きに花を咲かせるのは当然のことと思われる方もいるかもしれませんが、実はユリ科は花を下向きに咲かせるのが基本。ですので、ユリ科なのに花が上向きなのは珍しく、スカシユリの特徴の一つなのです。
実はあまり隙間は無い?
スカシユリのスカシとは「透かし」のこと。ただ、葉っぱが透けているという訳ではなく、花びらの根本あたりが少し細くなっている為、透かして中が見えるからこの名がつきました。ただし、花屋さんにあるスカシユリは花びらの根元に隙間が無いことが多いので、スカシユリなのにスカシが無いという場合もよくあります。
スカシユリの育てやすさ
育てやすいスカシユリ
スカシユリはとても育てやすいと言われています。しかし、育てやすいとはいえ病気になることもあれば、害虫がつくこともあります。夏の暑さに負けることもありますので、初心者~中級者向けの育てやすさと言えますね。ただ、ちゃんと守ることを守れば育て方としては容易な部類に入ります。
寒さに強く、暑さに弱い
スカシユリを育てる上で知っておくべき特徴が、暑さに弱く寒さに強いことです。スカシユリは耐寒性に優れていますが、夏の暑い日差しを受けて地面があたたまってしまうと、球根が傷んでしまい枯れる可能性があります。見た目的には冬に強そうなイメージはないかもしれませんが、時期としては寒い時期に強いのです。
スカシユリの種類
スカシユリはスカシユリ亜属の原種
スカシユリは、スカシユリ亜属の原種です。スカシユリを始めとし、スカシユリ亜属の種類が広がっているのですね。ユリの種類は沢山ありますが、大きく分けると4種類ほどに分けられ、ヤマユリ亜属、テッポウユリ亜属、カノコユリ亜属などの種類が他にあります。自生種や園芸種などの種類分けもありますね。
スカシユリ亜属の種類
スカシユリ亜属には、原種のスカシユリの他に、エゾスカシユリやヒメユリなどが有名です。画像のユリがヒメユリですね。エゾスカシユリはその名の通り、北海道などに生息しています。スカシユリの近縁種ですので、花の根本にはちゃんと透かしがあるのも特徴です。
スカシユリの植え方
植え方①10~11月に植え付けする
スカシユリの植え方として大事なのが植え付け時期。植え付け時期は10~11月がオススメです。秋に植え付けるのが植え方の基本だと覚えておきましょう。植え付けする際の深さは、地植えであれば30㎝ほどの深さに球根をいれます。他の植物と比べると植え方が深いと感じるかと思いますが、スカシユリの植え方は深植えが大切なのです。
植え方②地植えの場合の土作り
地植えをする場合の土作りにポイントとしては、まずよく耕すことが挙げられます。そして、苦土石灰で酸性土を調整しましょう。元肥には1平方メートルあたり100グラムほど化成肥料を加えれば十分です。水はけも大切ですので、もし水はけが悪いと感じる場合は鹿沼土も混ぜて調整しましょう。
植え方③鉢植えの場合の土作り
鉢植えする場合は、市販の培養土を使います。ただし、培養土だけで水はけが悪いと感じた場合は鹿沼土を足して水はけの調整をしましょう。10号サイズの鉢であれば、球根を3つまで植えることが出来ます。ここでも植え方は、しっかりと深植えをするようにしましょう。
スカシユリの育て方
表面が湿っているなら水やりは控える
鉢植えであれば、土の表面が乾いたらたっぷりと水をあげましょう。もし土の表面が乾いていないうちに水やりをしてしまうと、土の中が過湿になってしまい、枯れてしまう可能性があります。地植えであれば雨で基本的に水分はまかなえますが、土がひび割れるほど乾燥した場合のみたっぷりと水やりしましょう。
日当たりの良い場所で育てる
ユリには日差しがあまりない環境を好むユリと、日差しを好むユリとの二種類がいます。スカシユリは後者の方で、日差しを好むユリです。ですので、日差しのあたる場所で育てましょう。ただし、真夏の西日はスカシユリには強いので、避けてあげた方がより良いですね。
スカシユリへの追肥
スカシユリを植え付けたあと、芽が出てくるまでは肥料は追肥しません。芽が出てきたら、二か月に一回、緩効性の固形肥料をあげましょう。液体肥料を使う場合は2週間に1回ですが、手間を考えると緩効性肥料の方がおすすめですね。スカシユリは肥料をあげすぎると状態が悪くなるので注意です。
必要に応じて支柱を立てる
芽も出てしっかりと育ち始めたら、途端に大きくなっていきます。茎がぐんぐん伸びていきますので、倒れないように支柱を立ててあげましょう。ただし、スカシユリのすぐ近くに支柱を立てようとすると球根にあたってしまう可能性がありますので、少しだけ離れた場所に支柱を立てましょう。
スカシユリの育て方の注意点
夏は温度対策をする
スカシユリの育て方は難しくないのですが、注意点は暑さ対策をしてあげようということです。耐寒性が強いのが特徴のスカシユリですが、耐暑性は弱いので暑さから守ってあげる必要があります。画像のような敷きわらなどを使ってスカシユリ周辺の地肌を隠してあげると、球根付近の温度が上がりすぎません。
花ガラをとらないと弱ってしまう
最近、花ガラに美を感じる。末期かな。 pic.twitter.com/FNXcOiwQuO
— Nature Garden/神田亮(Ryo Kanda) (@kandakumaso) February 22, 2018
花がらとは咲き終わって枯れた花のこと。この花がらを放っておくと種子を作ってしまいます。種子を作ろうとしてしまうと栄養が球根に回らなくなってしまい、株が弱ってしまいます。ですので、花がらは摘んでしまいましょう。花がらを摘む際は、根本から切らずに小房まで摘みましょう。
肥料過多になると枯れてしまう
スカシユリの育て方の注意点として、多肥も挙げられます。すくすくと育てたいあまり、ガーデニング初心者はついつい肥料を沢山あげてしまうことがありますよね。でも、スカシユリにとって肥料が多すぎる状態は大変辛いものなんです。ですので、肥料は適切な量にとどめて、適切な育て方をしましょう。
スカシユリの増やし方
増やし方①分球繁殖がベター
次に、スカシユリの増やし方です。増やし方には様々な方法がありますが、スカシユリの増やし方で最もポピュラーなのが分球繁殖です。分球繁殖の増やし方は、球根が分球したのを分けるだけなので、一番簡単で単純な増やし方かもしれませんね。
増やし方②手で割っていく
増やし方は単純に、掘り起こした球根が分球していたら、手で割るだけです。割るほど増えるような感覚の増やし方ですね。とはいえ無駄に割る訳ではなく、分球していたら分球しいるところを割るだけです。一度に一つしか球根がつかない訳ではなく、沢山の球根がついたりしますので、増やし方を知るととても楽しくなりますよ。
増やし方③植え付け時期
増やし方とあわせて大事なのが、分球した球根の植え方です。分球した球根が小さければ、一年ほど待ってから植えるのが植え方としてはベター。逆に、大きい球根であればその年から植えても大丈夫です。植え方は通常と同じく深植えで、株と株はある程度離して植えましょう。
スカシユリの植え替え
数年に一度は植え替えを
次に、植え替えの方法です。植え替えとはその名の通り、植え替えることを指します。スカシユリの植え替え頻度は数年に一度くらいは行いたいところ。三年に一度くらい植え替えるつもりでいましょう。植え替える際は、土作りをまたする必要がありますが、数年に一度の植え替えですのであまり手間ではありませんね。
鉢植えなら毎年植え替えしてあげたい
鉢植えのスカシユリであれば、毎年植え替えしてあげましょう。植え替えをしないと病気になったり、様々な障害が発生しやすくなります。大切に育てていきたい場合は、育て方と同じように植え替えを大事にする必要がありますね。
植え替え時期は10月に
植え替え時期は10月に行いましょう。球根を初めて土に入れる時期と同じですね。この時期からスカシユリの一年のサイクルが始まり、6月頃に花を咲かせてピークを迎えるという流れになります。植え替えは一年の始まりのようなものと言えますので、気持ちよく行ってあげたいですね。
スカシユリの病気と害虫
梅雨期に発生する葉枯病
やっと咲いた鹿の子百合♪
— かずみーる (@kazumint53) August 12, 2016
白花の方は葉枯病らしく
開花が心配だったけど
ひとまず安心しました(^^) pic.twitter.com/S1KdZ4xxi0
スカシユリの育て方で注意したい病気の種類は、あまり多くはありません。唯一注意したい病気のが葉枯病(はがれびょう)です。その名の通り葉が枯れてしまう病気で、糸状菌(カビ)が原因で起こります。スカシユリの状態が悪かったり、また感染したりする際に起きることがありますので、一つ一つきちんと行っていきましょう。
アブラムシ
アブラムシには7人の子♪
— んげ美ちゃん (@cerana_apis) February 8, 2018
1人はノッポであとはチビ♪
みーんな仲良く暮らしてる♪
さあ踊りましょ♪
みぎまえあし♪
ひだりまえあし♪
みぎなかあし♪
ひだりなかあし♪
みぎうしろあし♪
ひだりうしろあし♪
あたま♪
おしり♪
まわってー♪
おーしまい! pic.twitter.com/MVg94bKuOD
スカシユリが受ける害の種類の中で分かりやすいのが、アブラムシによる虫害です。アブラムシはカメムシ目の虫で、植物に口針を指し、液体を吸ってしまいます。大量発生するとスカシユリが途端に弱ってしまいますので、アブラムシを見つけたら補殺しましょう。
スカシユリの花言葉
注目を浴びる
スカシユリの花言葉も紹介します。スカシユリには花言葉が二つあり、一つ目の花言葉が「注目を浴びる」です。スカシユリはユリの中でも珍しい上を向いた花。他のユリがうなだれて風に揺れているのに対し、注目を浴びるような姿をしているからついた花言葉のようですね。
飾らぬ美
次の花言葉は、「飾らぬ美」です。とても美しいスカシユリにピッタリの花言葉ですね。ただ、飾らぬ美という花言葉はついていても、素朴すぎる花という訳でもありませんよね。美しいオレンジ色をしていたり、斑点があったりもしますので、花言葉の意味とはちょっと違う姿を感じることもあるかもしれません。
ユリ全般の花言葉
スカシユリの花言葉自体は煌びやかなものでしたが、ユリ全般の花言葉は「純粋」「無垢」「威厳」です。とても美しく、誇り高い花なのですね。その中でも飾らぬ美を持ち、注目を浴びるのがスカシユリということになります。
まとめ~スカシユリの育て方~
今回の「スカシユリとは?花の特徴や時期に合わせた上手な育て方をご紹介!」はいかがでしたでしょうか? スカシユリの種類から、特徴、育て方や花言葉まで、様々なことをまとめさせて頂きました。スカシユリの特徴はやはり上向きのユリだということ。この特徴はユリ科の中では珍しいことなので、どこかで上を向いているユリを見かけた際には思い出して下さいね。また、育て方で注意なのはやはり温度。暑さに弱いので、夏の時期は気をつけましょう!
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今回はスカシユリの特徴や育て方についてまとめさせて頂きましたが、百合はスカシユリだけではありませんよね!暮らし~のでは他の種類のユリについてまとめた記事もありますので、是非下記の記事も見てみて下さい!
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