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新潟焼山の今の状況は?気になる噴火履歴や観光できる場所をご紹介?

新潟焼山(標高2400m)は新潟県西部にあって活火山です。今も時々噴煙があがり、入山規制が続いています。新潟焼山の麓、早川の清流は新潟の大地を潤し、おいしいお米の源となっています。新潟焼山の噴火の現況や、登山情報、周辺の観光ポイントなどをまとめてお伝えします。
2020年8月27日
mmkk9944
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新潟焼山の今の状況は?

新潟焼山の現在の噴火警戒レベルは1です。活火山であることに留意、となっています。最近1週間以内に発表した情報はありません。 現在の警戒事項などとして、気象庁地震火山部が下記のように発表しました、

 今後の火山活動の推移に引き続き注意してください。山頂から1km以内(想定火口内)では、地元自治体等により立入規制が実施されています。登山者等は地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。

平成23年3月31日 気象庁地震火山部発表の噴火警報・予報です。

 本日13時、新潟焼山に噴火警戒レベルを導入しました。  新潟焼山の火山活動状況及び警戒事項等については、これまでと変わりあ りません。  新潟焼山の噴火予報・警報は、噴火予報(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)とな ります。

上記の気象庁発表の情報の通り、新潟焼山の火山活動は、これまでと変わらず静穏の状況で、噴火の兆候は見られません。しかし、火口内等で噴気、火山ガスの噴出等が見られます。この範囲に入った場合には、生命に危険が及びます。火口内等での警戒が必要です。と付け加えられています。新潟焼山に登山で入る人達は、上記気象庁の火山噴火情報に留意すると同時に、地図上で規制された区域には入らないよう注意しましょう。

新潟焼山の火山噴火監視体制

概ね、過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山を活火山といいます。現在国内には111の活火山がありますが新潟県はこの新潟焼山(標高2400m)と近くの妙高山(2454m)が活火山です。 新潟焼山は、火山防災のために監視・観測の充実の必要がある火山として「火山噴火予知連絡会」に選定されています。この選定を受けて、傾斜計、空振計、GPS観測装置、遠望カメラなどの観測体制を整備し、火山活動を24時間体制で常時観測・監視しています。

ライブカメラでの監視体制もあり、新潟焼岳監視システムとして火打ち1号ダム観測局カメラ、焼山温泉観測局カメラが常時観測を行い、このライブカメラの映像はWEBカメラで誰でもいつでもWEB上で見ることができます。糸魚川市でも糸魚川方面からカメラを設置しており、焼山ライブカメラとして常時観測を行っています。

新潟焼山とはどんな山?焼山の基礎知識

新潟焼山は、新潟県にあり、妙高山、火打山と共に頸城三山(くびきさんざん)と呼ばれ、妙高戸隠連山国立公園の特別保護区、特別区域の指定を受けています。日本山岳会の日本三百名山の1つです。 新潟焼山の火山体は成層火山と呼ばれる安山岩などからなっており、山頂は溶岩ドームを形成しています。活動の歴史はかなり新しく、約3000年前に活動が始まった若い火山と言われています。現在2ヵ所の噴気口からガスを噴き出していて、火山活動ランクはBに位置づけられています。

噴火によって噴石などの被害が予想される範囲は、入山規制されている山頂から半径1km以内です。気象庁の噴火警戒レベルはいままで通り1のままです。 新潟焼山の麓には2軒の温泉宿があります。現在、宿泊や観光に問題ありませんので、安心してお出かけください。

新潟焼山の警戒レベルとは

新潟焼山の噴火警戒レベルとは、噴火時に危険な範囲や必要な防災対応をレベル1からレベル5まで5段階に区分して、火山周辺住民、観光客、登山者などのとるべき防災行動を示したものです。 レベル5:避難 レベル4:避難準備 レベル3:入山規制 レベル2:火口周辺規制 レベル1:活火山であることを留意

現在の噴火警戒レベルは1

これらは、気象庁の噴火警報で伝達されます。 現在、噴火警戒レベル1ですが、糸魚川市、妙高市、小谷村の地方自治体の地域防災計画等で定められた条例により半径1km以内の入山規制がひかれています。

新潟焼山は活火山 今後の見通しは

火山活動予測は難しい


新潟焼山が近い将来に大噴火の可能性があるのか、今のまま、大きな活動はないまま推移していくのか、今後の見通しはどうなのか、地域の人たちには切実な心配事です。しかしまだ火山の活動予測を正確に出すことは、最先端の気象科学をもってしても難しいようです。

専門家の話 まとめ

地震火山部門の専門家の話を少しまとめてみます。 〇半径1km以内の立ち入りが規制されているが、今後も厳重な注意が必要である。過去に何度も噴火している危険な山であることを認識してほしい。 〇気象庁は今後の火山活動の一環として地震が起きる可能性がある、としています。 〇今後5年間以内に大きな噴火が起きる可能性がある。と専門家が述べています。 〇熊本地震との関連性が疑われています。地図上でも日本列島を北上して中央構造線断層帯が熊本を通って新潟に続いているからです。この関連性で新潟焼山の変化が表れる可能性がある。と専門家は見ています。

新潟焼山の地震活動

2015年ころから噴煙はやや高く上がる傾向が認められ、2015年12月ごろから噴煙量も少なくなってきましたが、2016年秋以降、噴煙高度が下がってきています。火山性地震は少なく、地震活動は低調に推移しています。その後の微動は観測されていません。 2015年3月ころから火山性地震回数が増加しはじめ、2016年5月にはさらに地震回数が増加し、低周波地震も発生しましたが、その後火山性地震は減少し、2017年ごろからはさらに地震が少なくなってきて、火山活動の地殻変動は認められていません。

新潟焼山の過去の噴火履歴

新潟焼山の過去の噴火記録です。 ・887年(仁和3年):記録に残る最古の噴火 ・989年(永祚元年):噴火 ・1361年(康安元年):火山爆発により山頂部分に溶岩ドーム形成 ・1773年(安永2年):マグマが噴出したと推定される最新の噴火 ・1852年(嘉永5年):噴火により大量の硫黄が噴出 ・1949年、1962年、1963年、:小規模噴火 ・1974年(昭和49年):7月28日水蒸気爆発により泊岩付近にいた千葉大学の学生登山者3名が火山弾の直撃を受けて死亡。

・1983年、1987年、1989年、1998年:小規模噴火 ・2016年(平成26年):小規模噴火発生 山頂東側の噴気孔周辺で降灰を確認 2016年以来、噴煙は常時認められますが噴火は起きていません。(観測局カメラによる)

新潟焼山の位置関係は?

新潟焼山の位置(地図で確認要) ・えちごトキめき鉄道妙高はねうまライン関山駅の西17.1kmの位置 ・上信越自動車道妙高源ICの西北西15kmの位置 ・北陸自動車道糸魚川IC南東20.3kmの位置

上の写真は笹ヶ峰高原から見た新潟焼山です。笹ヶ峰高原は新潟県妙高市杉野沢にあり、笹ヶ峰一周遊歩道が設置されていて、途中明治35年開場の歴史ある笹ヶ峰牧場があります。この高原で標高1300mです。 広大な高原には巨大なハルニレの木や緑の草原、新潟焼山、妙高山の山並みが眺められる絶景ポイント、カメラポイントとなっています。 新潟焼山は、この笹ヶ峰から徒歩(登山)で約5~6時間かかる位置関係にあります。

新潟焼山の登山ルート

新潟焼山への登山ルートは4ルートあります。

笹倉温泉ルート(おすすめ)

〇笹倉温泉ルート:笹倉温泉第二ゲートー林道ー登山口ー展望台ー大曲ー大谷ー地獄谷ー坊坊抱岩ー富士見峠ー泊岩ー新潟焼山 コースタイム登り5時間40分下り4時間 標高差1600m

笹倉温泉駐車場より第一ゲート、第二ゲートを経て登山口まで1時間半から2時間ぐらいかかります。登山地図で確認してください。 ・登山口入口:砂利道が三叉路になっていて左に行きます。直進すると火打1号ダムに行きますので要注意。登山道はよく整備されていて、ボランティアの人たちの焼山に対する情熱が伝わってきます。


・登山口ー追分ー展望台:展望台から焼山の全貌が見られます。 ・大曲ー大谷:難所、ロープ場あり、落石注意。大谷の先は雪渓の谷になっています。ロープ場ありです。雪面が滑り易いので要注意です。 地獄谷:難所中の難所、大きな落石があったようです。また雪渓に入ります。

登山道の途中は高山植物がたくさん見られます。カメラポイントです。 ・抱抱岩(標高1850m):坊やを抱くような形に見える岩、地図上では坊坊抱岩と記載されています。 ・富士見分岐:泊岩、焼山山頂方面と金山、笹ヶ峰方面に分岐。 ・泊岩:自然の大岩の空間を使って、内部を木造にした避難小屋、現在使用できます。 ・森林限界:一挙に展望が開きます。地図を見てください。ここまで登山口から4時間のコースタイムです。

・焼山ドーム上部:最後の難所、クサリ場、ロープ場あり。ザレ場あり。 ・新潟焼山山頂:山頂から乙見湖、笹ヶ峰などが見渡せる。2400mの標識の隣に道祖信あり。周囲に硫黄の臭いが充満しています。噴出孔には近づかないようにしましょう。長くいることは危険です。

雨飾山から縦走ルート

〇雨飾山から縦走ルート:雨飾山ーシゲクラ尾根ー金山ー裏金山ー富士見峠ー泊岩ー新潟焼山

火打山から縦走ルート

〇火打山から縦走ルート:笹ヶ峰ー黒沢出合ー十二曲ー富士見平ー黒谷池ヒュッテー天狗の庭ー雷鳥平ー火打山ー影火打ー胴抜けー胴抜けキレットー焼山 登山地図で確認要ります。コースタイム登り12時間(途中1泊)、下り9時間30分

笹ヶ峰ルート

〇笹ヶ峰ルート:笹ヶ峰ー登山口ー杉野沢橋ー富士見峠ー焼山         コースタイム登り5時間下り4時間 登山地図必ず必要です。

新潟焼山の入山規制、登山注意事項、登山届

入山規制

〇入山規制:平成18年12月4日に入山規制が解除されましたが、平成28年3月2日、再び入山規制が実施されました。山頂から1km以内への立ち入りができません。(地図で確認してください) 登山者は、規制が解除されるまで入山は控えてください。

登山注意事項

〇登山注意事項:登山者は地元自治体の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。噴火レベルは1ですが状況により山頂火口内及び1部火口外に影響する程度の噴出の可能性があります。 平成29年12月下旬ころから噴煙が多くなっていることが確認されています。

登山届

〇登山届:新潟焼山の活火山地区(山頂から半径2km以内の地域)へ入山する登山者に対して登山届を提出することが義務化されています。必ず登山届の提出が必要です。 また、登山届を提出せず、さらに警告に従わない登山者に対しては罰則も定められています。 登山届提出先:新潟県防災企画課(025-281-1605)        糸魚川市交流観光課(025-552-1511)        妙高警察署地域課(0255-72-0110) (各登山ルート登山口に登山届用ポストが設置されています)

新潟焼山温泉

新潟焼山の観光、登山拠点、新潟焼山温泉があります。本格的な高級温泉旅館が2軒あります。


新潟焼山温泉清風館

〇新潟焼山温泉清風館:焼山の麓にあります。温泉泉質は含硫黄、ナトリウム炭酸水素塩化物塩泉でph7.5アルカリ性です。(問い合わせ:025-559-2011) アクセスーJR糸魚川駅から車で30分、北陸自動車道糸魚川IC、国道8号線上越方面40分 地図で要確認

笹倉温泉龍雲荘

地図上では清風館よりさらに上流側にある高級温泉旅館です。温泉は源泉かけ流しで泉質はナトリウム炭酸水素塩泉(重炭酸ナトリウム泉)です。(問い合わせ:0120-715-237) アクセスーJR糸魚川駅より定期バス40分      北陸自動車道糸魚川ICより国道8号線50分

新潟焼山周辺の観光ポイント 笹ヶ峰高原

笹ヶ峰高原:火打山、新潟焼山への登山口、登山拠点で、標高1300mに位置して広大な高原となっています。笹ヶ峰一周遊歩道があり、笹ヶ峰グリーンハウス、オートキャンプ場、笹ヶ峰キャンプ場などが点在し、トレッキングも楽しめます。地図で要確認です。 笹ヶ峰へのアクセスは、えちごトキめき鉄道妙高原駅から頸南バス笹ヶ峰行き50分(7月ー10月)、または 上信越自動車道妙高高原ICから県道39号線笹ヶ峰方面15km(40分)

新潟焼山と頸城三山を形成する山:火打山

火打山(標高2462m)は妙高山と同様、百名山に選ばれています。花の火打ちと言われるように高山植物の宝庫となっています。カメラマンが多い所です。木道の整備もされ、草花を痛めることなく鑑賞できます。新潟焼山、妙高山とこの火打山を合わせて頸城三山と言います。雷鳥も生息し、頂上からは、北アルプスをはじめ、富士山、南アルプス、日本海の佐渡島などの景観が楽しめます。笹ヶ峰登山口から山頂まで約5時間。山小屋は2軒あります。(高谷池ヒュッテ、黒沢池ヒュッテ)

新潟焼山と頸城三山を形成する山:妙高山

妙高山(標高2454m)は新潟焼山、火打山を合わせて頸城三山を形成しています。妙高山を中心とする妙高高原は一大リゾート地となっており、国立公園として、日本百名山としての魅力の他、赤倉温泉、池の平温泉、イモリ池、苗名滝、妙高温泉、関温泉、燕温泉、班尾高原、など多くの温泉、景勝地で構成されています。 妙高山は、活火山のランクCですが有史以来の活動記録はありません。ただ中央火口丘付近の南地獄谷では噴煙が上がり続けています。

まとめ

新潟焼山及び関連する山なども含めて各種の情報をまとめました。 新潟焼山は全国47ある常時観測火山の1つで、噴火レベル1でありながら、現在も厳重な監視体制が24時間行われています。今も山頂付近から噴煙が上がり、いつ噴火するのか分からない不気味な様相を呈しています。

いずれは登ってみたい山

過去の噴火では、この山の特徴として水蒸気爆発により噴火すると火砕流や泥流を発生しやすいという性質を示しています。専門家は一様に今後噴火の可能性の高い山として見ています。非常に危険な山であることを十分認識してほしい、と訴えています。 ただ、妙高高原と合わせて一大リゾート地の一角を成しているだけに、大きな噴火があれば、糸魚川市をはじめ、妙高市、およびその周辺地域に多大な影響を及ぼします。今は入山禁止となっていますが、早期に入山禁止解除になって、あの独特なドーム状の頂上に立ちたいと思う人は多いと思われます。