水仙の育て方!4つのポイントを確認しよう
水仙は、寒さに強い球根植物
秋に植えると、 春の初めには香りと共に開花する水仙。 日当たりさえ確保できれば、育て方はとっても簡単。 寒さに強い球根植物なので、基本さえ分かっていれば誰でも花を咲かせられますよ。 洋風のお庭にも、日本のお庭にも合う花です。
育て方のポイント4つをご紹介
あなたも水仙を育ててみませんか? 植え付けからその後のお手入れまで、 育て方のポイントを4項目に分けて解説します!
水仙の育て方1.基本の植え付け
1-1、植え付けの時期
10月下旬~11月が最適です。 水仙の球根は、9月ごろから園芸店に出回ります。 でも、早く植え付けてしまうと、冬の間に葉が痛みやすくなるので注意。 充分に涼しくなってから植え付けましょう。 本格的に冬が到来してからの植え付けも避けます。
1-2、日当たり
水仙は日当たりの良い場所を好みます。 鉢やプランターで育てるなら、花が終わって休眠する7~8月は半日陰に置き、 ほかの季節は当たりの良い場所に置くと良いでしょう。
1-3、植え付ける場所の準備
鉢で育てるのであれば、まずは底の穴を鉢底ネットで隠します。 虫の侵入を防ぎ、土が落ちるのを避けるためです。 つぎに、鉢底石を敷きます。これはプランターの場合も同様です。鉢の底が隠れるくらいまで敷きましょう。ちなみに、鉢底石はホームセンターで購入可能。土の近くで売られています。
1-4、水仙の土
水仙の土は花用の培養土で大丈夫。 「球根の土」という商品も販売されています。 もちろんこれを使うのもおすすめ。 ただ、普通の培養土でも育つので、自分が持っているもの、購入しやすいもので試してくださいね。
1-5、水仙の肥料
「元肥入り」と書かれている土を使うなら、植え付けのときに自分で肥料を与えなくてもOKです。 地植えしたいのであれば、 植え付ける場所をよく耕しましょう。 このとき、堆肥と緩効性肥料を一緒にすき込みます。
水仙の育て方2.植え付けのポイント!
2-1、深く土に埋めること!
スイセンは浅く植えてしまうと、きれいな花が咲きません。 植え付けの時は「深め」がポイント! 球根の3倍くらい深く土を掘り、しっかり地上から隠れるように植えます。
2-2、球根の向き
また、球根の向きも大切です。 実は、水仙は球根を見ることで「どちらに葉っぱが開くか?」というのが分かるのです。 球根のてっぺん、たまねぎ頭になっている部分に注目してください。 ここに「-」のような線が入っていませんか? 水仙の球根は、この「-」部分を中心に葉を出します。この「-」の方向を揃えて植えれば、隣の葉っぱ同士が重なり合わないのです。整然とした見た目の花壇を作れますよ。
水仙の育て方3.植え付け後の手入れ
3-1、水やり
水やりの基本は、「土の表面が乾いたらたっぷり」です。 鉢底から水が流れ出るまで、たくさん与えてください。 植え付け直後の水やりも同様です。
3-2、冬の水やり
冬の間も、土が乾燥しているなら水やりをします。 特に忘れがちなのが、大杯系、大輪系と呼ばれる種類。 これらの水仙は、春まで葉っぱを出しません。 土に埋まっているからといって、忘れないようにしましょう。
水仙の育て方4.花が終わったら
4-1、花がら摘み
水仙の花が終わったら、花がら摘みをします。 このとき、葉はまだ残しておきましょう。球根に栄養を蓄えさせるためです。見た目は見苦しいですが、花と一緒に処分するのではなく、植えっぱなしにします。 ですがもし、 「来年以降は植えない」 「見苦しい葉を残しておくなら、新しく球根を買う」 というのであれば、引き抜いてしまってかまいません。
4-2、2~3年に1度、球根を掘り出す
水仙は球根を植えっぱなしにしていれば、 来年以降も花を咲かせてくれます。 ただし、2~3年に1度は掘り出してあげると良いでしょう。 掘り出す時期は花が終わったころ。だいたい夏です。6月の上旬がおすすめ。
4-3、球根を増やす
水仙の球根を掘り出すと、 「分球」といって、もともと植えた球根にくっつくようにして新しい球根が増えている場合があります。 分球している球根は、一旦保存せず、そのまますぐに植えてしまいましょう。 親の球根から手で切り離し、植え付けます。
4-4、球根の保存方法
掘り出した球根は、一旦陰干しにします。 その後は秋まで保存しましょう。 保存場所は、ジメジメしておらず、風通しの良いところを選びます。
水仙の花が咲かない!? 原因は?
植え付け後は寒さに当てる
冬の間、水仙はどこに置いていましたか? 水仙の球根は、冬と春の温度変化を感じ取って芽を出します。 なので、植え付け後は一定の寒さに当てる必要があるのです。 水仙の植え付けが終わったら、鉢は屋内に取り込まないでください。 外に置き、数ヶ月寒さを感じさせます。春が近づいてくると、徐々に温度の変化を感じ取り、花を咲かせてくれるはずです。
覚えておきたい、水仙の特徴や種類
水仙の原産地
地中南部の海沿岸地方が原産地だとされています。 水仙はとても歴史の古い花。 古代ギリシャ、古代エジプトでも愛されていました。
1万種以上!? 膨大な水仙の品種
水仙には膨大な品種があります。 その数、なんと1万数千種! 「そんなにあるの!?」という感じですよね。 しかも、今でも新しい品種が追加登録されているんです。いったいこれから先、どれだけの数になるのか……。水仙の歴史の長さと、現代に続く人気ぶりをうかがわせます。
人気の種類は?
水仙の中でも人気なのが、 ラッパ系、大杯系、小杯系、八重系と呼ばれる種類たち。 これらの水仙は世界的に広まっています。
日本水仙(ニホンズイセン)
日本に自生する「日本水仙」という種類があります。 この日本水仙のルーツも、ヨーロッパだと考えられています。中国に伝わったものがさらに日本へと渡ってきた、海に流されて日本列島へと辿り着いた……等々、諸説ありますが、あまりはっきりしないのが現状です。 日本水仙は、ヨーロッパで品種改良された豪奢な種類と異なり、やや質素な印象。 でも、決して見劣りするというわけではありません。庭にそっとたたずむ日本水仙からは、背筋の伸びるような品が感じられます。1輪挿しにすると、たいへん美しいです。
水仙のカラーバリエーション
水仙といえば白や黄色が有名。 でも、他の色もあります。 赤やオレンジ、ピンクなど……。 王道の白~黄色系を選べば上品な庭に、 赤やピンク系を選べば個性的なお庭になります!
水仙の伝説
水仙と「ナルシスト」の関係!? 美少年ナルシス
水仙には、「ナルシス(ナルキッソス)」という美少年にまつわる、ギリシャ神話の伝説があるんです。 ナルシスという言葉、なんだか聞き覚えがありませんか? そう、自分のことが大好きな人のことを揶揄した表現である「ナルシスト」ですね。この「ナルシスト」の語源こそが、ナルシスの伝説なのです。
水仙の語源? ナルシスの伝説
美貌の少年ナルシスは、女性からも男性からも愛されるほどでしたが、その美しさのあまり少し高慢なところがありました。自分しか愛せず、他人に冷たかったのです。 その態度が神からの怒りを買い、呪いを受けてしまいます。 最終的には、呪いのせいで自分水面に写し出された自分自身の美貌に惚れ込み、そこから離れられなくなって死んでしまいました。 ナルシスの死んだ場所には、水仙の花が咲いていました。 なので、欧米では水仙のことを「ナルシス」と呼びます。自分のことを愛して死んでしまっただなんて、「ナルシスト」の語源になったのも納得ですよね。
水仙の育て方まとめ!
最後に、育て方の要点をまとめます。 ・日当たりの良い場所に置く ・深めに植え付ける ・植え付けたら外に出し、寒さに当てる ・土が乾いたら、たっぷりと水やりをする 初心者さんが押さえたい基本は、この4点です! 開花期は品種によって多少異なりますが、 多くは春の初めに咲き出します。 待ち遠しいですね。 水仙は、特別な肥料や土を必要としない植物。初心者さん向きです。 誰にでも栽培可能で、1輪の鉢植えでも美しいです。 ぜひ挑戦してみてくださいね!