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ネズミモチの育て方!あまり知られていない実の効能と活用術もご紹介!

ネズミモチはよく見かけますよね。生け垣や庭木、公園などに植えられています。汚染物質に強いので、道路や工場などの緑化でも活躍しています。ネズミモチは女貞子とも呼ばれ、果実は不老長寿の生薬とされています。詳しい効能や活用術、育て方をご紹介していきます。
更新: 2021年1月12日
gauyorim
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ネズミモチとは

常緑性(じょうりょくせい)の小高木で、高さが5m前後にまで成長します。生育力がおうせいで、剪定(せんてい)しても芽が出やすく枝も伸びやすいことから、庭木や生け垣によく使われています。

公園に植わっているのをみたことはありませんか? それに排気ガスなどの汚染物質(おせんぶっしつ)に対しても強いので、道路や工場での緑化植物としても利用されているんですよ。

基本情報

モクセイ科イボタノキ属です。 学名は「Ligustrum japonicum」になります。この学名から「リガストラム」とも呼ばれます。 原産地は、日本、台湾、中国、朝鮮半島です。

分布

原産地はもちろん、日本では関東から西という暖かい地域の低地などに自生しています。 成長するために多くの光合成が必要となる樹木です。なので日光が当たりやすい環境でよく見られます。森では木々の密集(みっしゅう)していない所だったり、火事などの影響で他の木々があまりない場所で生育しやすいです。

名前の由来

ネズミモチという名前は、ネズミのフンに似ている果実をつけ、モチノキのような葉っぱをしていることが由来です。ネズミのフンというのはピンとこないですよね。見たことがある人は少ないと思います。モチノキの葉っぱに似ていても、モチノキとは別の科です。

ネズミモチの特徴

丈夫でよく育つため実用的な樹木ではありますが、ルックスの特徴はあまりないんです。良くも悪くもオーソドックスといったところでしょうか。なので、見た目の安定した生け垣や庭木にすることができますね。 もうちょっと個性を感じたかったり、鑑賞を楽しみたい場合には、葉っぱに班(はん)の入った品種がおすすめです。

花について

開花時期は6月頃です。 鈴のような形をしていて、花びらは途中から先にかけて4枚に分かれています。大きさは5mm前後と小さく、白くてかわいい花がたくさん咲きますよ。 花言葉もあって「名より実」というぴったりな意味合いになっています。

葉っぱや果実について

葉っぱは誰もが思い浮かぶような典型的なものです。緑色で、厚みとテカりがあります。葉っぱからも丈夫さが感じられて、汚染物質に強いことと、光合成をたくさんするというのもうなずけます。

生け垣ではバリケードの役割もになってくれそうです。 ネズミのフンみたいといわれてしまった果実は、まん丸ではなくタテ長で1cm前後の大きさです。熟すのは秋で、黒紫色になります。

ネズミモチが適した環境


気温的に関東を含めた西の地域なら問題ないです。寒い地域では冬に葉っぱが落ちてしまいますが、暖かい地域へいくほど冬でも葉っぱは落ちません。 日当たりのよい場所での育て方がベストですが、日陰での育て方でも成長しますよ。 汚染物質だけでなく潮風にも負けないため、あまり場所を選びません。

ネズミモチの種まき

果実を収穫できる時期は秋です。よく水で洗ってから、皮と果肉を取り、種子を採取します。種子は乾燥すると芽が出づらくなってしまいますので、乾燥しないように保管してください。 種まきの時期は4月です。種まき用の培養土(ばいようど)か、赤玉土小粒などの用土へ種をまいて水をふんだんにかけてあげましょう。

ネズミモチの植え付け

ネズミモチは大きくなりますますので、鉢植えではなく地植えでの育て方になります。 成育期である春〜秋の時期に植え付けができますよ。中でも3月か、6月〜7月の梅雨の時期に行うのがおすすめです。

用土

丈夫な樹木でどこでも育ちやすいのですが、少しだけ湿度のある土質が適しています。粘土質であれば最適です。 乾燥しやすい土質だと、花や枝がつきづらいなど成長に問題がでてきます。

植え付けの前に、庭土へ腐葉土(ふようど)と、効き目がゆっくりとあらわれる緩効性化成肥料(かんこうせいかせいひりょう)を混ぜて準備しておくのがいいですね。

ネズミモチの管理

ネズミモチは丈夫なので、育て方は難しくありません。剪定に少し手間がかかりますが、管理も簡単ですよ。 基本的な管理は、水やり、剪定をするの2点です。まれに肥料が必要になることもあります。これだけを適切に行う育て方で、元気に成長してくれます。

水やり

植え付けてから根付くまでは、土が乾燥してから水をふんだんにかけてあげてください。根付いてしまえば、基本的に水やりの必要はなくなります。 ただ、あまり雨が降らずに土が干上がってしまうような時には、その都度水やりをしましょう。

特に夏場は強い日照りで土が乾燥しやすいので、日差しがまだ強くない朝または夕方に水を与えます。 冬の時期は、水を必要としません。

肥料

通常なら肥料はいりませんが、葉っぱの色が薄くなった時には、3月頃にほどこします。緩効性の化成肥料を株の部分へ適量与えれば大丈夫です。

剪定

よく芽が出て枝が成長しやすいため、すぐボサボサになってしまいます。この乱れた姿を整えるために剪定をおこないます。整った姿をキープさせるため定期的に剪定するなら、1年に3回ぐらいのペースになります。

剪定の時期として、春〜秋の成育期におこないましょう。 しまりがなく伸びきった枝などを付け根から剪定してください。

ネズミモチの増やし方

ネズミモチは種まきの他に、挿し木(さしき)で増やすことができますよ。 挿し木は、6月〜7月の梅雨の時期か、9月におこないます。枝を先から5cmほどの長さにして、水へ1時間つけます。

挿し木用か種まき用の培養土、または赤玉土小粒へ、枝の切り口を下にして挿します。ふんだんに水をかけ、日陰で育ててください。根っこと芽が出てきたら、地植えしていきます。


ネズミモチが被害にあう病害虫

丈夫なネズミモチでも病気や害虫の被害を受けることがあります。風通しを良くすることで、ある程度の予防ができますよ。必要なら薬剤も使いましょう。 かかりやすい病気は、葉っぱに黒い斑紋(はんもん)ができる斑紋病や、ウドンコ病です。

害虫で発生しやすいのは、マエアカスカシノメイガです。新しい芽をこの幼虫が食べてしまいます。見つけたら駆除してください。

ネズミモチの効能と活用術

ネズミモチは丈夫なため様々な用途で使いやすく、育て方も簡単な樹木ということが分かっていただけたと思います。 ですが、これだけではありません。ネズミモチにはすごい効能があるんです。せっかく育てているなら活用しないともったいない!この樹木と果実のエキスがもたらす効能や活用術をご紹介します。

生薬としてのネズミモチ

ネズミモチの果実は、中国における名称で「女貞子(じょていし)」といいます。熟した果実を乾燥させることで、不老長寿の生薬とされ、葉っぱや樹皮にも効能があると聞きます。

中国の本草綱目(ほんぞうこうもく)に記載されている効能としては、胃腸を元気にさせ、五臓(ごぞう)を穏やかにして、心を休め、どんな病気でも治してくれるとあります。 実際には滋養強壮などの効能があるそうです。

ネズミモチ茶

ネズミモチのエキスが体にいいというのが分かったら、さっそく試してみたくなりますよね。まずは葉っぱのお茶をご紹介します。葉っぱのエキスたっぷりのお茶が飲めますよ。

よく洗った葉っぱを切ったあとに乾燥させ、軽く弱火にかけながら完全に水分を飛ばせば完成です。火のかけすぎには注意してください。水分をなくすことが目的で、香ばしさを出してはいけません。青くささのあることがポイントです。

ネズミモチエキス

果実、葉っぱ、枝と、まさにネズミモチからエキスを取り出していきます。材料をよく洗ったあと、まる二日間ほど水につけてエキスを出します。材料を取り除いて、こした水を中火から弱火で煮詰めてください。

トロっとしてきたらネズミモチの凝縮エキスの完成! 苦いエキスですが、良薬口に苦しです。あまり分からない程度に料理へ入れるのがいいかもしれません。

厳選の女貞子レシピ

【材料】 ●女貞子15g ●昆布20g ●豆腐150g ●すりおろし生姜5g程 ●塩小さじ1/2~1程 【作り方】 1.女貞子をお茶袋に入れて、鍋に500ccのお水で10分煎じる。 2.①に昆布と豆腐、生姜を入れて約10分煮て、塩で味をととのえる。

夏に弱った体をいたわってくれるスープです。作り方はとっても簡単! 夏の暑さにあわせ体温が上がることで、体の水分が足りなくなってしまう方におすすめ。年齢からくる視力の低下や、耳鳴り、足腰の痛みなどがある方にも効果的です。

夏は食欲がなくなりますよね。食べやすい豆腐がメインの食材になっているので、胃腸の調子が悪くても栄養補給ができます。

ネズミモチの仲間5品種

ネズミモチと同じ仲間の樹木も人気があります。有名な5品種をご紹介していきますね。


5-1.トウネズミモチ

学名は「Ligustrum lucidum」 中国が原産です。ネズミモチに比べて大型という以外は区別がつきづらいです。よく成長し芽も出やすいので、ネズミモチと同じように利用されていますよ。 大きく成長すると10m以上もの樹高になる場合があります。

5-2.トウネズミモチ トリカラー

学名は「Ligustrum lucidum Tricolor」 トウネズミモチの葉っぱに班が入った園芸品種です。ベースの緑に白い班、フチが赤系と、トリカラーになっています。

5-3.フクロモチ

学名は「Ligustrum japonicum var. rotundifolium」 ネズミモチの変種で小型種になります。丸っこい葉っぱがかわいいんですよ。

5-4.プリベット

学名は「Ligustrum sinense」で、シネンセ種になり中国が原産地です。 生け垣用として人気が出てきています。芳香のある花がよくつきます。 プリベットもネズミモチとの区別が難しいのですが、ネズミモチは厚い葉っぱでタテ長の果実をつけ、プリベットは薄い葉っぱで丸い果実をつけます。

5-5.シルバープリベット

学名は「Ligustrum sinense Variegatum」 プリベットと同じシネンセ種。葉っぱに入った白い班が特徴的です。 プリベットとともに、丈夫な樹木です。グングン成長し、よく芽が出て枝を伸ばします。場所も選ばないので使い勝手がいいんですよ。 生け垣に利用するなら、1m以上の高めなものに適しています。

ネズミモチは実用的

一見すると平凡な印象のネズミモチですが、強く丈夫なことから現代において欠かせない樹木となっています。汚染物質による公害を少しでも抑えるための緑化植物として利用されたり、プライバシーや防犯に役立つ生け垣になったりと、様々な場所で活躍しています。

お花はかわいいですし、品種によっては鑑賞用としても楽しめますよ。 女貞子としての効能も期待できるネズミモチをぜひ育ててみてください。