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ナスの育て方・栽培方法!剪定や植え方などの基礎からコツまでご紹介!

ナスの植え方や育て方など、栽培方法をまとめました。また、初心者にも育てやすいナスの品種や、水やり、追肥、剪定などのコツ、更に病害虫についてまで、ナスの栽培に役立つ情報が盛りだくさんです。ぜひこれを読んで、美味しいナスの育て方をマスターしてくださいね!
2020年8月27日
吉岡てんぱ
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夏野菜の中でも育て方が易しいナス

夏野菜の代表格であるナスは、家庭でも育てやすいことをご存知ですか。花壇や畑などでの地植えはもちろん、プランターや鉢でも気軽に育てることが可能。また、1本の苗にたくさん実がつくことから、収穫の楽しさも味わえます。家庭菜園やガーデニング初心者にも比較的簡単に育てられるので、ぜひ、基本的な植え方から、より美味しい実を収穫できる水やりや追肥、剪定のコツまでご紹介していますので、チャレンジしてみてくださいね!

ナスの栽培時期

ナスを苗から育てる場合の栽培時期

ナスの苗は、早いところでは少し暖かい日が続く4月下旬ごろから出回ります。ただ、植え付けはもう少し暖かい時期を待った方が無難で、暖地や中間値では5月上旬のゴールデンウィーク明けごろ、寒冷地は5月下旬ごろがおすすめです。5月に植え付けると、品種や天候にもよりますが、7月から10月末ごろまで収穫を楽しめます。ハウス栽培する場合は、4月中旬ごろから植え付けることができます。

ナスのを種から育てる場合の栽培時期

ナスは種からも育てることができます。家庭菜園や畑などでまとまって苗が必要な場合や、珍しい品種を育てたい場合は、種から育てた方が費用が少なくて済みます。 ナスの種まきは、加温育苗する場合は2月下旬から3月上旬、加温せずに育てる場合は、4月上旬から5月上旬の暖かい時期に行います。発芽適温は20℃から30℃で、朝と夜の気温差が10℃くらいの時が一番良い苗ができると言われています。お住いの地域の気候により、適した種まき時期は異なってくるので、決めかねる時は、園芸店やホームセンターなどに尋ねてみるのも良いでしょう。

ナスの育て方①苗の選び方

失敗も怖くない!お手頃な苗

ナスの苗は、1本60円前後から販売されています。安価な分、気軽に栽培にチャレンジできますよね。苗は、店頭に並んでから日が経っていると、ひょろひょろと茎が長く伸びていたり、葉が落ちてしまっていることがあります。できるだけ、根元に近い場所から葉が密集して生えているような、新鮮な苗を選びましょう。

栽培に成功しやすい接ぎ木苗

園芸店やホームセンターに行くと、少し価格が高いナスの苗を見かけます。そういった苗は、接ぎ木苗であることが多いです。 接ぎ木苗は、その名の通り、2つの品種の苗を接いだ苗で、それぞれの良い部分を組み合わせており、病気や害虫に強かったり、収穫量も通常の苗より多くなります。また、ナス科の連作障害に強い接ぎ木苗もあります。見分け方は、画像のように、苗の根元に近い部分に、茎がずれないようにするためのパーツが付いています。このパーツは、植え付けの際に外す必要はなく、茎が太く生長したら、自然に外れるようになっています。

ナスの育て方②栽培が簡単な品種8選

育て方が簡単!初心者にもおすすめなナスの品種

ナスの種や苗を見に行くと、たくさんの品種があり、どれを選んでよいのか迷ってしまいます。ナスの育て方は簡単とはいえ、できれば育てやすいものを選んで、たくさん収穫したいですよね。そこで、たくさんある品種の中から、家庭菜園やガーデニング初心者にも育てやすいと言われている品種を5つと珍種を3つをご紹介します。

・千両二号 ナスの中でも有名な品種で、よく育ち、長期間収穫可能なナスです。味もよく、家庭菜園にぴったりな品種と言えます。

・とげなし千両二号 千両二号の良いところはそのまま残して、とげをなくした品種です。ナスがたくさん実ると、収穫の際にとげがチクチク刺さって、痛い思いをすることもあります。とげなし千両二号も比較的多く出回っているので、チクチクするのが嫌な方は、ぜひ探してみてくださいね。

・黒陽 長ナスの中で有名な品種で、植え付けから早い段階で収穫が可能になります。ずっしりと詰まった実がたくさんつくので、農家からの人気も高い品種です。

・筑陽 焼きナスや漬物におすすめの品種で、形の良いナスがたくさん収穫できる品種です。家庭菜園でも育てやすい長ナスの、代表格です。

・早生大丸 丸ナスの中で、一番育てやすい品種です。皮が軟らかいので、煮ものなどにぴったりのナスです。

栽培が楽しくなる!珍しいナスの品種

・縞むらさき ナス特有の紫色に、白い立て縞が美しい品種で、ゼブラナスとも呼ばれます。イタリア原産のナスで、たくさん実がなります。油との相性が良いナスなので、揚物やオーブン料理にぴったりです。

・ロッサビアンコ こちらもイタリア原産のナスで、かわいらしい丸い形と、鮮やかな赤紫色が美しい品種です。とてもクリーミーなナスで、揚げ物やグラタン、パスタなどに向いています。


・ホワイトベル ホワイトベルは、日本で一番人気のある白ナスで、米ナスと同じような形で、皮をむいてもただただ真っ白です。くせがなく、ステーキにして食べると独特なクリーミーさが病み付きになりますよ。ただ、苗はあまり出回っていないので、通信販売で入手するか、種から育てるのが一般的です。

ナスの育て方③栽培に適した環境

ナスは高温が大好きな作物です。そのため、日当たりが良い場所で育てるようにしましょう。また、植え付け直後などは、冷え込むことがある場合もあります。ある程度の温度が保てないような場所に植え付ける場合は、マルチングをしたり、敷きわらをして、土の温度が下がりすぎないよう注意しましょう。 また、風通しが悪いと、虫が付きやすくなるので、ある程度の風通しが確保できる場所に植えつけるようにすると、管理が簡単になります。

ナスの育て方④苗の植え方

地植え栽培の場合の植え方

ナスを植え付ける際に適した土は、以下のように分量で調整した土になります。 赤玉土6:腐葉土3:バーミキュライト1 しかし、地植えの場合はその限りではないので、現在の土の状況に合わせて土壌を整えましょう。

苗を植え付ける2週間前に、石灰を撒いて土壌のpHを調整します。大体、土10リットルに対して10グラム程度と言われますが、表面がうっすらと白くなるくらい撒けば大丈夫です。撒いたあとは、しっかりと土に混ぜ込みましょう。

植え付けの1週間前に、元肥を入れます。堆肥や化学肥料、過リン酸石灰など、お好みのもので構いません。それぞれ、パッケージに書かれている量を混ぜ込んでください。肥料食いで有名なナスですが、植え付け後2週間から追肥を行いますので、元肥はパッケージの指示通りで大丈夫です。

植え付けの際は、苗と苗の間隔を50cm程度空けましょう。もし畝立てできる環境に植える場合は、畝幅は70cmくらいがおすすめです。寒さが気になるときは、植え付け前にマルチをしたり、植え付け後に敷きわらをします。

プランター栽培の場合の植え方

プランター栽培の場合は、できるだけ深めのプランターを選ぶようにしましょう。そうすると、しっかり根を張ることができるので、プランター栽培でも、風などで苗が倒れることを防ぐことができます。

プランターに入れる土は、「赤玉土6:腐葉土3:バーミキュライト1」の割合で調整した土を利用します。もしくは、ナス科の野菜を育てる土も販売されているので、そういったものを利用するのもおすすめです。 地植え同様、植え付けの1週間前頃に元肥を入れますが、購入した土にはすでに肥料が入っているものもあるので、しっかり注意書きを読んで、肥料が必要かどうか、確認してみてください。

プランターでナスを栽培する場合も、苗と苗の間隔は50cm程度必要です。もし確保するのが難しい場合は、プランターではなく、1株ずつ植えられるような、コンテナや鉢を利用するのも管理がしやすくなり、おすすめですよ。

ナスの育て方⑤支柱の立て方

ナスはぐんぐん生長するため、支柱がないと、倒れてしまうことがあります。支柱の立て方はいくつかありますが、その中でも一番簡単な3本仕立てをご紹介します。

苗を植え付けた際は、苗の脇に1本支柱を立てるだけで大丈夫ですが、わき目が伸びてきたら、両脇にクロスさせるように2本支柱を立てます。伸ばすわき芽は、第一花(一番最初に付いた花芽)の直下と、その上のわき芽にします。それ以外のわき芽は摘芯します。そして、この3本の枝を中心に、ナスを栽培します。プランター栽培でも同じように支柱を立ててください。

ナスの育て方⑥水やり

ナスは、夏の暑い時期も元気に乗り越える作物ではありますが、日中に水やりをするのはあまり望ましくありません。水やりは朝行い、不足していそうなときは、夕方涼しくなってから水やりをするようにしましょう。また、生長に合わせて水やりを調整すると、よりたくさんのナスを収穫できるようになるので、ぜひお試しください。

植え付け後3週間まで

ナスは水やりを忘れると、分かりやすく元気がなくなります。植え付け後3週間程度は、水やりはこまめに行い、水を切らさないようにしましょう。特にプランターの場合は、水切れしやすいので、暑い日は朝晩たっぷり水やりをしてあげてください。

植え付け後3週間から収穫前まで

植え付け後3週間くらい経つと、株も安定してきます。また、丁度梅雨の時期にかかることもあり、水やりは少し控えめに行います。そうすることで、根が張りやすくなり、大きな株に成長し、実もよくつくようになります。 ただ、ナスの状態を観察することは忘れないでください。もし元気がなかったら、早めに水やりをするようにしましょう。

収穫後

1番目のナスの収穫後から、水をしっかりあげるようにしましょう。そこまでに、しっかり根は張れているので、株元だけではなく、広範囲にたっぷりと水やりをすることで、実のつきがよくなります。しっかり水やりをしていても、元気がなくなるようであれば、株の周りに溝を掘って、水が溜まるような仕組みにしてみるのもおすすめです。 プランター栽培での育て方のコツは、プランターの底から水が流れるくらい、しっかりと水やりをすること。そうすることで、プランターの中の空気が入れ替わり、土壌の状態が良くなります。

ナスの育て方⑦追肥


ナスの育て方で、水の管理と同じくらい重要なのが、肥料の管理です。追肥は、2週間毎に行うようにしましょう。根元に近い場所に肥料を置くと、枯れてしまうこともあるので、地植えの場合は根元から30㎝程度離れた場所に、プランターの場合は、根元からできるだけ離れた場所に、肥料を置きます。 追肥の際に与える肥料は、液肥や置き肥など、好みの肥料で大丈夫です。いずれもパッケージに書かれた量を守るようにしましょう。 しかし、2週間ごとに追肥をしていても、肥料切れしてしまうこともあります。そういった時は、ナス自身が肥料切れを教えてくれるので、しっかりと様子を観察して追加で追肥してあげるのも育て方のコツです。

もし、マルチをしている場合は、マルチを剥がしてから追肥を行います。追肥の度にマルチを剥がすのが大変なので、ある程度気温が高い日が続くようになったら、マルチを外してしまうのも良いかもしれません。 同様に、敷きわらをしている場合も、追肥は敷きわらを避けて行いましょう。

肥料切れのサイン

通常、ナスはめしべの方がおしべより長く、上の画像のように、数mm伸びています。しかし、肥料が足りなくなると、めしべが短くなってしまいます。

このように、横から見ると、おしべしか見えなくなります。こうなっていたら、早めに追肥をするようにしてくださいね。 他にも、花びらの色が薄く白っぽくなったり、葉の色が悪くなったり、花数が減ったりした場合も、肥料が不足しているサインです。肥料不足は、収穫量を大幅に減らしてしまうので、早めに追肥してあげましょう。

ナスの育て方⑧収穫のタイミング

ナスの収穫は、花が咲いてから15日から30日後ごろが最も良いタイミングと言われています。しかし、開花から日数をカウントするのも大変ですし、品種や環境、時期によって、収穫のタイミングがその日数に必ず当てはまるとも言い切れません。そのため、育てながら実際に目で見て収穫時期を見極められるようになるのが一番です。

品種毎の収穫時期のサイズを知る

苗のタグや種の袋に書かれている収穫時期の目安となるサイズを確認しましょう。ナスは、大きくなり過ぎると、味も落ちるうえ、株も弱ってしまうので、少し早めに収穫するのがおすすめです。もしタグや袋をなくしてしまっても、検索すると情報が出ていることが多いので、諦めないでくださいね。

大まかなナスのサイズから収穫時期を見極める

ナスは「中長ナス」「長ナス」「丸ナス」「小ナス」など大まかなサイズで分けられているので、スーパーなどでナスを観察して、同じくらいになったら収穫するというのもおすすめです。

ナスの育て方⑨剪定

ナスは、剪定することで、秋ナスを楽しむことができます。その剪定のコツをご紹介しますね。

剪定の時期

ナスは、高温が大好きな作物ですが、真夏の暑さは負担になることがあります。そうすると、花つきが悪くなり、実もつきにくくなります。そうなる前に、剪定を行うことでがナスの育て方のコツ。秋まで収穫を続けることができます。 剪定は、7月下旬から8月上旬ごろに行います。剪定の時期が遅くなると、秋の収穫時期には寒さが厳しくなってしまい、秋ナスの収穫ができなくなるので、株が元気でも、その頃に行うようにしましょう。

剪定の方法

ナスの剪定は、葉を1枚以上残しておけば、どこを切っても大丈夫です。ただ、根元近くの主幹から出ている小さな枝を残しておくと、その後の成長が順調に進むので、おすすめです。剪定が終わったら、追肥を行い、通常通りの管理をします。すると、秋頃にまたたくさんの実をつけてくれます。

ナスの栽培中に気をつけたい病気

ナスがかかる病気はいくつかありますが、その中から代表的な病気をご紹介します。

青枯病

青枯病は、その名の通り、葉が青々しいまま急激にしおれてしまう病気です。梅雨明け後、気温が急激に上昇すると発病し、数日で枯れてしまいます。青枯病は、発生してすぐなら、バリダシン液剤で治療ができますが、発生から時間が経つと、治療方法はありません。また、病原菌は土壌伝染するので、同じ場所にナス科の作物を植えるのは避けましょう。

うどん粉病

葉に白い粉のようなものが付着する病気です。この白い部分は、カビで、低温や空気の乾燥で発生したり、チッソが多く含まれる肥料を使用しているときに発生します。うどん粉病は、カリグリーンという農薬で治療することができます。

ナスの栽培中に気をつけたい害虫

テントウムシダマシ


テントウムシダマシは成虫も幼虫もナスの葉を食べます。また、大発生すると、実まで食べてしまうので、もし1匹でも見つけたら、ナスの葉の裏をチェックしましょう。もし複数見つかった場合は、スミチオン乳剤を葉裏に塗布することで、被害を防ぐことができます。

アオムシ

ナスにはいろいろな蛾の幼虫、アオムシがつきます。とても食欲が旺盛で、あっという間に葉を食い尽くします。特にハスモンヨトウは発生しやすいので、幼虫が小さいうちにアファーム乳剤などの薬剤を使用するようにしましょう。栽培範囲が狭い場合は、捕殺で対応することもできます。

その他の虫

ナスには、その他にもカメムシやダニ、アブラムシ、カタツムリなど、あらゆる虫がやってきて、葉を食べます。被害が小さいうちに虫を退治したり、薬剤を使用しないと、あっという間に被害が広がってしまいます。水やりの際などに、しっかり観察して、被害を最小限に抑えられるようにしましょう。

一緒に栽培するとよい野菜

ナスには、コンパニオンプランツと言って、一緒に栽培することで、病害虫の被害を防げたり、生長を促してくれる植物があります。

バジル

バジルの香りには、ニジュウヤホシテントウを予防する効果があります。ただ、バジルは生育が旺盛なので、植え方にはコツがあります。バジル影を作ってナスが日照不足になってしまうことがあるので、すぐそばに植えないこと、また、大きくなったら剪定をすることが大切です。

ネギ

ネギは、ナスの青枯病の予防に役立ちます。ネギ以外にも、ニラ、チャイブなどにも同様の効果があります。苗の植え方のコツは、ナスの根にネギの根を近づけることです。ネギは日陰を作らないので、近くに植えても問題ありません。

ナスタチウム

ナスタチウムには、テントウムシを引き寄せる効果があります。テントウムシは、ナスに来るアブラムシを食べてくれるので、アブラムシによる被害を防ぐことができます。また、ナスタチウムは横に広がりながら成長するので、マルチや敷き藁の代わりにもなります。植え方のコツは、ナスの根元近くに複数植えることです。

シソ

シソには、害虫を寄せ付けない効果があります。おすすめの植え方は、ナスとシソを交互に植えることです。ただ、シソも生長が旺盛なので、ナスが日陰にならないような植え方をし、随時収穫することもポイントになります。

パセリ

ナスとパセリはお互いがお互いのコンパニオンプランツで、それぞれの害虫を寄せ付けない効果があります。また、お互いの生長を促進する効果もあります。パセリは直射日光が苦手なので、ナスの影になるような植え方をすると、それぞれの栽培を長く楽しむことができます。

上手な育て方で美味しいナスを!

ナスにも、気をつけたい病害虫はあるものの、基本的にとても育てやすい作物です。また、幅広いジャンルの料理に使用できるので、収穫の楽しみも大きいです。秋ナスまで堪能できるよう、上手に育ててあげてくださいね!