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初心者でも簡単なノギスの使い方!正確に測定するための目盛りの正しい読み方を解説!

ノギスという変わった名前の工具をご存知ですか?独特な形状でとっつきにくい印象がありますが、使い方を理解すればとても便利な万能測定工具だということが理解していただけるはずです。そんなノギスの読み方や使い方、その機能についてご紹介します。
更新: 2021年4月21日
ironman17
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目次

なんでも測れる魔法の測定機器「ノギス」

「ノギス」という変わった名前の工具をご存知ですか?一般の人にはあまりなじみのない名前かもしれません。あるいはホームセンターの工具売り場や、工場などでその変わった形の工具をご覧になった人もいるかもしれません。

そんな変わった名前と形状を持った測定工具「ノギス」の読み方や使い方、特殊な機能をご紹介します。これを読めば、あなたも何でも測れるようになれます。

ノギスとは?

ノギスってどんな工具?

ノギスとは、モノの幅や厚みなどを測ることができる測定工具です。一見日本語のようなその名前は、ノギスの独特な使い方を助ける目盛りを開発したポルトガルの数学者である、ノニウスの名前がなまったものと言われています。その測定要素は幅広く、外側測定・内側測定・深さ測定の他、段差測定にも利用できます。

ノギスの種類

一般的に定規の先に鳥のクチバシをつけたような形状のノギスが有名ですが、その他にも特殊な形状の測定物に合わせ、さまざまな形状のノギスがあります。それぞれの測定物に合わせたノギスを選択して使用します。

またダイヤルノギスは、ダイヤルゲージが付いたノギスで、0.01ミリ以下のごく薄いものを測定するときに使用します。 また最近は細かい目盛りを読み取らなくても良い、デジタルノギスも増えてきています。

ノギスの読み方を知らなくても読み取れるので便利です。一方で電池切れの心配があったり、ゼロ点が固定なので融通が利かない点もあります。それぞれの利点を理解した上で、使い分けることが大切です。

ノギスの各部の名称

ノギスの目盛りの読み方や独特な使い方を理解するために、まずはノギスの各部の名称を知りましょう。

①内側測定ジョウ(クチバシ)

測定物の内寸や内径を測ったり、段差を計測するのに使用します。その独特な形状から「クチバシ」と呼ばれ、ノギスの独特な形状を象徴するようなパーツです。

②外側測定ジョウ(ジョウ)

測定物の外寸や外径を計測するのに使用します。内側測定ジョウを「クチバシ」と呼称した場合、こちらは単に「ジョウ」と呼んだりもします。

③止めネジ


測定値の固定に使用します。特殊な測定物を計測する際に、ノギスの目盛りを正面から読み取れない場合があります。そんなときにはこのネジで固定して、測定物からいったんノギスをはずして値を読み取ることもできます。

④本尺目盛り

対象物の測定値のうち、整数部分を読み取るためのスケールです。

⑤デプスバー

深さ測定に使用します。先端部には切り欠きがあり、深さを測る穴の内壁と底面にアールがある場合やバリなどあるときの「逃げ」になります。

⑥副尺目盛り(バーニヤ)

測定値の小数点以下の部分を読み取るためのスケールです。ノギスによって最小読取単位が異なり、0.05や0.02など最小読取単位に合わせた目盛りが印字されています。

⑦指かけ

ノギスのバーニヤをスライドさせる際、ここに指をかけるとスムーズに動かせます。

ノギスの目盛りの読み方と注意点

ノギスの目盛りの読み方とその注意点について解説します。

3-①:本尺目盛りで整数単位のミリ数を読み取る

本尺目盛りで1ミリ単位の値を読み取ります。

バーニヤをスライドさせ、測定物にノギスをあてます。副尺目盛りの0点が、本尺目盛りのどこを指しているかを見ます。副尺目盛りの0の線が指す本尺目盛りの0.1ミリ単位を切り捨てた値を読み取ります。イラストの例で言うと、ここの場合は21ミリとなります。

3-②:副尺目盛りで小数点以下の単位の値を読み取る

副尺目盛りで0.1ミリ単位の値を読み取ります。

次に小数点以下の単位の値を読み取ります。ノギスを測定物にあてた状態で、本尺目盛りの線と副尺目盛りの線が一直線になる点を探します。線が一直線になる点の副尺目盛りの数値が、小数点以下の単位の値となります。イラストの例では0.3ミリということになります。


3-③:測定した2つの数値を合わせる

①と②で測定した2つの値を合わせた値が、測定物の大きさということになります。イラストの例で言うと、測定物のサイズは21.3ミリということになります。

測定時の注意点①:対象物に直角にノギスをあてる

ノギスをあてて対象物を測定する際には、常に測定物にノギスを直角になるようにあてる必要があります。測定物に対しノギスが斜めになった状態ですと、測定値が実際のサイズよりも大きく出たり、小さく出たりなど誤差の原因となります。

ノギスをあて、測定値を読み取る前に、もう一度ノギスが直角にあたっているか注意しましょう。

測定時の注意点②:目盛りを正面から読み取る

ノギスの目盛りを読み取る際にも注意が必要です。自分の目線をノギスの目盛りに対し直角になるよう、常に正面から読み取ります。視線が正面にないと、本尺目盛りと副尺目盛りが一直線にあるかどうかを確認できず、測定値に誤差が出る原因となります。

測る対象物別ノギスの4つの使い方

ノギスの使い方1/4:外側測定

おもに対象物の外寸や外径を測る測定方法です。これはノギスの外側測定ジョウで測定物をはさみこむようにして測定します。指かけに親指をかけてバーニヤを移動させ、ジョウできちんと測定物をはさみこんだ状態でノギスの目盛りを読み取ります。

測定値が正面から読み取れない場合は、止めネジで固定してノギスから測定物をはずしてから読み取る方法もあります。

外側測定の注意点

まずは測定物に直径にノギスをあてることが大切です。特に円筒形の対象物の外径を測る場合、ノギスが斜めになりやいので注意が必要です。また外側測定ジョウと、はさみこんだ対象物との間に隙間が無いかも確認しましょう。

ノギスの使い方2/4:内側測定

対象物の内寸や内径を測定する方法です。測定にはノギスの内側測定用ジョウを使います。内側測定ジョウは別名クチバシとも呼ばれ、まさに鳥のクチバシのようになった爪を拡げます。両方の爪を、測定物の内壁のもっとも広い部分に密着させ、その寸法を測定します。

内側測定の注意点


対象物に直角にノギスをあてることや、ジョウを測定物に密着させることは、外側測定の場合と同じです。また特に円筒形の対象物の内径を測定する場合、円筒の直径部分、すなわち内径のもっとも広くなった部分にジョウをあてることが必要です。

ノギスを円筒の内径にあてた状態で真上から見て、ノギスが直径部分を正しく測っているかを確認してから数値を読み取りましょう。

ノギスの使い方3/4:深さ測定

穴などの深さを計測する測定方法です。この深さ測定にはノギスに尻尾のようについているデプスバーを使用します。深さを図りたい穴などの上縁にノギスの本尺目盛りの後端をあて、基準点とします。

そこからバーニヤをスライドさせてデプスバーを延ばしていき、穴の底にデプスバーの先端が届いたところのスケールを計測します。

深さ測定の注意点

ノギスのデプスバーを常に穴に垂直に立てることが必要です。そのため穴径が小さい場合は穴の上縁の対角に基準点をきっちりと合わせます。穴径がでかい場合は上縁の片側に基準点をあて、伸ばしたデプスバーを穴の内壁に密着させます。

デプスバーには穴の内壁と底面の境目にアールがつけてあるときのために、「逃げ」となる切り欠きがあります。そのためデプスバーを内壁に沿わせるときは、この切り欠きのある面を壁に密着させます。

ノギスの使い方4/4:段差測定

ステップなどの高さを測定するのが段差測定で、これにはノギスの内側測定ジョウを利用して計測します。まずノギスの先端をステップの下段に密着させて基準点とします。

ここからバーニヤをスライドさせ、内側測定ジョウをステップの上段に合わせます。このときのスケールを読むことでステップの段差を測定できます。

段差測定の注意点

段差を測定する内側測定ジョウには、デプスバーのような「逃げ」がありません。そのためステップの壁と底面にアールがあったりバリがある場合には、この機能は使えません。その場合は切り欠きを持つデプスバーを使って高さを計測します。

ノギスの機能をマスターして使いこなそう

ノギスの使い方や読み方、機能について紹介してきました。「ノギス」という変わった名前や独特な形状から、一見とっつきにくい工具と思われがちですが、目盛りの読み方やいろいろな機能を持つ計測の仕方を理解すると、とても便利な測定工具であることが理解していただけたのではないでしょうか。

みなさんもそんな万能測定工具であるノギスの使い方をマスターし、その便利な機能を使いこなしましょう。