検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

大森貴洋の軌跡に迫る!バスマスタークラシックを制した男とは一体?!

アメリカのバスフィッシング最高峰のB.A.S.S.エリートで戦い続ける男、大森貴洋。2004年にバスマスタークラシックを制し、6度のレギュラー戦優勝。質実剛健なタックルを生み出し、今なお日本人トーナメンターとして戦い続ける大森貴洋の軌跡に迫ります!
更新: 2022年4月15日
虎の子
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

この記事で紹介しているアイテム

ダイワ 16 ジリオンSV TW 1016SV XXH

タトゥーラ エリート クランクベイト ロッド 大森 貴洋

タトゥーラ エリート ピッチン ロッド 大森 貴洋

世界チャンピオンになった唯一の日本人選手

T.O.とは?

皆さんは『大森貴洋(おおもり・たかひろ 1970年9月4日生)』というプロのバスアングラーをご存じでしょうか?

25年以上前、日本のバスフィッシングがまだ黎明期だった頃に渡米。アメリカのバスフィッシングトーナメントを転戦し、現在も世界最高峰のバスフィッシングトーナメント“B.A.S.S.エリート”に参戦し続ける偉大なアングラーです。彼の地より敬意を込めて、イニシャルを取り彼は『T.O.』とも呼ばれています。

大森貴洋、数々の華々しい戦歴

2016年までに、大森プロはB.A.S.S.の試合を6勝、バスマスタークラシックを1勝。さらにFLWツアーでも1勝をあげています。

1996 B.A.S.S. ミズーリ州インビテーショナル・オザークレイク戦優勝 2001 B.A.S.S .テキサス州インビテーショナル・サムレイバン戦優勝 2001 FLW Tour, レイクマーティン戦優勝 2004 Bassmaster Classic レイクワイリー戦優勝 2005 Bassmaster Tour レイクトホ戦優勝  2005 B.A.S.S. Open レイクノーフォーク戦優勝 2016 Bassmaster Elite ウィーラーレイク戦優勝 2005年までのB.A.S.S.はまだ『エリートシリーズ』というカテゴリーではありませんでした。バスマスターツアーなどというのはその前身ですね。

大森貴洋、2004年バスマスタークラシック制覇!

何年もアメリカでトーナメント活動を続け、そして来たる2004年。ついにその時は訪れました。1日目は首位で通過したものの、2日目にディーン・ロハス選手に逆転を許してしまいます。しかしクラシック最終日、ラスト45分。2尾しか釣れておらず、リミットの5尾にはほど遠い状況。そこで大森貴洋プロは奇跡を起こします。

“I knew it!”

“I Knew it!(やっぱりな!)” 大森プロはなんと、ここから怒濤のラッシュ!クランクベイトをカバーに通し、短時間でものの見事に3本のキッカーフィッシュをキャッチします。 バスマスタークラシックのウェイインショーでは勝利を得た瞬間膝をつき、世界一のアングラーとなったのです。

タックルを替え、クランクベイトを選んだ理由とは

大森プロはその後、とある日本人の「どうしてカバーなのにスピナーベイトではなくクランクベイトを使ったのか」という問いにこう答えています。

大森:もちろんスピナーベイトはよく使いますし、根ガカリしにくいメリットがありますけど、あのルアーは魚を釣るスピードがスゴく速いんです。多くのアングラーが一斉に使うと、バスがスレてしまう。クランクベイトは同じリアクション系でも、スレにくいんです。試合で使ったルアーは浮力が強くて、ストラクチャーに当たっても浮力で回避してくれるし、止めると浮かんできてカバーをクリアーしてくれる。特にそのクランクベイトには四角いリップがついていて、この形状はカバーにコンタクトしたときヒラを打つので根ガカりにくくなっている。どのクランクベイトというわけじゃなくて、こんな機能を持ったルアーならカバーの中でも使えます。だから、スピナーベイトでスレて釣れなくなった魚をクランクベイトで釣るという考えで実践でも使いました。

このときのクランクベイトはバグリーのバルサB2。言わずと知れた、名作カバークランクです。 土壇場でも決して投げやりにならず、明らかに狙って獲ったルアーチョイスだということになります。それが奇跡を呼び起こしたのでしょう。

大森貴洋はバスフィッシング界のイチロー!

お金を貯め21歳で渡米

大森プロは、学生時代からすでに本場のバスフィッシングに魅せられ、そこで勝ちたいという夢を思い描いていました。日本でアルバイトをしながら、河口湖などで日々バス釣りの毎日…黙々と練習に励む姿は、質実剛健な氏の性格から想像することができます。

現在では大物選手と肩を並べるほどのベテランに

B.A.S.S.エリートには、数々の天才、大物選手が在籍しています。B.A.S.S.で6勝をあげた大森プロはもはや、彼らと肩を並べたと言っても過言ではありません。 ダイワと契約を交わし、ジリオンなどのリール、タトゥーラエリートといったロッドをアメリカでも通用するタックルに仕立て上げた立役者でもあります。

バスマスタークラシック、B.A.S.S.エリートとは?

B.A.S.S.・FLW・MLF


アメリカには、3つのバスフィッシングトーナメント団体が存在しています。その中で最も大きな団体が『B.A.S.S.』。最も歴史が古く、最強の選手が集結しているトップトーナメントです。

『FLW』もそれに次ぐ大きな団体で、昨年まで日本人では深江真一プロが在籍していました。『MLF』はこれまでのバストーナメントを一新する形で、近年立ち上げられた団体です。特殊なフォーマットが魅力で、なんと全艇カメラマンを乗せて生中継。さらに尾数にリミットを設けず、釣れば釣るほど総重量が加算される形式になっています。

オープンの上位カテゴリーがB.A.S.S.エリート

B.A.S.S.には上位の『エリートシリーズ』の他に、『オープンシリーズ』が年間を通して行われます。オープンは東西2地区に分かれ、それぞれ年4試合(2017年までは3地区3試合)が行われ、を戦います。 最後にチャンピオンシップを向かえ、各地区の年間ランキング上位数名がエリートに進出できるという仕組みになっています。

エリートは総勢110名前後の戦い

2018年のエリートシリーズは、110名での戦いとなります。年によって多少人数は変化するものの、全員が強豪のプロアングラー。強いか、さらに強いかでしかないのです。

1試合ごとに上位50名まで賞金は出ますが、優勝者には破格の金額がトロフィーと共に受け渡されることとなります。その数字は10万ドル(約1000万円)で、生活がかかっている選手も多くいるため、全選手が名誉とともに将来を賭していることになるのです。

Bassmaster | Pro Bass Tournament Fishing, Bass Fishing Tips & News
B.A.S.S. is the worldwide authority on bass fishing.

なお、上記のURLよりバスマスターのホームページを閲覧できます。エリートシリーズの試合中は、2日目以降、上位選手を映しての生中継が配信されますので、ぜひみなさんご覧ください!英語があまりわからなくても楽しむことができます。

毎年10数名が脱落する熾烈な戦い

2018年のエリートシリーズはレギュラー戦9戦(バスフェスト含む)と、チャンピオンシップ、バスマスタークラシックの計11試合が行われます。実力至上主義なトーナメントトレイルにおいて、年間順位下位の選手はシーズンが終わると脱落を告げられることとなります(ルーキーは2年間確実に在籍など救済措置有り)。

1戦1戦高額な参加費がかかり、ボートや車、タックルもそろえなければならないため、金銭的に続行不可能になり辞退する選手も出てくるほどなのです。

バスマスタークラシックは事実上の世界一決定戦

毎年、多くの選手がバスマスタークラシックに出場することを、そして優勝することを夢見ています。3日間の短期決戦にして、B.A.S.S.やFLW、その他の出場枠入り乱れての強豪との戦いとなるからです。

つまり事実上の世界チャンピオン決定戦です。ちなみに、大森プロが優勝したときの賞金は20万ドル(およそ2200万円)でした。現在ではさらに高額となっています。最高峰の試合ということで、賞金も最高峰…誰しもが虎視眈々とトロフィーを狙っているのです。

大森貴洋、2016年ウィーラーレイク戦優勝!

誰もいないシェルベッドで4日間

来たる2016年、ウィーラーレイク戦にて大森プロは11年ぶりの優勝を果たします。リードされているにもかかわらず、慌てず淡々とルアーを投げるメンタルの強さは、視聴者を大いに沸かせました。 このときの大森プロは、メインリバーのシェルベッド(貝が溜まったハードボトム)でスーパースプークとソフトスイムベイトを投げ倒すというものです。

動画を見ますと、2kg以上の魚が次々と炸裂する様は圧巻です。この場所は例年生えていたはずのウィードがほぼ消滅しており、誰もが見限っていた場所でしたが、大森プロは練習の段階からポテンシャルを見出していたとのことでした。

大森貴洋が最も信頼をおくクランクベイト、RTO

師、リック・クランのRCを経て

数々の優勝劇を披露してきた生ける伝説リック・クラン氏。大森プロが最も得意とするクランクベイトの技術は、このクランから学びました。 ラッキークラフトから発売されたクランクベイト『RC』はクランが培ってきた要素が存分に凝縮され、のちに『RTO(リスペクト・タカヒロ・オオモリ)へと変わるのです。

伝説のスクエアビルクランクベイト

このRTOというクランクベイトは、プラスチック製でありながらバルサ製並みの動きを備えています。また、性能はそれだけにあらず、カバーに当たった際にほとんど泳ぎを崩さないことが最大の特徴です。それにより、魚に見切られることなくリアクションバイトを取ることが可能、というわけです。


ラッキークラフト:LC RTO 1.5 TOチャート【クランクベイト】

出典:amazon.co.jp

大森貴洋、妥協なきタックル

ジリオンSVはもはや必須リール!

ダイワ 16 ジリオンSV TW 1016SV XXH

出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon

タックル面でも、勝利のため徹底的にこだわります。 ダイワの16ジリオンSVが、大森プロの代名詞ともいうべきベイトリールです。1年をほぼ毎日湖上で過ごす過酷なツアーにおいて、充分な耐久力を持っています。SVスプール搭載のこのリールは幅の広い重さのルアーを投げることができる、ダイワ最強のリールなのです。

リールはハイギヤ一択

大森プロは、ベイトリールはスーパーハイギヤモデルしか使いません。理由は主に2つで、ハイギヤの方がバラシを減らせるということ。そして遅く引きたいのなら遅く巻けばよい、しかしローギヤで逆はできない、とのことです。アメリカでは、クランクベイトにはハイギヤのリールということがもはや一般化しているのです。

ロッドは自らが開発に携わったタトゥーラエリート!

タトゥーラ エリート クランクベイト ロッド 大森 貴洋

出典:楽天
出典:楽天
出典:楽天

タトゥーラ エリート ピッチン ロッド 大森 貴洋

出典:楽天
出典:楽天

上記の2本が、大森プロの釣りに不可欠なベイトロッドです。特にクランクベイト用のモデルは、それ1本でスピナーベイトやチャターベイトなども含めた巻きの釣りを網羅するロッドとなっています。 テキサスリグやジグでのカバー撃ちモデルも充分な長さとパワーがあり、大森プロが全力で戦うために練り上げた最強のロッドです。

なぜ?ロッドのトリガーを削る大森プロ

なぜか大森プロは、ベイトロッドに必要なはずのグリップのトリガーを除去しています。どうやら氏にとってはその方が使いやすく、新しいロッドにすぐさま魂を込める儀式なのだと。 ずっと昔からそうしているようで、川口直人プロが使わせてもらったところ「めちゃくちゃ使いにくい」ということを漏らしていたようです。

シャローマン大森貴洋

シャローでの巻き、パワーフィッシングが得意

大森プロの得意分野はシャローでのクランキング(巻きもの全般)、そしてフリップ(カバー撃ち)です。 これは師のリック・クランから受け継いだ伝家の宝刀とも呼ぶべきもので、もはやそのレベルはB.A.S.S.エリートでも屈指のレベルです。

クランクベイトのカラーは4つでいい?

上記の動画、5:00~をご覧ください。大森プロがクランクベイトに求めるカラーを説明されています。 春先には赤、秋などにシャッドがいるときには白いシャッド系、濁ったらチャート、水温が高くなったらギル系という、非常にシンプルな4種類。稀に投入するカラーもあるようですが、これらが大森プロの釣りの基軸になっていることがうかがえます。

ここ数年はディープにも

とはいえ釣況は日ごとに移ろいゆくもの。シャローの釣りが通用しない局面にも遭遇し、タックルを増やしています。 2015年バスマスタークラシックは特にそれが顕著で、このとき大森プロはディープ立木をドロップショット(ダウンショット)で釣る戦略に出ました。

【速報】大森貴洋、2018年開幕戦優勝!


2018開幕、レイクマーティン戦をダントツ!

筆者がこちらの記事を書いている最中が、まさに今年のエリートシリーズ開幕戦でしたが…なんと!大森プロはこの試合をB.A.S.S.における7度目の優勝で飾りました!初日2位に付け、2日目からは他の選手が苦戦する中でコンスタントに釣果をあげていきました。 氏の7度目の優勝というのは現役のアメリカ人選手でも7名しかいない、ましてや日本人としては初の快挙です。これは大森プロが伝説の領域に踏み行っていることを証明しているのです。

メインルアーはもちろんRTO!

BASSMASTERのライブ中継に映っていましたが、各日朝のラッシュを釣ったのはほとんどが同じタックルでのRTO1.5、T.Oクローカラーです。 まだ水温が10℃前後の時期に、マッディシャローでクランクを引いていました。それも、ロッドを立てて巻いていましたので、狙っていた場所はかなり浅かったことがうかがえます。

タイトな試合で一人だけハニースポットを独占!

大森プロが釣っていたのは、メインリバー最上流のアウトサイドベンド。その支流との合流地点のちょっとした範囲でした。減水してオダが水面に露出するほど浅いのですが、魚がどんどん供給されたまさに鉱脈ともいうべき場所です。

アメリカを目指し続ける日本人アングラーたち

同エリートでは他2名の日本人選手が参戦

2018年現在のエリートシリーズでは、大森プロの他に深江真一プロ、清水盛三プロが戦っています。深江プロは2004年にFLWツアーを制し、清水プロは2006年エリート、ケンタッキーレイク戦で優勝を飾っているのです。 2人ともかつて日本のトーナメントで存分に強さを発揮された選手で、遠い彼の地で素晴らしい戦いぶりを披露しています。

多くの日本人プロがB.A.S.S.オープンに挑戦中!

そして、今やアメリカに挑戦する選手は跡を絶ちません。トーナメントに復帰した並木敏成プロ、デプスの松下雅幸プロ、シマノの伊豫部健プロ…さらに国内でトップレベルの実力を誇る青木大介プロ、北大祐プロ、伊藤巧プロも将来の参戦を表明しています。

まとめ

いかがでしたか?大森プロのことを知り感動していただけたら幸いです。今年のB.A.S.S.エリートを最高のスタートで飾り、年間優勝、そしてはバスマスタークラシック出場を共に応援していけたらと願っております!