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エマージェンシーシートとは?登山や非常時の正しい使い方もご紹介!

エマージェンシーシートを知っていますか?サバイバルシートとも呼ばれ、防災や登山用品として売られています。しかし、日常使いしないと肝心な時の使い方や、どれを選べばいいのか困ることも。エマージェンシーシートの基本を押さえ、いざという時に備えられるようにしましょう。
更新: 2021年2月18日
てつはる
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エマージェンシーシートとは?

阪神淡路大震災や東日本大震災など、ここ数十年で日本は数々の災害に見舞われ、防災への意識が急激に高まりました。自分や家族の身を守るために様々な防災の為の取り組みをされる方が増えています。そんな中でその有用性から必ず非常持ち出し袋や防災キットに常備されているのがエマージェンシーシートです。サバイバルシート、エマージェンシーブランケットなど商品名は様々ですが、ここではエマージェンシーシートと呼びその機能や特徴を比較してみましょう。

エマージェンシーシートの特徴

まずはエマージェンシーシートの特徴を見ていきます。表面は銀色をしているものが多いですが、裏が金色やオレンジなど商品により特徴があります。形は基本シート状で2m×1.3m前後が一般的なサイズ。大変コンパクトな畳み方で手のひらサイズになり45g前後と大変軽く携帯性に優れています。素材はポリエステルのフィルムにアルミニウムを蒸着させているものが多いようですね。

エマージェンシーシートの仕組みは体から発せられる熱を反射し、体温を保温する状態を作りだし持続させるというもの。エマージェンシーシート自体がカイロのように発熱するものではありませんのでご注意ください。

エマージェンシーシートの効果

エマージェンシーシートの効果は大きく3つ、防風・防寒・防水です。風や低気温、雨に濡れるなどして体温を奪われることを防いでくれます。ここまではメリットと思われるその効果ですが、ひとつ注意しなくてはいけないのが、通気性、透湿性共にないということ。つまりエマージェンシーシートにくるまり、暖かった体が汗をかいても外に出て行ってくれずシートの中が汗でびしょびしょになってしまう恐れがあるということです。折角温まっても汗で冷えてしまっては逆に体温を奪われることになりかねません。

では結露から体を保護するためにはどうしたらよいのでしょう。いくらエマージェンシーシートが暖かいとはいえ、それだけを直接体に巻くのではなく、ブランケットやバスタオルなどの上から巻くようにすれば、比較的内部の濡れを防ぐことが出来ます。またその分体から水分も奪われますので水分補給も忘れずにした方が良いでしょう。

エマージェンシーシートの効果を高めるには?

シートの表面が金色をしているものは熱を吸収してくれます。反面銀色は光や熱を反射する働きがありました。屋外で使用する時には、金色を外側にして使用すれば太陽光を吸収してくれ、更に温熱効果を得られやすくなります。 またエマージェンシーシートは薄い為、クッション性には問題があります。コンクリートなど直接地面に座ると熱が奪われやすいので段ボールをひくなど工夫が必要でしょう。

エマージェンシーシートを備えておきたい時とは?

是非ともエマージェンシーシートを備えておきたい場面とはどんな時でしょう。先にご紹介した通り携帯性に優れている為、荷物を軽量化し、万が一に備えたい登山には必携です。登山でのシュラフとしての想定には高機能素材を使用しており、畳み方にも困ることの無い携帯袋などがついたものがおすすめです。迷い道や急な天候不順は侮れず、こういった装備が命を分けることもあります。比較的低山であったり気候の良い時期の登山での事故は意外に多く聞かれます。油断は禁物、常に持ち歩くことが大切です。たった数十gがあなたの運命を変えることになるかもしれません。

最近では首都直下地震への備えも叫ばれており、都心に地震の影響があれば自宅へ帰り着くこともままなりません。最悪避難所へたどり着けない、入れないとなった場合、夏場ならまだしも冬場の野営を耐え抜くにはエマージェンシーシートのあるなしは命にもかかわります。登山時ほどの重装備は必要ないにしてもポーチに入るサイズのエマージェンシーシートと一緒に安心を携帯しましょうね。

冬山やアウトドアの達人ともなるとエマージェンシーシートの使い方も違います。熱を反射する特性を利用し、リフレクター効果を得ることも。こんな使い方もあるとは、さすがですね。 やはりアウトドアシーンではその効果を如何なく発揮してくれるのは間違いなさそうです。


エマージェンシーシートの欠点と選び方

ここまでエマージェンシーシートの機能についてお伝えしてきました。各メーカーごと素材や特徴も様々ですが、気を付けたい欠点がいくつかあります。購入時にその点についても考慮しつつ、どんなものがよいのか比較検討すると失敗せず、より効果的な使い方ができるでしょう。

欠点その①耐久性の低さ

メーカーや価格により差はありますが、100均で購入できるような安価なものは使い捨て感覚です。携帯性を重視するものは軽量化の為、薄くペラペラでその使い方やひっかけなどで簡単に破れる可能性大!また蒸着したアルミがはがれてきますので、大事に使用したとしても数回が限度でしょう。

欠点その②音がうるさい

エマージェンシーシートを開封し使用するとガサガサと比較的大きく感じられる音がします。安価なものは音も大きいようです。登山などアウトドアでの使用ならばあまり気にならないレベルかもしれませんが、災害時の人が密集する避難所などでは耳障りに感じることも。避難所で使用し周りから苦情が出たという実話もあり、防災用としては音の少ないタイプを選択するという配慮も必要なのかもしれません。

欠点その③折り畳み方が難しい

未開封のエマージェンシーシートの折り畳み方はぴったりと潰されて手のひらサイズになっており大変コンパクト。一度開封し使用したエマージェンシーシートはしわしわになる為、畳もうとしても隙間ができ空気を含むためどんな畳み方をしても元のサイズに戻すことは中々困難です。畳み方が難しいこともあり安価ものは数回の使用が限度でしょう。もちろん複数回利用を前提として畳み方をあまり気せず、収納袋にしまえるようなものもあります。用途によって選ぶと良いでしょう。

欠点その④蒸れやすい

前にも触れましたが、熱を反射し保温効果を保つ仕組みの為、結露しやすいのが難点のエマージェンシーシート。冬山登山など過酷な環境下では必要ないかもしれませんが、結露対策を考えた上での使い方をお勧めします。

エマージェンシーシートあれこれ!

お話ししたようにエマージェンシーシートは様々な名称で呼ばれます。ここでは各種メーカーのエマージェンシーシートをいくつかピックアップし、それぞれの特徴をご紹介していきます。

SOL ヒートシートエマージェンシーブランケット

NASA開発の技術を利用した「ヒートシート」。素材はしなやかな為ガサガサ音を極力カット。体の熱の90%を反射してくれるため、しっかりと保温してくれます。カラーは要救助者を見つけやすいオレンジ、ブルーがあります。耐久性に優れ、防寒、防水、グランドシート、テントシートなどにも活用できるとのこと。大変コストパフォーマンスに優れた逸品です。 また一度使用しても折り畳み方に悩むことなく収納可能です。

その他のSOL商品


ヒートシートエマージェンシーブランケットには先にご紹介した1人用の他に、2人用という大きめのものがあります。1人用と比較すると防寒着の上からしっかりと羽織れたり、寝袋の上からかけて毛布代わりにと使い方を広げてくれるサイズです。

冬山登山に用意したいのが、封筒型やマミー型のシート。これは防湿透過素材を採用している為、結露を気にせず使用できます。単体でビバーク用のシュラフなどとしても使用できますが、シュラフのインナーにしても良いでしょう。収納袋がついていますが、畳み方によってはかなりきつめとのこと。

グラバー オールウェザーブランケット

ブランケットとしてだけでなくテントのグランドシートやタープとしても使用できる優れものです。周囲がパイピングされていたり、ロープを結んだり、ペグ打ちもできるループがついているなど作りもしっかりしている為、他のものと比較すると耐久性や汎用性にも優れています。元々がさほどコンパクトなパッケージングではなく畳み方も容易です。キャンプなどに一枚持って行くと重宝しそうですね。

番外編 圧縮毛布

エマージェンシーシートではありませんが、軽量コンパクトで保温効果がありという圧縮毛布をご紹介します。開封すると200cm×120cmのふんわり毛布が出現します。重さは930gですので携帯性に優れているとは言えないかもしれませんが、A4サイズの表面積で厚さを7分の1まで圧縮していますので、防災用備蓄としては場所を取らず有効かもしれません。ただしエマージェンシーシートと比較すると防水や防風の面では劣るため、アウトドアシーンでは若干使い勝手が悪いでしょう。

100均のエマージェンシーシートってどうなの?

いわゆる100均でも様々な防災グッズがあります。エマージェンシーシートと同様の効果を謳っているのが「簡易防寒シート」や「保温・防水ポンチョ」「簡易保温アルミシート」などの商品です。これまでもお伝えしてきましたが、残念ながら耐久性や複数回利用は厳しそう。使い捨てと割り切り、使い方や使う場面を区別して一時的な備えとしてはありかと思います。またポンチョ型などは自分でおさえたりくるまったり上手に出来ないお子さんにはよいかもしれません。エマージェンシーシート初心者さんはどれを選んだらよいのか迷うことも。でも100均なら躊躇せず、まずは試してみられますよね。

100均はエマージェンシーシートだけでなく、防災用品を準備するには十分なだけの商品を取り揃えています。特に消耗品は家族人数分を揃えようと思うと結構な額に。100均商品も今や侮れないクオリティのものもあります。この機会にまずは非常持ち出し用を一揃い100均で準備してみるもの良いかもしれません。

飛行機でいうエマージェンシーシートって?

これまで「エマージェンシーシート」は災害や登山などの緊急時に使用したい、非常用保温シートを指してお話ししてきました。しかし飛行機業界にはまた別の「エマージェンシーシート」があります。このシートはその名の通り非常用。一般のシートとは少し異なり、飛行機搭乗前に予約指定することはできません。そして、一定の条件を満たした人だけ座ることができます。

飛行機が緊急事態!エマージェンシーシートに座る責任とは?

各航空会社によってその呼び名は異なるようですが、「プリアードシート」「エマージェンシー・ロー」などは同じような意味を持つシートの名称です。どの場所を指すかというと、飛行機入口傍、CAと向かい合う席や、非常口傍の席です。飛行機に乗った時、ファーストクラスならまだしもエコノミーではもう少し足を延ばせたら、と思ったことはありませんか?このシートはまさにそれを叶える席。でも誰でも座れるわけではありません。それはなぜでしょう?

エマージェンシーシートはその名が指し示す通り、飛行機運航中に非常事態に陥った際の乗客の逃げ口傍のシート。つまりその飛行機の緊急時には、CAと共に人命を守るために活動できることがそのシートに座るための条件になります。英語がある程度通じる、体力があるなど飛行機に万が一があった時に対応が可能な方となります。 飛行機への搭乗時に確認される場合もあるようなので、ごまかしがきかないことも。確かに乗客の命を守る役割も科せられる大変責任ある席ですものね。

エマージェンシーシートの使い方色々!

これまでエマージェンシーシートは保温効果を得るものとご紹介してきました。しかし、災害時などはそれだけに限らず、様々に活躍してくれるエマージェンシーシート。つい素材や耐久性などで比較してしまいがちですが、災害時などに高い汎用性があると思われるのは以外にも安価なエマージェンシーシートです。


例えば赤ちゃんを抱えたお母さんが授乳したいと思っても、避難所にはまだそういった場所が準備されていないことも当然あるでしょう。また女性の着替えなど目隠しとして利用することが出来るのも軽くて変形が自在な素材であるが故ですし、三角巾などとしてまた耐荷重100~160kg程度のものもあるので、広げて簡易担架としての使い方も考えられるでしょう。100均のエマージェンシーシートと侮ることなかれ!複数枚用意しておくことで様々な場面で活躍してくれそうです。

エマージェンシーシートの選び方ポイントまとめ!

ここまでエマージェンシーシートに使用されている素材などの基本情報、登山や災害時など各場面での使い方や使い分け、100均商品の実力などエマージェンシーシートについての比較検討をお伝えしてきました。余談として飛行機にもエマージェンシーシートと呼ばれるものがあることがわかりましたね。

畳み方が簡単なのがいい!暖かさ重視!コンパクトに持ち歩きたい!高機能素材が欲しい!など選ぶ基準は様々。100均商品からNASA開発素材まで今やエマージェンシーシートはその用途に合わせて揃えることができます。つい値段などを比較し高いものなら良いものだろうと考えてしまいがちですが、果たしてそうなのでしょうか?これまでのおさらいとして何にポイントを置いて選んだらよいか考えてみましょう。

まずはあなたの行動範囲を考えます。学生か専業主婦か会社員か、それにより平日日中の活動範囲が概ねわかりますね。会社員でもオフィスワーク中心か営業職などかによって更に移動範囲が変わってきます。自宅から勤務先までの距離や通勤手段も考慮すべきでしょう。オフィスに一度入ってしまえばそこから移動することがないなら、少しかさばるサイズでも機能性の高いものをオフィスに常備しておいてもいいでしょう。通勤のバッグの中には簡易のコンパクトサイズを忍ばせ、通勤時の非常事態に備えましょう。

では余暇時の過ごし方はどうでしょうか。登山が趣味の行動派のあなたは行き先のリスクレベルに合わせた素材や形が必要になりますね。寝具として使うなら高機能素材がおすすめですし、それ以外の消耗品的に使用するなら100均商品も併用してもいいでしょう。安価なものは畳み方が難しいので、この旅先で使い倒すつもりでその用途を様々に変化させるのもまた面白いかもしれません。冬山登山なら遭難も備え、空から認識しやすいオレンジカラーもいいですね。

次には家族構成を考えます。単身世帯か大家族か、大人ばかりか小さい子供がいるのかなどによって数や種類を決めましょう。まだ一人では歩けない赤ちゃんはお母さんと一体です。大きめのエマージェンシーシートなら赤ちゃんを抱っこしてもすっぽり体を包めます。エマージェンシーシートは体熱を反射し保温してくれますが、隙間があればそこから風が入り体温を奪います。すっぽりと体を覆い包む大きさが必要です。

大家族なら人数分の用意が必要です。その効果を比較すれば確かに違いがあるかもしれませんが、数が揃っていなければ意味がありません。安価なものをその必要分用意しておくことでも十分備えになります。100均ではポンチョ型もあるとご紹介しました。小学生低学年くらいまではすっぽりかぶれる形が便利かもしれませんね。

エマージェンシーシートを備え安心・安全な日常を

エマージェンシーシートについて多少でもご理解いただけたでしょうか?まとめると天災や飛行機事故などの想定外事由に対して活躍するシートの総称とでも言えそうですね。 出来ればエマージェンシーな事態は起こって欲しくないものです。そういった状況下でこのシートを使うことがないことを祈ります。でもこの記事を読み終えた後、最新技術を備えたこの小さな守り神を今日からそっとバッグに忍ばせてみてください。そしていざという時の心構えも一緒に携帯しましょう。あなたとあなたの大切な家族を守るために。