イングリッシュローズとは
バラは育てるのが難しいといわれることも多い植物のひとつですが、品種を選びしっかりお手入れしてあげることではじめての人にも育てることができるのがイングリッシュローズです。バラの中でも育てやすいと言われているグループです。地植えにしてアーチやボーダーに、鉢植えにして玄関ポーチや家の中でも楽しめますよ。豊富な色や花の形、大きさが選べてなおかつ香りもとても良いものが多いイングリッシュローズ。あなたも素晴らしいイングリッシュローズの世界に触れてみませんか。
デビッド・オースチンについて
デビッド・オースチン
イングリッシュローズを知るにはデビッド・オースチン氏のことを外しては語れません。何といってもイングリッシュローズの生みの親なのですから。今までのバラの香りの良さや色の鮮やかさなど良いところをあわせて尚且つ育てやすいバラを作った素晴らしい人です。現在は代替わりして息子のデビッド・オースチンと息子のリチャードが活躍しています。バラの育成・品種改良に魂を傾けているすばらしい一族がデビッド・オースチン一家です。
イングリッシュローズの人気品種
デビッド・オースチン一族が作ったイングリッシュローズにはたくさんの素晴らしい品種があります。その中でも特に人気が高いもの、美しいもの、香りのよいものと集めてみました。品種の後ろに地植えか鉢植え向きかも加えました。あくまでも向いているというだけでご自分の好みで使っていただけますが、イングリッシュローズにはじめて触れる手がかりにしていただければ幸いです。
1.L.D.ブレスウェイト(鉢植え向き品種)
L.D.ブレスウェイトは四季咲きのバラ品種です。大輪の花をつけるのであなたの庭を美しく飾ってくれることでしょう。バラの元気が気になる夏にも強いツル性のバラなのでとっても育てやすいのが人気です。
2.ビンゴ・ メイディランド(地植え向き品種)
一重咲きのバラの中でも人気が高いのがビンゴ・メイディランドです。ピンクと白のグラデーションが美しく、1本の枝にたくさん花を着けますので見ごたえもバッチリです。
3.グラミス・キャッスル(鉢植え・地植え)
白いバラがお好きな人ならおすすめのイングリッシュローズの品種がこのグラミス・キャッスルです。香りも強く良いのが特徴です。
4.グラハム・トーマス(地植え向き品種)
日本で一番有名なイングリッシュローズともいえるのがこのグラハム・トーマスでしょう。ツル性のバラでアーチなどによく使われます。深みのある黄色い花がたくさん先ます。
5.アブラハム・ ダービー(鉢植え向き品種)
バラの香りが好きという人も多いでしょう。香りにこだわってバラを選ぶ人ならばおすすめなのがアブラハム・ダービーです。フルーティーで香り高いバラの香りが楽しめる品種です。
イングリッシュローズの育て方
そて、それではイングリッシュローズの育て方のポイントをご紹介します。イングリッシュローズの育て方で気になる項目があったらぜひご活用ください。
育て方1.育成に向いている場所
多くの花が太陽の光が大好きです。イングリッシュローズもそんな太陽が好きな花のひとつ。一日の日照時間が3時間以上の場所に植えてあげましょう。とても綺麗な花を咲かせてくれますよ。また、バラを丈夫に育てるにはウドンコ病などカビに対する対策も必要です。十分に風通しのよい場所もバラの育成に向いています。
育て方2.水やり
完全に根付いた地植えのバラには、夏の地面が乾く時以外は水やりはあまり必要としません。意外とバラはお手入れもそんなに必要でないと驚かれる人も多いのではないでしょうか。ただし、植え替えから根付くまではたっぷり水やりをしましょう。バラに限らず植物は一日の元気の準備を朝はじめます。太陽が登ってから朝10時までが一番水やりに適した時間です。少なくともお昼までには水やりは終わらせてあげてください。午後の水やりは植物に負担をかけてしまいます。
育て方3.夏場の水やり
夏で朝の水やりだけでは地面が乾いて大切なイングリッシュローズたちがおじぎをしてしまうという時だけ夕方の涼しくなった時間を見計らって2度目の水やりをしましょう。
イングリッシュローズの剪定・誘引
イングリッシュローズはツル性のバラも多く、夏の間にたくさんシュートを伸ばして増えていこうとするでしょう。これらのバラを剪定・誘引してあげることで思う通りのバラの形を整えてあげることができます。バラのオフシーズンのお手入れとして重要な、イングリッシュローズの剪定と誘引のやり方です。
剪定
イングリッシュローズを含むバラの剪定は寒い冬の時期、具体的には1月頃におこないます。剪定の仕方は特に気をつけることはなく古い枝や枝が込み入っている場所、弱っている枝を切り落とすようにします。その他は自分が仕立てたい形をイメージして剪定するとよいでしょう。背の高さを調節したいときは最低でも2/3くらいを残すように剪定して、その高さをキープするように伸びたら剪定を繰り返してあげるとよいでしょう。
誘引
人気の高いイングリッシュローズの中にはツル性の品種もいくつかありました。地植えにしているツル性のバラは冬場の誘引でアーチにしたり広げていったりと誘引してあげる仕立て方ができます。バラに伸びて欲しい方向を決めて太い枝から誘引していきます。バラは頂点近くが花つきがよくなりますので水平を意識して飛び抜けて高い場所を作らないように誘引することでたくさんの美しいイングリシュローズが開花するでしょう。
イングリッシュローズの植え付け・植え替え
買ってきたバラの苗をできるだけ大きく、しっかりと育てたいものですね。そのためには植え付けや植え替えの作業は大切なポイントとなります。特に鉢植えでイングリッシュローズを育てようとするなら、植え替えは毎年行う定期的なお世話のひとつとなります。どうしても必要なお手入れなので、最初にしっかり覚えておくといざ植え替えようという時にスムーズに作業できます。
地植えの植え付け
買ってきたイングリシュローズの鉢植えにまずはたっぷりと水やりをします。そのまま1時間ほどおいたあとにやさしく鉢から出します。ギュッとつまった土をほぐしたら、大きく植え付け用に開けた穴に植え付けていきます。バラはとても根が広く拡がりますので植え付けようの穴は大きめに開けるようにしましょう。穴底には元肥を土に混ぜ込むことも忘れないでください。
鉢植えの植え替え時期
鉢植えで育てているイングリッシュローズは毎年冬の休眠時の前にひとまわり大きな鉢に植え替えてあげしまょう。
イングリッシュローズの害虫や肥料
イングリッシュローズは育てやすいバラですが害虫駆除や肥料をきちんと与えたりというお手入れは必要となってきます。美しい花を咲かせるためのイングリッシュローズのお世話の仕方をご紹介します。
害虫
イングリッシュローズをはじめバラにつく害虫は「カイガラムシ」や「テッポウムシ」があります。カイガラムシはすす病の原因となりますし、テッポウムシはバラの茎や根を食べてしまう害虫なので最悪バラの木を枯らしてしまうとてもやっかいな害虫です。シーズンがはじまる前にそれぞれの害虫にあった薬剤散布をすることで予防することができます。ついてしまった害虫は(特にカイガラムシ)古い歯ブラシなどをつかって落としてしまいましょう。
肥料
バラは肥料をたくさん必要とする植物です。追加の肥料も月に1度くらいの割合であげてください。この時使う肥料は「バラ用」と書かれたものを選ぶとよいでしょう。液体肥料を水で薄めて水やりの要領で与えるだけでそれほど手間もかかりませんし手が荒れたり汚れたりすることもないのでお世話としては楽ですよ。
植え替え後の肥料
植え替えの時にしっかり元肥をしていれば、根がしっかり付くまではこの肥料は必要ありません。しっかり根付いたのを確認できたら根本から少しはなれたところに化成肥料を与えておけば十分です。
イングリッシュローズを含むバラの花言葉「愛」
イングリッシュローズを含むバラは昔から人々に愛されてきた花だけにたくさんの花言葉がつけられています。その代表的なものが「愛」です。
愛する女性に捧げる花
プロポーズにはバラの花束と指輪を用意してなんてロマンチックなシーンも映画などでたくさん見かけますね。この他、バラの花言葉には「美」や「あなたを尊敬している」「しとやか」「神の祝福」などバラの美しさに女性の美しさを褒める花言葉が目立ちます。
本数によるバラの花言葉
バラがどれだけ愛されているのか花言葉の多さでわかりますが、他の花にはないような本数による花言葉がつけられているのもバラならではの特徴です。1本は「ひとめぼれ」、3本なら「告白」。108本は「結婚してください」999本のバラには「生まれ変わってもあなたを愛する」という情熱的な花言葉がつけられています。
イングリッシュローズの開花時期
最後になりますが、イングリッシュローズの見ごろ(開花時期)をまとめてみました。あなたのお庭のバラ計画にお役立ていただけると思います。
繰り返し咲き(5月~11月)
繰り返し咲きのイングリッシュローズの品種は以下の通りです。パット・オースチン、ウイリアム・シェークスピア2000、グラミス・キャッスル、ザ・ダークレディ、ザ・プリンス、ウイリアム・モーリス、シャリファ・アスマ、ジュード・ジ・オブスキュア、スノー・グース、クレア・オースチン、セント・セシリア、ムンステッド・ウッド、モリニュー、アブラハム・ダービー、メアリー・マグダレン、ジュビリー・セレブレーション、レディ・エマ・ハミルトン、アンブリッジ・ローズ。繰り返し咲きのイングリッシュローズの開花時期は非常に幅広くて、春から秋まで楽しめます。
一季咲き(春~夏)
繰り返し咲きに対してシーズン中に一度しか咲かない一季咲きの代表的品種は以下のようなものがあります。エブリン、レディ・オブ・シャーロット、ウインチェスター・キャシドラル、グラハム・トーマス、コテージ・ローズ、コンスタンス・スプライ、シャーロット・オースチン、スイート・ジュリエット、ジェーン・オースチン、ガートルード・ジェキル、マサコ、メアリー・ローズ、リアンダー、ロードリー・オベロン、ゴールデン・セレブレーション 。これらのイングリッシュローズは春から夏にかけて咲きますので、繰り返しざきと組み合わせて植えていくと長くバラが楽しめる庭を作ることができます。
まとめ
人気のイングリッシュローズの品種とその育て方をご紹介してきました。いかがでしたでしょうか。バラは好きだけど育てるのが難しくて挫折したという人も、もう一度イングリッシュローズを使ってチャレンジしてみてはいかがでしょうか。イングリッシュローズは育てがいがありバラの素晴らしさを十分堪能できる素晴らしいバラの種類です。