浅草岳とは
浅草岳は、越後山脈にある標高1586mの第四紀火山です。新潟県の魚沼市と福島県の南会津郡只見町に挟まれています。また、浅草岳は、新潟県と福島県にまたがる山岳公園「越後三山只見国定公園」の一部にもなっています。江戸時代には、越後(現在の新潟県)と会津(現在の福島県)を結ぶ交易道として使われていました。 ただし、浅草岳が登山で人気を集めるようになったのは、昭和に入ってからのことです。昭和46年に当時の国鉄が只見線を開通し、昭和48年には六十里越の車道が完成したことで交通の便もよくなり、登山の利用者が増えたようですね。季節によっては、登山道でヒメサユリを楽しめるのも浅草岳の魅力の1つです。
浅草岳只見沢登山口からの登山コース【福島県側】
只見沢登山口へのアクセス
自動車を利用する場合は、国道252号線を只見方面から小出方面へと進みます。JR只見線の廃駅になった「田子倉駅」を過ぎて西側駐車場へ向かい、奥へ進めば登山口です。
只見沢ルート
只見沢登山口から浅草岳へのルートは、次の通りです。個人差はありますが、所要時間としては、片道で4~5時間程度みておくとよいでしょう。 只見沢登山口 ↓ 大久保沢 ↓ 剣ヶ峰 ↓ 浅草岳頂上
只見沢ルートの特徴
山はたいへん
— 鈴木澄雄 (@suzukims1) January 22, 2018
《各地の山へ》
南会津・浅草岳山頂から朝の光
1999.8.18(35mmポジ) pic.twitter.com/kMy7q1ir2V
只見沢ルートの登山口から大久保沢までは、なだらかな傾斜が続きます。ブナの森の中を進むと、登山口から1kmほどで幽ノ倉沢に到着です。それからしばらく進むと、最後の水補給場所となる大久保沢に到着します。その後歩を進めると、次のポイントは剣ヶ峰です。剣ヶ峰までの道のりでは、田子倉湖や浅草岳をの臨むことができます。 剣ヶ峰から浅草岳のの頂上までの間には、「鬼ヶ面眺め」と呼ばれる場所があります。この場所は、迫力のある鬼ヶ面山の大岩壁を楽しむことのできるスポットです。「鬼ヶ面眺め」を過ぎると、このルートの最大の難所である急なジグザグののぼりになります。この難所を過ぎれば、浅草岳から臨む美しい景色を満喫することができるでしょう。
浅草岳入叶津登山口からの登山コース【福島県側】
入叶津登山口へのアクセス
公共交通機関を使うと、JR只見駅からタクシー利用となります。自動車を利用する場合、国道252号線を会津若松方面に2~3kmほど進み、289号線と交差する地点で左折です。そこから道路沿いに約4kmほど進んだところの左側に駐車場があります。その駐車場付近が、入叶津登山口です。
入叶津ルート
入叶津登山口から浅草岳へのルートには、沼ノ平コースと平石山コースの2種類あります。山神の杉から2コースに分岐し、沼ノ平の合流点で合流です。ルートの主なポイント場所には、次のようなところがあります。頂上までの所要時間は、3~4時間程度といったところでしょう。 入叶津登山口 ↓ 山神の杉(ここで沼ノ平コースと平石山コースに分岐) ↓ 沼ノ平合流点 ↓ 避難小屋 ↓ 浅草岳頂上
入叶津ルートの特徴
登山口から山神の杉までは、比較的なだらかなつづら織りののぼりが続きます。沼ノ平ルートは、迷いやすいコースのようなので地図で確認しておきましょう。平石山コースは、山神の杉の分岐点を過ぎるとかなりの急こう配になります。ここが、入叶津ルートの難所とも言えるでしょう。 平石山コースを1時間程度登ると、沼ノ平ルートとの合流点につきます。そこから先は、比較的緩やかなのぼりが続くのが特徴です。田子倉コースは、眺めの良いスポットがありますが、こちらにはその点は望めません。ただ、ゆったりと登山を楽しむには良いコースだといえます。
浅草岳ネズモチ平登山口からの登山コース【新潟県側】
ネズモチ平登山口へのアクセス
ネズモチ平登山口へ公共交通機関を使っていく場合は、JR湯沢駅へ出て、JR上越線で小出駅から大白川駅下車約45分程度です。またはJR小出駅前から大白川本村下車(大白川線)約120分になります。大白川本村バス停からネズモチ平登山口までは、11.7kmほどです。 自家用車利用の場合は、東京方面からなら小出インターチェンジからR252で約1時間程度で登山口に着きます。新潟方面からなら、堀之内インターチェンジからR252で約1時間で登山口に到着です。
ネズモチ平ルート
ネズモチ平ルートは、もっとも最短で浅草岳まで登れるルートです。所要時間は、2時間~2時間半程度でのぼることができます。短時間でのぼることができるので、頂上まで一直線でのぼる感じのルートですね。 ネズモチ平登山口 ↓ 前岳 ↓ 浅草岳頂上
ネズモチ平ルートの特徴
ネズモチ平ルートの特徴は、登山口から急なのぼりが続きます。登り始めてから1,200m~1,300m付近が視界の開けるポイントです。前岳まで到着すると、跡は浅草岳頂上まであと少しの距離ですね。山頂からは、田子倉湖が一望できます。晴れている時なら、越後三山も見渡せる絶景ポイントです。6~7月には、ヒメサユリが頂上付近に咲いているのを楽しめます。
六十里越登山口ルートからの登山コース【新潟県側】
六十里越登山口へのアクセス
JR只見線「大白川駅」を利用する場合、駅から車で30分。徒歩なら200分ほどかかります。自家用車利用の場合は、関越自動車道小出インターチェンジから車で70分ほどです。国道252号の六十里越トンネル新潟県側出口付近に登山口があります。
六十里越登山口ルート
六十里越登山口からのコースは、所要時間4時間30~5時間程度かかるコースです。おもなポイント地点は、次の通りです。 六十里越登山口 ↓ 六十里越 ↓ 南岳 ↓ 鬼ヶ面山 ↓ 北岳 ↓ 貉沢(ムジナザワ)カッチ ↓ 前岳 ↓ 浅草岳頂上
六十里越登山ルートの特徴
登山口から南岳までは、比較的緩やかなのぼりです。南岳まで来ると眺望もよく、登山の醍醐味を感じることができます。6~7月頃には、このあたりからヒメサユリを見かけることが可能です。ヒメサユリの開花時期には、南岳から鬼ヶ面山、頂上付近までヒメサユリを楽しむことができるでしょう。鬼ヶ面山から北岳、貉沢カッチを過ぎて前岳まで行く道中は、結構アップダウンがあるのできついかもしれません。
浅草岳とバックカントリー
バックカントリーとは
バックカントリーとは、山などで人の通ったことのないような自然がそのまま残っているエリアのことをいいます。バックカントリーのエリアには、地図などで決められたルートとは違う楽しみがあるといえます。ただし、危険性を伴うことも忘れないでおきましょう。 また、スキーなどを楽しむ人たちにとっては、このような地域でのスキーやスノーボードを楽しむことを指す言葉として使われているようです。スキー場によっては、バックカントリー専用のコースを設けているところもあります。利用する場合に申し込む必要があるところもあるので、事前に確認しておくとよいでしょう。
浅草岳でバックカントリースキーを楽しむ
浅草岳は、7月でも雪が残るといわれるほどの場所です。3月頃でも充分にスキーを楽しむことができます。地図に載っていないルートを楽しむバックカントリースキーは、夏山とはまた違う楽しみ方ができますね。地図だけでは味わえない起伏にとんだ雪景色を満喫しながら、浅草岳を登っていけば自然が織りなす絵画のような美しい尾根が迎えてくれます。雄大なブナの林も美しい樹氷で、夏とは違う趣を見せてくれるでしょう。
まとめ
浅草岳は、夏でも涼しい山頂から望む絶景が最高です。6月頃には、ヒメサユリが美しく咲き乱れるのが人気になっていますね。福島県と新潟県にまたがる浅草岳は、福島県側からの登山ルートと新潟県側からの登山ルートを楽しむことが可能です。それぞれに特徴のある登山を楽しむことができ、自分にあったコースを見つけ出すのも楽しみの1つです。また浅草岳は、夏だけでなく、冬にもスキーやスノーボードを楽しむことができます。