燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)とは?圧倒的破壊力の仕組みと効果を解説!のイメージ

燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)とは?圧倒的破壊力の仕組みと効果を解説!

燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)とは金属片を撒き散らさずに爆発の風圧で攻撃する爆弾です。燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)が爆発することによってどのような効果を発揮するのでしょうか? その仕組みや効果を解説していきます!

2018年10月16日更新

ysakura3928
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目次

  1. 燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)とは?
  2. 燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)の原理
  3. 燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)の威力!
  4. サーモバリック爆弾防御兵器とは?
  5. 燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)は日本にあるのか?
  6. 燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)のまとめ

燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)とは?

爆発の風圧と熱で攻撃する爆弾

燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)は通常の爆弾とは違って爆発によって金属片などを撒き散らすのではなく、搭載している液体燃料を気化させて周辺の酸素などを巻き込んで燃焼爆発する爆弾です。爆発によって発生しする風圧の衝撃波と熱などによって爆撃できる特殊な仕組みの爆弾です。

turbomilitaryさんの投稿
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どのようなときに使われたのか?

燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)はベトナム戦争で初めてアメリカが使用してから湾岸戦争やイラク戦争で使われました。BLU-96などの投下型からグレネードランチャーまで使えるものがあります。アメリカは人的威力についてはあまり考えずに、対象地域の対人地雷撤去に最適な方法として燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)を使用しているとされています。しかしアメリカ軍の燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)の使用頻度からして巻き込まれた兵士の数などは数え切れないでしょう。

出典: https://pixabay.com

貧者の核爆弾と呼ばれる威力

燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)の威力は核兵器に次ぐ威力と言われていて、その威力と爆破に使う燃料が土地を汚染することから一部の有識者の中で「貧者の核爆弾」などと呼ばれています。イラク戦争で使われた時にはその爆発はまるで核兵器のようで使われた側のイラク軍だけでなく、味方のイギリス特殊部隊「SAS」も核兵器のようだったと証言しているほどです。

燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)の原理

sarcastic_shebaさんの投稿
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燃料を気化することによって起こる大爆発

燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)の仕組みは搭載している液体燃料あるいは爆薬を気化させて点火します。気化した燃料や爆薬は数千倍に膨れ上がって爆発するので、通常の爆弾が爆発する範囲の数千倍の威力を発揮することになります。

BLEVE現象による拡散

燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)は酸化エチレン、酸化プロピレンなどの液体燃料を1次爆薬で加圧して沸騰させることでBLEVEという現象を起こして空中に散布します。BLEVE現象というのは煙が出るほどのフライパンに水滴を落とした時に水が爆発するように蒸発します。通常の蒸発と違って一気に熱が加わる事によって気化して拡散します。

液体燃料を気化させる

液体燃料の散布は1次爆薬が爆発することによって起こる位相の変化によって行われます。約秒速2000mの速度で散布されるので、爆弾がはるか上空から時速数百kmの速さで落とされている最中でも問題なく燃料を散布することができるのです。またこの燃料の散布は100mm秒にも満たない時間で行われます。

サーモバリック爆薬の登場

燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)は液体燃料を散布・気化することによって爆発を起こしていましたが、研究が進むことによって2002年頃から使われ始めた気化爆薬です。爆薬はハロゲン酸化剤、ホウ素、アルミニウム粉末、ケイ素粉末、マグネシウム粉末などが使われていて、正確には瞬間的に気化爆薬に合成される素材の塊となっています。

サーモバリック爆薬はどうして開発されたのか?

燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)の燃料などは非常に高い燃焼性を持っていたために運搬が大変困難でした。液体燃料と燃焼性の粉塵を混ぜた状態で保存して置くのは非常に不安定で、安定して運搬するのにも安定した密閉容器だと重量がかさむために運用が困難だったのです。サーモリック爆薬になることによって安定した運搬と小型化・軽量化が進みました。

サーモバリック爆薬の散布から爆発

サーモバリック爆薬が散布されると空気中には燃焼性の強いガスと粉塵が発生します。液体が気体化するときよりも個体が気化するときの方がはるかに膨張性が高くなるので、液体燃料よりも爆発の威力は上がっています。また爆薬自体に爆発する性質があるために酸素が不足している状態でも問題なく爆発することができます。

燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)の威力!

theatrainさんの投稿
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核兵器に次ぐ威力

燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)は通常の爆弾兵器に続いて核兵器に次ぐ威力があるとされています。TNTなどの有名な個体爆弾とは爆発の原理などが違うために正確な威力の比較はできませんが、爆発半径や建築物・人的被害を見ることにとって擬似的に比較することができます。

壁越しや乗り物の中でも

燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)の爆発によって起きる爆風や衝撃波による効果は人間によって非常に効果的な破壊をもたらします。人間は身体構造的に急激な圧力の変化に弱く、爆発によって起きる爆風の圧力によって建物の中や密閉されていない乗り物の中にいても被害を受けます。

爆風による破壊効果はどのようなものか?

爆風によって起こる効果として即死しない場合、衝撃波による圧力の変化で眼球、鼓膜、肺・内蔵等に大きなダメージを負います。これらを防ぐためには圧力変化のない気密された空間の中に居るしかありません。しかし、戦場においてこのように密閉された気密空間などほぼありえないので、兵士にとっては逃げられない恐ろしい爆弾となります。唯一の手段は爆心地から遠いことを祈るだけですね。

爆発で生き残っても……

運良く衝撃波による破壊を逃れられたとしても燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)の効果はまだ襲い掛かります。急激な気化と燃焼によって起きた爆発の後には燃料による酸素の欠乏と熱が襲いかかります。爆発によって肺が急性無気肺や肺充血などを起こしているところに酸素の少ないバランスの悪い空気、主に一炭化酸素が来ることで擬似的な酸欠と一炭化酸素中毒を起こすことで窒息死に至ります。

出典: https://pixabay.com

サーモバリック爆弾防御兵器とは?

高速爆発抑制剤散布装置

高速爆発抑制剤散布装置とは鉱山などの粉塵が舞う場所やガス爆発が起こり得る場所での爆発を防ぐために作られた自動消火装置の一種です。爆発による圧力変化を感知してガス爆発や粉塵爆発が完全に起こるまでの極わずかな時間で燃焼抑制をする重炭酸ナトリウムなどを散布します。これによって燃焼が抑制、または減少することによって被害を減らすことが可能となっています。

benkan_japanさんの投稿
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高速爆発抑制剤散布装置の軍用化

高速爆発抑制剤散布装置を軍用化することによって現在では防御不可能な燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)を無力化しようとする研究が進んでいます。もしもこの装置が完成したならば、燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)が投下されても爆発は軽減されて大きな被害を避けることができます。

実現はされるのか?

研究は進んでいますが元々鉱山などの固定された場所で使用される装置のため、広い戦場での使用はまだまだ実現には遠いでしょう。また解放された空間での安定した燃焼抑制剤の散布もまだまだ研究段階にあると言えます。

燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)は日本にあるのか?

用途的に必要のない兵器

よく日本の自衛隊は核を持てないために次に威力のある燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)を所持するべきだと意見が出ますが、それは非常に間違った意見です。そもそも燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)は戦争に使われている非常に攻撃的な爆弾で、専守防衛が主な日本の自衛隊には目的が合いません。

rider_jumpさんの投稿
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使用するものが有害指定物

燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)に使われている液体燃料は殺虫や殺菌で使われているような有害物で、日本では労働基準法施行規則別表第一の中度の有害物質に指定されています。これは土地にまかれるだけで汚染を引き起こすので、日本では核を連想することからよく思われまえん。

自衛隊が持つべきなのは

自衛隊が持つべきなのは燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)ではなく高速爆発抑制剤散布装置の方です。燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)は原理が解明されてから数十年たっていて小国でも開発・製造が可能になってきています。攻めに出れない分、日本は燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)に対処できる高速爆発抑制剤散布装置の実用化を急いでするべきだと考えられます!

燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)のまとめ

燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)については威力や原理など分かっていただけましたか? 恐ろしい威力を誇る燃料気化爆弾(サーモバリック爆弾)は現段階では防御不能の爆弾です。日本においては見かける機会はないと思われますが、原理などを知ることで粉塵爆発やガス爆発に対処できるかもしれませんね。

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