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オオデマリの育て方と花言葉【植物図鑑】

初夏に大きなテマリのような白い花を咲かせる魅力的な花オオデマリ。美しく長く鑑賞するにはどんな風に育てるのがポイントなのか、オオデマリの特徴や栽培のコツ、花言葉に至るまで初心者でも簡単に育てることが出来るオオデマリをご紹介します。
2020年8月27日
MMRICH
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オオデマリとは

オオデマリは初夏に、真っ白なボールの様なアジサイにも似た花を咲かせる落葉低木です。オオデマリは両性花が無いために実がつくことはありません。秋になると葉が見事に紅葉し、庭に四季をもたらす鑑賞用植物です。

科名

オオデマリはスイカズラ科のガマズミ属の植物で、英名をJapanese Snowballジャパニーズスノーボール、別名をてまりばなといい、非常に花づきがよく、真ん丸の白い花が特徴です

学名

オオデマリの学名はViburnum plicatumです。

花名由来

オオデマリは感じで「大手毬」と書き、見て字のごとく、10㎝程に花弁が真ん丸に開くその形から花名のオオデマリが由来。小さい花が開いて大きな一つの手毬に見えるこの花は、小さい花の一つ一つは雄しべや雌しべが変化した装飾花と呼ばれるもので、花が落ちた後に結実(実がならない)しないのが特徴です。

オオデマリの学名の由来

学名のViburnumはラテン語でガマズミの木のことです。属名はこの学名が由来になっていますが、一般的には旅人の木とよばれています。plicatumは花の集合体が冠の様であるという意味で副花冠の事を指します。副花冠とは花びらの内側にある弁状の付属物のこと。 スイセンなどにみられる形を一般的にこう呼びますが、オオデマリの花弁もガク花は雄しべが変形して花弁となったものなので、学名として花の構造がわかる名前が付けられています。

オオデマリの花言葉・開花時期

花言葉:華やかな恋

オオデマリにはその花の美しさと豪華さから「華やかな恋」という花言葉がつけられています。地植えをすることで非常に花付きがよいことから、花の開花時期の初夏には枝にたわわに花が満開になり、その華やかに咲く様子は見事です。

花言葉:天国

オオデマリの花言葉に「天国」というのがあります。花の豪華さもさることながら、白一色の丸い大きな手毬はどことなく見たことのない天国を想像させる幻想的なイメージがあることから由来しているのでしょう。グリーンの葉の枝に所せましと完璧な球状の花弁が満開になる様は、この世の物とは思えない美しさがあるという含みが、この花言葉が派生したと考えられています。

由来


オオデマリの花言葉には他にも「品格」「私は誓います」といったものがあります。この花は花色の白が非常に濃く、漆喰のようなマットな質感であることから、白が印象付ける品位のある純潔なイメージがこの言葉の由来となっています。白の純粋なイメージは結婚式の新婦のドレスやケープのように白をまとうことで、揺るぎない誓いを交わす真の信条を表現しているように、オオデマリにも大きく開く花と白の豪華な花がグレードの高い表現をもった花言葉を生んだのでしょう。

開花時期

オオデマリの開花時期は5月中旬~6月中旬。オオデマリの花は、咲き始めは黄緑色をしていますが、開くと真っ白の花に開花します。花自体は雄しべと雌しべの退化した「飾り花」と言われる種類で、種はつきません。

オオデマリの育て方・栽培方法

難易度

オオデマリの栽培の難易度は初心者から中級者向け。耐寒性と耐暑性に優れた植物なので、初心者でも十分簡単に育てることができます。

植え付け時期

オオデマリの植え付けは、2月下旬から3月の時期、もしくは11月~12月が適切です。オオデマリは枝が横に広く成長して広がるように成長しますので、地植えがお勧めです。

地植えの方法

オオデマリを地植えする場合は、日当たりの良い場所を選択します。オオデマリは成長するにつれて横に広がる傾向がありますので、横幅を十分に確保できる余裕をもった場所を選ぶようにします。オオデマリは腐植質の多い肥えた土を好みます。水はけの良さも重要ですので、植穴を掘って、腐葉土や完熟たい肥を2割ほど混ぜた土壌を準備しておきましょう。

鉢植えの方法

株よりも一回り大きな鉢を用意。鉢底石をひいた上に、用土を2/3ほどいれて苗の植え付けをします。枝が横に伸びてバランスが取れなくなったら、地植えをしてあげましょう。

オオデマリの管理

オオデマリは基本的に異常な乾燥状態を防ぎ、冬の耐寒に備えてあげれば、手のかかる管理の必要がない植物。簡単なオオデマリの管理のポイントをまとめました

水やり

オオデマリは乾燥に比較的強い植物ですので、鉢植えの場合は土の表面が乾いたら、水やりをします。地植えの場合は、ほとんど水やりに神経を使う必要はありませんが、極端な長期の日照りや地面が乾いた状態になったら、たっぷりと水やりをします。 葉が落ち後の休眠時期にも定期的に水やりをすることで、春に新芽が出やすくなります。

肥料

花が咲き終わる5月~6月ころに、固形の油粕などの追肥を施します。また地植えの場合、古い土は固くなり水の保湿力が低下します。冬の間に株の周辺を掘って土に堆肥や腐葉土を混ぜて、柔らかくて栄養のある土壌を整えましょう。 鉢植えの場合は、固形肥料を追肥として、花後か11月~12月の葉が落ちたあとに与えます。

剪定

オオデマリはハサミを嫌うので、極力剪定をせず、自然に栽培すると花付きが良くなります。剪定の方法は、あくまでも枯れた枝や込み合った部分の不要な部分を剝くことを目的に剪定。剪定は冬の休眠時期に行います。 枝の節に葉芽か花芽をつけ、徒長枝(勢いよく伸びた枝)には花芽がつかず、短い枝につくのが特徴です。徒長枝には葉芽がつき次の年に、短い枝となって成長し、花芽をつける為剪定の時に切らないように注意しましょう。


害虫・病気

オオデマリは病気には強い植物ですので、神経質になる必要はありませんが、風通しが悪いとうどんこ病や白カビが発生します。葉が褐斑の斑点になる褐斑病は初秋に殺虫剤をまいて対処しましょう。 風通しが悪い場所には、ガイガラ虫やサンゴジュハ虫が発生しますので、食害を発見したらすぐに殺虫剤を散布して、被害が広まらないように害虫駆除をします。

オオデマリの増やし方

オオデマリは種が出来ない植物のため、挿し木や取り木をして増やす方法が一般的で、どちらも3月~6月に行うのが適期。簡単にできるオオデマリの増やし方をご紹介します。

挿し木

挿し木に使う枝は、今年伸びた新芽を使用します。手順は以下の方法で行います。 1.充実した枝を5㎝~10㎝の長さに切る。 2.切り落とした枝についた葉の上半分を切り落とす。 3.切り口を水につけて1時間ほどみずあげをする。 4.赤玉土用土に切り口を挿す 5.乾燥をしないように水やりをする 6.1ヶ月ほど管理すると初根するので、地植えする

露地さし

オオデマリは根が良く張るので、地面に直接挿し木をする「露地さし」という方法も効果的です。挿し木の時期は3月中旬から下旬。前年に長く伸びた枝を先端から15㎝~20㎝程の場所で切り取り、地面に直接挿し木をします。露地さしをする地面は、肥沃で湿潤な土質の場所を用意して行います。

取り木

取り木で増やすと万が一、根が上手く成長しなかった場合でも親株を枯らせてしまう心配がすくないので、初心者には容易に挑戦できる方法です。 1.増やしたい枝を選んで(勢いのよい枝を選ぶ)樹皮を2,3㎝固い芯を残してぐるりとはがす 2.はがした部分に十分に湿らせた水苔を張り付ける。 3.水苔の上からポリ袋をかぶせて、上下をひもやゴムで固定する 4.水苔が乾燥しないように水やりをして、根が十分伸びたら、親株から切り離して地植えする

オオデマリの特徴

オオデマリは初夏に花を咲かせる落葉の低木。背丈は3~4メーターほどに成長し、幹から水平に枝をのばして成長し花付きが非常によい特徴があるため、開花時期にはたくさんの花が咲かせます。花色は白が基本ですが、薄いピンクや白とピンクの花を同時に咲かせる品種も流通があります。 卵の様な形の丸い葉は縁に少しギザギザがあり、枝の左右に対象に生えているのが特徴。花のように見える花弁は雄しべや雌しべの変形からなる装飾花と呼ばれるもので、実を結んで種が出来ることはありません。葉は秋になると紅葉し冬は枯れて葉を落とす落葉の性質です。

オオデマリは寒さが苦手

日当たりの良い場所を好みますが、半日陰でも十分育つ植物です。西日のあたる乾燥する場所を好まないことと、寒さにはあまりつよくないので、冬は株の根元にわらや腐葉土を敷いて防寒することで強いオオデマリを育てることができます。

オオデマリの品種・原種

原産地

オオデマリの原産地は日本。日本に自生するヤブデマリの園芸品種のオオデマリは、アジサイによく似た花を咲かせる落葉低木。白やピンクの10㎝にも成長する大きな花が特徴です。代表的な人気の品種をご紹介します

カームズ・ピンク

淡いピンクの装飾花が人気の品種で、咲き始めはピンクが鮮やかで、咲き終わりにかけて薄いピンク色に変化するのが特徴


ロサケ

出てきた新芽は茶色をしていますが、そののちに濃い緑に変化し、装飾花は枝別にピンクと白がつく珍しい品種で人気があります。

ヤブデマリ・ピンクビューティー

野生種のヤブデマリよりも葉が一回り小さいのが特徴で、白で咲いた装飾花が満開になると紅赤に変化する品種。

分布域

日本を原産地とするオオデマリは、本州以南から九州にかけて分布し、朝鮮半島・台湾や中国大陸にも自生します。

オオデマリと似た植物

オオデマリは花の形がアジサイに似た落葉低木です。原種となったヤブデマリと同じ落葉低木のテマリマンボクと非常に酷似した形相です。2つの相違点と見分け方をご紹介します。

オオデマリとヤブデマリの違い

オオデマリとヤブデマリは非常に似通っています。もともと野生種であったヤブデマリが品種改良されて、園芸種となったのがオオデマリです。この二つの花の大きな違いは、ヤブデマリは花序の周りが装飾花になりますが、オオデマリは全てが、装飾花です。ヤブデマリの小花には特徴があり、小花の1辺が小さく咲きますので、花弁が均一の大きさではありません。反対にオオデマリは全花弁が均一の大きさで、密集して花が咲くのが特徴。

オオデマリとテマリカンボクの違い

同じ落葉低木で、スイカズラ科・ガマズミ属のテマリカンボクは英名をSnowballといい、オオデマリと酷似した花を咲かせます。またオオデマリの英名もJapanese Snowballであることからこの二つが同じ花であるように誤解をされがちですが、見分け方は非常に簡単。テマリカンボクの葉は、葉に3つから5つの切れ込みが入り、大きな三つ葉のような形をしています。オオデマリの卵の様な丸い形と比べるとその違いは一目瞭然ですので、すぐに見分けがつきます。

まとめ

オオデマリは見た目も華やかでボリュームのある花を咲かせる魅力的な観賞花です。花壇や庭先を飾るのにとてもふさわしい存在感のある植物。栽培方法や管理方法も非常にシンプルで初心者でも簡単に始められるのが嬉しいですね。 皆さんもオオデマリの栽培で、初夏に咲く見事な花をお楽しみください。