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スズキSV1000Sのインプレ!スペック、燃費、乗り心地などを総まとめ!

スズキ「sv1000s」というバイクをご存知でしょうか?「リッターVツインスポーツ」という比較的ニッチなジャンルの中で、スズキの名車として知られるバイクです。今回はこの「sv1000s」魅力をさまざまなインプレをまとめて伝えていこうと思います。
2020年8月27日
松山 優輝
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スズキ「sv1000s」とは??

スズキが2003年に発売を開始した「sv1000s」というバイクがあります。スポーツバイク由来のエンジンを搭載しながらも、そのライダーにやさしいフレンドリーな乗り心地とスポーツバイクとしての高い運動性能を両立させ、さまざまなライダーを満足させることのできる高いレベルのバイクに仕上がっているといわれるこの「sv1000s」とは??その秘密を紐解いていきましょう。

スズキの「リッターVツインスポーツ」の完成系

「リッターVツインスポーツ」というバイクジャンルがあります。かつて「スーパーバイク選手権」と呼ばれる市販車ベースのマシンで争われるバイクレースに、各メーカーがこの選手権に出場を見越して当時ルール上有利といわれていた「Vツインエンジン」を搭載したスポーツバイクをこぞって開発していた時期がありました。その当時スズキは「TL1000s」というバイクを開発し各メーカーとの開発競争に精を尽くしました。今回紹介する「sv1000s」は、このTL1000sの正当な後継機として開発されました。

出典: https://www.motorcyclenews.com/bike-reviews/suzuki/sv1000/2003/

先代の「TL1000s」がスパルタンな乗り味といわれていたのに対し「sv1000s」は乗りやすさ、どんなレベルのライダーでも許容し満足させるその懐の広さが特徴といわれます。

スズキ「sv1000s」の基本スペック紹介!

スズキ「sv1000s」の車体スペック

スズキ「sv1000s」はVツインエンジンだからこそ出来るコンパクトな車体が特徴です。スペックの数値の所元だけでみると大型バイクであることを忘れてしまいそうになります。車体の全長、全高、全幅は2085mm 、 1170mm 、 745mmと、少し大きめな中型バイクか600ccクラスのバイク並です。さらに車重も乾燥で187kgと、こちらもほかの大型バイクと比べると明らかに軽い車重です。取り回しに関してはほかの大型バイクに比べ気負わずにこなせるのではないでしょうか??

スズキ「sv1000s」のエンジンスペック

スズキ「sv1000s」に搭載されるエンジンは、水冷4サイクルV型二気筒DOHC4バルブと、先代TL1000sに由来するエンジンです。馬力は国内仕様は94psと控えめですが、輸出仕様となると120psと、他メーカーのリッターVツインバイクと顕色ない数字となります。最大トルクは9.2kg /7200rpm、燃費は29km/Lです。数値だけでいうと他にもパワーのあるエンジンを積むリッターバイクはありますが、低速寄りにもセッティングされている扱いやすさ、実用的な燃費、その気になれば鋭いダッシュをするそのトルクなど、オールラウンダーな印象のエンジンです。

スズキ「sv1000s」に搭載されている「Vツインエンジン」の特徴

そもそも「Vツインエンジン」とはどんなエンジンなのでしょうか??スズキのsv1000sのほかには、ホンダのVTR1000fやドゥカティのスーパーバイク、少しタイプは違いますが、ハーレーダビッドソンのエンジンもVツインエンジンです。どのような特徴を持つエンジンなのかを紹介します。


Vツインエンジンの特徴

出典: https://www.sportrider.com/suzuki-sv1000#page-4

Vツインエンジンとは、エンジンのシリンダーが前後に「V字型」に配置され、クランクシャフトを共有しているエンジンのことです。そのVの字を描くシリンダー開き角度によって、パワー特性やエンジンの振動などが違ってくるのが大きな特徴です。ちなみにsv1000sはシリンダー角が90°に設定されていますが、この角度が90°に設定されているエンジンは、前後のシリンダーが発生させる振動を打ち消しあい実質ゼロにできるという特徴があります。ゆえにこのシリンダー角はスポーツタイプのバイクに採用されることが多いです。

Vツインエンジン搭載のメリット

出典: https://www.sportrider.com/suzuki-sv1000

Vツインエンジンの強みは、低回転より強力なトルクを発生させることのできる出力特性やそのトラクション性能ゆえのタイヤのグリップの失いにくさによる脱出加速の速さです。さらに、Vツインエンジンは構造上左右の幅が小さくスリムなため、それを搭載するバイクもスリムに作ることが出来ます。また、気筒数が2つなため、ほかのマルチシリンダーエンジンより燃費に優れるといったメリットがあります。

スズキ「sv1000s」ポジションインプレ

楽すぎず、攻めすぎず

まずシート高は810mmとライダーの身長が170中盤くらいあればしっかりとかかとまで接地するシート高です。ですが、Vツインエンジンの特徴で比較的バイクの重心が高めで、バイクの車重は比較的軽めでも少し倒しただけでズシッと車重が乗っかってきます。ハンドル位置に関してはセパレートハンドルなのでレーシーできつめな印象を受けますが、マウント位置がそこまで低くなくスーパースポーツ程のキツさではないようです。ですが、やはりセパハン、ツーリングのような長距離走行になると腰がつらくなったりという声もあるようです。

Vツインエンジンゆえのスリムな車体!

sv1000sは、Vツインエンジンゆえのスリムな車体が特徴です。なので、跨った時にそのスリムな車体は、小柄な日本人でも満足できる自然な一体感を感じることが出来ます。絞り込まれたタンクはニーグリップがしやすく、座った時に自然に下半身に収まります。車重の軽さも相まって少し頑張れば女性ライダーでも扱えるのではないでしょうか??

スズキ「sv1000s」走行インプレ

Vツインエンジンの独特な乗り心地

Vツインエンジンのシリンダー角が90°に設定されているとはいえ、ツインエンジンゆえの独特な鼓動感は低回転よりしっかりと味わうことが出来ます。おすすめの乗り方は3000回転より下の回転域でのクルージングで、シリンダーの発するパルスを感じながらツインエンジン独特の乗り心地を楽しむことが出来ます。エンジン自体は低速トルクに富んでいるので、低い回転数をキープしながらもいざとなればしっかりと加速していきます。


ひとたびアクセルを回せば鋭いダッシュ!!

車重の軽さも相まって、そのエンジンはひとたびアクセルをあおればリッターバイクらしい迫力のある加速をします。パワー特性はフラットな味付けで、回転数が上がるほど加速していくような盛り上がりはありませんが、どんな回転数からでもドンっと押し出されるような加速をします。ラフなアクセルワークをするとあっという間にフロントタイヤが地面を離れてしまうでしょう。ちなみに、輸出仕様120馬力ののスペックを誇るsv1000sの最高速は、およそ260km/hとのことです。

スズキ「sv1000s」コーナリングインプレ

スリムで軽量な車体でコーナリングもヒラヒラ!

スズキ「sv1000s」は、その持ち味スリムな車体と中型バイク並の軽量な車重で、リッターバイクとしてはかなり身軽にコーナリングが出来るバイクと言えます。ブレーキングも車重の恩得か素直な特性なので、スポーツ走行においては思い切ってコーナーに侵入することが出来るようです。ただし、街乗り程度の曲がり角ではVツイン特有のエンジンブレーキの強さ、低速でのギクシャク感が働き、慣れていない人は少しやりにくさを感じるかもしれません。

サーキット走行になると・・・

sv1000sは街乗りの乗り心地を意識して足回りのセッティングがなされているようで、サーキットのような高速走行域になるとサスペンションの弱さを感じることがあるようです。もしサーキットにおいて満足のいくコーナリングをしたいのであれば、ブレーキ周りはもちろん、足回りもそれ相応にチューニングしたほうが安心感のあるコーナリングが出来るでしょう。

スズキ「sv1000s」の気になる燃費は??

比較的良好な燃費!

sv1000sは、二気筒エンジンなことや吸気がインジェクションを採用しているだけあって燃費は比較的良好な数値です。低回転でドコドコと燃費にやさしい運転でも豊富な低速トルクによって楽しく運転することが出来るでしょう。ガソリンの指定は、国内仕様ならレギュラーガソリンでも走るようですが、逆車、特にその地域のガソリンのオクタン価が高い欧州のほうの地域の輸出車は、ハイオクを入れておいたほうがいいようです。

エンジンを回しても燃費が落ちにくい!

さらにsv1000sの燃費は、とはいっても気筒数が少ないエンジンの特徴ともいえるのですが、エンジンの回転数を回し気味に運転しても燃費が落ちにくいという特徴があります。とはいっても、大排気量なエンジンなので回し気味にして運転しても特にこれといったメリットはありませんが・・・。低回転での乗り心地のほうが気持ちのいい満足のできる走りが出来そうです。燃費にも優しい運転ですしね。

スズキ「sv1000s」の前モデル「TL1000s」とは??

前述しました通り、スズキ「sv1000s」にはその開発の元となった先代モデルがいるのです。さかのぼること1998年にスズキが初めてリッタークラスにVツインスポーツをラインナップしました、「TL1000s」というバイクがそれです。さて、前身に当たるTL1000sとはどんなバイクだったのでしょうか??

超ハードな乗り心地!スパルタンなバイク


TL1000sはsvと違いスパルタンで乗り手を選ぶ乗り心地で定評がありました。それは完全にサーキット、レースユースを見越して開発されたことにわけがあるでしょう。初期型は特に、軽いフライホイールを装着しているがゆえのエンストしやすい低回転域にそれに反して暴力的な加速をする高回転域とカリカリチューンなスペックのエンジンに、サーキットを見越した超ハードなセッティングのサスペンションなど、sv1000sとは全く違う方向性のバイクでした。

ホモロゲーションモデルのTL1000r

TL1000sが搭乗した何年後には、スーパーバイク選手権の出場資格を取るためのホモロゲーションモデル、「TL1000r」が登場しました。このバイクは、エンジンが比較的熟成が進んでいることもあり、前モデルのTL1000sよりも乗りやすいエンジン特性だったようです。一般ユーザーのインプレにはこちらの方が公道の走りでも満足できるバイクだったという話も多いようで、「s」と「r」のどちらがサーキットユースのバイクなのか分からなくなってしまいそうです。

スズキ「sv1000s」のVツインエンジンは名エンジン??

後年になっても生き残っていたエンジン

2018年現在、スズキ「sv1000s」はラインナップにはもうありませんが、そのツインエンジンだけは他の車種に搭載されて生き続けているのです。後年まで残るエンジンとなると、さまざまなライダーが満足できるような高いレベルのスペックを持つエンジンでないとそう簡単に継がれてゆくものではありません。事実ほかのサイトでインプレッションを見てもsv1000sはポジティブなインプレが多く、優れた乗り心地を提供できるエンジンであることがわかります。

svエンジン搭載車種紹介

出典: https://www.motorcyclistonline.com/2018-suzuki-v-strom-1000-and-1000xt-first-look-review

この「V-ストローム1000」こそが、今現在もラインナップされているスズキのsvエンジン搭載車なのですが、なんとその登場はsv1000sの登場する一年前というスズキのロングセラーバイクなのです。乗りやすいエンジン特性がライダーの心をつかんだ、スズキの名車ともいえる一台です。

出典: http://databikes.com/infophoto/bimota/sb_8_r-2001.html

「バイクの宝石」とも呼ばれるイタリアのBIMOTAからは、svの前身、TL1000rのエンジンを積んだ「SB8」がラインナップされていました。こちらは、かのスーパーバイク選手権で優勝を飾ったこともあるほどの活躍をしています。

スズキ「sv1000s」の総まとめ

如何でしたでしょうか??スズキのVツインバイクは今もラインナップにあるように、優れた完成度を誇るバイクであるといえるでしょう。この「sv1000s」に関しては、時にはトコトコとマイペースに、時にはアクセルを開けてスポーティにと、すべてにおいてレベルの高いライディングが出来るオールラウンダーなバイクです。2018年現在のsv1000sは中古市場においてももともと新車価格も安かったバイクなだけあって、お手ごろな価格で安定しています。大型バイクで悩んでいるバイカーは、この「sv1000s」であれば五体満足なバイクライフが送れるかもしれませんよ。