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【室内でも元気に育つ】シマトネリコの育て方!形や大きさを整える剪定のコツを解説!

すっきりとした株立ちや小さく薄い葉がが涼しげで、家のシンボルツリーとして大人気のシマトネリコ。成長が早く地植えでは10m以上にも育ちますが、鉢植えで育てることもできます。今回は、シマトネリコの植え方、育て方、管理方法など、上手に成長させるコツをご紹介します。
更新: 2021年4月12日
chika44
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シマトネリコとは

シマトネリコは、地植えにすると10m以上に成長する常緑高木です。また常緑樹の中では、シンボルツリーとして日本でいちばんよく植えられている庭木です。奇数羽状複葉といって、小さく薄い葉が規則的に並び、株元から数本の細い幹が立ちあがる株立ちの樹形は涼しげで、直幹で横に場所を取らないところ、育て方も比較的簡単なところが人気の理由です。初夏に房状になって咲く白い花も爽やかです。

基本情報

■科名:モクセイ科トネリコ属 ■学名:Fraxinus griffithii ■和名:シマトネリコ ■英名:Griffith’s ash ■別名:タイワンシオジ ■原産地:日本(沖縄)、台湾、中国、フィリピン、インド ■開花時期:5~7月 ■耐暑性:強い ■耐寒性:やや弱い

名前の由来

シマトネリコとは、「シマ(沖縄などの島)に生えるトネリコ」という意味で名づけられました。「トネリコ」は「戸に塗る木(トネリキ)」がなまったといわれています。これは、昔、トネリコの樹皮につくイボタロウムシが分泌した蝋物質を、戸の溝に塗りすべりやすくしたことから名づけられたそうです。

シマトネリコの花

小さな白い花が咲く

5月下旬から7月にかけて、白い小さな花を房状にたくさん咲かせます。遠くから見るとふわふわと咲いているように見えます。シマトネリコは雌雄別株の木で、雌の木だけに花が咲きます。シマトネリコはモクセイ科に属しているため、キンモクセイと同じように、花からはとてもよい香りがします。

花後の種

花が咲き終わった後は結実し、白い翼(よく)をもった種がつきます。種は樹の上のほうで長い期間ついているので、まるで花が咲き続けているように見えます。この翼から種を収穫することもできます。

花が咲かない原因は

もしシマトネリコの花が咲かないときは原因は3つ考えられます。一つは雄木であること。花は雌木にしか咲きません。また、若すぎる木には花が咲かないこともあります。数年成長した後に花が咲き始めることもあります。もう一つは、5~6月に枝を切ってしまうことです。この時期に花芽のついた枝が成長しているため、切ってしまわないように注意すると、雌木には花が咲きます。

シマトネリコの植え方

植え方その1. 苗の選び方

苗を選ぶときは、葉の色が濃く、つややかなものを選んでください。シマトネリコの特徴は、なんといってもその葉の美しさです。葉が黄色く変色している、枯れかかっているような苗は選ばないようにしましょう。 また、買う際にハダニやアブラムシのような害虫がついているような苗を買うのもやめましょう。成長を遅らせたり枯らしたり、他の植物にも繁殖してしまう恐れもあります。

植え方その2. 植え付けに適した時期

4月が適期です。植え替えもこの時期に行います。暑い時期に植え付けを行ってしまうと、根がまだ水をよく吸い上げないうちに葉から水分が蒸発し、枯れやすくなってしまうので注意します。

植え方その3. 植え付けに適した用土

水はけのよい土を選びます。鉢植えの場合は、観葉植物用土2に、赤玉土1、鹿沼土1の割合で混ぜたものなどがおすすめです。 庭植えする場合は、土に植木用培養土を混ぜこみます。たい肥や赤玉土、ゼオライトなどを加えればさらに水はけのよい土を作ることができます。

植え方その4. 庭植えの場合

根鉢の1.5倍程度の植穴を掘り、土壌改良をします。穴にそっと根鉢を降ろしていきます。根鉢の上部が穴と同じ高さか少し浅いくらいになるよう穴の高さを調整します。深植えにならないように注意しましょう。高さが決まったら、土を戻して埋めていきます。棒などで突きながら、空洞ができないように土を埋めていきます。 7~8割埋め戻したら一度大量に水をやります。ここで少し土が沈むので、また土を埋め戻す、というのを繰り返し、穴と同じ高さまで埋め戻します。終わったら足で踏み固めておきましょう。また、たっぷりと水やりをします。

植え方その5. 庭植えする場合の注意点


庭木として植え付ける場合、向きを考えて植えましょう。どちらの向きを「顔」とするか、樹形を見ながら決め、そちらが正面にくるように植え付けるようにします。 また、植え付けるときに繁りすぎて樹形が暴れてしまっていたら、株元から枝を切り落とし、ある程度すっきりとさせてから植え付けたほうが、その後の育て方にも影響してきます。お気に入りの樹形を作ってから植え付けましょう。

植え方その6. 鉢植えの場合

シマトネリコは、すでに鉢に植え付けて販売されている場合もありますが、小さめの苗木を購入し一回り大きな鉢に植え替えたい場合の植え方は、鉢底に元肥として有機質肥料か緩効性化成肥料を入れて、用土を入れ植え付けます。

シマトネリコの育て方

育て方その1. 育てる場所

関東以南の暖地では、屋外で育てることができます。耐えられる寒さは-3度ほどまでと、寒さにはあまり強くありません。-5度ほどに寒くなると枯れてしまったり、葉を落としてしまうこともあります。一方、夏の暑さや潮風には強いです。

育て方その2. 日当たり

地植えの場合は日当たりのよい場所で育てます。半日陰程度でも育ちます。 鉢植えの場合は、戸外で管理するのであれば半日陰程度、室内であれば日の当たる窓際などで育てます。強い直射日光があたるような場所では葉焼けをする恐れもあります。レースカーテン越しに日が当たるような場所がおすすめです。

シマトネリコの管理方法

水やり

植え付けて2年未満程度のシマトネリコは、水を切らさないように注意します。土の表面が乾燥したらたっぷりと水やりします。とくに鉢植えの場合、乾燥には弱いです。乾燥しすぎると葉が落ちてしまうので、水を切らさないように注意しましょう。地植えで2年以上成長させたら特に水やりせず、自然の雨にまかせるだけで大丈夫です。

肥料

地植えの場合は、2月頃に有機性肥料を株元の周辺に埋めてあげます。鉢植えの場合は、春の成長期に緩効性化成肥料を追肥します。

冬場の管理方法

寒さには弱い

シマトネリコは寒さにはあまり強くありません。-5度より寒くなるような寒冷地での管理は向きません。鉢植えであれば冬は屋内で育てるほうがいいでしょう。とくに霜には注意します。霜が降りると枯れてしまうことがあります。 地植えの場合、大きく成長すればそれだけ寒さには強くなりますが、やはり寒すぎると葉が落ちてしまったりすることもあります。その場合も、春に暖かくなるとまた芽吹くこともあります。

水やりは控えめに

夏場は乾燥に注意しますが、冬場成長がとまっている時期に水を与えすぎると、根腐れをおこしてしまいます。水やりは土が完全に乾いてからにしましょう。

シマトネリコの増やし方

挿し木

シマトネリコは、活着率はそれほど高くありませんが挿し木で増やすことができます。5~7月頃枝を10cmほど切り取り穂木にします。水に1時間ほど切り口を浸し、切り口に発根促進剤を塗ります。清潔な赤玉土に挿し、明るい日陰で管理しながら発根させます。根が出るまで数ヶ月かかりますが、その間は水を切らさないように注意します。根が生えたら、植木鉢や庭に植え替えます。

種まき


種は10月頃になり茶色くなったら収穫します。袋などに密閉し冷蔵庫で保管し、翌春の4月に用土にまきます。まくときに、翼を手でほぐして大方取り去ってから植えつけたほうが、発芽率はよくなります。種がかくれる程度薄く土をまいたら、土が流れないようにそっと水をまきます。芽が出て大きくなったら植え替えをします。

シマトネリコの剪定

シマトネリコに剪定が必要な理由

シマトネリコは成長の早い樹木です。地植えの場合、その土地に慣れると急激に成長し、みるみるうちに10m~20mほどの高さまで育ってしまうこともあります。定期的に剪定をして、適当な樹高にする必要があります。また、葉が繁りすぎて姿が乱れてしまうこともあるので、邪魔な枝を取り払うためにも剪定を行います。シマトネリコは比較的強い樹木なので、強剪定で根元から切り取っても大丈夫です。

剪定に適した時期

厳寒期、極端に暑い時期を除けば基本的にいつでも行えます。初夏に花が咲く前に剪定してしまうと花が咲かなくなってしまうので、花を咲かせたい場合はその時期を避けます。

剪定の方法

・メインの枝の高くなりすぎた部分や、複数に枝分かれした部分を切り、一本にする。 ・徒長枝(幹や太い枝から上にまっすぐ伸びる太い枝)や、重なった枝、懐枝(内向きに伸びた枝)、下向きの枝などを、付け根部分から切り取る。 ・葉が重なりすぎている枝があれば、余計な枝葉を取り除く。 ・成長後を予測して、遠くから見て横長もしくは種長の楕円形になるように剪定していく。 ・剪定した枝の切り口に、癒合剤を塗る。※剪定した部分より上部が枯れる、切り口から菌が侵入するのを予防するため。 ・その後の育て方は通常と同じ。

鉢植えの室内での育て方

鉢植えでの育て方のコツ

庭木で人気のシマトネリコですが、最近では鉢植えにして、その小さな美しい葉や涼やかな立ち姿を楽しむ人も増えています。成長は早いので、剪定しながらお気に入りの形に整えていくのがコツです。室内では、直射日光が当たり過ぎない明るい窓辺、エアコンの風が直接当たらない場所などで管理しましょう。

鉢植えの剪定

剪定するときは、枝の根元から切り取ります。古い枝や、伸びすぎた枝などを切り取ります。また、なるべく美しい株立ちになるよう、内向きや下向きに伸びている枝も取り除きます。成長した後の姿を想像しながら行ってみましょう。新しい枝が成長しやすい初春に行うのがおすすめです。

管理の注意点

たまに葉水を与えましょう。葉にホコリがたまることや、ハダニなどの害虫防止にもなります。外に出して、葉全体に水をかけるようにします。

植え替え

2年に一度くらいを目安に植え替えをします。根が底穴から出てしまっていたら根詰まりを起こしているので、一回り大きな鉢に植え替えをします。根についた古い土を1/3ほど崩し取り、新しい用土を入れた鉢に植え替えます。

気をつけたい病気・害虫

病気

褐斑病、うどんこ病、またすす病などにかかることがあります。原因は葉の繁りすぎなどによる多湿、剪定時の枝の切り口に癒合剤を塗布しなかった、害虫によるものなどがあります。発生してしまったら、その部分を取り除き、全体を薬剤で消毒します。

害虫

ハダニ、アブラムシ、ハマキムシ、イモムシ(スズメガの幼虫)、カイガラムシ、ナメクジなどの被害を受けることがあります。葉を枯らしてしまうので、発生したら早期に殺虫剤で駆除します。

シマトネリコの葉が落ちる原因は?

寒さ、水切れ、病害虫など


シマトネリコは常緑樹ですが、上述したように、極端な寒さ(-5度以下)、極端な乾燥、また葉を枯らすような病害虫の被害にあうと、葉が落ちてしまうことがまれにあります。その場合、「枯れてしまったかな?」と心配になりますが、枝までは完全に枯れておらず、暖かくなったり水をあげると、また葉がはえてくることもあります。枝を曲げてみて、ポキッと折れてしまったら枯れてしまっている可能性が高いですが、ぐにゃっと曲がるようであれば枯れていないので、慎重に管理しながら葉が復活するのを待ちましょう。

シマトネリコの花言葉

「威厳」「偉大」「服従」「思慮分別」「高潔」「荘厳」

花言葉は、トネリコ属に共通しています。これらの花言葉に共通する高貴なイメージは、北欧神話に出てくる世界を支える樹「ユグドラシル」が、シマトネリコの近隣種であるセイヨウトネリコだったことに由来しています。

シマトネリコの楽しみ方

玄関先のシンボルツリーに

玄関先に植えるシンボルツリーとしてシマトネリコを選ぶ方も多いです。理由は、常緑であること、枝が細く株立ちが爽やかなこと、葉も小さくかわいらしいことです。さらに枯れづらく頻繁な水やりも必要ないので、管理もしやすいことがあります。

和風の庭に

シマトネリコの常緑樹ながら葉が小さく、株立ちのすっきりとした姿は、洋風の庭だけでなく、和風の庭にもよく似合います。厳しい直射日光が当たるような場所よりは半日陰のような場所のほうが適しているため、裏庭などへの植え方も似合います。

目隠しに

樹高が高くなり、葉がたくさん生い茂るシマトネリコは、目隠ししたい場所に植えるのにも適しています。例えば大きな窓や外からあまり見られたくないベランダなどです。剪定などの管理は少し手間になりますが、小さな葉がたくさん生い茂るシマトネリコならではの植え方です。

シマトネリコとトネリコの違い

常緑樹と落葉樹の違いがある

同じモクセイ科トネリコ属の庭木ですが、シマトネリコが(半)常緑樹なのに対し、トネリコは落葉樹です。また、シマトネリコは沖縄、台湾やフィリピンなどのアジア原産ですが、トネリコは日本原産です。見た目での見分け方は、トネリコのほうが葉が少し大きめなことと、冬には落葉することです。近年では、常緑で葉の小さなシマトネリコに人気が集まっています。

まとめ

シマトネリコの植え方、育て方、管理方法などをご紹介しましたが、いかがでしたか。育て方が難しいかな、と躊躇していた方も、比較的簡単だということがおわかりいただけたと思います。人気のシマトネリコを庭のシンボルツリーや、家の中での観葉植物として、ぜひ育ててみてください。