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ギボウシ(ホスタ)の育て方!長く育てるコツとは?【植物図鑑】

主に葉っぱが観賞用として愛されているギボウシ。アメリカでとっても人気があるんですよ!多くの園芸品種があって、葉の色や形も多種多様だから、寄せ植え、グランドカバーに最適です。ギボウシは日陰もOKなので、シェードガーデンにもぴったり!育て方を詳しくご紹介します。
2020年8月27日
gauyorim
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目次

ギボウシとは

日陰でも綺麗に育つので、シェードガーデンにうってつけ! 多年草で美しい花を毎年咲かせてくれますが、何より葉っぱの鑑賞価値が高いリーフプランツです。 種類がとても豊富なため、お庭や寄せ植えで大活躍してくれます。 大型種、中型種、小型種とサイズも色々あるので、用途に合わせて育てられますよ。 草丈は種類によって、15cm〜150cmぐらいになります。

科名

『キジカクシ科リュウゼツラン亜科ギボウシ属(ホスタ属)』 植物の分類体系によっては、ギボウシ属はユリ科とされていました。 または、クサスギカズラ科の分類になることがあります。 かつてはフンギア属にされていたこともあって、欧州ではフンギアで通ることも。

学名

『Hosta(ホスタ)』 オーストリアの植物学者である「N.T.Host」と「J.Host」からきています。

花名由来

橋柱の上についている玉ネギみたいなモチーフを「擬宝珠(ギボウシュ)」といいます。 ギボウシのつぼみがこの擬宝珠に似ていることが花名の由来です。 (ギボウシュ)が訛り(ギボウシ)になりました。 アメリカでは「ホスタ」での呼び名が一般的で、最近は日本でも同じ呼称になってきています。 ただし英語名は「plantain lily」です。

ギボウシ/花言葉・開花時期

花言葉

「落ち着き」「沈静」「静かな人」 物静かなイメージなんですね。

由来

白と紫の爽やかな花色と、茎に花がたくさんついた姿が由来とされます。

開花時期

開花時期は、6月〜9月、梅雨・初夏から初秋にあたりますね。 でも花が見頃になるのは、7月〜8月の夏場です。 花がつく茎は真っ直ぐだったり斜めだったりします。 種類によって長さも違ってきますよ。

ギボウシ/品種・原種

種間雑種を作りやすいため、多くの園芸品種が生まれています。 分類は常に動いていて、非常に複雑な状態です。 園芸に使われやすい品種のうちの2系統をご紹介しますね。 「オオバギボウシ」と「コバギボウシ」です。 育て方はほぼ同じですが、名前の通り、オオバ(大葉)、コバ(小葉)というようにサイズが異なります。

原産地

日本を含めた東アジア


分布域

原産地の東アジアには野生種が自生し、合計で40種ほどが分布しています。 日本では、山や林の湿った場所や、崖、草原など色んな場所で見られますよ。

葉っぱがメインのギボウシですが、花も美しいのです。 細長い筒のような花を長い茎にたくさんつけます。 色は白と紫が多くて、芳香もあります。 咲いた花ははかなくも1日で終わってしまいますが、次に待つ花がどんどん咲いてきます。 花蜂によって受粉が行われます。 蕾(つぼみ)の接合部分にある苞(つと)は、野生種を分類する上でのチェック箇所の1つになります。

ギボウシ/特徴

ギボウシの一番の特徴は、何といっても葉っぱです。 カラーリーフとして重宝されています。 5月〜11月頃に綺麗な葉っぱを観ることができますよ。 品種によって、大きさ、つや、しわ、班入りなどに違いがあります。 そこが面白いところなんですね。

葉と花のどちらを取るか

葉を優先して半日陰で育てると、花つきは悪くなります。 花のために日当たりの良い環境で育てれば、葉色は薄くなります。 悩ましいところですね。 いっそのこと複数を育てて、どちらも楽しんじゃいましょう!

食用のギボウシ

ギボウシの他の特徴として、食用ということが挙げられます。 日本に自生しているギボウシの若芽や若葉が、山菜として食べられています。 この山菜の呼び名は地域によって様々あります。 「ウルイ」「タキナ」「ギンボ」などなど。 特に山形県では食用で栽培され、主な産地になっています。

ギボウシの山菜としての使われ方

クセのない味わい、ほのかなヌメリと食感が好まれていて、幅広い料理に使われます。 お漬物、和え物、炒め物、味噌汁、混ぜご飯やお寿司、天ぷらなど。 山菜蕎麦やうどんなどにもいいですね!

毒草に似ているので注意!

自分で山菜狩りに出かけ、ギボウシだと思って採取するのは危険です。 毒草の「バイケイソウ」にそっくりなので、間違って食べてしまうことがあるからです。 バイケイソウは、目眩や吐き気、下痢、痺れといった症状を引き起こします。 または死んでしまうケースもあるほど強い毒性があるので、注意しましょう。 ニュースでも取り沙汰されることがあります。

ギボウシ/育て方・栽培方法

難易度

初心者の方でも簡単に育てられる植物です。 耐寒性と耐暑性に強いですが、きつい日差しを嫌います。 でも半日陰、日陰に耐えるので、普通の植物が育ちづらい場所でもよく成長しますよ。

時期

ギボウシを育てる上で、それぞれの管理には適期があります。 ●種の採取は、10月〜11月。 ●種まき、植え付け、植え替えは、2月〜3月、9月〜10月。 ●肥料を施すのは、4月〜6月と、9月〜10月。 この期間をもとに実行していきましょう。


植え付け

鉢植えには小さな品種、地植えには大きな品種が合います。 鉢植えする場合、苗よりもちょっと大きめな鉢にします。 鉢へ鉢底ネットを置き、鉢底石を敷きます。 水はけの良い土を入れたら、苗を植え付けます。 地植えは、苗同士の間隔を十分にとりましょう。 苗2つ分ぐらいが目安です。 最も適した場所は、午前中は日当たりが良く、午後は日があまり当たらない所です。

種まき

種まきの場合、花が咲くのに3年〜5年の期間を要します。 それに親株と葉っぱの模様が同じでないこともあるんです。 1から育てたい、どんな姿で成長するか考えながら待つことを楽しみたい、という方におすすめです。 育苗ポットへ赤玉土か鹿沼土のみを入れ、種をまいて水をたっぷりあげます。 水を切らさないように管理し、発芽後は2週間に1回、液体肥料を施します。

水やり

水やりは、基本的に控えめで大丈夫です。 鉢植えなら土の表面が乾いてから、ふんだんに水やりします。 地植えでしたら、夏以外は特に水やりの必要はありません。 ですが土が干上がり、ギボウシも元気のない様子ならたっぷり水を与えてください。 地上に出ている部分が枯れてくる晩秋〜冬の期間は、ほとんど水は要りません。 土が乾ききってから何日か経過後にあげるくらいで十分です。

肥料

肥料はそれほど欲しません。 ギボウシの状態に応じて、施す適期に毎月か月1回、固形の油かすをあげてください。 5号鉢でしたら、5〜6個ほどの量を土の浅い部分へ軽く埋め込みます。 9月〜10月は油かすではなく、固形の骨粉を同量与えても効果があります。

剪定

横には広がっていかないので、特に何もしなくて大丈夫です。

増やし方

種まきと、株分けで増やせますよ。 株分けは植え替えの際に行います。 1株あたり3芽以上にして切り分けていきます。 園芸ハサミやナイフを使いましょう。 植え付けと同じ方法で育てられます。

場所

明るい日陰で、乾燥しすぎない場所がいいですね。 日当たりがいいと、葉焼けしてしまいギボウシの良さを引き出せません。 夏の直射日光には特に注意しましょう。 それから完全な日陰だと花がつきづらくなってしまいます。

植え替え

鉢植えの場合、1年か2年に1度の頻度で植え替えをします。 植え替えをしないと成長と共に根が張って、根詰まりすることも。 根に付いている土を少し残して、これまでの鉢よりも大きな鉢へ移しましょう。 地植えの場合は、4年か5年に1度、植え替えてあげましょう。 そのままだと成長した株が混み合って、生育に悪影響が出てきますよ。

種の採取

種は売られていないので、自分で採取しなければなりません。 秋に熟した果実から種を採取できます。 そしてバーミキュライトか、よく洗った川砂を湿らせて、そこに種を入れ冷蔵庫で保存します。 こうすると発芽を揃えることができます。 翌年の2月〜3月になったら、種をまいていきます。

適した土


水はけが良く、ある程度の水分を保持する土がベストです。 鉢植えするなら、赤玉土小粒5割、腐葉土3割、川砂2割にした土がいいですね。 草花用の培養土も適しますよ。 地植えには、腐葉土をまぜます。 水はけが心配なら川砂を加えましょう。

冬越し

ギボウシは冬になると地上に出ている部分が枯れる状態になります。 根の部分だけが冬越しをするんですね。 春に新しい芽が出てきますよ。 耐寒性がありますので、特に何もしなくて大丈夫です。

病害虫

病気や害虫の被害にあうことがあります。 ウイルス病は、葉っぱがゆがんだり縮れたり、黒い斑点が出たりします。 白絹病は、土付近が糸状のものに覆われて、次第にギボウシは枯れていきます。 どちらも治すことができないので株ごと処分し、土は消毒しましょう。 アブラムシ、ナメクジ、ネコブセンチュウなどの害虫が発生したら、すぐに退治します。

ギボウシの園芸品種

日本では江戸時代に園芸品種が作られ、シーボルトによってヨーロッパへ伝わりました。 それからアメリカに渡り、人気を博して様々な品種が生まれていきます。 日本で売られている品種の多くは欧米からの逆輸入になるんですよ。 日本で生まれた品種は小型のものが多く、こちらも愛されています。

アメリカで大人気

ギボウシは、庭木として欧米で大注目されています。 特にアメリカでは大型の品種がよく使われていて、アメリカホスタ協会なるものが存在します。 ホスタはギボウシの学名ですね。 そしてこの協会では、毎年「ホスタ・オブ・ザ・イヤー」という賞を優秀な品種に与えています。 日本にも「日本ぎぼうし協会」があるほど、ファンの多い植物なんですよ。

品種で使い分ける

大型種なら1つだけで育ててみたり、小型種はグランドカバーにしてみたりと色々使い分けをしてみるのもおすすめです。 葉色は、お庭のテイスト作りに貢献してくれます。 濃い色の葉を集めれば落ち着きのある雰囲気が出ますし、明るい色は賑やかな印象になります。 緑色はナチュラルガーデンによく合いますよ。

まとめ

耐寒性と耐暑性に優れ、日陰でも元気に育つギボウシ。 空きがちな日陰のスペースをカバーしてくれます。 葉っぱがとても魅力的で、お花もかわいいという素敵な植物です。 多くの品種があるから、思いのままに庭を作り込めますね。 日差しと乾燥に気を付ければ簡単に育てられますので、ギボウシにぜひトライしてみませんか!