検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

ヘダイとは?料理も釣りも楽しめるヘダイの生態と特徴をご紹介!

全国で釣れるヘダイ。知名度が低く華やかさにも欠けますが味は抜群!どんなレシピで調理してもタイやヒラメに匹敵する味わいを楽しませてくれるヘダイは無冠の帝王です。釣り味もよくポイントさえ押さえれば、初心者でも数釣りができる可能性が高いので、ぜひ狙ってみましょう!
2020年8月27日
漣子
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

ヘダイってどんな魚?

ヘダイは世界中の温帯に生息

ヘダイはタイの仲間で全長最大50センチほどになる魚です。平均的には40センチ程度で成魚となります。姿はマダイによく似ていますが、体色は銀色で、クロダイなどに近い色合いです。値段も安く庶民的な魚。しかしどんな食べ方をしてもおいしい無限のレシピがあるといっても過言ではない、万能魚です。成魚は、クロダイのように河口などの汽水域に寄って来ることは少なく、どちらかというと潮通しのよい沖合などに生息しています。国外でもアフリカやオーストラリア沿岸など、温帯の広い海域にも生息しています。

ヘダイは「平鯛」「兵鯛」

ヘダイは平たい姿をしていますので、漢字で「平鯛」と書きますが、九州などでは「兵鯛」と書く地方もあります。味の良い魚ですが定置網などでの混獲による漁獲が中心なので流通量が少なく、鮮魚店などでは不定期に見かける程度となります。養殖されていませんので、値段も時期によってまちまちです。

ヘダイ釣りのポイント

ヘダイは潮流が好き

ヘダイは比較的温暖な海域を好みますが、全国の海で釣ることができます。かつては西日本のほうに多く生息していると言われていましたが、近年は温暖化の影響で、北方でも漁獲高が増えていると言われています。 ヘダイが好む場所は、潮の流れが速い磯や浜です。潮があまり動かない内湾などよりも、波が打ち寄せるような突堤、磯、砂利の浜などがポイントとなります。底が砂泥だったり、干潮で干潟となるような場所では釣れません。

ヘダイは磯や防波堤、砂浜から狙える

ヘダイ釣りの好ポイントとしては、水道や海峡などが挙げられます。外洋に面した浜も良いポイントで、完全な砂浜よりも、玉石などが広がる海底のほうがよく釣れるようです。タナは潮や地形によって異なりますが、クロダイなどのように岸のすぐそばまで寄ってくるようなことは稀です。早い潮の流れが当たる玉石の浜や、干満で潮流の方向が明確に変化するような防波堤などは、有望なポイントである可能性が高いといえます。

ヘダイは値段の割りに大変美味

値段は安いがうまいヘダイ

漁獲量が少ないヘダイは流通量が少ないため、知名度がマダイやクロダイ、メジナなどに比べて低い魚です。このため地域によってはかなりお手頃な値段で売られていることもあり、スーパーなどでは定置網に入ったヘダイが驚くほど安い値段で並べられていることもあります。しかし味はマダイやクロダイにに全くひけをとりません。生息域によっては泥臭さが気になるクロダイや季節によって磯臭さが気になるメジナと違い、いつでもどんなレシピでもおいしく食べられる、最高の魚です。

ヘダイの旬

秋から春にかけてのヘダイは脂がのり、味は最高となります。レシピの幅も広く、刺身はもちろん、焼き物、煮物、蒸し物など、様々な料理で食べることができます。和洋中、どのレシピでも合うのがヘダイの特徴と言えるでしょう。旬は脂がのる初冬から初夏だと言われています。旬だからといって値段が高くなることもありません。旬ではない夏季も十分においしく食べられます。一年中おいしい魚と言えます。

ヘダイの釣り方


ヘダイは浮き釣りと投げ釣りがある

味に定評があるヘダイですが、ポイントさえ合えば釣るのはさほど難しくありません。ヘダイを狙う場合は、磯や防波堤など水深があるポイントの場合は浮き釣り、砂浜や水深が浅い波止場などでは投げ釣りが有利です。一定の水深がある場所がポイントとなりますので、ポイントが遠い場合に仕掛けを遠投できるようなタックルが必要となります。

ヘダイは群れていることが多い

ヘダイは群れで泳いでエサを探しているいることが多い魚です。一カ所にとどまって居着くというよりも、潮の流れに合わせて沿岸のやや沖合を移動していることが多いため、ヘダイの群れが来たときには連続してヒットします。その後、再び群れが来るまで、しばらく釣れなくなることがあります。ヘダイの回遊コースに仕掛けを投入し、群れに当たれば手返しを早くすることがコツ。群れめがけて仕掛け正確にキャストすることが、釣果のアップにつながります。

ヘダイの浮き釣り

ポイントが近い場合の浮き釣りの仕掛け

磯竿1~2号を使います。リールは小型~中型のスピニングリールで、道糸はナイロン2号程度。ハリスは1・5号程度を使います。針はチヌ針や海津などを用います。浮きは2~3Bの円錐ウキを使います。

ポイントが遠い場合の浮き釣り仕掛け

磯竿2号に中型スピニングリールを使います。道糸はナイロン2号程度、針はチヌ針3号程度を用います。遠投の場合は誘導式の大型のウキを使います。矢羽根がついた遠投用のウキが使いやすいです。

カゴ釣り仕掛け

オキアミなどを入れるカゴを付け、集魚効果を上げます。このため竿は4号、道糸やリールは、カゴに応じて1サイズ大きくします。潮流に乗せて沖に流しながら釣るため、沖合でも目立つ、浮力の ある大型のウキを使います。

ヘダイの浮き釣りのコツ

ヘダイの浮き釣りのコツは、沿岸に沿って回遊するヘダイの通り道にエサを流し、ヘダイとの遭遇のチャンスを増やすことです。具体的には、撒き餌の効果が最大限となるように潮上に仕掛けを投入し潮の流れとともに撒き餌と餌が流下していくようにキャストすることです。潮の流れが早くつけ餌が浮いてしまうような場合は、ガン玉を打ち調整します。潮上から潮下へうまく仕掛けが流せれば、群れの回遊をある程度とどめることも可能です。

ヘダイの投げ釣り

基本的な投げ釣りの仕掛け

5メートル前後の投げ竿に大型スピニングリールを使います。潮流に応じて重りは20~30号を選び、道糸は3~4号を巻きます。L型天秤の誘導式の仕掛けとし、ハリスは2号以下。仕掛けはチヌ針3号で、枝針を出しても良いです。

カゴ投げ釣り

ジェット天秤や誘導天秤のかわりに、カゴ釣り用のカゴを使います。オキアミなどをたっぷり詰め、着底とともに大きく竿をあおり、オキアミを水中で散らします。ヘダイの群れを寄せるとともに、釘付けにする仕掛けでもあります。サビキ用のカゴを使った胴付き仕掛けも有効です。


ヘダイの投げ釣りのコツ

浜からの釣りでは、ヘダイの沿岸に沿った回遊ルートに仕掛けを投入することが最大のコツです。回遊ルートは干満や海底地形の影響により沖合いになることもあれば波打ち際に近づくこともあります。腕前に応じ、三から五本の竿を使い仕掛けをそれぞれ距離を変えて投入し、回遊ルートを探ります。アタリがあれば、その竿の遠投距離に合わせ周辺に仕掛けを集中して投入します。まずは居場所を探り、群れを発見したあとに数を打って当てる、探索型の釣法が効果的です。

ヘダイ釣りのエサ

ヘダイの食性は場所によって異なる

マダイのオキアミの釣りが盛んな場所では、ヘダイはオキアミを好んで食べます。オキアミをエサにする場合は撒きエサとしては小さなもの、食わせエサとしてはLサイズを使うと良いでしょう。遠投の場合はボイルなどを用い、エサがちぎれるのを防ぎましょう。 虫エサもヘダイの好物です。イワイソメなどの高級な虫エサでなくとも、青ゴカイなどで十分に釣果が上がります。

ヘダイ釣りの外道

高級な外道がくることも

ヘダイ釣りでは思わぬ外道が来ることがあります。ヘダイは磯のメジナなどと違ってスレていないことが多いので、極端な細仕掛けにする必要はありません。カンパチなどの青物や、マダイの実績があるポイントでは、ある程度の大物 の外道も想定しましょう。 投げ釣りの場合も、コチやヒラメが掛かることがあります。ニベやイシモチが来る場合もありますし、クサフグなどのエサ取りに邪魔されることもありますので、仕掛けは大きめで構いません。

ヘダイの日本料理

食べ方①刺身が最上

脂ののったヘダイは刺し身でいただくのが最上。お値段以上の十分な価値があります。30センチ程度の魚が料理しやすく、さばき方は三枚おろしです。骨を避け、さくをとります。ヘダイは透明な美しい身をしており、癖がありません。脂ののった時期の刺身はとろりとしていて甘みがあります。

食べ方②焼き物

さばき方は、鱗を取り、ワタを出します。全体に塩を振り、尾びれや胸びれに十分に化粧塩をしてから、グリルで焼き上げます。

食べ方③蒸し物

さばき方は鱗を取りワタを出すだけ。身に切れ込みを入れて針ショウガを散らし、強火で10~20分蒸します。ネギを入れたポン酢でいただきます。

食べ方④煮付け

鱗とわたを取り、しょうゆ、みりん、酒で煮付けます。タマネギやごぼう、絹ごし豆腐などを一緒に煮付けてもおいしいです。


ヘダイの郷土料理

食べ方⑤ヘダイの冷や汁

さばき方は三枚おろし。焼いて身をほぐします。中骨は更に焼き、これで出汁をとります。ほぐした身にみそを加え、すり鉢で混ぜます。出汁を少量ずつ加えてのばし、ゴマやミョウガ、キュウリの薄切りなどを加えます。

食べ方⑥ヘダイのきらすまめし

さばき方は3枚おろしで、やや厚みのある刺身にし、しょうゆ につけ込みます。つけ込んだ刺身をおからにまぶし、アサツキを加え、かぼすや柚をたっぷりかけます。

ヘダイの中国料理、西洋料理

食べ方⑦空揚げ

さばき方はサイズに応じ、大きなものは三枚おろしにします。新鮮なものは160度の油で2分ほど揚げていったん取り出し、3分後にもう一度、180度の油で揚げます。ニンニクショウガで下味を付けても良いし、キノコなどを入れた甘酢あんなどをかけてもおいしくいただけます。

食べ方⑧ヘダイのベシャメルソース焼き

さばき方は二枚おろしで、さばいたあと塩、胡椒を振ります。耐熱皿に並べてからベシャメルソースを薄くかけ、チーズを載せてオーブンで焼きます。パセリやバジルを散らしても風味が上がります。

食べ方⑨ヘダイのフライ

ヘダイの切り身をフライにします。骨を取り除いた身に卵をつけパン粉をまぶして揚げるのが基本のレシピ。タルタルソースで食べると絶品です。ワイルドに骨ごとぶつ切りにし、ショウガやニンニク、カレー粉やタバスコ、胡椒でスパイシーな味付けをし、コーンスターチや小麦粉をまぶして揚げたものは、最強のレシピ。レモンや柚子を絞ってかけて食べます。ビールのつまみとしては申し分ありません。

ヘダイを知っていて損はない

知名度が低く、美しい銀色の魚体をしていながらもマダイのような華やかさもなく、地方によっては「葬式鯛」などと称されるヘダイ。釣り人の人気も低く、釣りの本で釣り方や仕掛けが載っていることもありません。料理本でレシピが掲載されていることもまれです。そんな地味な魚のヘダイですが、日本全国どこでも釣れるしさばき方さえ知っていれば、どんなレシピであろうとも最高の味わいを保障してくれる、コストパフォーマンスの高い魚といえます。次の休日、ヘダイを狙いに近場の海に出かけてみませんか?