インディペンデント重戦車特集!多砲塔戦車の設計から特徴まで徹底解説!のイメージ

インディペンデント重戦車特集!多砲塔戦車の設計から特徴まで徹底解説!

世界初の多砲塔戦車であるインディペンデント重戦車は初登場時から世界各国の戦車開発に大きな影響を与えました。現代ではインディペンデント重戦車と同様形式を持つ戦車は存在しませんが、この車両が与えた影響をご紹介していきたいと思います。

2018年02月11日更新

E.麻野
E.麻野
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目次

  1. A1E1 インディペンデント重戦車とは
  2. インディペンデント重戦車は試作品
  3. インディペンデント重戦車が与えた影響
  4. インディペンデント重戦車の特徴と弱点
  5. 多砲塔戦車に対する逸話
  6. まとめ

A1E1 インディペンデント重戦車とは

A1E1 インディペンデント重戦車は最初の戦車を開発したイギリスが第一次世界大戦と第二次世界大戦との戦間期と呼ばれる期間である1925年に開発・試作した多砲塔戦車です。 原型にはシュナイダー突撃戦車やFT-17などフランス戦車の影響を多く受けているとも言われていますが、このインディペンデント重戦車の登場により世界各国の設計者がこぞって多砲塔戦車を設計・開発するようになりました。

just_tanksさんの投稿
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画像はイギリスのボービントン戦車博物館で保存されているA1E1 インディペンデント重戦車

インディペンデント重戦車は試作品

インディペンデント重戦車は現代の戦車とは大きく形が異なっています。それはなぜかというと、あくまでも試作された車両であり、そのあとの主力となりえなかったからです。 現在でこそ戦車は陸上兵器の王者として君臨していますが、当時はあくまでも歩兵が主役であったため歩兵を支援するために砲塔を増やし、機関銃を四方へと向けることが出来るこの形は一種のブレイクスルーとして扱われました。

just_tanksさんの投稿
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後ろからみたインディペンデント重戦車です。後方にも機関銃用の砲塔が存在しており、全周囲の歩兵に対する攻撃力が非常に高い兵器でした。 また、33トンの重量を370馬力の空冷12気筒ガソリンエンジンによって動かすことにより最高時速32km/hという当時の戦車としても、この重量の戦車としてもかなり高い機動性を確保していました。

A1E1の由来

インディペンデント重戦車につくA1E1とは、当時のイギリス陸軍の参謀制式番号として戦車はAの番号が割り振られていました。A(戦車)の1番目の機種でA1そして、試作実験機であることから実験を表すExperimentの文字をとってE1としました。 これら二つを合わせA1E1という制式番号が付与されたのです。

cu_manabさんの投稿
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機動戦士ガンダム0080に登場するズゴックEもExperimentの番号が与えられた機体で、こうした実験機に対しEやアメリカのように未定数を表すXやYという記号はよく割り振られます。

インディペンデント重戦車開発の結果は?

インディペンデント重戦車の開発結果は資金不足による開発中止に終わっています。ですが、世界各国に与えた影響はかなり大きなものがありました。

インディペンデント重戦車が与えた影響

第一次世界大戦に開発された戦車ですが、現代のように戦車同士の戦闘を考慮していない運用思想がメインでした。ドイツ第三帝国が戦車の集中運用による「電撃戦」を用い、その形態を大きく変化させていきます。 ですが、当時は歩兵を支援するための兵器としての運用を想定していたため各国はインディペンデント重戦車が登場したあとこぞって多砲塔戦車の開発に乗り出していきます。

巡航戦車Mk.1

_.tanks._さんの投稿
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イギリスの多砲塔戦車として開発され第二次世界大戦初期に投入されました重量はインディペンデント重戦車よりはるかに軽い13トンとなり大きさも縮小され軽量化されました。空冷6気筒の150馬力ガソリンエンジンを搭載しており、エンジン性能も含めかなりダウンスケールされた車両となります。

T-35

reachforthesky_igさんの投稿
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ソヴィエト連邦で開発された5砲塔型の多砲塔戦車で、このタイプでは唯一量産されたモデルとなります。ソヴィエト連邦側がイギリスに対してインディペンデント重戦車の購入を希望したのですが、断られたためやむを得ず自主開発した戦車です。 共産主義国家ということもあり、他国が世界恐慌の影響を受け資金難により開発を中止していく中影響を受けず開発満了した珍しい機種でもあります。

インディペンデント重戦車の特徴と弱点

開発中止の憂き目にあってしまったインディペンデント重戦車ですが、戦車黎明期に開発されたこの車両には多くの弱点と特徴がありました。その設計思想も踏まえて解説していきたいと思います。

それまでの戦車

otakon_1011さんの投稿
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世界初の戦車といわれるイギリスのひし形戦車に代表される第一次世界大戦型の戦車は現代の戦車のように上部に砲塔を持たず、側面砲を備え、兵器を指向できる向きが決まっていました。 この状態では機関銃や砲を向けることが出来ない方向から敵兵が現れた場合に対処することが難しかったのです。

history.of.tanksさんの投稿
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そこでフランスが開発したのがルノーFT-17軽戦車です。全周囲に向けることができる砲塔を持った戦車で、現代のせんしゃの基本形がこちらになります。製造したルノーは現代でも自動車や自転車メーカーとして有名ですね。 ちなみにこのFT-17は日本にも輸入されています。

多砲塔戦車の登場

前述のルノーFT-17は砲塔が単一だったために、機関銃と砲は砲塔が向いている砲にしか攻撃ができませんでした。 また、軽戦車の名の通り非常に小さく乗員も2名しかいなかったので砲と機関銃が同時に使えないといった欠点もありました。 そこで、砲塔の数をふやし取り扱う乗員数を増やすという思想の元開発されたのがインディペンデント重戦車でした。 歩兵を支援するために多くの機関銃を多方向に向けることが出来るというのはかなり有利だったために各国の注目を浴びたんですね。

多砲塔戦車の弱点

megumi_smileさんの投稿
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画像はいいことを言っていますが、実際にインディペンデント重戦車をはじめとした多砲塔戦車にとってはかなり致命的な弱点がいくつかありました。 まず、最大の弱点は設計・開発や製造に莫大なコストがかかることです。

hinaaaa_0126さんの投稿
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他には多砲塔という特性は重量が増加しやすいため装甲を厚くできません。そのため、砲に対する脆弱性も兼ね備えていました。同じ厚さの装甲だったとしても、リベットなどの継ぎ目に命中すると貫通してしまいます。 また、インディペンデント重戦車では搭載したエンジンも問題でした。燃料がガソリンであったため、ガソリンの特性である揮発性が高く引火点が低いという特徴から簡単に車両が炎上するようになっていたのです。

renewstimesさんの投稿
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多砲塔戦車に対する逸話

インディペンデント重戦車から始まった多砲塔戦車ですが、これを最も数多く開発生産したのは実はイギリスではなくソヴィエト連邦でした。ですが、前述のように多額のコストがかかっている割には装甲の脆弱性や走破性などが悪く思ったように性能を発揮しなかったのです。

campanarbolさんの投稿
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当時のソヴィエト連邦最高指導者のヨシフ・スターリンがこれらの惨状を見て、こう言い放ちました。 「君たちは戦車の上に百貨店でも作る気かね?」 この発言以後、他砲塔戦車開発は全世界的に終息を迎えるようになったのです。

実は日本も開発していた

実は日本でもオイ車と呼ばれる多砲塔でなおかつ重戦車というインディペンデント重戦車と同様のコンセプトの車両が開発されていました。その画像がこちら↓

shimousasougouさんの投稿
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1941年より開発が開始され、試作車両も作られていますが、当初の計画では100トンもしくは120トンの車両であったため走行試験で良好な結果が得られず、戦局の悪化と友の開発中止となってしまいました。 ですが、この車両が実戦に投入されたとしても当時としては多砲塔戦車は時代遅れとなっていたためどこまで対抗できたかはわかりません。

まとめ

インディペンデント重戦車は世界初の多砲塔戦車

インディペンデント重戦車には当時の最新鋭の技術と設計思想が盛り込まれていました。残念ながら開発は中止となってしまいましたが、もしそのまま開発継続されていた場合現代の戦車事情は大きく異なっていたかもしれません。

just_tanksさんの投稿
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世界中が模倣した

当時の世界の戦車運用思想を考慮すると、かなり有力な兵器であったことは事実です。世界各国が競うようにインディペンデント重戦車と同様の多砲塔戦車を開発したことがその証明で、戦車史上に大きく名を残したことは事実です。

弱点が多く、戦車の主流となれなかった

世界各国に影響を与えたデザインではありますが、製造コストが高かったり装甲が脆弱であったりと問題点も多々ありました。開発された時期の直後に世界恐慌が起こったことも、主流となれなかった原因の一つです。

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