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ウバメガシとは?
”ブナ科””コナラ属”の常緑低木で、海岸などの風衝地に群生しています。ウバメガシは”姥目樫”と書きます。クヌギや樫の木の仲間で、潮風や排ガスにも強く丈夫なドングリの木の1つの種類です。小型の葉が密に茂り、小枝を沢山張り巡らせる特徴を生かして丸く刈りこんだり、”生垣”・”庭木”などしても利用され植えられることが多いです。また、備長炭の原料としても利用されています。
ウバメガシの特徴
葉が濃い緑色で、丸くて小さく、厚みがあるのが特徴です。縁にギザギザの付いた葉で、若葉の時には薄い褐色の柔らかい毛が生えていますが、しばらく経つとつるっとした硬さのある葉になるのが特徴です。
ウバメガシの花
ウバメガシの花が咲く時期は4月~5月で、雄花と雌花に分かれています。雄花には黄色い房状の小花が長く垂れ下がります。雌花は枝の先端に付く“雌雄同株”で“雌雄異花”が特徴の樹木です。
ウバメガシの実
秋になると堅い皮におおわれた可愛い実が出来ますが、いわゆる良くご存じのどんぐり(堅果)です。長さは2㎝くらいの底部がすぼまった楕円形で、先端の部分に短い毛が生えています。1年目はあまり成長すること無く小さなままで、2年目の秋にやっと大きく成長し成熟します。帽子の部分は浅めのお椀形で麟片が重なっています。
ウバメガシの育て方
ウバメガシは日当たりの良い所を好みます。暖かい気候を好みますので寒冷地での栽培には不向きです。植え付けの時期は3月~8月くらいまでで、しっかりと細かい根が張っている株を選んで植え付けて下さい。植え付ける土壌は堆肥や腐葉土を混ぜ込んだ栄養分に優れたものが最適です。根は乾かないうちに充分に気を付けて植え付けます。うまく根がつくと後はあまり手間もかからず、手入れも簡単で、育て方も難しくない樹木です。
ウバメガシの植え替え
地植え株では難しく枯れる原因にもなりかねませんので、事前に植え替える半年前位から時間をかけて“根回し”(根回しとは根を切って新しい根を生えさせることを言い、木の根元に出来るだけ多くの根毛を生えさせるように調整することです)をしておく必要があります。
ウバメガシの育て方基本概要
ウバメガシは成長が遅く、ゆっくり成長する木ですので、木の高さが20mを超す高木になるものもありますが、そこまで成長するのには何十年もかかりますので、ウバメガシを庭木や生垣に使うためには、低木の5mくらいまでのウバメガシを使います。枝が色々な方向に伸びるので、春と秋の年2回剪定をして形を整える手入れをして下さい。
ウバメガシの育て方《剪定》
ウバメガシを剪定する時期は、6月くらいから伸びた枝が形を乱す9月頃までが時期となります。冬の季節の11月~3月の時期は避けて下さい。1年2,3回剪定をすれば通年綺麗な姿を見る事が出来ます。ウバメガシは堅い木であることが特徴ですが、ウバメガシが徒長した場合、枝先が外へ広がり、木の内側に生えている枝葉が混み過ぎて、”病気”や”害虫”がつき枯れる原因になるので、枯れ枝になる前に枝の方向を見て早めに剪定をして手入れして下さい。
ウバメガシの育て方《剪定法》
生垣などに仕立てたウバメガシを、剪定をする前には木全体をよく見て観察して下さい。そして骨格となる枝を残して“枯れ枝””徒長枝“”逆さ枝“などを剪定し、剪定後にかすかに向こうが透けて見えるくらいにしておくと、日当たりや風通しも良くなり、樹木にも良い影響を与え、見た目も美しくなります。間引き剪定を終えた後仕上げとして樹冠を切りそろえて完了です。成長が遅いので他のカシ類に比べると手入れの回数は少なくて済みます。
ウバメガシの育て方《肥料》
根をいっぱいに張って水や肥料を吸収しますので、根が充分に伸びるスペースがある場合は、基本的には肥料は必要ありませんが、根が張れるスペースが限られている場合は、春の芽が出る時期と夏になる前の時期、秋の時期の3回くらい化成肥料を適宜与えて下さい。根が張っていない状態で肥料を与えると、根が傷み枯れる原因ともなりますので与え方には十分に気を付けて下さい。
ウバメガシの育て方《水やり》
地植えの場合は、ちゃんと根付いた状態では日照り続きで、乾燥が激しい場合以外は、水やりの必要はありません。もし鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら、下から水が流れ出てくるくらいたっぷりと与えて下さい。特に春から夏の間は、土の乾燥に気を付けて、水切れしないように手入れして下さい。
ウバメガシを生垣に
ウバメガシはとても強い品種で、強めの剪定や、潮風、大気汚染にも耐えられ、葉が細かくて堅いのでがっちりした生垣が作れます。アーチ状に誘引すれば素敵な西洋風庭園になります。あまり土壌を選ばずにお手入れも楽な樹木ですので初心者にも簡単に育てる事が出来ます。しかし、日当たりだけは良い所を好みます。
ウバメガシが枯れる?
ウバメガシが枯れる原因には、病気や害虫、そして根がうまく根付いていない場合などが考えられます。もしウバメガシの葉が枯れてきたら、“植え痛み”で細根が少なくなり、吸水が充分にできていないから枯れるのかもしれません。対策としては、新しい根が生えて土に根が定着するまでの間、地上部の枝葉を剪定して、葉の数を減らす方法が考えられます。
ウバメガシの病気・害虫
ウバメガシの病気・害虫には”てんぐ巣病”や”うどんこ病”・”マいマイガの幼虫”などが考えられます。手入れの際にこまめにチェックして下さい。
病気
★てんぐ巣病にかかった部分はこぶ状になり成長が非常に悪くなります。病気の原因は“カビ”や“ファイトプラズマ”という菌です。対策としては、こぶ状になった部分より幹の部分を切り取ります。その枝を焼却処分にして下さい。てんぐ巣病という病気の名前は、天狗の住家“天狗巣”の様だと言うことから名付けられました。 ★うどんこ病は葉や枝に着いた白い粉状のものがうどん粉のように見えるのでこの名前になりました。この粉はカビの一種です。もしこのカビが発生した場合は、カリグリーン水溶剤をおすすめします。
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害虫
★蛾の一種のマイマイガで特にウバメガシに着くのは幼虫です。4月頃に卵から孵化して幼虫が葉を食べ始めます。少ないうちは1匹ずつ駆除できますが、大量に発生した場合は、エトフエンプロックス乳剤(1000倍)という駆除剤が効き目があるようです。
ウバメガシの増やし方
ウバメガシの実であるドングリを植えて増やす事が出来ます。取ってすぐに植える場合は良いのですが、すぐに植えなくて翌春などに植える場合は、乾かさないように貯蔵して下さい。ウバメガシは成長が遅いので、生垣までにするには5年ほどかかり、庭木としたい場合は、20年~25年くらいかかります。
ウバメガシから備長炭
とても硬いウバメガシは備長炭の材料として良く知られていますが、紀伊半島にウバメガシが多かったことが、備長炭が和歌山の特産になった理由かもしれません。
ウバメガシを使った備長炭が出来るまで
ウバメガシは急斜面の岩場や山頂付近に生育するので、大変な労力をかけて原木を伐採することになります。伐採したウバメガシを乾燥させないように、一定の太さになるように割ったり、長さをそろえると言う“木づくり作業”をし、2~3日中には窯に入れて焼き始めます。乾燥してしまったウバメガシでは良い品質の備長炭にはならないのです。
ウバメガシのどんぐりは食べる事が出来るか?
どんぐりは食べる事が出来るのか?ですが、食べられるドングリはシイ類(“スタジイ”“ツブラジイ“”マテバジイ“)に限られます。他のどんぐり(ウバメガシなど)は灰汁が強く渋いし、タンニンの含有量が多く食べるのは難しいようです。また沢山食べるとお腹を壊してしまいます。しかし、“スタジイ”“ツブラジイ“”マテバジイ“などのシイ類の実は、どんぐりクッキーやどんぐりパンなどに利用したり、生や煎るだけでも食べる事が出来ます。
ウバメガシの実(どんぐり)を使ってリースに
秋になってどんぐりの実が出来ると、そのどんぐりの実を使って素朴で可愛らしいリースを作ってみるのも楽しいです。 ★どんぐりの実の処理をして下さい。どんぐりなど自然のものには、虫が中に入っている場合がありますので出てこないように処理をします。 ★処理法としては、密封出来る袋などに入れて、冷凍庫に1週間くらい入れておき、取り出したら後は乾燥させておきます。 ★もう1つの方法として、10分くらいお湯でゆでたり、200℃のオーブンで20分~30分焼いても大丈夫です。特に松ぼっくり等は崩れやすいので、オーブンがおすすめです。 ★下処理が終わった木の実を、木の枝などで作ったリースに、貴方のセンスで付けていって下さい。可愛いナチュラルリースの出来上がりです。
まとめ
日本や中国が原産のウバメガシは、潮風や大気汚染、乾燥にも強く耐火性も強い樹木です。関東地方以南で生育し、硬くてノコギリで切るのはちょっと苦労しそうですが、強めの剪定にも耐えますし、落ち葉も少なく常緑で病気も少なく手入れが簡単ですので、生垣として利用されるのもおすすめします。